インバータ蛍光灯に改造する


熱帯魚水槽の90cm化に伴って大型の照明器具が必要になった。
90cm水槽の横幅に合うものは32Wの直管で、ADAと言うメーカの器具を2つ使用すると水槽上部には6本の蛍光管が並べられる。
が、コイツは高価で重くて熱い。
高価(だから1個しか持っていない)は仕方ないとして、重いのと熱いのが気に入らない。
水槽の水を換えたりするときに照明器具を外さなければいけないが、この時に重さが堪えるのだ。
オマケに内部にあるグロースタート用安定器は手では触れないほど熱くなっている。
これはパワーの無駄に他ならない。

そこでインバータ改造を試みることにするが、前回のように電球型蛍光灯の中身を使うわけにはいかない。
何故なら32W蛍光管に適合する電球型蛍光灯がないからだ。
ちなみに電球型蛍光灯(27W)の中身の回路でもたぶん32W管は点灯すると思う。
こちらの実験では34Wの蛍光管を点灯させているのだから。
(直管が点くかどうかは不明,何故なら円形蛍光管用の安定器は直管用のそれよりだいぶ小さい)しかし水槽用照明器具は明るさ優先と言うこともあり、そこで自作も考えるがトランスを巻くのも面倒だし部品コストも4千円くらいは行ってしまう。
ならばというわけで市販のインバータ安定器と称するものを購入することにした。
これなら配線だけで改造は出来るわけだし、何より信頼性が高い。
(2本用で1万円前後)それにちゃんとした32W用で安心だ。
改造にあたっては、ノーマル状態での消費電力と消費電流を測ってみることにした。
消費電力は電力計がないので分からないが、器具には117Wと書いてある。
(蛍光管は32W×3本なので合計は96W)電流を測ってみると1.79A流れている。
(だからといって179Wを消費しているわけではない)
写真上側の白い固まりがオートトランスタイプの安定器だ。
ちなみにこの器具で使用しているA
Aの蛍光管はグロー点灯の場合には6ヶ月で光量が急激に落ちると書いてある。
今回使用したインバータは蛍光管寿命を延ばすのも目的であり、メーカの能書きによると最大で(グロー点灯の)3倍の寿命があるという。
さっそく安定器を外して(凄く軽くなった!)インバータを取り付ける。
インバータには1灯用もあるが、2灯用とたいして値段は変わらないので2灯用を2個使って片方の方チャネルは余らせておくことにした。
将来的にもっと明るさが欲しくなれば、蛍光管ソケット位置を移動&追加して32W×4灯として改造も可能だ。
(位置決め中)横幅高さ共に鉄製の安定器と同じようなものだが、長さは倍くらいある。
ちなみにインバータ1個で2本までの蛍光管を点灯させることが出来るから、トータルの寸法としては安定器と変わらない。
改造が完了したので電流測定を行う。
力率は99%以上となっているので、790mAは消費電力79Wと読んで良いだろう。
管電流はグロー点灯時と同じに合わせてあると言うことなので、カタログ通り実に30%以上の節電効果となった。

消費電力低減による電気代節約は大したこと無いかも知れないが、一日7時間ほど点灯させているので気分的には違う。
それより蛍光管の寿命が(能書き通り3倍でなく)2倍くらいになってくれれば、1年で元が取れる計算だ。
ADAの照明器具は1台のみなのだが、コトブキの2灯用照明器具がある。
これは30W直管2本が中央寄りに取り付けられているもので、価格は安い代わりに両端が暗い(あたりまえ)
上に乗せてあるのが32W管で30W管より200mm長いのである。
コイツもインバータ改造を行うことにするが、ランプ用ソケットの取り付け位置を片側100mm移動して32Wの2灯用にした。
ADAのものに比較すると鉄板はペラペラで、プラスチックのケースを外してしまうと情けないくらいフニャッとしてしまう。
が、その分軽くできているし、分解しない限りは鉄板の強度などどうでも良いことである。
(モノコックになっているため)ちなみに、こちらの方が安定器などへの湿気の入り方は少なくなる設計である。
ソケット移動にはハンドニブラーで鉄板を切る必要があるが、大型カッタナイフでも切れるくらい(切れるかどうか知らないけど)鉄板は薄い。
コイツは30WなのでADAの32W3灯より発熱は少ないが、それでも安定器は手で触れないほど熱を持っていた。
こちらの方は一日12時間点灯させているので、発熱減少と電気代節約と軽量化に効果は大きい。