Pentium2をLXチップセットで使う


Pentium2が登場して以来、しばらくはPentium Pro用?のチップセットが使われていた。
バス信号が似ているからドータボードを使って、Pentium2とPentium Proが使えるマザーもあるくらいだ。
そこにLXチップセットが登場した。
集積度を上げたBGAパッケージを使い、SD-RAMにも対応している。
このチップセットを使用したマザーボードを購入したのでインプレッションをお届けしよう。
マザーボード選択に当たっては、すでに使用している人々からの情報を参考とした。
有名どころのASUSに興味はあったが、ISAバススロットが2本しかないし..どうもマザークロックを上げると動作が不安定になる様子だ。
これにはチップセットとD-RAM間にバッファが入っていないとか言う理由もあるかも知れないが、逆にバッファの遅延がない分Waitを低く設定して有ったりする。
各信号ラインもスキュー対策のためにパターンを長くして(折り曲げて有る)調整していたりと、設計上の苦労もうかがえる。
確かにパターンの長さでスキューを調整することは必要なのかも知れないが、パターンの長さが一定である以上、遅延時間も一定となる。
Pentium2のマザークロックは現在の所66MHz以外はあり得ないから、ノーマルで使う分には障害とはならない。
ただし、マザークロックを上げて使おうとすると設計値から外れることになるだろう。
一方GIGA-BYTEのマザーにはそれらしきパターンがない。
代わり?にターミネータらしきC/Rが並んでいる。
どうやらこのマザーはマザーボードクロック100MHz以上でも動作するらしい。
と、言うわけで購入したのはGIGA-BYTEの686LXマザーだ。
お手軽&上品にクロックアップを楽しむためには、ノーマルののままクロック発生用ICの設定を変えて、マザーボードクロックを上げる手だ。
残念ながらこのマザーに使用されているIMI製のSC625は75MHz迄しか出力できない。
しかし75MHzであればメモリタイミングを最速に設定しても安定に動作するから、第一段階としては75×4.5=337.5MHz駆動でガマンすべきかも知れない。
これならICの端子を基板から浮かせてGNDに接続するだけで出来る。

(DIP-SWの上がSC652,隣に14.318MHzの水晶振動子が見える)CPUの能力?としては83MHz×4.5の375MHzが電圧アップの空冷で動作すると思う。
(或いは75MHz×5)その空冷だが、現時点で手に入るファンと言えば細長いヒートシンクの中央にPentium用と思われるサイズのファンが付いたものと、ヒートシンクの周りを金属板で囲ってチムニー構造にした2種類のみだ。
このうち、私が購入したのはチムニー構造でその中に空気を吹き込む形でファンが付いているものだ。

これがPentium2に実装してマザーに挿した状態なのだが、実は上下が反対だった..ファンは押し込みタイプで、熱せられた空気は上方に逃がさなくてはいけない。
そこで一回の通電後、逆さまにして実装しランニングテストを行うがやがて温度警報アラームが響きわたる結果となった。
温度センサ(サーミスタ)はCPUの脇(CPUやヒートシンクには接触していない)に実装されていて、BIOS設定による70℃か75℃でアラームがなる仕掛けだが75℃設定にしても簡単に鳴ってしまう。
もちろんこの時のCPUやヒートシンクは手で触れないほどの高温になっている。
(それでもちゃんと動作しているが)アラームを止めてしまえばいいのだが、この温度は少々気になるのでファンの強化作戦を実行した。

取り付けピッチが同じで12V用ファンを3つほど買ってきた。
お値段は1個500円,これをスタックに積み重ねて風量アップを狙うわけだ。
これらのファンは机上で回すと多少は空気が流れるのだが、ヒートシンクの隙間に空気を流すほどの静圧は無いと見える。
ファンをスタックにする場合はディフューザを中間に入れなければ効率が落ちるが..まあ効率云々を言うような立派なファンではないので、押し込み側に2個,吸い出しに1個を取り付けた。
これで稼働中でもヒートシンクは手で触れる程度の温度にはなったが、室温と比較すれば10℃以上は高いだろう..実はPentium Pro用のファンを2つ並べて実装されている方がいらっしゃる。
見た目も良いし、何よりよく冷えそうだ。
これからPentium2に移行する方には、山洋のPentiu
Pro用ファンの並列2個使いをお勧めする。


337.5MHz駆動で暫く使ってみたが、Pentium Pro200に比較するとちょっとだけ体感できるくらい速い。
ビデオカードはASUSのAGPバスだが、コイツもPCI用の高速カードに匹敵する(かな?)程度の速さはあると思う。
このAGPバスのカードの魅力は何と言っても値段の安さだ。
4MBのメモリが乗って2万円+だから、ちょっと実験してみるには悪くないと思う。
AGPバス自体に将来性があるのか?と聞かれると自信を持って「はい」とは答えられない。
何故か486時台のVLバスを思い起こしてしまう..ベンチマークテストをやってみたのだが、WintachはCAD項目がゼロになってしまいダメ,Windsoc
はメモリ性能が上手く測れなくてダメだった。
最近のベンチマークテストは..それで測っても以前のマシンの値が私の頭の中にないからダメ。
って訳で、ベンチマーク結果は他のサイトにお任せすることにしよう..今後は冷却強化で375MHz常用と行きたいし、暇が有れば炭酸ガスを吹きかけて450MHz突破なんて報告できる日が来ると楽しいね。


ベンチマークの結果ここではsuper_piを使って、円周率を104万桁計算するのに要する時間を測定してみた。
マザー及びクロック CPU 倍率 CPUクロック 計算時間 クロック100MHz あたりの計算時間
マザー不明,80MHz P54C ×2 160MHz 15分41秒 25分56秒
マザー不明,66MHz K−6 ×3 200MHz 16分13秒 32分26秒
Gateway2000,66MHz PentiumPro ×3 200MHz 11分21秒 22分42秒
P/I-P6NP5,66MHz PentiumPro ×3.5 233MHz 09分13秒 21分28秒
GA686LX,75MHz Pentium-II ×4.5 338MHz 06分05秒 20分34秒
このベンチ結果を見ると、P54C以外はクロック周波数にほぼ比例して演算時間が短縮されている。
計算時間をクロック周波数100MHz辺りの値になおしてみると分かるが、Pentium Pr
とPentium-IIでは余り差がない。
Petium-IIはマザーボードクロック周波数が高いが、CPU倍率も高いので、効果は相殺されているようだ。
GateWay-2000とP/I-P6NP5の差は、メモリ速度の差とディスクスピードの差が出ているのかも知れない。
GateWay-2000はWindowsNTだから、siper_piの動作には適しているはず(Win95よりWinNTの方が速い場合が多い)しかし、ファイルシステムにNTFSを使用していること,ディスクミラーリングによるオーバヘッドが有ることがマイナス要因だ。
ちなみに、Pentium-IIで速いディスクと普通のディスク(共にIDE)を比較すると10秒程度の差となって結果に反映されたことを付け加えておく。
さすがにP54Cの演算速度が遅いのは、浮動小数点演算速度で他のCPUに及ばないためだろう。
意外なのはK−6の結果だ。
浮動小数点演算のみならP54Cに匹敵すると言われているだけに残念,もっとも、このPCにはメモリが32MBしか実装されていなかったので、その影響かも知れない。
(おまけにDISKも遅そうだ)