住み替えへの道(3)


心配していた公庫申し込みも期限ギリギリで間に合った。
これで約1.9千万円の公庫融資が受けられる。
(他に銀行融資も必要だ)融資が決まると着工になるが、地鎮祭が11月27日に行われて翌週から工事開始の予定だ。
標準仕様から変更した部分の見積もりも出た。
クロスの仕様変更は意外に高価で、単位長さ辺りの価格差が少ないからと安心していたら部屋全体になるから1部屋10万円ほど余計にかかった。
見積もりを見て変更を取りやめたくなったほどである。
しかも主寝室+ウォークインクローゼットの10畳相当(クロスはサンゲツ製)より、6畳相当の子供部屋(クロスはルノン製)の方が余計にコストがかかったのが何故か悔しい。
クロスなど5〜10年で張り替えなのに、ちょっと贅沢しすぎたような気になってしまった。
他に単価の高いものは床暖房とクーラか。
クーラは量販店で買うよりは少々高めだが、後工事で付けるよりも良いと思って三菱(重工)製をLD用に2台(4KW+2.8KW)追加した。
実は室外機の一台を目立たないところに置きたいので、配管を少し長くしなければいけない。
量販店で工事を頼むと標準配管工事以外になると工事費が急に高くなったりする。
その配管は一旦上に上げて家の北側を回すような格好になる。
本当は全部の室外機を北側に集めたかったのだが、リビングの4KWのものと主寝室用の2.8KW(日中は冷房能力が不足するだろうが、寝室だから)は配管延長で効率低下もシャクなので家の西側に配置する。
三菱製(重工も電気も)エアコンはウチでは故障したことがないので気に入っている。
ちなみに三菱電機の携帯電話やPHSは最低最悪だけど。
耐久消費財は安く買っても故障が多いと結局高いものになってしまう。
エアコンなど10年くらい使うのが普通(今の家でも三菱製の1台は引っ越しを経験しながら13年も使っている)だからイニシャルコストには目を瞑ることにした。
今住んでいるところから移設するエアコンは最近買った三菱製が1台と富士通ゼネラル製を1台の予定だ。
温度制御仕様に疑問が多く音がうるさい日立の2台は持っていかない。
よって2〜3台は新規購入しなければいけないが、これは量販店で安いものを探そう。
サスガに全室三菱や松下製を奢るほどの余裕はもはや見つからない。
2.2Kwクラスなら故障修理費用と買い換え費用が同じくらいになる場合もあるので安物でも良いかな、って感じだ。
日立製も今は良くなっているのかも知れないが、一度イヤな経験をするといくら安いとは言っても同社製を買いたくなくなるキモチは解って頂けるだろう。
何せリビングの2.8KWは室外機の基板交換と室内機のシロッコファン交換で5万円以上の修理代を払っている。
寝室の2.2KW品も温度プロテクタ不良が起きたのだ。
(部品を買って自分で修理)畳み下収納(電動で畳が少し浮き上がるらしい)も高かった。
が、約1畳分の畳み下収納は魅力である。
湿気の関係で布団などを入れておくわけには行かないだろうが、掃除用具や夏場使わないファンヒータなら十分しまっておける。
収納を追加することによって畳は普通のものに変更された。
元々は表面が畳で内部はフェルトと木で出来た薄いものだったのである。
とにかく収納に使えそうなスペースは全て活かす設計にした。
床下も階段下も、である。
ただし天井裏は使っていない。
上り下りが面倒なのと、夏場はかなり高温になるためだ。
それでも収納の全面積が8畳分以上取れたから良いとしよう。
追加工事費は合計で300万円ほどになったが、これでも1割以上は値切っているのだ。
ちなみに照明器具は定価の75%程の価格で工事費込み、エアコンは定価の約半額で工事費込みである。
費用の面だと他に外構工事が200万くらいはかかるだろうか。
間口6mのカーポートとカーゲート、塀だって作らなければいけない。
実は外構関係の物を安く売っているところを見つけたのだ。
カーポートなど全メーカ6割以上引いてくれる。
6割引だとすればカーポートとゲートが100万円くらいでおさまるかも。
これは後日見積もりを取る予定。
照明器具やカーテン、家具の買い換えなど(キッチンの食器棚は作りつけにしなかった)でも100万くらいは見ておかねばなるまい。
食器棚を作りつけにする場合と別途購入する場合で費用はさほど変わらないようだ。
作りつけなかったのはキッチン奥に冷蔵庫専用スペースを作ったためで、ここに大型?冷蔵庫を運び入れるためには、作りつけだと棚が邪魔になるかも知れないのだ。
食器棚のスペースは横幅3mなので、これに合わせて食器棚を選ぶことになる。
目を付けたイタリア製はサスガに高くて手が出せなかったが、その代わりというかダイニングテーブルは大理石の物を選んだ。
別にイタリアが好きな訳じゃないけどね。
最近の石製品は表面に樹脂コーティングがされているので汚れや耐久性の面でもさほど不安はない。
値段的には高級木製と同じくらいか。
ただし輸入物は在庫が無くなると取り寄せに数ヶ月を要するとのこと。
また石目(模様)は2つと同じ物がないので、気に入った柄のテーブルがいつでも手にはいるとは限らない。
そこで現在家具屋に在庫のあるテーブルを見せて貰って決めてしまった。
来年までは家具屋で預かって頂く。
ここまで来ると金額を見てめまいがするなんてのは通り越して、どうにでもなれって感じ。
でも、どうにもならなくなったらどうしよう..と我に返って思うことも一度や二度ではない。
豪華な馬車に乗るのは気分が良いに違いないが、豪華になって重量が嵩んだ馬車を引く馬のキモチが分かろうというモンだ...爺さんになるまで抱え込むローンは肩に重くのしかかる。
おそらくはチビが嫁に行った後もローンを払い続ける事になるだろう。
これは家を建てたオトーサンに共通するキモチかも。
日本の経済が好転して、実質収入が上がることを望む以外に希望の道はない..ってのもちょっと寂しいかな。
マイホーム建築系サイトでは余り金額のことは記されていない。
だから何がどの位の費用になるのか、それが妥当なのか否かも良くわからない。
で、F&Fでは多少なりとも参考になるように金額を書いていこうと思う。


契約した土地の一部に電柱の支線?がかかっている。
電柱自体は隣の家の前になるのだが、それを支えているステーの一部がちょうど駐車スペースの入り口に重なる。
で、東京電力に交渉して移設(撤去?)して貰うことにした。
費用は2.5万円ほどかかるらしいが、それは売り主の負担で済む。
今のスケジュールで行けば11月27日には地鎮祭(地鎮祭パックがあって4.5万円だとか)が行われ、翌週から工事が開始される。
詳しい日程表は後日貰えると言うことだが、たぶん基礎工事で年内の作業は終わりになるだろう。
この土地には某会社の寮(鉄筋3階建て)が建っていた関係で、その基礎部を壊すのに地面を掘り返している。
地面は一旦掘り返すと強度が弱くなるので地盤補強を行うと言うことだ。
補強は地盤を硬化させるやり方でφ600×2000mmの円筒状に硬化地盤を作る。
これが基礎の下に30箇所余り行われる。
基礎自体は木軸工法のそれと異なり、家の外周+中央を分けるように1カ所だけ(「日」の字のごとく)だ。
この基礎の上に重量鉄骨の構造材が乗って家を支える。
基礎は深さ40cmで地中の基礎の幅は300mm、地上に出ている(重量鉄骨の乗る)部分は140mmだ。
この他に耐荷重の大きな基礎が独立して作られていて、これは地中の大きさが800mm角で地上に出ている部分が250mm角と結構大きい。
基礎は全面コンクリートで基礎の内側には1カ所しか仕切られた部分がないから、風通しは良いだろう。
床までの高さも60cm以上あるので物置に使えそうである。
床下に照明を付けて鉄道模型の線路を張り巡らす..趣味はないけど、こんな事も可能かも知れない。
砂埃は容赦なく入ってくるけどね。
屋根裏もスッキリしている。
図面を見る限り等間隔に鉄骨が入っているだけだから、鉄骨の上に板を乗せれば屋根裏も収納に使える。
今住んでいる家の屋根裏は(木軸工法なので)間取りに合わせた感じで柱がニョキニョキ立っている。
これらの図面16枚に加えて、耐荷重600Kg以上と指定した水槽置き場の図面も上がってきた。
水槽台は基礎部から立ち上げる形で、90cm水槽を横に2つ置ける1900mm幅とした。
奥行きは水槽が450mmなので5 00mmにしてある。
柱は4隅+中央付近の6本で60mm角のものが立つ。
天板は30mm厚の集成材と30mm厚の発砲ポリエチレン。
発泡ポリエチレンは水槽台の内部遮蔽にも使われている。
床からの高さは800mmで床下には水槽クーラを置けるスペースを作った。
給排水及び専用電源も床下に取り付けて費用は15万円ほど。
水槽台の前面には部屋の建具に合わせた色の扉を付け、外周はクロス張りにした場合の値段だ。
市販の水槽台を買って床に置くよりは高価(家具調水槽台よりは安価)だが、水槽クーラは騒音と排熱の為に室内には置けない。
従って最低でも床下にクーラ設置場所を作る必要があり、それを考えると水槽置き場を作りつけた方が得策だろう。
今は水槽を玄関に置いているので、玄関を冷房して水槽クーラの排熱を吸収している。
しかし今度は居間に置くことになるので、夜間や不在時にクーラを付けておくのは電気代の無駄が大きすぎる。
もっとも梅雨時で気温の高い時には部屋を冷やしておかないと水槽ガラス面に結露が発生するのだが。
図面を見ていると殆どの部材には品番が打たれていることが分かる。
つまり工業製品の組み合わせによる「組立キット」なのだ。
これがプレハブ系住宅の特徴というか作り方で、2×4にしてもパネルなどは殆どが標準仕様である。
ウチの場合には「四角い」家ではなく、一部分南側に張り出した形にしたため、その部分の屋根の接合部だけは標準品では間に合わなくなった。
鉄骨構造の場合は総二階の四角い家が標準である。
2×4はパネル単位の組み合わせなので四角くない家でも容易に建築できるが、その代わり大きな開口部は取りにくい。
ちなみに高耐久+バリアフリー(ウチの場合はこれ)とか、2×4(2×6)で高気密設計にすると、公庫融資額が増額される。
2×4の高気密住宅ではアクティブ換気を行う(それほど気密性が高い)オプションが用意されているメーカもある。
ラーメン構造では通し柱や鉄骨接合部の膨らみが出るのが普通だったが、最近は通し柱の要らない鉄骨ラーメン構造の建築も出来るようになった。
ウチの場合には鉄骨パネル構造なので、従来のラーメン構造のような梁の出っ張りは無い。
いずれの建築法にしても、公庫融資の増額が行われるように設計するのが最近の傾向のようだ。