地デジ&ワンセグを見る


地デジ本放送が開始され、送信出力もアップされた。

そこで横浜(国道16号線の少し外側)でどの程度受信で

きるのか実験してみることにする。

ちなみにワンセグ放送受信機能内蔵の携帯電話では、横

浜駅周辺でも地上でそれを見るのは少々辛い。ビルの上

などの窓際であれば十分に映るが、場所によっては全く

映らなかった。

地デジの実験だが、まずは簡単なループアンテナを作っ

てチューナに接続してみることにした。

※猫はアンテナの一部ではない

アナログテレビであればこの程度のアンテナでも何とか

画像は見られるロケーションなのだが地デジは全く駄目

だった。

そこで仕方なく?5エレのUHF用八木アンテナを立ててみ

ることにした。

5エレでは心許ない感じもしたが、大げさなアンテナを

立てるのも何だかなぁと言う感じ。

ちなみに電気屋さんに設置を頼むと15エレとか20エレメ

ントの巨大アンテナを勧められるらしい。

とりあえずこのアンテナで映るかどうか試してみると、

だいたいのチャネルが不安定ながら受信できるようにな

った。不安定というのはアンテナの方向がクリチカルと

言うことではなく(5エレなので半値角は大きい)、そも

そも電界強度がぎりぎりなので映る場合もあるがブロッ

クノイズにまみれる場合もあるという感じだ。

そこでブースタに頼ってみることにする。

5エレ八木のゲインは5dB程度だと思うのだが、ケーブル

ロスでその多くを失っているはずだ。この状態での電界

強度表示は48(dBμだろうか)を表示している。

そこでプリアンプ(ブースタ)をアンテナ直下に設置した。

何故プリアンプをアンテナ直下に設置するかと言えば、

それはS/N比を向上させなければ全く意味がないからである。

つまり、アンテナで受信した信号は同軸ケーブルでロスす

る訳で、その弱くなった信号を増幅したのでは十分なS/Nは

得られない。

考えてみていただきたい。

例えばロスが10dBのケーブルがあったとする。これに10dB

のゲインを持ったアンプを入れるとケーブルロス分が補える。

目的信号がノイズより10dBだけ高い信号を10dB増幅すると

目的信号はノイズより10dB大きくなって20dBとなる。

(アンプのノイズはゼロとする)

もしケーブルの後ろにアンプを入れたとすると、信号がノイ

ズより10dB高いところに10dBのロスのケーブルを入れると

信号とノイズの比は0になってしまう。

そこに10dBのアンプを入れても、ノイズと一緒に信号が増幅

されるだけなので信号とノイズの比はゼロのままだ。

従ってアンプは出来るだけアンテナの近くに入れるべきである。

と言うことでアンテナ直下にゲイン30dB,NF<2dBのアンプを

入れたらチューナでの電界表示が68に上昇した。

30dBのアンプを入れたのだから48→78に上昇しても良さそう

なものだが、もしも電界表示を有効信号と雑音の比で表して

いるとすれば(アンプのNFが2dBなので)こんなものかも知

れない。

アンプのノイズがゼロと言うことは無く、アンプ自体からも

ノイズが出ているのでS/N比はゲインの分だけ上がるわけで

はないのだ。

この程度の電界であれば地デジは十分に楽しむことが出来る。


次にワンセグの受信に挑戦する。

ロジテックのものに比較するとバッファローのそれはずごく小さい。

これらはUSBインタフェースのワンセグチューナで、バッファ

ローのものはUSBメモリ程度の大きさで扱いやすいし携帯も楽だ。

通常はロッドアンテナで使用するが、ロッドアンテナを引き

抜いて外部アンテナ(アンテナは付属している)を使うことも

出来る。

ロジテックの方はロッドアンテナ内蔵式で外部アンテナ端子は

付けられているがアンテナは付属していない。

さっそくPCにこれを接続してみたが、予想どおり何も映らな

い。

まずは外部アンテナの付属しているバッファローの方から試

してみるが、付属アンテナでは満足には映らなかった。

(音声は出る)

そこで地デジのブースタからのケーブルからワンターンコイル

経由で結合させてみるとちゃんと受信できるようになった。

付属のソフトはチャネルや放送局表示、EPGなどに対応してい

て使いやすい感じだが、表示部はWindowsMediaPlayerを使っ

ているのか画面キャプチャが出来なかった。

このソフトはあまり安定ではなく、ビデオ能力の低いPCでは

エラーを出して落ちてしまう。

同様にアクセラレータの設定を下げておいても異常終了する

ケースが目立った。

いったん異常モードになってしまうとチューナを抜いてソフ

トを再起動しないと回復しなかった。

アクセラレータを下げたかったのは、mobile2pcで見ようと

したときに画面が真っ黒になってしまうためだ。

しかし残念ながらその設定で安定動作させることは難しく、

mobile2pcとの組み合わせでは使えないようだ。

ロジテックの方は少し様子が違い、番組名や放送局名が出

ず周波数とチャネルが表示されるだけで使いにくい。

こちらは画面キャプチャできる。

ロジテックの方は録画が出来ないので、この辺りに

違いがあるのかも知れない。

ロジテックの方はアクセラレータのレベルを下げることなく

mobile2pcで携帯電話に表示できた。

HSDPAエリアならば25fpsで観ることが出来るので、この場合は

まさにワンセグを見られる事になる。

しかしフレームレートが遅くPC側に待ちが発生するとロジテッ

クの方が画像を更新しなくなるようだ。

ただmobile2pcの方も異常終了する場合があり、この原因が何で

あるのかは不明である。

この辺りが解決されればワンセグエリア外や地下街でも携帯電

話が圏外にならない限りはワンセグ放送を受信できるので、

災害時のニュース取得などには有効だと思う。

このロジテック製で最も気になるのは画像と音声の遅延量の違いだ。

画像と音声のタイミングが合わないのは結構気になる。

逆にバッファローの方はアスペクトレシオがおかしいのが気になる。

ロジテックの方はソフトのバージョンアップがあるとのことな

のでこの辺りの改善に期待したい。

ワンセグUSBアダプタにしろワンセグケータイにしろ、その受信

エリアが広がればメリットはあると思うのだが、現状で安定に

受信できるのは山手線の内側程度だと思った方が良さそうだ。

カーナビの地デジチューナはかなり感度が上げられている(

その代わり携帯電話で妨害を受けることがある)ので国道16号

線の外側でも受信可能ではあるが、携帯機器だとアンテナの関

係もあって難しいのかも知れない。