グリーンレーザ


半導体レーザが世に出て久しく、赤色レーザダイオードは量産効果によってずいぶん安くなった。
これを利用したレーザポインタも数多く市販されていて、安価が故に子供がオモチャとして使用して目を痛めるなどの問題が起きた。
現在は様々な規制がかけられていて、市販品は1mW以下でボタン電池を使用しないもの(ある程度の大きさが必要という事)でなければいけない。
レーザポインタと言えば赤色が当たり前だったのだが、最近はより視感度の高い緑色のものも出現している。
もっとも国内で買うと数万円は下らないシロモノであるが、海外から買えば数千円で手に入る。
緑色を作るのは、800nm辺りの赤外線レーザをNd:YVO4かNd:YA
か分からないが、これによって1064nmに変換し、更にKT
で波長を半分にするというもの。
ちなみに、これら結晶には変換効率という概念もあれば変換されずに通過してきてしまう光もあるし、耐入力とか温度上昇とか、様々な要素が入り込んでくる。
写真は上の長いものがグリーンレーザポインタ、その下が数年前に買った赤色のもの、その下がグリーンレーザユニットとCR2リチウム電池である。

まずは数年前に購入した赤色レーザポインタの出力を測ってみる。
当時は規制がなかった事もあり、出力は3.0mWだった。
この時の消費電流は4.5V/30mAと、グリーンレーザの比ではない低電力動作である。
ちなみにオマケで貰った中国製のボールペン型レーザポインタは1.6mW程の出力、700円で買ったボールペン型のものは2mW程出ていた。
ちなみにこれらはレンズがついていないようなのだが、レンズ一体型のレーザダイオードでもあるのだろうか。
最近はLEDのような樹脂一体型パッケージのものもあるらしいし。
上のグリーンレーザポインタはストック状態で3.0mWの出力、チューニングを施す事によって7mWまで出力は上昇した。
(冷えている時は15mW以上出る)おそらく出力はもっと上がるとは思うのだが、7mW時の消費電流が380mAであり、ドライブ用赤外線LDがそろそろ限界なのではないかと思いここまでにした。
実は内部をバラして(チューニングしたのだから当たり前)いるのだが、出力測定などを組み立て状態で行ったために写真を撮る前に組み立ててしまったのである。
内部構造的には写真下のユニットと同様だが、ポンプLDの大きさが小さいのと、一部プラスチック部品になっていた事が相違点だろうか。
直径も出来合のポインタの方が小さく、電流あたりの出力が小さい事から結晶の大きさも小さいのではないかと思われる。
ちなみに3mWのものでも赤に比べると相当明るく目に見える。
約1Km離れたビルの壁面まで問題なく光は飛んでいく。
スモークが無くても光軸が分かると言えば、その明るさが理解出来るだろうか。
下のユニットはレーザポインタの中身ではないかと思われるものだ。
ただし出力向上策が採られた形跡があり、ストック状態での出力は10mW〜15mWと強力だ。


これも半固定抵抗によって出力調整が可能であり、消費電流400mAの時に57mWまで出力を上げる事が出来た。
ただし出力側にフィルタが入っているか否かは不明なので、赤外光が多少は漏れてきていると考えるべきかも知れない。

この表示はヘリウムネオンの波長(633nm)で校正された指示値であり、532nmのグリーン光のパワーに換算するには1.47倍しなければいけない。
39.14×1.47=57.5m
この57mWが如何に強力か言葉では表しにくいのだが、この光線によって熱収縮チューブを縮める事が出来ると言えば、その発熱具合が分かるだろうか。
レンズで更に集光すれば導電スポンジから煙を立ち上らせる事も出来る。
空に向けて発射すれば、例え靄などがかかっていなかったとしても、一筋の光が天に届く様子尾見る事が出来る。
さすがにこの出力だと長時間の使用では本体温度が上昇して出力が下がってくる。
おそらくポンプ用赤外線LDの出力は数百ミリワットに達していると思うから、LD自体の発熱、そして波長変換結晶の発熱もかなりのものになるだろう。
このユニットの直径はCR2よりも細い、13.3φ程度だ。
レーザポインタ化に、このCR2電池を選んだのは消費電流が大きいからである。
SR44(酸化銀電池)を2本使用してみると、負荷時には電圧が1.6V程度にまで下がってしまう。
CR2は公称容量750mAhらしいので、重負荷ではあるけれど電圧ドロップは許容範囲内だった。
ちなみに市販のグリーンレーザポインタの殆どはアルカリ単四電池仕様となっているから、CR2と電池容量自体は似たり寄ったりだろう。
(内部抵抗に関しては不明)これらを組み合わせてレーザポインタを作ろうかと思っているが、問題はケースである。
市販の規格パイプは肉厚がありすぎて、太く重くなってしまう。
だったらLED式懐中電灯を改造した方がスマートかなと思うのだが、実はLED式懐中電灯の方がレーザユニットよりも高価だったりして…これは今後のレポートとしたい。
市販品のレーザポインタの方だが、内部光学系がズレたのか、レーザのスポットがひょうたん型になってしまった。
と言っても数メートルの距離では分からず、テストベンチ(!)である1000m程離れたビルに照射して分かる程度。
もしかしたら買った時からそうだったのかも知れない。
対するレーザユニットの方は極めてシャープな点になっており、光学系もうまく働いているという事だろう。

LDを買って来て本格的自作にチャレンジしたい方にはこちらのプライスリストが参考になると思う。