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過去の雑記置き場


テロ(8/1)
赤字路線(8/2)
Apple(8/3)
レーダ探知機(8/4)
レーダ探知機(2)(8/5)
スイッチング電源(8/6)
レギュレータ(8/7)
MVNO(8/8)
ヤフオク(8/9)
アンテナ(8/10)
ちくわ(8/11)
ESA-E(8/12)
ESA-E(2)(8/13)
ESA-E(3)(8/14)
ESA-E(4)(8/15)
うずら(8/16)
バルボル(8/17)
HID(8/18)
900MHz帯(8/19)
ダミーロード(8/20)
温度ヒューズ(8/21)
ラーメン(8/22)
(8/23)
マニア(8/24)
クロスカブ(8/25)
高調波(8/26)
DOHC(8/27)
DOHC(8/28)
ハードウエア(8/28)
空撮(8/29)
LINE(8/30)
ブリッジ(8/31)


ブリッジ(8/31)
◆ アンテナや共振回路の特性を見るにはネットワークアナライザを使う。しかしこれはそこそこ高額な測定器なのでアマチュアには手の届かないものだ。簡易型のキットみたいなものは売られていて、そこそこ良く出来ている(価格の割に)と思った。
ネットワークアナライザは振幅と位相が見られるので実数部のみではなく虚数部や位相も観測出来る。

◆ 難しい測定器というわけではないがキャリブレーションをはじめとしてオペレーションの知識もそれなりに要求されるが、高周波回路の設計を行う上では必要な機材だ。
ネットワークアナライザを簡単にしたものというと余りにかけ離れているのだが、反射を実数部だけを観測するという点で見るとSWRメータがある。

◆ SWRメータは方向性結合器で進行波と反射波をそれぞれ計る事が出来る。しかし虚数部を見る事が出来ないので負荷に虚数成分があると誤差が生じる。
SWRメータは方向性結合器で出来ているのだが、ここにブリッジを使ったものがSWRブリッジとかリターンロスブリッジと呼ばれるものだ。

◆ ブリッジは抵抗値を計るホイートストンブリッジそのものであり高周波特性を良好にするための工夫がなされている。単なる抵抗のブリッジなので自作も簡単ではあるが高周波的に平衡を保たなければいけないので意外に難しい。測定器への接続点は平衡で出てくるので平衡-不平衡のバランが必要になる。ここの平衡度が確保出来ないとブリッジのバランスが崩れてしまう。

◆ 方向性結合器の方向性が20dB前後なのに対してブリッジであれば40dB以上が確保出来るが、ブリッジなので挿入損失は避けられない。理論挿入損失だけで6dBあるので実際はそれ以上になる。
方向性結合器は同軸構造のものとトランスなどを使ったものがある。同軸構造のものは物理サイズが一定なので波長によって結合度が変化するが、トランスを使ったタイプは比較的周波数特性がブロードだ。

◆ ブリッジは抵抗で出来ているので基本的に周波数特性はフラットだが、平衡-不平衡のトランスや物理構造上のアンバランスなどが周波数特性を決める。リターンロスブリッジは自作記事なども沢山あり、それぞれ工夫されている事が分かる。
ブリッジの自作ではバランスをいかに取るかが重要になっていて40dBあたりがひとつの目標のようだ。

◆ 40dBと数字で書くのは簡単だがこれ以上のアイソレーションを確保しようと思えばシールド構造などを採らないと高周波域では難しくなってくる。コネクタや抵抗にしても長さのあるものはLになるのでそれ用のものが必要だ。
一般的に入手可能な部品でどのくらいのものが作れるのか、ちょっと実験してみたい気もする。ただストリップラインを作ったりするには基板を作らなければならず、これは面倒である。

◆ 空中配線でも出来ない事はないだろうが500MHz辺りが限界かな。基板で作るならばラットレースミキサのような、物理的にも対称性を確保出来るものが良い。虚数部がゼロには出来ないので、出来るだけそれらも打ち消せるように考えて作るべきである。
空中配線だとコネクタにSMAを使ったとしてもかなり大きなものになってしまい、バランスが悪そうだ。セミリジッドケーブルの先端同士で組むみたいな事をやれば行けるかな。時間があったらちょっと実験してみたい気もするが、果たしていつになる事か。


LINE(8/30)
◆ LINEいじめが問題となって久しい。メッセージを読んだのに何故返事を返さないのかから始まり、様々ないちゃもんが虐めに発展する。
同じような事は従来型ケータイの時にもあったのだが集団虐めに発展しやすいという点でLINEは少し特異だとも言える。

◆ 小中学生にケータイを使わせるなみたいな公務員のご都合主義で安易に解決しようとしても駄目だと言う事が分かったはずなのだが、また同じようにLINE禁止令を発動する自治体もある。
一方でLINEの世界ではなく一般社会としての常識を教育する学校もある。

◆ 何でも禁止してしまえと言う自治体ではLINEをはじめとしてSNSなども夜間の使用を禁止するのだそうだ。規制があるから「もう返事は返さないよ」の言い訳に出来るのかも知れないが、スマートフォンの中で生きている人たちと一般人?との乖離が開くだけだったりして。

◆ 携帯電話も、いやその前の時代のポケベルにしてもそれにどっぷりになるのは女子生徒だ。寝ている時以外はいつもスマートフォンとお友達みたいな生活になるので特異な世界が普通の世界になってしまう。
ケータイ依存症の人たちがスマートフォン依存症になった訳だ。

◆ mixiが終わりモバゲーやGREEの時代が終わったようにLINEの時代もやがては終わるだろう。時代が終わるというのは過熱感が過ぎ去ると言う事であり、サービス自体が使われなくなる事ではない。TwitterにしてもFacebookにしても、猫も杓子もの時代はそう長くは続かなかった。今でも使っている人はそれを普通に使っているだけであり、みんながやっているから俺も私もと言う感じではない。

◆ SNSにしてもTwitterなどにしても同じだと思うが、メッセージなりを読んでくれる人が多ければ面白いとは思うがそうでなければ井の中の蛙である。しかし人々はやがて狭い世界にいる事に気づく。その狭い世界が深い世界ならば共通の趣味を持つ、みたいになるがそうでないと馬鹿らしくなってくる。

◆ スマートフォンなどからの動画配信も、一時期ほどではないが今も利用者は少なくない。面白い番組を作るとかではなく自分の生活を見せてコメントを貰うみたいな人も居る。不特定の人からコメントを貰う事によって自分の存在価値が認められるというか、そんな感じなのかも知れない。核家族ならぬ核個人とでも言えばいいのかも知れないが、面倒なつきあいは好まないが独りぼっちは耐えられないみたいな所か。

◆ パチンコ依存症だって対象は異なるが心の中は似たようなものかも知れず、なので依存していない人からするとなんでそんな事が面白いのかとなってしまう。しかし依存中の人にとってはそれがとても重要な事であり、誰に相手にされなくても自分の状況を見たり聞いたりしてコメントを返してくれるその瞬間こそが至福となる。

◆ スマートフォンやPCに張り付いているのは不健康で毎週のように山に登るのは健康的だと思われやすいが、心理としては同じなのではないか。山に行って一体何があるんだよと言われてしまえばそれまでで、SNSにコメントを流し続けている人と余り違わない感じがする。だからLINE虐めも良いのだよと言うつもりはなく、誰かが正しい、うーん、何が正しいかというとこれもまた難しいのだが、普通の世界の常識みたいなものを教える必要があると思う。


空撮(8/29)
◆ Li-ionバッテリの大容量化と制御技術によって空撮用のヘリコプタ類が安価で高性能になっている。ラジコンヘリは従来から農薬散布や電線を張る時などにも使われていたが、制御が難しいのと高額なため余り普及はしていなかった。仕様も結構高級でガソリンエンジンにリニアアクチュエータを使うなどアマチュアに派手を出しにくい価格の部品が使われていた。

◆ しかし電動で複数のプロペラ(回転翼なのかな)を搭載し、3軸ジャイロで安定性を確保した電動ヘリは様々な用途で活用される。搭載出来るカメラも小型高画素化が進み、ヘリ自体の最大搭載質量も2〜5kg位まで行けるとあって放送用カメラも十分搭載出来る。
出始めの頃は発泡樹脂の回転翼が使われていて、これをアルミで作り直した事があった。回転翼のたわみが無くなってものすごくレスポンスが良くなり、操縦難易度が上がった。

◆ 放送用ではカメラの画像を無線で伝送して来るので、それを見ながら飛ばす事も可能だ。映像伝送は2.4GHz帯を使うようだが操縦用ってどうなっているのだろう。
仕様を見ると1km程度の伝達距離があるとなっているので特定小電力のパワーでは厳しい感じもする。
駆動用のバッテリは10Ah以上のものもあり、連続で20分以上も飛び続ける事が出来るのだとか。

◆ 欠点は風に弱い事で風速数mでも(大型の機体でも)安定度が損なわれてしまう。この辺りはいくらジャイロが搭載されていると言ったって小型機体なので無理はある。機体を大型化すると回転翼の慣性質量も重くなるので制御レスポンスが悪化する。一定の遅れが出るとハンチングが起きるので、大型の機体では小さな回転翼を沢山付けたものもある。

◆ 回転翼の数を増やすと制御自由度も上がるのでメリットは多いが、制御部のコストやモータコストが上がる。
それでも従来の撮影ではクレーンなどを使ったものが、たかだか数十万円のラジコンで出来るのだから安いものだ。実機と違って建造物の近くにまで接近する事も出来るし低空飛行も出来る。

◆ 人間がカメラを持って低空飛行するには動力付きのハンググライダー的なものを使う以外にはなかったが、これには当然ながら操縦技術が必要になる。墜落すれば危険なので地表や水面との距離もある態度は必要だ。しかしラジコンの場合は機体自体が小さい事もあるしホバリングも出来るので超低空でも(ダウンウォッシュには注意が必要だが)飛ばす事が出来る。

◆ 放送用としてではなくアマチュア用となれば数万円で購入出来て軽量のデジカメなどを搭載出来る。動画の無線伝送をしようとすると搭載機材も増えてしまうが、川の上だろうが花畑の上だろうが自由に飛ばせて写真が撮れるのは魅力に違いない。渋滞路だって、どこが先頭なのか見渡せたりして。画質を我慢するならばスマートフォンを搭載して動画伝送させれば伝達距離の問題はないが遅延があるので操縦が難しくなったりして。しかし双方向通信が可能なので非常用パラシュートを開くトリガ位には使えそうだ。

◆ こうした飛行物体はモータと電池無くしては実現出来なかったし、電池のエネルギ密度に助けられている部分は相当大きい。ニカドやNi-MHは重い電池なので移動する物体には向かないが、しかし従来はニカドで電動ヘリは飛んでいた。
大型の飛行体などではバッテリのみではなく電線接続で飛ぶものもある。数百メートルもの上昇は出来ないだろうが10m位だったら何とかなるのかも。大電流送電は難しいので昇圧と降圧する仕組みにでもなっているのだろう。


ハードウエア(8/28)
◆ シングルチップの組み込み用CPUには様々な機能が内蔵されている。ソフトウエアのみでは実現出来ないタイマやアナログインタフェース、処理時間を節約するための各種エンジンなどがそれだ。
これらは専用デバイスと違って様々な設定が可能になっている。たとえば専用のADCであれば目的とする仕様に合わせてデバイスを選択すればいいので、そのデバイス自体は目的に特化した機能だけで良い。

◆ ところがCPU内蔵版となればどのハードウエアが何に使われるかも分からないので出来るだけ自由度を上げる。タイマにしたってフリーランニングからインプットキャプチャからPWMなどにも使えるのが普通である。
こうなるとそれなりに設定を行わなければならない。
PWM用のデバイスならばデータを与えるだけで出力が出てくるが、CPU内蔵となればまずはタイマをPWMモードに設定する所から始まってクロックを分周器に通したり出力の端子を切り替えたり、ハードウエアコントロールを有効にしたり無効にしたり。

◆ 単純な機能であれば設定は楽だが、そうすると「このワンチップCPUは使えないな」なんて言われる。
エンジンコントローラ用としては沢山のハードウエアタイマが必要になるので、それ用としてのデバイスも存在した。しかしハードウエアタイマが沢山要るのは家電のコントローラも同じと言う事で、結局沢山のハードウエアタイマを様々なモードに出来るように機能が増えていった、みたいな。

◆ ここで困るのがファーム屋さんだ。ハードウエアに詳しければ設定も容易だが、そうでないと仕様書に書かれている事の理解から始めなければならない。時にタイミングチャートだって読む必要があるし、外部回路が付けられていればその回路とのタイミングも問題になる。
タイマだけではなくADCやDACにしても同様だ。動作クロックの選択、プリスケーラの設定、分周器の設定に始まり割り込みや各ステータスの設定など多岐にわたる。

◆ 設定が完全ならばその通りに動作するが、設定が不完全でもそれなりに動いてしまったりする。それなりに動くのだがそれなりの特性にしかならないので困る。ともするとこのデバイスはカタログ性能が出ていないなどとなってしまう。仕様書にも正しい設定の例は記載されているが設定が誤った場合の動作までは書かれていない。
設定する側にしても意識して間違えた設定をしているわけではないので原因追及に時間がかかる。

◆ こうしたバグは発見しにくい場合も多く、なんか特性が悪いけれど規格には入っているし… みたいな事にもなる。
バグではなくそもそもの設定というか機能設定自体が周辺回路に合致していない場合もある。
ハードウエアのみではなくソフトの動作にしても、演算が多少誤差を含んでいても動いてしまうみたいな所もある。
誤り訂正だとかMIMOのチャネル推定などは、機能が100%発揮されていなくても動いてしまうので厄介だ。

◆ これがCRC演算器のバグなどだったら通信出来るか出来ないかの問題になるので分かりやすい。携帯電話やスマートフォンなどでも沢山のハードウエアや沢山のレジスタをセットするので、こうしたレベルでのバグは存在する。
レジスタをセットするタイミング、リセットするタイミングやその間隔が仕様を満たさないなどでも設計余裕度があるので動いてしまうケースが少なくはない。それこそハードウエア側のアクセス状況やタイミングをテストするICEみたいなものでもあればいいが、回路規模が大きいだけにそれもなかなか難しい。


DOHC(8/28)
◆ アンテナ設計のことは昨日書いたわけだが、設計自由度とその機器の特性という点でエンジンでも同じような事が言えると思う。いまでこそバルブタイミングの連続可変が、それもインテークとエキゾーストそれぞれで行われるのでDOHCは必須になっているがそれの無いエンジンでDOHCの意味はどこにあるのだろうか。
つまり1本のカムであろうが2本であろうがカムの形状やバルブタイミングが決められてしまえば同じなわけだ。

◆ バルブをカムが直接押す方式にする事で慣性質量を小さくして高回転での追従性を上げるのがそもそもの設計の始まりだ。しかし一般市販のエンジンだと最高回転数だってそう高い訳でもないのでロッカーアームを使った事がデメリットとなるケースは少ない。
気筒辺りの容積が小さければなおさらで、スカイウエイブ(CJ43)のエンジンはシングルカムで4バルブになっているが1万回転位回っていく。車の場合は気筒辺り500ccにもなるのでスカイウエイブの2倍ではあるけど。

◆ 気筒辺りの排気量が大きくなるとバルブ径も大きくしなければいけない。排気量は体積なので3乗で効くがバルブは面積なので2乗でしか無く、出来るだけ大きなバルブを付けないと比出力が上がらない。
しかしバルブの面積は2乗だが質量は3乗なのでバルブはどんどん重くなる。
エキゾーストバルブは高温高圧のガスを排出するので未だ良いが、インテーク側のバルブ面積が小さくなるのはいけない。比出力を上げようとするならば高開店時においても充填効率が出来るだけ下がりにくいように設計しなければならないからだ。

◆ BENZの1世代前の3バルブエンジンはエキゾーストバルブ1個とインテークバルブ2個を1本のカムで駆動した。BENZの言う所の低燃費とエミッション低減エンジンとなるのだが、実はコストダウンではないかと思っている。カムは高い部品なので減らせるものなら減らした方が良い。排気バルブを1個にした理由について、コールドスタート時の温度上昇を早めて触媒活性化を促すと説明していた。勿論効果がゼロと言う事はなかったとは思うのだが、その後その3バルブエンジンは消えた。

◆ 勿論今はバルブタイミング制御があるのでシングルカムの方が良いとばかりは言えない。ただこのバルブタイミングの可変にしてもエキゾースト側は余り効かない。その為に可変角を大きくするなどの工夫がされている。ちなみにバルブタイミングを変えてもカムの作用角が変わるわけではないので限界があるし、極端な事を行うとバルブ同士がぶつかったりピストンに触れたりする。

◆ 設計の自由度という点でインテークとエキゾーストのバルブタイミングを個々に設計出来るのはメリットなのだが、それは仕様が変化する場合であり量産車の場合はバルブタイミングもカムタイミングも固定されている(可変バルブタイミングを考えない場合)のでDOHC化のメリットが見えにくい。
さらにラッシュアジャスタを付けるなどすれば動弁機構の軽量化にも反する事になる。

◆ ホンダだったかなぁ、ロッカーアームを使った方がバルブ追従性を高められると言っていたのは。これも特定条件下では(テコなどが効くので)あるのかも知れない。
そう考えると可変バルブタイミング機構を持たないエンジンのDOHC化、それも量産エンジンにおけるカムの2本化に"DOHCだよ"と謳う以外にどれだけのメリットがあるのだろうかと疑問になる。
カムは2本の方が安いのだ、とでもなれば納得なのだが…


DOHC(8/27)
◆ アンテナ設計のことは昨日書いたわけだが、設計自由度とその機器の特性という点でエンジンでも同じような事が言えると思う。いまでこそバルブタイミングの連続可変が、それもインテークとエキゾーストそれぞれで行われるのでDOHCは必須になっているがそれの無いエンジンでDOHCの意味はどこにあるのだろうか。

◆ バルブをカムが直接押す方式にする事で慣性質量を小さくして高回転での追従性を上げるのがそもそもの設計の始まりだ。しかし一般市販のエンジンだと最高回転数だってそう高い訳でもないのでロッカーアームを使った事がデメリットとなるケースは少ない。
気筒辺りの容積が小さければなおさらで、スカイウエイブ(CJ43)のエンジンはシングルカムで4バルブになっているが1万回転位回っていく。

◆ だが気筒辺りの排気量が大きくなるとバルブ径も大きくしなければいけない。排気量は体積なので3乗で効くがバルブは面積なので2乗でしか無く、出来るだけ大きなバルブを付けないと比出力が上がらない。
しかしバルブの面積は2乗だが質量は3乗なのでバルブはどんどん重くなる。
エキゾーストバルブは高温高圧のガスを排出するので未だ良いが、インテーク側のバルブ面積が小さくなるのはいけない。比出力を上げようとするならば高回転時においても充填効率が出来るだけ下がりにくいように設計しなければならないからだ。

◆ BENZの1世代前の3バルブエンジンはエキゾーストバルブ1個とインテークバルブ2個を1本のカムで駆動した。BENZの言う所の低燃費とエミッション低減エンジンとなるのだが、実はコストダウンではないかと思っている。カムは高い部品なので減らせるものなら減らした方が良い。排気バルブを1個にした理由について、コールドスタート時の温度上昇を早めて触媒活性化を促すと説明していた。勿論効果がゼロと言う事はなかったとは思うのだが、その後その3バルブエンジンは消えた。

◆ 勿論今はバルブタイミング制御があるのでシングルカムの方が良いとばかりは言えない。ただこのバルブタイミングの可変にしてもエキゾースト側は余り効かない。その為に可変角を大きくするなどの工夫がされている。ちなみにバルブタイミングを変えてもカムの作用角が変わるわけではないので限界があるし、極端な事を行うとバルブ同士がぶつかったりピストンに触れたりする。

◆ 設計の自由度という点でインテークとエキゾーストのバルブタイミングを個々に設計出来るのはメリットなのだが、それは仕様が変化する場合であり量産車の場合はバルブタイミングもカムタイミングも固定されている(可変バルブタイミングを考えない場合)のでDOHC化のメリットが見えにくい。
さらにラッシュアジャスタを付けるなどすれば動弁機構の軽量化にも反する事になる。

◆ ホンダだったかなぁ、ロッカーアームを使った方がバルブ追従性を高められると言っていたのは。これも特定条件下では(テコなどが効くので)あるのかも知れない。
そう考えると可変バルブタイミング機構を持たないエンジンのDOHC化、それも量産エンジンにおけるカムの2本化に"DOHCだよ"と謳う以外にどれだけのメリットがあるのだろうかと疑問になる。
カムは2本の方が安いのだ、とでもなれば納得なのだが…


高調波(8/26)
◆ 今でこそ多ビットのDACでもPWMでもΔΣでも自由になるが、限られたIO端子で音を出すとかモデムを作るとかのコスト制約の厳しい民生機器では様々な工夫がなされる。
単純に1ビットのON-OFFを行うと矩形波しか出力することが出来ない。その高調波をフィルタで落とすのは意外に大変だ。
波形が上下対称ならば偶数時高調波は出ないので、最初に現れる高調波は基本波の3倍になる。

◆ 基本波が1kHzであれば高調波は3kHzに現れる。そこでIOを2ビットにして3値の出力を可能にする。2ビットのIO端子を制御して3倍の高調波が最も少なくなるような波形を作り出す。これはフーリエ変換して求めればいい。こうする事によって3倍高調波のレベルが下がりフィルタリングが楽になる。5倍高調波は出るが、これは基本波との差があるのでフィルタで落とすことが可能になる。これをせこいテクニックというのか賢い手法だというのかはプロダクトによって違ってくるだろう。他にも、2本目のIOで3倍の周波数を作ってレベルを調整し、1kHzの3倍高調波を逆位相で打ち消す手もある。

◆ 高調波ついでというか3倍がらみでアンテナの話もしよう。
アンテナの共振電気長の最短はλ/4、つまり波長の1/4である。λ/4の電気長を持ったアンテナは先端部で電圧が最大になる。理想のアンテナならば電圧が無限大で電流がゼロのポイントだ。逆の端の給電端は電圧がゼロで電流が無限大のポイントで、電流給電のアンテナならばここに同軸ケーブルを接続する。実際のアンテナは理想のアンテナではないので給電インピーダンスが存在し、ダイポールアンテナならば75Ω程度になる。

◆ これがλ/2の電気長になるとλ/4のポイントで電圧が最小になり、先端部も給電部も電圧が最大になる。このアンテナをドライブするためには電圧給電を行う必要がある。電圧と電流を変換するには電気長λ/4の同軸ケーブルを使えばいい。理屈はアンテナの場合と同様だが同軸ケーブルから電波は出ない。
と言う訳なのでアンテナは2倍の周波数には共振しない。2倍の周波数で使うためには給電方法を変える必要があるからだ。一方でλ/4の奇数倍であれば共振する。100MHz用のアンテナは300MHzにも共振する。ただ実際問題としてその周波数での共振インピーダンスが100MHzの場合と同様になるわけではない。

◆ しかし世の中にはマルチバンドアンテナも存在する。マルチバンドアンテナは複数の、ベットの共振周波数を持つエレメントを使ったりエレメントの途中にトラップを入れるなどして電気長を変える。携帯電話用のアンテナとなると端末側は大きさの制限があり、基地局側はゲインを上げなければならないなどの問題があるので単純ではない。さらに最近では位相アレイなどで指向性を持たせたりヌルを作ったりするので、その特性も考慮する必要がある。

◆ 異なった周波数帯のアンテナを一つの筐体に入れるようなアンテナもあるが、この場合はアンテナ同士のアイソレーションが重要になる。アンテナAから放射された電磁波が空間に放出されずに同居しているアンテナBに吸収されてしまっては駄目だ。携帯電話の世界では850MHzから2.1GHzまで4バンドにも及ぶアンテナを入れなければいけないので大変なのだ。

◆ 各バンドごとにチルト角を変えたりゲインを変えたりする必要もある。周波数帯でセル半径が一定と言う事はないので、その周波数帯に合わせたセル設計をする必要がある。当然周波数帯ごとにアンテナに求められる性能も変化するので、共振さえすれば何でも良いというわけでもない。
周波数が離れているのでIMの問題は少ないが、アンテナ屋さんは端で見るよりも設計に苦しんでいるはずだ。


クロスカブ(8/25)
 山などに行ってもよく見かけるようになったPCX,最近では150cc版ともよく遭遇する。第三京浜を走っている姿も見かけるが自動車専用道路は少し厳しいと思う。ただ法的に走れるかどうかは重要な問題だったりもするが、逆に有料道路の通行料金がぐっと上がってしまうスバルラインなどもある。

 クロスカブは昨年の春に発売されて話題にもなったが見かけることもなかった。が、今年の春過ぎからはチョコチョコ見かけるようになった。カラーリングが目立つと言う事もあるしスクータ全盛の中で、みたいな部分もある。
町中で見かけるクロスカブで大荷物を背負っている姿は少ないが、早朝などはどこかに出かける風な感じで釣り竿?か何かをくくりつけたクロスカブが居たりする。

 スクータよりも硬派な感じがするクロスカブにこれでもかと言うほどの荷物を積んで山道を行く姿も。テントとかのキャンプ道具も積んでいるのだろうか。
ローギアードなので最高速度は出ないが悪路でも走りやすいらしいから、あまり人の入り込まないような場所での野宿でもするのかも知れない。

 燃費はかなり良いと思うが燃料タンク容量が4.3リットルはちょっと心許ない。燃費は実走行で50km/l以上と言う事なのでシグナスより10km/l以上良い。でもシグナスでも7リットル以上燃料は入るしなぁ。予備燃料を携行すればいいのだが面倒だ。ホンダには燃料タンクの大型化を望む声が寄せられているそうだが、ホンダとしては燃費改善で航続距離を伸ばしたいのだとか。

 グリップヒータの消費電流を考えた発電容量があるとかで、バッテリからHIDを点灯させても大丈夫らしい。元々のヘッドライトはAC点灯だ。ただしヘッドライトをそのままにサブにHIDを付けると発電容量が足りなくなる。
最近のナビは低消費電力で、7インチ級のものでも500mA前後しか消費しない。バックライトを明るくすると比例的に電流は増えるが、それでもたいした事はない。

 カブのバッテリから電力を使ってはいけないみたいに思っている方も居て、デジカメやナビやスマートフォンの充電全て食事や休憩で立ち寄ったお店でと言う人が居た。アイドリング時の発電量がどの程度かは不明だが走っていればそうそう赤字にはならないと思う。何ならテールランプをLED化するだけでもずいぶん節電になる。
山などを走る事を考えるとLEDヘッドライトでは心許ないかも知れないが、バイク用の小型でそこそこの光量のものもなら行けるかも。

 スカイウエイブで使っているナビはバッテリが内蔵されているが、せいぜい数時間しか持たない。たまに充電ケーブルが外れていたりすると電池切れ近しの警告画面を拝む羽目になる。シグナスでは遠くに出かける時もナビは使わなかった。走行速度が低いので考えながらとか周りを見ながらコースを決められるし、間違ったなのと思っても気軽にUターン出来るからだ。ちょっと道に迷ったとしても今ならスマートフォンで地図を見れば事足りる。

 カブなどで旅をしている人のレポートを見ると、出発時点で積載した荷物の中で不要なものを道中で自宅に送り返し、足りないものを途中で買っていくみたいな感じだ。
足りないものと言えば、スカイウエイブには乾電池式の懐中電灯を積んでいて予備電池も積んでいたのだがその予備電池が液漏れしていた。懐中電灯の中に入っている電池は無事だったので秋月で買った電池の品質が悪かったとか。電池類はたまにチェックしておかないといざというときに役に立たない。


マニア(8/24)
 何かが好き、特定のメーカが好きという人、特定の芸能人や作家が好きという人も居る。SONY製品が好きだから家の中はSONYだらけという人だって居るに違いないが、総合家電メーカとなるとそうしたファンは減ってくると思う。
日立が好きだからとかPanasonicが好きだという人も居るとは思うのだが、それが熱狂的なファンかと言えばそうではない。自動車メーカなどにしても同じで、スバルやマツダの熱狂的ファンはいるかも知れないが、それが日産やトヨタとなると割合は減ってくる。特定の車に関してのファンは少なくはないが、車を買い換えると次の車に鞍替えになってしまう。

 SONYやAppleなどが沢山のファンを抱えるのは尖った製品を作るからだろう。万人受けしなくても良い、好きな人が好きになってくれればいいと思えるような商品はコアなユーザを獲得する。そういったユーザの見る目は厳しいし大量に売れるわけではない。逆に大量に売れてしまうと、そうしたユーザはうっとうしく思う事もあるだろう。
SUVブームの時に、猫も杓子もSUV,河川を荒らしたり他人の畑に入ったりでSUVのイメージが悪くなるのは嫌なんだと言っていた人が居た。本物のファンはにわかファンをうっとうしく感じるのだろう。

 製品をひいきにする人の中には、良い部分も悪い部分も含めて冷静に見ている人も居る。万人受けはしない仕様だけれど俺はこれが好きなんだという風に、誰が何と言おうとこれが良いんだよ、他人には勧めないけどねのパターンだ。
もう一つは盲目的に崇拝してしまうタイプで、これは素晴らしい製品だから使わない手はない。何故これを使わない人が居るのか不思議でたまらないというタイプである。

 自分が良いと思うのだから他人もそう思う日違いないとなってしまう。いや、自分だけではない、この製品を使う全ての人が良いと思っているはずなのに何故オマエは使わないのかとなる。
このタイプは以外と厄介で、とにかくその製品なりサービスなりが以下に素晴らしいものであるかと解き始める。それだけならば良いのだが、やがて押しつけモードに入る。

 新興宗教に加入しろと迫るのと変わらない。私はそれは要らないよと言っているにもかかわらず、何故要らないとか、こんなに素晴らしいものを使わないのはおかしいとなる。
そんなことを言われたって人には好みがある。人類の99%がその製品を素晴らしいと思ったとしたら、私は残りの1%なのだ。が、そうした説明すら通用しない。何故残りの1%になる必要があるのだと始まってしまう。

 私が不思議に思うのはSBMな人のように、何故SBMが好きなのかは分からない人たちだ。崇拝しているのは分かるのだが、何を崇拝し何を是としているのかが分からない。俺はあの会社のここが好きだから応援しているとか、社長のここが好きだからファンなのだと言えばそれは分かる。しかし彼らはそれを言わない。自分の本心を言うのが恥ずかしいなどと思うシャイな心は何十年も前にどこかに置き忘れてきているのではないかと想像するので余計に不思議なのだ。

 一度真面目に聞いてみたいのだが、彼らがそれに答えてくれる可能性は皆無だ。アンチに何を言っても無駄だと逃げられてしまうだろう。好きだから好きでもそれは理由になる。
宗教心などはきっとそうで、何がとかどこがとかではなく全体的にすっぽりとはまり込んでいる状態だと思われるからだ。だからそんな理由でも良いのだが、あそこまで夢中になれるのだから何かしらの理由があると思うんだけどなぁ。


(8/23)
◆ 日中は暑い。あと1ヶ月もすれば涼しい日も増えるのだろうが、7月の下旬から8月の半ばまでは年間でもっとも暑い時期であるり、未だそれは続く。蒸し暑い夜もあるのだが、少し湿度が下がってくると涼しい夜もある。風のない夜もスクータで走っていれば風が当たる。
この時期日中に走ると目眩がするほどなのだが、意外に夜は快適だなと思った。

◆ 山に出かける時に朝早く出発する事もあるが、陽が昇ってから出発するので暑い。山に上がれば涼しい風も吹いてくるが、そこにたどり着くまでが暑すぎるのだ。
だが夜間に走ればそんな事もない。渋滞もないし歩行者も皆無なのでその点で走りにくい事はないが、景色を見るわけでもないので面白くはない。

◆ 午前3時頃に起き出して出発し、陽が昇り始めた頃には山の上の方にいるパターンは快適だ。弁当でも持って行き、山の上で朝食を摂って一眠りなんて贅沢だって出来る。
ただし山の上の方ばかりを走っていられるわけでもなく、麓の町に近づくとこれまた暑い。夏は湿度が高く景色が綺麗に見えないのも、虫除けスプレー必須なのも嫌なのだが山の上や夜間の涼しさは快適なのだ。

◆ 夜の町中を走っていて危険を感じるのはタクシーである。
ドライバー高齢化の影響や空いた道だからと安心感もあるのだろうが一時不停止や信号無視だってやってしまう。
取り締まられない自信というか取り締まりが行われていない場所を把握しているのかも知れないが、名古屋じゃないんだからと言いたい。

◆ 真っ暗な山道を行くのは相変わらず嫌だ。何より景色が見えないので面白くないし、動物が飛び出してくる事もある。なので陽が昇る頃に山道を走り始める位がちょうど良い。そして山の方で涼しい日中を過ごし、涼しくなってから帰ってくる。夕方は蒸し暑くなるし車の量も増えるので出来れば避けたい感じはするが、暗いうちに出かけてだと山の上で昼寝でもしないと眠くなってしまう。

◆ 夜走るにはライトの明るさは重要だ。Blogの方でも触れたがシグナスのHIDバーナを交換して明るくなってからは、夜道がこんなに走りやすかったのかと思うほどだった。
シグナスのHIDは寿命ギリギリで交換したので余計にそう感じたのだが、街灯もない山道で頼れるのは自分のライトだけなのだ。ライトを消してしまったらそれこそ真っ暗そのものだ。

◆ 確かに暗いライトで走れない事はないが、路面の状態にしろ何にしろ見えない危険というものもある。原付などだと発電容量にも限界があるので難しい場合もあるのだが、原付でも2ヘッドライトのモデルなどもあるのでそうしたものを選べば夜間走行も楽になると思う。
125ccクラスだとライトのバッテリ点灯車も多いと思うのでHID化も楽になる。同じ電流を食わせるなら出来るだけ発光効率の高い発光体を使いたい。LEDなども専用ライトはそこそこ明るいのだが中華製はインチキなのでご注意を。

◆ レッツ5に乗っていた時に相模湖の方などに行ったことがあるが、あの程度の坂だったら何と言うことなく上れる。最高速度が出ない代わりに全体的にローギアードに出来ているので登坂能力が極端に低いわけではない。スカイウエイブなどはハイギアードなので速度の落ちる場面では半クラッチになってしまう。なのでシグナスの方が細い山道などは走りやすかったりする。

◆ 理想的にはマニュアルミッションなのだが、私の場合は50ccまでしかマニュアルミッション車には乗れない。マニュアルミッションというかクラッチ付きといった方が良いかな、山道を走るにはその方が良いと思う。


ラーメン(8/22)
◆ インスタントラーメンの価格は小麦価格が急上昇した2011年頃に大幅に値上げされた。その後2012年春頃にはいったん小麦価格は下がったがインスタントラーメンの小売価格はあまり変わらなかった。
長寿商品としてのサッポロ一番シリーズも5個入りパックで400円弱の価格だと思う。そんな中でプライベートブランド商品は店頭価格がサッポロ一番の約半額である。

◆ 商品の価格を半分にすると言うのは並の事ではない。元々が多くの利益の得られる商品ならともかく、サッポロ一番シリーズだって競争があるのだから暴利をむさぼるわけにも行かないだろう。だとすればPB商品は何故安くできるのか。MNOに対するMVNOみたいなものだという人も居るが、おそらくはODM生産でどこかのメーカが作っているはず。広告宣伝費や開発費がかからないからと言ってしまえばそうかも知れないが、それでも半額なのだ。PB商品の場合は流通経路の単純化などもあり、これは価格に効くとは思う。ただ反面販売量はメーカ商品には及ばない。量産効果と中間経費の削減の、後者がよりインパクトがあるとすればPB商品は安くなる。

◆ まさか中国産の怪しげ小麦が原料という事も無かろうが、では味は違うのかどうか。同じ味で比較する事が出来なかったのでスープの差は分からないのだが、サッポロ一番は味噌味を、PB商品は塩味を食べてみた。サッポロ一番シリーズはインスタント麺らしいインスタントラーメンであり、生麺をイメージしたインスタントラーメンとは異なる。生麺の触感を追求したものも美味しいが、インスタント麺っぽいサッポロ一番の味も嫌いではないし飽きにくい感じがする。

◆ PB商品の、5個パックで180円ほどのラーメンもサッポロ一番風の麺が使われている。サッポロ一番よりも少しコシがあるかなとは思うが決して不味くはない。ボソボソする事もないし臭みがあるわけでもない。ごく普通のインスタントラーメンなのだ。食べ比べればサッポロ一番との違いは分かるが、いきなりPBラーメンをサッポロ一番だよと出されたら分からないかも知れない。

◆ パッケージや包装にしても特に低品質だとは思えないが、サッポロ一番には付属するスパイスなどの入った小袋は付属しない。
そういえば納豆に付属する調味料を取り除いて価格を下げた商品があったが、それにしたって売価が何十円も変わるとは思えないのだ。
大手メーカは安心原料を使っているのかと言えば必ずしもそうではなく、過去に雪印集団食中毒事件(雪印は牛肉偽装事件も起こしている)などもあった。

◆ マクドナルドなどのナゲット原料事件も発覚したが、日本製が必ずしも安全というわけでもない。現段階では日本製よりも中国製の方が危険なのは確かだが、プライベートブランドとは言っても事故が起きれば損害は大きい。そこは日本人的な目での品質管理が行われている… と、思いたい。
低価格誘導は戦略的価格という場合もある。携帯電話事業者が新規加入者に多額の金を積むようなものだが、食品に関してはあまり上手くは行かないようだ。

◆ 競合商品が多いので安価誘導している間は売れるが、価格を上げると消費者は他の商品を見てしまう。これはiPhoneにも言える事で多額のキャッシュバックが無くなると販売ランキングの順位を下げてしまう。その商品自体の魅力で売れているのか、それとも安価誘導で売れているのかの判断は難しい。マクドナルドなどはハンバーガ価格を安価にしてみたり元に戻してみたりを繰り返すが、こうすると今度は安くなるのを待つ人が現れる。
競争の中で販売量を伸ばしていくのは大変である。


温度ヒューズ(8/21)
◆ 扇風機の発火事故などもあり、最近のモデルには温度ヒューズが付いている。扇風機に温度ヒューズが要るのか?と思わないでもないし、だったら換気扇だろうが何だろうが温度ヒュースが必要になりそうな気がする。
だが実際問題として扇風機の温度ヒューズが切れる事は珍しくないのだそうだ。実際私も不動になった扇風機が温度ヒューズ切れだった事実を目撃している。

◆ 何度の温度ヒューズだったのかは覚えていないが、モータの巻き線に挟まるようにして付けられていた。羽を抑え付けるなどしたまま稼働させて温度ヒューズが切れるのならば分からなくもないが、普通に使っていて温度ヒューズが切れるのは設計不良だと思う。確かにあの大きさのモータでエネルギを取り出すことなく数十ワットを食わせれば発熱はするだろうが、燃えるほどの温度にまでなるのも凄い。

◆ 古い扇風機のベアリングが傷んだりして回転などが重くなり、しかし回転している時には多少でもエアフローがあるから助かる。やがて抵抗に負けて回転しなくなると徐々に温度が上昇して筐体を溶かし、そして発火に至る。
古い扇風機が故障するのは、まあ可動物だから仕方が無いとも思うのだが温度ヒューズが付いているここ数年内に発売された扇風機が故障するのはコストダウンが効き過ぎなのか。

◆ 多くの低価格扇風機は中国製であり、徹底したコスト削減が行われている。品質を下げずにコストを下げるのは技術だが、コスト最優先で品質と信頼性を犠牲にするのが中国製だ。ホームセンタなどでは千五百円位で扇風機が売られているわけで、一体原価はいくらなのかと不思議になってしまう。

◆ 一方で高価格扇風機も良く売れるそうだ。キーワードはDCモータで、DCモータと言ってもブラシレスの同期モータだからDCと呼ぶのかなと言う気がしないでもない。インダクションモータの扇風機は風量にかかわらず消費電力があまり変わらないが、DCモータと称されるタイプは低風量にすると消費電力も減る。だから省エネなのだというのが謳い文句だが本体価格が高い。それでも昨年よりは相場も下がったとかで、今後未だ価格が下がる余地はある。

◆ いずれにしても国内メーカの名が付いているものならば寿命も信頼性も確保出来ているはずだ。例え生産国が中国であろうと一定の品質が守られていなければメーカの名を付けるわけにはいかない。
その中国は一人っ子政策で高齢化が加速している。一人っ子政策開始当時の子供達も30代半ばとなり、主要労働人口の減少は急激にやってくる。

◆ それに加えて高齢化社会にも突入するのだから、一組の夫婦がそれぞれの親とそれぞれの祖父母を見なければならない事態となる。労働人口の減少は労働力の奪い合いになるので人件費が上がるはずだ。すると中国製だから安いとも言えなくなる可能性がある。日本製がかつてはそうであったように、今の中国は安かろう悪かろうだ。日本には時間があったので信頼性確保の道を進む事が出来たが、その間もないまま人件費が上がれば中国の産業はダメージを受ける。

◆ 中国人はカネに敏感なので賃金の高い所=良い職場となる。その企業イメージが云々とか作っている製品がどうのといった考えはあまり無いそうだ。高い賃金を支払ってくれる企業に就職するのは今は大変だが、労働人口の減少が起きればそうではなくなる。中国の人件費が上がれば生産拠点を中国以外に持って行く企業が増える。日本から製造業が海外に移っていくように、中国に進出していた企業が中国から出て行ってしまう。


ダミーロード(8/20)
 ダミーロードとは疑似負荷である。何か出力の出るものをテストする時にダミーロードを使う。オーディオアンプなどでも特性を測ろうとすればダミーロードが必要だ。
まさか数十ワットのアンプをフルパワーにしてスピーカを鳴らすなんて事は非現実的だ。
オーディオ帯域用のダミーロードならば普通の抵抗で、何なら巻き線抵抗でも事足りる。しかし高周波用というとそうは行かない。

 巻き線抵抗は線が巻いてあるのでL成分がある。通常の抵抗にしても抵抗値のトリミングのためにカットが入っているのでL成分になる。さらに高い周波数になれば抵抗という物体の大きさそのものがコイルに見えるし、金属板に近づければコンデンサに見える。
抵抗の大きさをゼロにする事は出来ないので、その抵抗の長さと抵抗値に応じた(その部分の)抵抗値のインピーダンスが確保出来るような金属板を抵抗に接近させて(何とも説明が難しいのだが)L成分やC成分を打ち消すような構造にして高周波用ダミーロードは作られる。

 抵抗の物理サイズが小さければ未だ良いが、大電力用となると抵抗も巨大になる。巨大な抵抗は長さもあるのでL成分が無視出来ない。抵抗のGND側は0Ω、抵抗のコネクタ側は50Ω、中間は25Ωである。
抵抗の太さが1cmあったとしよう。50Ωを得るためにはその抵抗の周りを内径約23φの筒で覆えばいい。中間地点は25Ωなので筒の内径を15.3φまで絞る。こんな感じで同軸構造を作るわけだ。

 抵抗に電力を食わせて熱にエネルギを変えるので抵抗が温まる。自然放熱では限界があるので放熱器をつっくけたり抵抗を油冷にしたりする。小電力用のダミーロードであればストリップライン構造と熱伝導性の良い絶縁材料を使った構造が採れるが、大電力用となると油冷の方が多いと思う。オイルで満たすと空気中に抵抗を置いた場合とは誘電率が異なるのでインピーダンス計算も異なる。

 アマチュア的には無誘導抵抗(巻いてないもの)を何本も並列にして使うなんて事もあった。単一抵抗で大電力用は巨大になりL成分も増えるので小型抵抗を沢山並列にする。並列にするとLも並列になるのでインダクタンスも減る。こうすることで同軸構造を採らなくても150MHz辺りまでは(アマチュア的には)使えるようになる。

 抵抗が壊れるのは主に熱によるもので、なので油冷にしたりすれば定格電力以上を扱える。以前に1/4Wの抵抗を揮発性薬液につけて実験して事があったが10W以上にまで耐えてくれた。しかしそれ以上の電力を与えると放熱が間に合わなくなり、焼けた。薬液の温度が上がったのではなく熱伝導性の問題で抵抗が局部的に過熱したからだ。

 オーディオ用のダミーロードだとインピーダンス問題が起きにくいので巨大な抵抗も使う事が出来る。今やちょっとしたアンプでも50Wとか100Wの出力があるわけで、パワーを出した時の特性を測るにはダミーロードがいる。というよりもアンプを自作する人はそのアンプの出力にかかわらずダミーロードを持っているに違いない。

 私も昔はオーディオ用のアンプを作った事があった。正確には途中で挫折したのだが、それは出力用トランジスタの放熱器が大きすぎて巨大になってしまったからだ。しかも扱う電圧も高くなってくるのでコンデンサの耐圧も必要になり、全てがでかい。スイッチング電源全盛の今ならまだしも当時はその電圧に合わせたトランスも必要だったのだから大変だった。


900MHz帯(8/19)
 ESAの電池を交換した時にスペアナで900MHz帯を見てみたのだがあまり受信する事は出来なかった。電測用のスペアナなどは簡易型も含めて(電測用なので)IMなどよりも感度に重きを置いたものもある。デスクトップ型のスペアナでもオプションでRFアンプを搭載出来るものもある。
しかし電池交換してESAはプリアンプが搭載されていなかったので感度が悪かった。

 スペアナはスプリアスなどを計測するものなので内部歪みは極限まで小さくする必要がある。内部歪みが起きるのはミキサであり、RFアンプを付けてそのミキサへの入力レベルを上げてしまうと歪みの点で不利になる。
電測機では歪みを測るのではなくそこに電波があるかどうかを測るので目的が違うというわけだ。

 但し注意しなければならないのは最近の広帯域伝送では、帯域辺りのエネルギは小さくてもエネルギの総量は大きいと言う事だ。以前にホワイトノイズの話を書いた事があるがそれと同様に、10MHzやそれ以上の周波数幅に拡散している信号波なので総エネルギ量は結構大きいのである。
この辺りを考慮せずにプリアンプをONにして測定したりするとミキサでIMが起きて実際には信号のない周波数帯があたかも使われているように表示されてしまう。

 900MHz帯のチェックであればUSBドングルの方が受信感度が良いがSBMのLTEは確認出来なかった。地方部などでは電波が出ている話もあるが、既存局問題よりも整備自体が遅れているのではないかという気がしないでもない。
インフラ整備が出来ていれば地方のある程度のエリアをカバーする局でサービスを開始しても良さそうなものだが実際にはそうでもないようだ。

 SBMにとっては大切なバンドなのだろうが、世間的には今更感も漂う。来年には700MHz帯の整備も始まる筈でSBMは設備投資が大変だろう。ドコモなどはマルチバンド基地局とマルチバンドアンテナを組み合わせている所もあるが、ビルやマンションの屋上局などなどだと小型基地局を多数並べている所もある。マルチバンドサービスは基地局や移動局の制御が忙しくなるので本来であればシングルバンド広帯域が良い。まあ伝搬特性の異なるバンドを持つ事も必要ではあるが、セル設計なども異なってくるのでノウハウも必要になる。

 SBMのCMでどこかの山頂でも使えますとやっているが、私からしてみると山頂でもやっと使えるようになりましたと言っているCMに見える。まあ、あの場所でドコモやauが圏外なら宣伝にもなろうがどうなのだろう。
と言って、そんなスポットでの比較CMでもやろうものならドコモやauに、いやドコモは下らぬ反撃はしないだろうがauなら反撃しないとも限らない。そうなれば圧倒的不利な立場に立たされてしまうので、あまりデカい事も言えずと言う事だ。

 自宅付近のドコモのLTEは相変わらず弱い。おそらくは2.1GHzを掴んでいると思うのだが1.5GHz帯や1.7GHz帯はどうなっているのかと言いたい。SO-04Eは1.7GHz帯は非対応だったかな。普段使う上では特に何も気にする必要はないが安定した通信と通話を望みたい。
おそらくはVoLTEシフトでCDMAの方は今以上は整備されないと思うが、VoLTE対応機に私が買い換えるのは来夏になる。現状のSO-04Eで大木は不満がない事もあるし、大画面大型化の流れに乗ろうかどうしようかという迷いもある。大画面スマートフォンをいったん見てしまうと、やはり見やすく操作しやすいなと思うと思う。携行性重視よりも大画面かな、なんて。


HID(8/18)
◆ Blogでも報告したがシグナスXのHIDでバルブが寿命を迎えた事で、改めて使用可能時間と言う事を考える機会となった。ハロゲンランプは切れる事を何度も経験していたがHIDのバルブを交換したのは今回が初めてだ。
自動車で初めてHIDを使ったのはSLの時だったが、当時日本向けにはHIDライト仕様車はなかった。なのでヘッドライトユニットを部品として購入して換装した。
それ以降もHID搭載車に乗ったしCLSもそうだがライトが暗くなったとか不点灯になった事はない。

◆ 二輪車の場合はヘッドライト常時点灯なので使用時間が長いのは確かだが、中華バーナは3年で駄目になった。
総走行距離は2.3万kmに満たず、HIDに変えてから2万km位しか走っていない。平均速度を40km/hとすると500時間で寿命を迎えた事になる。HIDバーナの平均的寿命は2千時間(照度が7割に下がる点だったかな)はあるはずなので500時間はいかにも短い。

◆ 外したバーナは電極が消失しているようにも見える。バーナをオーバドライブして加速試験?を行ったのがこちらの記事だが120Wでドライブすると数分の命となった。
最近では55Wや75Wなどを謳うバラストも氾濫しているが、相変わらず入力電力を計算すると40W位だったりする。55Wと書いてあれば売れる的な感じで、どこかの通信事業者が一番だ一番だと叫ぶのと同じだ。

◆ まともなメーカのまともなバーナは1セット2本で2万円位はする。中華HIDだとバーナとバラスト付きで3千円もしない。
安く作るためにはどこかを削らなければならず、電極を細くするなどがあるのかも知れない。確かに寿命は短いが価格が安いので仕方ないと諦めるのも良いだろう。値段と寿命のバランスはさほど悪くないと思えるからだ。

◆ 放電管は一般的には徐々に照度が落ちてくる。メタハラの経年変化を見たのがこちらのページだが、HIDでも似たような落ち方をするのだろう。寿命が長ければ照度低下も緩やかで寿命が短いと照度低下が急峻なのか、その辺りは何とも言えない。シグナスのバーナも、あるとき急に暗くなったと感じたからである。急に暗くなったと感じて十数時間後には点灯しなくなった。

◆ フィラメント型電球と違って不点灯の前に予兆があるのでその間に交換すれば済むとは思う。勿論突然不点灯になるようなケースだって無いとは言えない。
寿命末期には色温度が下がるとも言われるが、私の場合は明らかな色温度の上昇が見られた。ドライブ電力を上昇させると数分後には目に見えて色温度が下がるのだが、寿命末期のバーナは50Wでドライブしても相変わらず色温度が高いままであり照度もあまり上昇しなかった。

◆ バーナは定電力ドライブされるべきなのだが中華バラストはインチキである。シグナスにはレイブリックのバラストを使っていて、回路を見ると定電力ドライブになっている。ただしバーナの要求電圧に合わせてバラストの出力電圧がどこまでも上がると言う事はなく、限界が来ればその後はドライブ電力が減少する。
ドライブ電力が減少すると照度が下がって色温度が上がる。

◆ 電極が消耗すればギャップが開いて要求電圧が上がり、それにバラストが追従出来ないと暗く青い光になる。
逆に追従出来ている範囲ではさほど照度低下は無いはずで、これが急に暗く感じた要因ではないだろうか。
スカイウエイブは2灯式なのでどちらかが切れても走行できなくなる事はないがシグナスは困る。中華HIDを使っている方は予備のバーナと予備のバラストを積んでおいた方が良いかもしれない。


バルボル(8/17)
◆ バルボルは日本語にすると真空管電圧計とでもなるのだろうか。バルブ(真空管)+ボルトメータ(電圧計)なのだが、真空管時代終焉以降に測定器に触れ始めた私以降の人には何がバルブなのだみたいな感じではないだろうか。
何故真空管で電圧計を作るかと言えば、入力インピーダンスを上げられるからだ。

◆ 普通の電圧計は電磁石のコイルに流す電流で磁力を変化させてメータの針を振らせるので、そのメータ駆動電流が入力インピーダンスを決めてしまう。そこでメータをドライブするためのアンプを真空管で組んだというわけだ。
真空管はやがてFETへと姿を変えた。トランジスタは電流デバイスなので入力インピーダンスを上げるには多段構成にする必要があるが、FETならば電圧デバイスなので回路を簡略化出来る。

◆ バルボルはDCのみではなくAC、それもある程度の周波数まで測れた。フィードバックのかかった直線性の良い整流回路を使うので目盛りをノンリニアに振る必要性もなかった。さらには対数(っぽい)表示が出来たりもして便利なものだったが今は殆どアナログメータ付きのものは見かけなくなった。
ディジタルだとDMM(ディジタルマルチメータ)と呼ばれて桁数も十分なので高い電圧でも高分解能で測れる。
入力インピーダンスもギガオームクラスが一般的ではないだろうか。

◆ 現在のDMMの桁数がどのくらいなのかはよく分からないが8.5桁位は普通にあるはずだ。8.5桁あると1.5Vの乾電池の電圧が1.50000000Vと読める。勿論確度の問題があるのでその桁数全てが絶対制度として有効かどうかは別の話だ。
最近では安物のディジタルテスタでもそこそこ桁数があったりして、ADCの価格低下は様々なものの価格を下げて精度を上げてくれた。

◆ ADCの精度を上げるには低雑音かが必要になる。デバイスの上限電圧には限りがあり、せいぜい3.3Vとか5である。16bitのADCですらそこから90dBもダイナミックレンジを取らなければならないので大変だ。CMOSと言えば低消費電力だが低速でしか動かなかった。やがて微細配線化などによって高速動作が可能になったが低雑音にはならなかった。だが昨今ではLNAに使えるほど低雑音のデバイスもあり、オールCMOSのアナログICも低雑音で作る事が出来る。

◆ 高速低雑音で2GHz帯位ならばワンチップトランシーバも作れる。以前であれば受信部はバイポーラ、送信部はGaAsが当たり前だった周波数帯である。ただしPA用途として考えると電源利用効率はGaAsに及ばない。GaAsは歩留まりが悪いので価格が高く、電源利用効率を少し我慢するとCMOSデバイスが使える。

◆ ディジタルメータに小さなアナログメータが付いていたり、最近ではLCDのバーグラフの付いているものがある。入力のレンジ切り替えがもうすぐですよ、みたいなお知らせ用としてサブのインジケータが付いている。数字を読む事に関しては桁数の多いディジタルで、しかしレンジ切り替えやその他の情報は見て分かりやすいバーグラフやアナログメータでと言うわけだ。
ディジタルテスターでもバーグラフ表示が付いているものがあるが、変化している電圧などを読むのにサンプリング時間の概念が存在するディジタルでは読みにくい場合もある。

◆ DCをDCのまま増幅するのは大変だった。今でこそオペアンプでも何でも簡単に手に入るが、そうでない時代にはDCアンプはオフセットやドリフトとの戦いだった。だったらDCをいったんACに変調してしまってそれqおぞうふくしたあとでDCに戻せば良いではないかというのがチョッピングアンプなどだだった。


うずら(8/16)
◆ スーパーで売られているウズラの卵、温湿度を適度に保つと孵化するのそうだ。ウズラを育てて何をするのかという話もあるが、ウズラの卵が毎日食べられるとかくず野菜を食べてくれるとかそんな感じかも知れない。
ウズラは結構過密飼育も出来るので市販の鳥かごなどに入れて飼う事も出来る。

◆ 鶏ではないのでコケコッコーとは鳴かないが、ウグイスのようにさえずる事もない。小鳥よりは声は大きめだがピーと鳴いたりギャー?みたいな声を出したりする。
ペットとして考えれば、スーパーで飼ってきたウズラを孵化させるのは安上がりだ。ペットショップでウズラを買うと千円とか2千円とかの価格になる。

◆ 鳥の仲間なので生まれたてから面倒を見れば、世話人を親として認識する可能性もある。意外とフレンドリーなので他にペットがいても大丈夫なのだとか。
私は鶏は飼った事があるが、雌だよと言われて買ってきた鶏にもやがてトサカが生えてコケコッコーと鳴き始めた。
ひよこ屋さんが間違えたわけではなく、明らかにサギ商売だ。
鶏が大人になる頃にはひよこ屋さんはもう道ばたには居ない。次の年になるとまたひよこ売りのおじさんがやってくるが、既に時効である。

◆ ウズラを卵の状態で買ってくれば雄と雌の比率はほぼ半数か若干雌の方が多いそうだ。雄が増えてくると喧嘩が起きるのでケージを増やす必要が出てくる。育つ度に食べちゃえばいいのだが、自分で飼育した鶏を食べるというのは日本人的感覚からするとどうなのかな、みたいな。
雌はせっせと卵を産んでくれるのと争いが少ないので飼育密度を上げられる。

◆ ペットショップに行くとネズミやモルモット、ウズラやひよこなどの冷凍品が売られている。例えばネズミはフクロウなどの餌なのだ。なのでこうした人間が食べる以外の食用マーケットがあるのも事実である。
金魚にしても同じように、参道の金魚すくいで使われているようなものはたいていは餌用の金魚だ。しかも飼育状態が悪いので白点病などにかかっている個体がある。
これを水槽に入れると白点虫が移ってしまって大変な事になる。

◆ ペットショップの利益率は高い。それは世話に金がかかるためでもあり売れ残りの処分費用でもある。犬や猫の仕入れ価格が3万円位だとして、ペットショップのプライスは15万円位が付けられる。ペットショップでは出来るだけ安く動物を仕入れたいし、ブリーダは安く大量に動物を生産するために年に何度も生ませる。こうした無理は子犬や子猫の健康状態を悪化させてしまう。

◆ しかし買う側はそんな事は分からない。高い価格で売られている犬猫なのだからきっと高級品に違いないと買っていく。
本来ならば信頼出来るブリーダから買うのが一番なのだが、そのブリーダが信頼出来るかどうかという問題だってある。
昨年死んでしまったアメショーは、ペットショップの店員さんかブリーダさんが喫煙者だったらしい。というのは、喫煙者には喉を鳴らしてすり寄ったり、たばこの臭いのついた服の上でゴロゴロしたりして喫煙者の服に毛を付けてしまった事があったからだ。

◆ 最初はたまたまなのかなと思ったのだが、それが初めての来客であっても同じだったのでたばこの臭いに反応しているのだなと思った。だから腫瘍が出来たのかどうかは分からないが、人間に比較すれば体重の軽い動物故に副流煙などの害も受けやすいのだと思う。


ESA-E(4)(8/15)
◆ 電池入り水晶デバイスを取り替えたのでCPUボードを元に戻して電源を入れてみる。
と、真っ白画面に… やがて起動したのだがRAMが生きているので何かをロードするとかあるいはチェックする時間がかかるのだろうか。何度か電源を入れ直してみたが安定して遅い。

◆ とは言っても最近の測定器はunixやWindowsが動いているのでなかなか起動しない。ローデシュワルツの多機能複数チャネルSGなど起動までに数分を要する。
それらに比較すれば十分に速いが、バックアップバッテリが無くなっていた時はもっと速かった。もしかするとデフォルトデータをロードしないとか、設定出来るのかも知れない。

◆ 起動後に日付と時間を併せていったん電源を切る。再度電源を入れてバックアップが正常な事を確認した。ここで組み立てに入る。組み立てに特に難しい事はないが、カード類を押さえているプラスチックのバーが少し入りにくかった。ネジを順番に締めていくがサラネジが1本不足してセムスが1本余った。どう見ても締め場所に間違いはないのでサラである所がセムスで止まっていたのだろうか。
まあ他に干渉する事がない場所なのでセムスで止めたけど。

◆ M4T28を交換して修理、修理と言えるのかどうかは分からないが、とにかく完了となった。電源を入れて少しウォームアップし、アライメントを取る。せっかくなのでトラッキングゼネレータ側のアライメントも取ってからいったん電源を切ってみる。
そういえば電源ON時に工場出荷設定をロードするか、ユーザ設定をロードするかみたいな項目があったなと思い、これを電源を切る直前の情報をロードするように設定して動作を確認した。
普通に使うのであればユーザ設定をロードすれば良いのではないだろうか。

◆ 完全に元通りの状態に組み立てて30分ほどウォームアップし、再度アライメントを取り直す。電池交換前はキャリブレーション値をいちいち忘れてくれたので毎回アライメントを取り直さなければならなかった。さらに完全な初期状態から起動するためにYTOの周波数が下がりすぎているワーニングが記録されていた。バッテリ交換後はこのワーニングも表示されなくなった。おそらくは電源投入時にキャリブレーション値がロード出来るので、ワーニングが出るようなチューニング電圧をYTOに与える事が無くなったのだろう。
レベル確度その他は基準になる機械がないので分からないが、この辺りもサービスマニュアルがあれば自分で校正する事が可能になる。

◆ こうしてESAのバッテリ交換作業は終了した。まあ電池を替えるだけなので何と言う事はないのだが、初めて開ける機械でもあり初めて触ったデバイスでもあったのでネタになった。
壊れたESAでもあれば無線部分を開けて見てみたかったが、さすがに動いている、それも測定器なので無駄な事をして精度が狂ったなんて事は避けたかったのである。前回のSGの場合はそもそもが壊れていたので修理するには開けなければならない。
ローデにしてもアジレントにしても基板やシールドケースに○○MHzとかの表示があるので回路図やブロック図無しでも(頭の中におおよその構成が思い浮かべられるならば)信号を追う事が出来る。

◆ ESAは別売りバッテリパックで電池動作が可能だ。こんな、300Wも食うものを電池で動かすのか… というかフィールドで使うには仕方のない事で、ハンドヘルドスペアナでは心許ない向きはコイツをぶら下げて測定するのかも知れない。本体も結構な重量なのでバッテリも入れたら持って歩きたくない重さになる。まあ持って歩くと言っても台車に乗せて移動したりはするだろう。車で移動するなら車から電源が取れるかな。電測車だったらAC100Vが豊富に使えるはずなので、そこまで行かない移動測定用途か。


ESA-E(3)(8/14)
 電池容量が大きくても基板には乗りそうだし、ソケットのサイズは同じなので納期の早いものが無いかと調べてみた。
チップワンストップでは同じ品番でも納期違いや価格違いがある。おそらくはストック企業が違うと言う事なのだろうが、容量の大きなM4T32-BR12SH1が早く入手出来るならそれを使えばいい。
と思ってみていたらM4T28-BR12SH1でも即納なものがあるではないか。

 失敗した。価格は少し高いが即納の方を選べば良かった。というか即納なものを追加注文した。デバイスが2個になってしまったが、使わないで保存しておけば10年位大丈夫かも。次に交換する時の予備品として保存しておけばいいかな。
本当は冷暗所で保存すべきだが、スペアナの空いている場所に貼り付けておいたらいいかも。
そもそも次の交換時にこのデバイスが存在しているかどうかだって怪しいではないか。と、負け惜しみ的屁理屈で2個目を注文した。

 2個頼んでも1,500円にも満たない価格だが、送料がなんか馬鹿らしいなとは思う。送料ついでに脱線するが、プリモトルテに注文を頂く中には200円もしないショーツ1枚の注文に580円の送料をかける人も居る。メール便だったら安いのにとか、どうせなら何枚か注文頂けたらいいのにと思う。
送料は仕方のない支出、しかし商品は出来るだけ安くみたいな気持ちがあることは否めない。しかし商品代より送料が高いと、仕方ないとは言ってもちょっと悔しい。
チップワンストップは注文後のキャンセルは不可能だが、プリモトルテならば発送前であれば何とか出来る可能性もあるから、やっぱりもう少し追加するとか発送方法を変えるとかも出来るんだけど。

 さて、チップワンストップは注文翌日に発送され翌々日にはデバイスが送られてきた。黄色い、ちょっと大きめの、昔のDALLASのリアルタイムクロック、なんて知っている人は居るかなぁ、まあそんな風体なのだ。
まずは基板から寿命となったM4T28を外す。上手く外れるかと心配だったがマイナスドライバをテコにして外した。ICプーラでは幅が広くて挟めなかった。
コイツ分解したら電池交換出来るのかなとか、でもデバイスごと買った方が安いなとか思いながら新品を差す。

 電池と水晶振動子パッケージされたM4T28はICの上に亀の子型に乗っている。下にあるICにICソケットが付いているのか、基板に付いているものとICが密接しているのかよく見ないまま、変なICだなと思いながらM4T28を差し込んだ。
外したM4T28は壊さず取ってある。この部品が製造中止になるかどうかは現時点では分からないが、もしかしたらやがて使わなくてはならない日が来るかも知れない。

 予備品も頼んであるというか結果としてそうなったので、少なくともあと10年は大丈夫だ。このデバイスが発売開始されたのは10年以上前のものだと思われるので今の時点で考えても長寿である。しかし一般的なアジレントのスペアナの寿命はもっと長い。未だに30年も前のモデルが流通していたりするわけで、勿論企業ではそれは使わないと思うのだがアマチュアは使っている。
当時、つまり第一世代に属するスペアナはロジック部分も殆ど無かったので壊れても修理が出来る強みはある。

 アドバンテストになる前のタケダ理研製などは国産のワンチップICが不良になると言う事もあった。これはもう入手不可能なのでニコイチにする以外に修理の道はない。アナログ部品もそうだがディジタル部品でしかもカスタムとなると入手性が非常に悪い。
旧HP製品などはアジレントが専用部品を持っているが、それを単体で購入するのがまた難しい。ディスクリート部品であれば代替デバイスと言う事もあるがICではそうは行かない。


ESA-E(2)(8/13)
◆ サービスマニュアルを見れば電池は自分で交換出来ると書かれているのだからソケットだろう。パーツの中で唯一ソケットに乗っているのはM4T28-BR12SH1だ。
調べてみるとリチウムバッテリと水晶振動子が入っている部品だと分かった。なんで電池と水晶なんだと言いたい所だが、水晶振動子の周波数が32.768kHzなので時計にでも使ってねと言うことなのだ。

◆ でもバックアップ電池は寿命があるだろうが水晶の寿命はそう短くはない。電池の電圧は2.8Vで容量48mAhとなっている。線を引っ張り出してボタン電池でもくっつければ使えるなぁとは思ったが、半田ごてを持ちたい右手を抑え付けて我慢させた。
このパーツはディジキーやチップワンストップで入手可能だが即納ではない。
ディジキーは即出荷だが米国からなので1週間はかかるだろう。チップワンストップは20日待てと書かれているが、注文が簡単なのでチップワンストップにした。

◆ チップワンストップは前回のローデのSG修理の時にもパーツを頼んだので2回目である。今回は送料よりパーツ代の方がわずかに高かったが、まあそんな値段なのだ。
パーツは頼んだが入手出来るまでに時間がかかるのでいったん組み立てて返却することにした。ローデのSGもそうなのだが組み立ても分解も簡単なのは有り難い。

◆ 傷んでいる部分はスポンジ系で、これは内部のエアフローのコントロールに貼られている感じ。背面パネルの方はスポンジと銀メッキ金網が一体化したようなもので、オプションスロットなどのシールド強化目的で貼られている。
こちらは傷んではいないのだが接着されている訳ではないのでべろんと剥がれてこようとする。

◆ 使用期間が長くないからか埃などのたぐいはあまり溜まっていない。前回開けたローデのSGよりもずっと綺麗だ。まあ測定器類は綿埃のある環境で使うものではないのだが、それでもファンの周辺などには埃は付着する。事業所で埃の原因と言えば衣類と紙だろう。シュレッダーなどを使う所では紙の細かなくずが問題になる。クリンな環境では普通の紙は勿論使えないし鉛筆だって使うことが出来ない。人間は繊維くずの出ない衣類を身につけなければならない。

◆ 話を戻そう。マザーボードの下にはアルミ鋳造のケースがどんと付けられている。これがスペアナの無線部で、マザーボードに付けられているのはIFより後の部分やADCなどだと思う。ローコストスペアナと言う事でセミリジッドケーブルでの配線は最小限になっている。独立したパーツで目立つのはフィルタと思われるもので、形状的には誘電体の塊が何個か入っている感じだから1stIFのものかも知れない。ここのフィルタの減衰量が足りないとすっぽ抜けが起きるので重要である。

◆ ローデのSGがユニット間をセミリジッドケーブルで接続するスタイルなのに対してESAは一体型のRF部だ。まあスペアナとSGという違いもあるだろうしスペアナの場合はシールドが重要なので構造も変わってくるとは思う。
問題の電池付き水晶というかは、ソケットに入っているのだが抜いていない。特に何かで押さえられている訳でもないので引っ張れば抜けそうでもあるが、固着していたら嫌だな。

◆ 一般的なICに比較すると重そうなデバイスなのに何故固定されていないのかは不思議な所だ。実は何かのロックがあって引っ張っても取れない仕組みだったりして。いずれにしても今の所はデバイス入荷待ちなので、その辺りはデバイスが来てからのお楽しみである。
このデバイスには電池容量の大きなモデルもあって、それを使うと2倍位の寿命になるはずだ。
ディメンションを見ると横幅が3mm程大きいのだが基板上は問題なく装着出来る。


ESA-E(8/12)
◆ ESA-Eシリーズはアジレントのポータブルスペアナである。発売されたのは10年以上前ではないかと思うのだが未だ現行モデルだったかな。アジレントは半導体なども自社生産しているので寿命が長いのかも知れないが、測定器としてみても長寿だ。
専用測定器の寿命が短いのは当然として、汎用測定器でも一定期間が過ぎると主にパーツの入手性の問題などでモデルチェンジが起きる。

◆ そのESA-Eシリーズスペアナのバックアップバッテリを交換出来ないかとの話があった。バックアップと言えば昔はNi-Cdバッテリが入っていたが、ニカドやニッケル水素は寿命が短いので嫌われた。その後はリチウム系の一次電池が全盛となる。二次電池にする必要がないのは小型大容量で自己放電が少ないことで二次電池にした所で電池自体の寿命に大差はないからかも知れない。

◆ アジレントの取説を見ると電池の寿命は25℃で7年、55℃で1年を保障している。リアパネルに電池交換日が書かれているので見てみるとおよそ5年経っていることが分かった。
測定器の置かれる環境は、そこに人が居れば25℃前後だと思うが夏場の休日や夜間などはおそらく温度が上がるだろう。
大きな実験室などでは常時測定器の電源が入っている場合もあり、おそらくは夜間も冷房は入っているだろうが昨今の事情から設定温度が上がっているのかも。

◆ いずれにしても電池が無くなっているようで、電源を切ると設定値も日付や時間も忘れてしまう。日付や時間はまあ良いとしてもキャリブレート値なども忘れるようで毎回アライメントを取り直さないといけない。
アジレントはサービスマニュアルをオプション設定しているので、それを見ると自分での修理や調整あるいは校正が可能になる。この辺りはとても親切だ。

◆ しかしサービスマニュアルはない。そもそも現行機種なのだからメーカサービスを依頼すればいいのだが、年間サポート契約を結んでいないのでスポット修理がやたら高額になる。
まあ年間サポートにしても何十万円かは取られたような…と言う訳で、とりあえず開けてみることにする。

◆ ネジはトルクスでリアカバーはたぶんT16ではないかと思うが手持ちがない。ちょっとT15を突っ込んでみようかな〜 あ、回った。リアのカバーというかゴムのカバーを外して取っ手を取ると筒状のアルミ製カバーが抜ける。
内部はアルミ板で覆われているが、ここはT9で止められている。
ネジを何本か外すとそれもぱかっと外れるが、オプションが殆ど付いていないので中がガラガラという感じ。

◆ ささっている基板はCPUボードと無線系のボードが2枚、ユニットとして一番巨大なものは電源である。
バックアップ電池はCPUボードに乗っているのだろうからそれを外す。カードを止めているねじと固定しているプラスチックのバーを外すと簡単にマザーボードから外せた。
CPUらしきものにはヒートシンクが付いているがファンは付いていない。ファンのコネクタがあるので高速CPUオプションでもあるのかも知れない。

◆ CPUといえばオーバクロックなので、まずはクロックゼネレータを探す。
なんて事は勿論しない。壊したら大変だ。
CPUボードのチックセットが68000系なのでCPUもおそらくそうだろう。メモリはスロットに入っている。バッテリらしきものを探すがそれらしいものはない。この時代だとバッテリはソケットではないかと思う。今でこそ短時間の短絡に耐える構造の電池などがあって半田層や炉に突っ込んでも大丈夫なものもあるが、時代的には違うと思う。
続く…


ちくわ(8/11)
◆ ちくわの話の前にちくわぶというシロモノがある。おそらく関東南部以外の方にはなじみの少ない食材だと思うが、小麦粉で出来ているのでうどんのウルトラ太いヤツ程度の感じだ。ちくわぶは竹輪麩と書くので、ちくわ的なお麩という感じだろう。
ちくわ風なのだからちくわもどきでも良いような気もするけどね、がんもどきってのもあるし。

◆ ちくわは練り物である。かまぼこの仲間みたいなもので、それに油を付けて焼く。すると油の付いた所に適度な焦げ目が出来てあのスタイルになる。
私はちくわはあまり好きではない。勿論ちくわぶも好きではない。食べないほど嫌いと言う事もないのだが、ちくわが乗っていないノリ弁当なんか偽物だ!と言うほどの拘りなど全く持っていない。

◆ 何でノリ弁にはちくわが乗っかっているのだろう。ちくわと白身魚というのが定番である。ちくわがさほど好きではない私は、ちくわと他のものがセレクタブルだったら良いなと思ったこともある。だがそのちくわの食感を思い直す事件が、って事件じゃないだろうな小さな事だし、まあそんな事があった。

◆ あれは確かオリジン弁当だったと思うのだが、そこで買ったノリ弁のちくわがカリカリっとして美味しかったのである。
明らかに揚げすぎ感のあるそのちくわはだいぶ細身に変身して色黒にも見えたが、しかしかりっとして美味しかった。
揚げ係のパートのオバさんが、あ〜ら揚げ過ぎちゃったわ、でも食べられるから良いわよね、中国みたいに賞味期限切れとか床に落ちた食材を使った訳じゃないし、あははははと言ったかどうかは知らないし、あたしはカリカリに揚げた方が好きなのよ、お客さんだってきっとそうだわと社内手順を無視して揚げちゃったのかどうかも定かではない。

◆ でもその食感が私のちくわに対するイメージを一新させたのも事実である。ノリ弁を買ってみてはちくわを箸の先っぽでつついて堅さを見る、みたいな事をしている。
ノリ弁のちくわは揚げてあるのだがおでんのちくわはそのものズバリだ。何でノリ弁のちくわは揚げてあるのだろう。賞味期限の切れそうになったちくわを揚げて使っちゃえってのが始まりなのかどうかもよく分からないが、揚げてある。しかもたいていは縦に2つに切って、円筒形ではなく半円になっている。

◆ 確かに揚げることを考えると穴の中まで火が通りにくい円筒形は合理的ではないし、そもそもコストが半分に出来る。おっ、コイツは半分がご飯に埋まっているだけで本当はあのちくわの形そのものなんだなと期待する人が居ると思えないから、あの形がノリ弁のあのスタイルを象徴する一つのアイテムなのだ。
しかし焼いて作るちくわをさらに揚げるという事は、せんべいの天ぷらみたいな発想ではないか。あ、でもゆで卵の天ぷらはあるから火を通したものを再度揚げる事もありか。
そもそもおでんだったらそうしたものをさらに煮込んでしまう訳だ。

◆ ちくわの仲間かどうかは分からないが、薩摩揚げがある。薩摩揚げなので鹿児島が本場と思われるが鹿児島の薩摩揚げは甘い。
仲間と言えばちくわぶとはんぺんは共に白くて少し似ているが原材料が違う。ちくわぶはうどんよりも密度が低く、はんぺんよりはずっと固い。そうそう、ちくわぶがあまり好きではない私ははんぺんもあまり好きではない。おでんの具としては柔らかめなそれらよりも、昆布だとかジャガイモとか大根みたいなハッキリした材料の方が好みだったりする。
ちくわぶをご存じない方もコンビニのおでんには全国的にちくわぶが採用されているそうだ。個人的にはあまり美味しいものだとは思えないのだが、未だ食したことのない方は是非。


アンテナ(8/10)
 手計算で設計出来るのは3エレメントまで。なんて事が言われていた八木アンテナだが、今では計算機の力によってかなりのレベルのシミュレーションが可能だ。
計算でも何でもなく勘と経験によって各種アンテナを作る人も居た。今だったらアンテナアナライザだとかインピーダンスアナライザと言った簡易型の測定器というかブリッジみたいなものを持っている人も居ると思う。

 ネットワークアナライザでアンテナを調整する事も出来るが、フィールドなどで気軽に使えるという点では簡易型の計測器の方が良いのかも知れない。
アンテナ用のブリッジなどを持っている人は余裕のある方であり、ディップメータでも持っていれば凄いですねと言われたものだ。たいていは実際に使う送信機とSWRメータだけでアンテナを調整していた。

 そのSWRメータもたいていはアンテナの近くではなく送信機の近くに置かれる訳だからアンテナのSWRというよりはアンテナと同軸ケーブルをまとめて測るみたいな感じになる。
理屈から言えば同軸ケーブル長がλ/2の整数倍なら良いのだがそれでも損失分だけSWRはよく見える。
SWRは(スミスチャート上で言う所の)定SWR円の中に入っているかどうかしか分からないので、アンテナが容量性になっているのか誘導性になっているのかは分からない。

 もちろん純抵抗で50Ωにいるのが理想ではあるが、そのアンテナのアンテナとしての性能を発揮するポイントが50Ωであるとも限らないのだ。八木アンテナでは反射器や導波器が近くにあることで輻射エレメントのインピーダンスが下がってしまう。なのでΓマッチなどを使うのだが、当然マッチングの損失がある。しかしし一般的には集中定数でマッチング回路を作るよりはΓマッチなどを使った方がロスは少ない。

 ホイップアンテナなどだと接地あるいはカウンターポイズが必要なので設置場所によって特性に差が出てくる。測った時には良かったのに屋根の上に上げたら駄目になった、みたいなものだ。輻射効率の高いアンテナは当たり前だが外部の影響を受けやすい。輻射効率がゼロのダミーロードは外部の影響を受けにくい。

 周波数が高ければある程度の面積の金属板があればカウンターポイズとなってくれるのだが、VHF帯やHF帯となればそうは行かない。接地型アンテナと言ったってその接地抵抗が下げられなければアンテナとしての効率は落ちてしまう。
ダイポールなどの接地を必要としないアンテナはその点で楽なのだが大きくなる。グランドプレーンやループアンテナも然りだ。
ダイポールそのままだと大きいので先を曲げてL型にしたり、四角い形にしてしまったりの変形版もある。

 アンテナは地上高によって垂直面の指向性が変わる。水平方向にビームが出てくれればいいのだが、アンテナの形式や地上高によっては上つまり空の方向に電波が出ていく場合もある。電離層反射などを使う用途ならばそれでも良いだろうが、普通は水平に電波が出て欲しい。

 送信機や受信機の定量的測定はさほど苦労はしないが、アンテナは難しい。広大な場所かあるいは電波暗室でもなければ特性を測定することが出来ない。しかも実際に使われるのは電波暗室の中でではなく電波を吸収する人体や反射する物体が近くにある。
こうした特性を測定するのはファントムと呼ばれる人体の模型みたいなものを使うのだが、これがまたやたら高額なシロモノなのだ。
こうした苦労があって携帯電話やスマートフォンが作られるのだが、それに金属製のカバーをかぶせるなんて設計者は泣けてくるに違いない。
俺はスマートフォンには詳しいからさと自慢げに取り出したiPhoneに金属製のカバーが取り付けられていたりすると、思わず笑ってしまいそうになる。


ヤフオク(8/9)
 測定器類のジャンルを見ていると、SGなどが大量に出てくる時期と全く姿を見せなくなる時期がある。企業などが償却済みあるいはリースバックなどで一斉に放出する事もあればそうでない時期もあるのだと思う。
沢山の品物が並ぶと需給の関係もあって価格が下がるが、価格が下がってもあまり買いたくないと思うのはそんな時だ。安いものが沢山出ていると、もう少し待ったらもっと安いものが出てくるのではないかと期待してしまうのが人間というものだ。

◆ 逆に玉数が減って平均価格が上がってくると、多少高くても仕方がないかとなる。これは何にしても同様で3.11の後にはUPSの価格が高騰した。今だったら千円で買えるUPSが、当時はその5倍も10倍もの価格が付いた。
カメラ関係でも同様で中古の玉数が増えてくれば当然落札価格は下落傾向になる。何故こうした波があるのかは不明なのだが、良いものを安く買いたいと思ったら急いではいけないのだ。

◆ 季節ものもある。クーラなどは春や秋には玉数も少ないが入札も少ない。未だいいや、もう少し暑くなったら考えようと多くの人が考える。で、梅雨明けに一気に暑くなったりすると一斉に入札が入るので思わぬ価格にまで上がってしまう。
窓用エアコンは移動に便利なのだが、これも年数によってはガスが抜けるなどはあるようだ。ガスではなくコンプレッサの不良なのかも知れないが、10年以上経ったものなどは意外に効率が落ちているかも知れない。

◆ 高額なものとして新品の手に入らない物もある。アナログオーディオ機器や既に製造が中止された電子機器などがそれで、特に8mmビデオなどは高値が付いている。そして高い割に正しく動作するものが少なく、これって何台か買って組み直して直すのかなと思うようなものも少なくはない。
測定器にしても何にしても電源投入のみの確認でジャンクですよという表示のものが多い。ジャンクと書かれているがスタート価格が安い訳では無い。そこそこ高値で出しているのだから状態が良いのかと思うとそうでもなく、入札にはリスクがある。

◆ 測定器などは特にそうで電源が入った所で信号が出てこなかったら全くのゴミである。しかしその測定器の相場が高ければゴミであろうがそこそこの価格が付く。
カメラのレンズなどは機能が単純なので良いのだが、測定器類となると何がどう動作したものを正常と判断するのかは、厳密には測定器メーカでなければ分からない。外部インタフェースなどは相手の機械がなければチェックが出来ない。

◆ いつかの受信機の話でリンクした先にも、出品物の説明と実際が異なった例があった。出品者が悪意を持って説明を書いている場合があるかも知れないが、その状態を出品者はヨシとしていた可能性もある。それこそ測定器などを使って受信性能をテストしたのならばともかく、電源を入れて放送を聞いてみましたレベルでは良否は判断出来ない。
しかしSGでも持っていなければ定量的な測定は出来ないし、それを行うにしても全てのバンドでテストするのは面倒すぎる。

◆ テストする事によって高額で売れるのならばいいが、そうでなければ高値のジャンクとして売った方が手間が無いと多くの中古業者は考えるはずだ。そういった意味でも専門性の高い商品の出品は難しいし、落札側としても十分なチェックが必要になる。
オーディオ系にしてもカタログ性能が出ているのか出ていないのかなど普通は分からない。音が出たから良品ですと書かれているだけでは詳細は分からない。
そしてこれは500円の品なら文句もないだろうが、5万円のアンプとなれば失敗したら相当悔しい思いをする事になる。


MVNO(8/8)
◆ MVNOといえばドコモネットワークを使うのが一般的だ。
日本通信はKDDIやSBMにも話を持って行ったと言うが、コスト的に折り合わない。NTTに対してはコストの透明化などと孫さんは毎回唾を飛ばす訳だが、自分の所は不透明なままだ。
日本通信によればSBMのコストはドコモの3倍だという。

◆ いうまでもなく携帯料金は各社横並びである。もしもSBMの言うコストが本当ならば、SBMはドコモの3倍の料金を設定しなければ利益が出ない。ところがソフトバンクはドコモよりも利益を上げている。
これには設備投資の抑制など経費の部分を削っている事情もあるのだが、ならばMVNO事業者に提供する価格が安くなるはずだ。

◆ つまりドコモよりSBMの料金が高い合理的説明が出来ない。
事業規模が小さいほど設備コストが響いてくるので回線コストは高くなる。地上系のネットワークにしてもスケールメリットが出にくくなるのでコストがかかる。
ここまでなら話は分かるのだが、孫さんは何かにつけてコストカットだ安価な画期的方法だと言っている。しかもそれを裏付けるかのように利益も出している。

◆ エリア整備の状況や基地局の作り方などを見ても、とてもドコモより金のかかったインフラだとは思えない。LTEに関しても2.1GHz帯でしか行っておらず、地上げに難航した900MHz帯はともかくとして1.5GHz帯は手つかずだ。
日本通信はSBMのネットワーク品質を考えればドコモより安価でないと使えないとする。しかし実際にはドコモの3倍の価格を提示してくる。

◆ おそらくMVNO事業者にネットワークを貸したくはないのだろう。
ネットワークを貸し出せばエリアも品質も第三者の目で確かめられてしまうしドコモと直接比較をされる。それを嫌うために"貸したくない値段"を見積もったのではないのか。
もちろんMVNO事業者はこれに対して怒りもするだろう。もしもNTTがSBMは気に入らないからファイバーの価格を10倍に値上げをすると言ったら、孫さんがどれだけ暴れるかは火を見るより明らかだ。

◆ 他人に厳しく自分に甘い孫さんだから、こんな事もあまり恥ずかしがらずに出来てしまう。普通の企業だとプライドだとかコンプライアンスなんかがあるのでなかなか出来る事ではない。
KDDIにしてもドコモより高い価格を提示したようだが、さすがにSBM程の価格は付けないしグループ系とは言えMVNO事業者にも回線卸をしている。
SBMはMVNO事業者への回線提供をしておらず、逆にグループ内から1.7GHz帯を借りている。

◆ この辺りの議論を避けるためにYMの発売するスマートフォンはYMの免許周波数帯に対応せずSBMのネットワークでしか通信出来ないようにしたのかも。グループ内とはいえ回線を貸していますよと言い張るために。
今はこうやって反発していられるが、それがずっと続くとも思えない。
MNOの価格とMVNOの価格差は多くのユーザを適当に分散させる。SBMが欲しがっているライトユーザはMVNO事業者が持って行ってしまう。

◆ こうなるとMVNO事業者に回線を卸さなければ加入者数が維持出来なくなる。そもそもSBMの実加入者数は公称加入者数の1/2以下なのだからARPUが2倍にならないと他社に追いつけない。今は株が上がったとか何だとかと言っていられるが、スプリント低迷がじわじわと響いて来ているはずだ。

◆ 横並びの料金体系でもシェアが低いほど厳しくなる完全定額制で、SBMがドコモ以上の利益をたたき出せる要因がない。iPhoneの売値を上げてはいるが、これによって急速に売れ行きが悪化し焦ってキャッシュバックを再開した時期もあった。


レギュレータ(8/7)
◆ スイッチング方式ではない、ごく一般的に使われているのがシリーズパスレギュレータだ。ごくごく初期の安定化電源はディスクリートで組まれていたが、やがて専用のICが登場する。ただしこれも出始めの頃は外付け部品が多く必要だったり、ループが不安定になりやすかったりした。また、その安定化電源用のICを動かすために正負の電源が必要だとかで使いやすいとは言えなかった。

◆ 3端子レギュレータは簡単で使いやすかった。何しろ入力と出力とGNDの3端子であり、外付け部品はコンデンサだけだ。これで所定の電圧が出てくるとあって民生用でも産業用でも多用された。シリーズパスのドロップレギュレータなので損失(発熱)は仕方がなかった。
最近になるとLDOと称されるシリーズパスレギュレータが全盛になる。シリーズパスレギュレータなので入出力電圧差は必ず必要なのだが、それが従来の3端子レギュレータよりも1桁少なくて動作する。

◆ 3端子レギュレータで出力5Vを得ようとすると入力は8V程度は必要だ。初期の頃からの3端子レギュレータはバイポーラで出来ていたので入出力電圧差は多めに必要だ。入出力電圧差が大きいので発熱も大きくなってしまう。
LDOはPNPトランジスタやFETを使う事で入出力電圧差数百mVで動作するようになっている。なので発熱量もぐっと少なくなる。
LDOは3端子レギュレータみたいなもので入力と出力とGNDの3端子に加えてパスコン用の端子と出力のリモート端子がある位だ。

◆ 入出力端子とGND間のコンデンサ容量も小さくできる方向で開発されているのは突入電流問題があるからだ。電池動作機器であればあまり問題にはならないが、モジュールやUSB機器で突入電流が過大だと電源供給側の能力が不足してしまう。
特に最近では電解コンデンサではなく積層セラミックコンデンサが使われるのでものすごくインピーダンスが低い。積セラで47μFとか100μFなのだから推して知るべきと言える。

◆ 突入電流防止回路をもったものもあるのだが、単に動作が遅いだけだと電源のスイッチに時間がかかる。電源のスイッチに時間がかかるとその分無駄に電流が流れるので消費電流を減らせない。必要な時には瞬時にONにならなければいけない。ただし高速動作が可能なレギュレータICはその分自己消費電流が多かったりする。高速動作させるためにはある程度のバイアス電流を流さなければならないからだ。

◆ LDOはいくつものメーカからデバイスが出ているが、電圧や電流以外の使用も機器設計上では重要になる。
ローカルレギュレータを使う一つの目的に電源ノイズの除去があるが、電源IC自体のノイズだって問題になる。パスコンを入れればノイズが減るかというとそうでもなく、ノイズの少ないLDOを使った方が合理的だ。
ロジック回路であればノイズなどにはうるさくはないし、低電圧を作るにはもっぱらスイッチング電源が使われる。しかしアナログ回路でローカルにレギュレータを持たせる意味を考えると安易にデバイスの選択が出来ない。

◆ 各回路ブロックごとにローカルレギュレータを入れておき、特性を見ながらそれらを廃していく事もある。レギュレータ一つと言っても大きさと重さと値段があるものなので不要なデバイスは削減したい。
しかし他のブロックが稼働する事で電源にノイズが乗ると、ローカルにもレギュレータが必要になる。
これは大元の電源インピーダンスが低ければ良いという訳ではないので難しい。ノイズ防止にL/Cを入れると、そのLの直流抵抗でドロップが起きたりする。元々の電源インピーダンスが低いと言う事は、そこに乗ったノイズも除去しにくい事になる。


スイッチング電源(8/6)
◆ 今やスイッチング電源全盛である。スイッチング電源はAC100Vをそのまま整流し、それを断続させる。断続させたものを平滑して降圧するものだ。実際には様々な仕組みが加えられるのだが大まかにはそんな感じ。
トランス方式では電流容量に応じた大きさのトランスが必要なので重く高額になる。スイッチング電源は高周波スイッチするのでトランスも小さくできる。
レギュレーションもドロップやシャント方式ではないので効率も高い。ドロップ式のレギュレータはドロッパの分だけ電力を消費し、シャント方式は常に最大電流を消費する。

◆ しかしノイズが出るという面ではマイナスになる。トランスで電圧を落としてシリーズパスレギュレータに入れればノイズの発生は少ない。誤差電圧検出器などにゲインがあるのでノイズがゼロではないがごく少ない。
一方でスイッチング電源はスイッチ周波数のノイズが必ず出る。平滑が不十分ならこのノイズは電源に重畳される。
ごく初期の、まだノイズが多かった頃のスイッチング電源で無線機を動作させたら、スイッチング周波数ごとのスプリアスがずらりと並んだ、なんて事もあった。

◆ そんなスイッチング電源だがスイッチング周波数の上昇で平滑が楽になった事や同期整流などで整流時のノイズも軽減されて低ノイズ化が進んだ。未だに実験用電源ではトランスタイプのものも少なくはないが、この世界でもスイッチング電源化は進んでいる。

◆ 昇圧、たとえばDC12VからAC100Vを作るインバータも今やスイッチング電源全盛である。昔のインバータと来たら50Hz用の大型トランスとそれをドライブする大きなトランジスタが並んでいた。しかし今はスイッチング電源方式なので小型で軽い。

◆ オーディオアンプもスイッチングノイズを嫌う事などからトランス方式が使われていたが、SONYは意外に初期の段階からスイッチング電源(SONYはパルス電源などと呼んだ)を使った。スイッチング電源はスイッチング周波数が高いので過渡特性が良いなどのメリットもある。シリーズパス電源でもオーディオ用などでは過渡応答を早める設計などがなされる。ちなみに出力側コンデンサを大きくすると過渡特性が改善されそうだか違う。負荷ゼロの状態から負荷100%の状態に変化させた時、電源の応答が悪いと電圧が瞬間下がる。大きな容量のコンデンサを出力に入れると、そのスパイクが鈍るだけだ。

◆ 大容量のコンデンサをチャージするには大きな電流を流す必要があり、そのチャージ時間がゼロでない以上は電圧が下がる。
結局電源の能力を超えるものを出力コンデンサで補おうとしても無理なのだ。これはTDMAやTDD方式の無線機でも同じ事で、送信の瞬間に電圧がドロップしてしまうとコンデンサを入れた所であまり改善しない。スパイク状のドロップが平坦化するのは事実だが電圧がフラットになる訳ではない。

◆ オーディオ系だと電源コード云々説もある位なので電源の方式自体にも拘りはありそうだ。しかし真空管時代にはB電源は安定化されていなかったしSG電源がスタビロか何かでシャントレギュレーションされていたに過ぎない。そのスタビロにしてもデカい出力をボンと出したらヒクッと薄暗くなったりして。
シャントレギュレータは常に想定最大電流以上を流し続けるので効率が非常に悪いが、過渡特性は良い。だからと言ってオーディオアンプにシャントレギュレータが(小電流部以外で)使われているとも思えない。
シャントレギュレータのスタビロに相当する半導体はツェナーダイオードだ。


レーダ探知機(2)(8/5)
◆ 500MHz帯域のアンプは40dB程度のゲインを持たせることにした。これ以上は発振の恐れがあるし、これ以下だと検波が難しい。測定器さえあれば、それこそ10.7MHzのIFにしてFMラジオと同様のリミティングアンプを使えば簡単だったのだが、測定器がないというのは辛いことだ。凄く高価な測定器とすれば10GHz帯を直接扱えるようなものもあったとは思うが、SGはダブラーやミキサで周波数を上げるとかコムゼネレータを使うとか、スペアナもミキシングダウンして見るくらいしかできなかったのではないだろうか。

 ちなみに同様の方式によるスーパへテロダイン式のレーダ探知機が世に登場したのは私がこれを実験した数年後だった。
話を戻そう。こうして出来上がったレーダ探知機、アンテナは大型のためフロントグリル内に設置した。防水処理されていないガン発振器なのでビニル袋にくるんで設置した。

 自作レーダ探知機の性能を確かめてみたいのだが、そんな時に限って取り締まりに出会わない。遠くまで出かけたりもしたのだがなかなか遭遇しない。当時は自動ドアの人感センサに10.525GHz帯が使われる以前だったので自動ドアのセンサも無い。

 なかなか取り締まりには出会わなかったのだが、市販のゲルマラジオ式レーダ探知機を鳴らす能力はあった。何しろ20mW級のガン発振器に20cmものパラボラをくっつけた訳で、漏洩電力だけで相当な距離まで届いたようだ。

 IFアンプの帯域が広いので感度は悪い。感度は帯域に反比例なので仕方がないのだが、この広帯域での検波感度はせいぜい-40dBm位だろう。もっとも、それよりもIFアンプのノイズレベルの方が高かったかも知れない。
そしてついに取り締まりと遭遇出来る時が来た。取り締まりをやっている道路を何度も往復して距離を測ってみたのだが、せいぜい500m手前で検知するのが良い所だった。

 本当は取り締まり機の電波を基準にこちら側を調整したかったのだが、速度違反ならぬ電波法違反で(漏洩電力過大で)捕まるといけないので早々に退散した。
それでもゲルマラジオ式よりも感度が良かった(単にアンテナゲインがあっただけかも)のでしばらく車に付けておいた。
何年かするとスーパへテロダイン式のレーダ探知機が登場し、それには誘電体発振器が入っていた。

 今でこそレーダ探知機の性能差は少なくなったし、多くは無人取り取り締まり機なのでGPS機能が有効になる。
だがスーパへテロダイン方式のレーダ探知機が出てきてしばらくの間はメーカやモデルによる性能差が大きかった。F&Fでもテストしてみた事がある。
自動ドアのセンサも高周波ドップラ方式から赤外線のアクティブスキャンなどになり自動ドアに反応することも少なくなった。

 取り締まりの方も赤外線方式が増えているようにも感じる。無線による取り締まりはマルチパスなどによる測定値の信頼性問題で何度も裁判になっているのとドップラ測定なのでレーダのアンテナ設置角(どの位置から車を見るか)が重要なこともあって使用が減っているのかも知れない。

 超高周波帯というとミリ波レーダがある。当初は価格の高かった60GHz帯のレーダも量産効果などで安価になった。ETCはそれよりもずっと周波数の低い5.8GHz帯である。CPUが3GHz辺りで動く世の中なのでGHzという周波数も身近になったというか何というかだが、レーダ探知機ではじめの頃には10GHzは凄い周波数だったのだ。


レーダ探知機(8/4)
 速度取り締まりに使用される10.525GHzを受信して警報を発するものがレーダ探知機と呼ばれるものだ。ごく初期のものは1N23BなどのXバンドやSバンド用のミキサダイオードを使ったものだった。
ホーンアンテナには1N23Bが2個実装されている。一つ目のダイオードはアンテナ側に、もう一つのダイオードはそのすぐ後ろ(アンテナから見て)に付けられている。
アンテナ側のダイオードは1KHz程の矩形波でドライブされていて後ろ側のダイオードにはオーディオアンプが接続されスピーカが付けられている。
これだけだ。

 レーダ波がアンテナに入ってこない時には何も起こらないのだが、電波が入ってくると矩形波でドライブされたダイオードによって入ってきた電波が断続される。ASK変調されるというか、ダイオードが導通している時間は10.525GHzが遮られ導通していない時には通過する。
すると、その通過した10.525GHzを後ろ側のダイオードが検波する。10.525GHzは1KHzで変調されているので後ろ側のダイオードにはその1KHzの成分が出てくる。
これを低周波増幅してスピーカを鳴らすという訳だ。

 変調器付きのゲルマラジオという訳なのだが、だったら高周波増幅器などを付けたスーパへテロダインにしたらもっと感度が良くなるのではないか、と私は思った。
しかし10GHz帯を増幅するなどそう簡単な話ではない。今でこそデバイスがあるが当時はそんなものは入手出来なかった。
ならばどうしたら良いか。高周波増幅無しでもミキシングダウンして増幅すれば良いのではないか。

 早速実験すべく材料を集めた。というか材料が先にあったから実験してみる気になったとも言えるのだが、直径20cm程のパラボラアンテナと10.525GHzのガン発振器があったのだ。ガン発振器にはミキサダイオードが付いていて、発振器の周波数とアンテナから入ってきた周波数の差分が出力される。
ここにアンプを付けた後に検波すれば、きっとゲルマラジオ方式よりも感度が良くなるに違いない。

 だが事はそう簡単にはいかない。10.525GHz帯の発振器は温度によっても周波数が変わるし電圧依存度もある。そもそも速度取り締まりレーダの周波数精度だって高い訳ではない。1%周波数が狂っただけで100MHzも違ってしまう。
PLLでロックさせるなんて技は使えないというか、そもそも10GHzを扱う事が出来ない。コムゼネレータを使って(作って)ミキシングダウンするなどを考えても、例えばその周波数ステップが100MHzだとすると10.425GHzなのか10.525GHzなのか分からない。

 周波数精度を上げる手法を色々考えたが良い方法は思いつかなかった。ならば逆にガン発振器をスイープして、受信できたところで止めればいいのではないか。何なら止めなくてスイープしっぱなしでも、その周器で受信出来る。つまりはゲルマラジオ方式のASK変調をFSK変調にしたようなものだ。
しかし、そもそもこのガン発振器の周波数は正確なのだろうか。空洞共振周波数計すら(金額的に)入手が出来ない訳だし、GaAsによる誘電体発振器が一般的になる以前の話である。

 空洞共振型周波数計なら銅板とモノサシで作れるのではないかと真剣に考えたのだが挫折した。残る方法はIF帯域を広げることだ。少々周波数がずれていても受信出来るようにしてしまう。ガン発振器の周波数可変幅を広げる方法もあるが限界がある。ガン発振器はそこに与える電圧で周波数が変わるのだが、8Vより上げると壊れるし下げれば発振が不安定になる。なのであまり広帯域に可変することは出来なかったのだ。
IF周波数を上げると増幅が難しくなるが、とりあえず設計値を500MHzとしてアンプを並べてみることにした。
続く…


Apple(8/3)
◆ iPhoneのシェア減少でAppleの勢力減退もささやかれる。
ジョブズ氏が生存していたらシェアは低下しなかったのか、ジョブズ氏がトップにいたとしてもシェア低下は避けられなかったのか。
オーディオプレーヤの世界ではAppleが長らく首位となっていた。他のメーカも製品を出していたがAppleのブランド力は無敵かに思われた。しかし2013年半ばにSONYが販売数でも明確な差を付け始めてAppleから首位の座を奪った。

◆ スマートフォンの世界はもっと過酷だ。敵が世界中にいる事ではPCの世界と同じだ。まさに多勢に無勢の状況になる訳だが、単一企業が全世界を相手にしていると考えればApple製品のシェアは現時点でも凄い事である。むしろ圧倒的シェアを誇っていたあの頃が異常だったとも言える。
だからと言ってシェアが低下しても安心という訳ではなく、多くの企業がそうであるように成長を続けなければならない。

◆ 日本においてはゼロ円販売+キャッシュバック効果で圧倒的な販売シェアを誇っていた。しかしインセンティブの縮小で販売シェアは急降下した。売れていたのが安いだけという訳ではないと思うが、同じ価格ならば高機能モデルを選びたくなるのが日本人だと思う。しかしiOSも徐々にAndroidに近づいてきたし、不評のかな漢字変換も外部アプリが使えるようになる。大型画面も手に入れられるとすれば、少なくとも日本における競争力は増強されるだろう。
デザインが変わるとすればそれも目新しさにつながる。これらがプラスに働き、キャッシュバックなどの減少がマイナス要因だ。

◆ 日本での販売量増加はドコモによる所が絶大だ。潜在需要があった事と加入者数の多さ、スマートフォンへの移行が進行途上である点などで新規需要が多くなった。一方でSBMは行き渡り感がある点ではマイナスだが代替需要は3事業者の中でトップだろう。しかし孫さんはiPhone発表会にも姿を見せずAndroidを一番売っているなどといじけた様子を見せた。
しかしそのAndroidスマートフォンは新機種を揃えられず、それはSBMが強烈なiPhoneのイメージを持っているのとiPhone優遇でAndroidスマートフォンメーカから見放されてしまった事にあるからだ。

◆ 鼻の利く孫さんとしてはiPhoneのシェア減退を感じ取っていた、いやSBMが売るiPhoneの数量が、ドコモが参戦してきた事で減少する事を予想していたのだと思う。
インセンティブ額の縮小、TCAでの加入者数発表が四半期ごとになるのを待ったかのようにSBMが真っ先にこれを行った。結果は火を見るよりも明かというか、一気に販売数量が減少した。

◆ iPhoneも値段が高いと売れなくなりSBMもキャッシュバックが無くなると加入者を取れなくなる。その後在庫吐き出しなどでキャッシュバックが復活したが在庫処理はauも行ったためにSBMが浮き上がれない。
時期的にもiPhone6を前にしての時期でありキャッシュバック無しでの販売は難しい。しかし販売量が少ない=在庫が残る事になるのでこの時期に何とか売り切りたいと各社は思っているはずだ。

◆ iPhone6販売時にキャッシュバックがどうなるのかにもよるだろうが各社が販売正常化を目指すとすると国内でもシェアは急降下(iPhone5(s/c)までは多額キャッシュバックだったので)する事になる。ドコモがiPhoneを販売出来たことはAppleが折れたとも考えられ、さらにiPhoneの特別扱いを各社がやめたとしてもAppleは強くは出られなくなっているのではないか。主導権はAppleではなく事業者に移った、あるいは移りつつあるのが現状だと思う。


赤字路線(8/2)
◆ 国鉄民営化で赤字路線の廃止が起きた。国鉄は赤字を垂れ流しながらでも運営が出来ていた訳だが、民営化となればそうは行かない。
横浜市でもバス路線の廃止があった。廃止したのは民間のバス路線ではなく市営バスだ。地下鉄は赤字でも走らせると、件の中田(旧)市長が自身の選挙区まで線路を引っ張った。しかし赤字抑制とやらで高齢者が多く利用する路線を廃止した。
高齢者は無料パスを持っているので赤字を加速する。

◆ 廃止された路線の中には市営バスに変わって民間バス会社がバスを走らせた所もある。本来であればこれは逆でなければならないのだが、市営バスの運営コストは民間バス会社の2倍以上とも言われるのでこのような事が起きる。勿論市営バスの運営コストが高いのは公務員の給料が高いからだ。

◆ 横浜だけではなく全国各地でバス路線の廃止は行われている。
人口減少や過疎化、就業人口の減少もバスの利用率を下げるが、利用したい人や利用しなければ行動出来ない人も居る。
タクシーを呼べば料金はバスに乗る10倍にもなるが、特に高齢者などだとタクシーを使わなければ買い物にも医者にも行けない。
自家用車を持っている家庭であれば不便度は低くはなるが、ここに軽自動車関連税の値上げやガソリン代、そして何よりも不便だというのがガソリンスタンド自体が少なくなった事だ。

◆ シニアカーがある。電動で6km/h以下の速度で走れるもので軽車両扱いではなく歩行者扱いだ。バス路線の廃止などで孤立化を余儀なくされる高齢者世帯に、こうした移動手段を提供する事も必要なのではないだろうか。確かに時速6kmでは長距離の移動は出来ないが、歩いて行けと言うよりはよほど良い。
現状では保安装置なども義務づけられていないのだが、基準と規格を見直す事で安全性と利便性を確保出来るのではないか。

◆ コストの問題もあるのだがGPSと移動体通信ネットワークを使ったシステムやバッテリ切れで立ち往生する可能性を減らす管理などは技術的に難易度の高いものではない。
シニアカーは国内外製を含めて100車種くらいあるそうだ。価格が高いので中古市場も出来ている。動力は電動機に限られるのでバッテリを搭載しているが、現行モデルの殆どは鉛蓄電池である。

◆ コストを考えると鉛なのかも知れないが、軽量化や低重心化を考えるとLi-ionしか無いだろう。Li-ionバッテリも最近はずいぶん価格も安くなり10Ahのセルが2千円位だと思う。シニアカーの動力源としてはこれを20個くらい搭載する必要があるが、シニアカーの交換用バッテリが4万円くらいすることを考えると全く不可能な事ではない。
あとはお掃除ロボット的なセンシング技術などで自律安全性を高めるとか、車やバイクなどから認識しやすいような保安部品を取り付けるとかする。

◆ GPSや移動体ネットワークがらみとなれば移動体通信事業者が作ったって良い。勿論現在発売しているホンダやスズキとの提携で2年使えば実質タダみたいな、いやそこまでは出来ないかもしれないがレンタルだったら可能かも。ドコモなどは保険もやっているのだからトータルサポート出来るではないか。
バッテリ残量の減少で最寄りのチャージポイントに行くか自宅に引き返した方が良いのかの判断をするとか、サポートセンタや保険会社に連絡を取るなども可能になる。
ジジババケータイを売るだけが能ではないと思うんだけど。
だからと言ってバスが要らないと言う事はないのだが、民間も自治体も見放すとなると自力での移動手段を模索するしかない。


テロ(8/1)
◆ 総務省を訴えたり、挙げ句の果てには火を付けると発言したソフトバンクはモバイル業界のテロリストのようなものだと書いた事がある。訴えを起こした事でドコモは800MHz帯をFOMAで使うスケジュールに遅れを来した。自社の躍進のために自社で努力をするのではなく、競合他社を妨害するという経営方針はソフトバンクが従来から行っているもので、ADSLの端子問題などもあるいは方式問題なども然りだ。

◆ 新たな帯域割り当てに関してもこれと尾内状な事を言っている。アナログTVのVHF帯跡地を使うモバイル放送は、現在はドコモやその他の事業者が免許を受けているのだがその帯域をドコモの保有帯域に含めるべきだという。通信と放送の区別が付かないとは、相当な焦りがあるのだろう。
一方でソフトバンクグループであるワイモバイルのPHS帯域は共用バンドなのでソフトバンクグループの保有帯域に含めるなと言う。

◆ PHSは確かに共有帯域でありピーク時には3つの事業者がその帯域を公有していた。共有はアロハ方式みたいになっていて、要するにアナログコードレス電話の考え方と同じだ。しかしTDD方式でありながら各社非同期で使っていたので共有には無理もあった。またアステルやNTTが100mWのCSを使ったのに対してDDIポケットが大出力CSを使ったために全体のバランスが崩れた。
こうした様々な事情もあって最終的にはDDIpのみが公衆サービス事業者として残ったのである。

◆ 建前上は共有帯域なので誰でも事業参入する事が出来るのと、現在でも非公衆表の帯域はDECTも使っていたかな。なので利用事業者数で割るのは悪くはないが、実質1社しか使っていないので100%がワイモバイルの保有帯域と見なすのは問題ない。PHS帯域を使ってXGP(的なもの)を行う計画などもあったが、既存局との共存を考えた時の難しさなどから実現していない。比較的広い周波数帯域があるのでOFDMAなどで使うと有効活用は出来るのだが、既存のPHS利用者があるので好き勝手は出来ない。

◆ 海外のPHS事業者はその帯域をXGPで使う計画を立てている所もある。TD-LTEではなくXGPでというのは多分に政治的な問題もあるのと3GPPがらみの事もある。本来であれば全て3GPPでまとまった方が良いのだが、周波数割り当てなどは各国の事情もあるのでXGPやWiMAXと名乗らなければならない場合もあると言う事なのだ。
WILLCOM時代であればPHSを継続運用となったはずなのだが、今やソフトバンクグループなので何が起こるか分からない。一時期ソフトバンクの代理店はWILLCOMはもうすぐ消滅するから今のうちにSBMに乗り換えた方が良いと営業していた。勿論ソフトバンク傘下になったとたんに言っている事をひっくり返して加入者を増やした。

◆ 他社を妨害する事で自社を有利にするのは、もしかしたらグローバルスタンダードなのかも知れないが日本では好まれない。競争の中で発展発達していくのが本来の姿で、他社が這い上がるのを妨害したり規制したりしては発展はない。これは許認可事業でも同じ事が言えて、その業界自体が弱体化する。しかしその中にいる企業は弱体化の認識がないので改善が起きない。

◆ 孫さんは通信事業に興味がある訳でもなければ通信事情を改善しようとの志がある訳でもない。単に商売の一つとして儲かりそうだから通信事業に参入しただけだ。従ってその判断が必ずしも正しい結果を生み出していなくて、それは900MHz帯や1.5GHz帯がLTE化出来ない事にもなってしまっている。それでも通信事業は長続きしている方だが、ちょこっと手を出して儲かりそうにないなと思うとさっさと他社に押しつけてしまうやり方は昔から変わっていない。
まあSBMが無くなろうがどうしようがドコモやauがあるので何と言う事はないし、それにはSIMロック解除論も大きな安心感となる。
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