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CDI(19)


  • Posted by: F&F
  • 2012年4月13日 13:02

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放電ギャップをどのくらいにするのかは悩む所だ。
圧縮下に於ける1mmは大気圧での10mmに相当するなんて話もある。

パッシェンの法則に従えばV = f(pd)だから圧縮圧力が10kg・cm2ならば大気圧の10倍、すなわち7mm程度のギャップを放電させる事に相当する。
スカイウエイブのコンプレッションは12.5kgf・cm2〜16.5kgf・cm2となっている。
すると8.75mm〜11.55mm位になるので大気圧中での放電ギャップは約10mmにした。
大気中での放電破壊電圧は約20kVになるはずだ。

二輪車では0.7mm〜0.8mmギャップのプラグが多いが、最近の低燃費四輪車では1.1mmギャップがスタンダードな感じがする。
自動車の場合は回転レンジが低いのでコイルの巻き線比を増やすなどして発生電圧を上げた設計が多いのだろう。
またダイレクトイグニションが普通なのでドエル時間もそれなりには取れる。
二輪車の場合も適切な点火制御が行われていれば(単気筒4ストロークなら)ドエル時間が取れる(自動車のダイレクトイグニションと同じ)が、スカイウエイブもシグナスもクランク軸360度ごとに火が飛んでいる(2ストローク単気筒と同一)のでドエル時間が厳しい。

放電ギャップ10mmの状態だと誘導放電の放電時間が400μSに減少する。
画像は左上がそれで、右上は実際の放電の様子だ。
プラグの中心電極を細くして放電開始電圧を下げる事は放電ギャップを小さくするのと等価であり、放電時間の延長効果がある。
しかし電極を細くすると耐久性が失われ、その為にプラチナやイリジウム、さらにはルテニウム配合電極などが開発された訳だ。

画像左下は2.2μFの放電用コンデンサを使ったCDIの波形である。
黄色の二次電流波形スケールも、水色の一次電圧波形のスケールも誘導放電時と同じにしてある。
勿論横軸も同一だ。

これを見ると放電時間に大差はなく、ピーク電流はCDIの方がずっと大きい事が解る。
また複合放電化を試みるには、負荷状態でもっと誘導放電時間の長いコイルが必要だ。

二次電圧の絶対値、つまり放電ギャップの広さの限界は誘導放電でも350VのCDIでも余り変わらなかった。
もちろんCDIの出力電圧を上げていけばコイルが絶縁破壊するまで電圧は上がる。
なお今回の実験では多くのパーツの耐電圧が600V前後なので、限界はそこになる。

   

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