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過去の雑記置き場


10年(1)(9/1)
10年(2)(9/2)
飛ぶもの(9/3)
歩く(9/4)
SME03(1)(9/5)
自転車乗り(9/6)
SME03(2)(9/7)
SME03(3)(9/8)
料金プラン(9/9)
レクサス(9/10)
ジャイロ(9/11)
CB50(9/12)
中国製(9/13)
SG(1)(9/14)
SG(2)(9/15)
SG(3)(9/16)
SG(4)(9/17)
SG(5)(9/18)
ESG(9/19)
SG(6)(9/20)
テスター(9/21)
空気清浄機(9/22)
パケット定額(9/23)
LED(9/24)
SDR(9/25)
SPEEDI(9/26)
周波数カウンタ(9/27)
ESG-D(1)(9/28)
ESG-D(2)(9/29)
方向性結合器(9/30)


方向性結合器(9/30)
◆ 古いSWR計を改造して方向性結合器にしてみた。改造と言ってもダイオードを外してコネクタを付けただけだ。方向性を見てみると100MHz辺りまでは何とか20dB程度ある。そこから先は結合度が増えずに方向性だけが悪化し500MHzで方向性ゼロになった。ここで言う方向性とは出力端解放(SWR∞)と50Ωで終端した(SWR=1)差である。結合度を調整したり出来ればいいのだが、結構丈夫に作られていていじれない。同軸構造の外側電極たるパイプも鉄製なので半田付けに苦労してしまった。

◆ 結合部分が5cm位あるので高い周波数に対して長すぎる事、同軸構造や結合構造自体が余り良く出来ていない事が特性悪化の原因だろう。
元々の仕様としては1.8MHz〜144MHz用であり、144MHzでギリギリ使えるかどうかと言う感じだ。
このSWR計自体のSWRを測ってみたいのだが、手元にネットワークアナライザがない。

◆ 以前にブリッジでも作ってみるかと書いたのだが実現していない。ブリッジが必要になれば作るなりなんなりするのだが、特性を見たいだけなので腰が重い。
と言うかブリッジだと実数部も虚数部も合わせたものが見られるだけなので面白味に欠けるというか、まあ面白いかどうかで語るのは少し違うとは思うが今なら簡易なネットワークアナライザもどきが安価で買える訳なので、必要ならその方が良いかと思ったりする。

◆ SWR計の方向性結合器の方向性20dBは標準的だと思う。勿論それ以上の方向性が得られるものもあるが使用可能周波数帯が狭いなどの制限がある。今回使ったSWR計は同軸構造の方向性結合器なのだが、低い周波数帯では結合量が不足する。なのでフェライトトランスを使ったものもある。こちらも方向性自体は15dBから20dBだが結合度の周波数依存性が低い特徴がある。

◆ 以前にSWR計の結合ラインの終端抵抗を切り替えて何が起きるのかと書いた。SWR計改造の方向性結合器で終端抵抗を変えてみたが、SWR=∞の時の周波数特性が変化した。しかしSWR=1の時の特性には殆ど影響がなかった。SWR=∞の時には反射波が多く結合用ラインの電圧も上がるので影響が見えやすかったのだろうか。
なおSWR=∞時の電圧は200MHz以上ではほぼ一定になった。SWR=1の時の電圧は周波数が上がると綺麗に電圧も上がっているので、500MHzでそれが追いついてしまう。

◆ もう少し短いラインで結合度を下げて作れば高周波域まで特性が良くなると思う。それこそV/UHF帯のSWR計を使えば良かったのかも知れない。
この程度の方向性結合器でもアンテナの共振周波数を観測する事が出来る。適当な長さの線をぶら下げると110MHz辺りでSWRが1に近くなった。アンテナなのでその3倍の周波数でも共振している。奇数倍で共振するので550MHz付近でも共振しているはずだが方向性結合器の方向性が失われているので観測できなかった。

◆ アンテナにしても今はシミュレータが気軽に使えるので設計も楽なのだが、勘や経験や伝説が頼りな時代にはSWRだけが手軽に調整できるポイントだった。市販のアンテナにしても使っている人の評判だとか、あそこの局がどこまで飛ばしたからあのアンテナは良いとかが全てだったような気がする。アンテナ性能を測るのは結構大変で、電波暗室など使えるわけはないし広い所に持って行ってと言ったって一人では出来ない。
こればかりは昔も今も変わらない。


ESG-D(2)(9/29)
 フロントパネルは左右2個のネジを外すと抜けるが、出力端子と接続されているセミリジッドケーブルも外さないと駄目だ。ローデシュワルツのSGはセミリジッドケーブルに沢山のフェライトビーズが付いていたがESGには付いていない。このセミリジッドケーブルを外すとパネルは取れる。

◆ 実はパネルと本体はフレキシブルケーブルで接続されている部分があるのだが、バラす時にこれに気づかなかった。すぽっと抜けて破損はしなかったが、これによって後に焦る事になる。
パネルが外れればファンにアクセスする事が出来る。
小さいファンは車などの内装を止めているクリップみたいなもので固定されている。中央のピンを引き抜くとスポッとファンが取れる。

◆ ファン自体への埃の付着は多くはないがファンの後ろ側にある通風口には盛大に埃が溜まっている。まるでコットンフィルタのようではないか。
ファン自体は普通の12Vのもので回転の検出端子は使われていなかった。ファンの回転が少し重い感じがするが非分解構造なので注油が出来ない。無理矢理隙間からオイルを注入したが、果たして効果があるのかどうか。

◆ 大きい方のファンは無線ユニットを冷やしている。
こちらも埃が付着していたが小さいファンほどの量ではなかった。ファン自体も異常は感じられなかったので埃を取り去って掃除完了とした。
ファンを正規の位置に組み戻して電源を入れてみる。
掃除のために無線ユニットをマザーボードから外したので確認のために。
と、何も表示されない…

◆ CPU系はボードも外していないので壊れるとか接触不良になる事もないだろうに、一体どうしたのか。動作しているのかどうかは不明ながらも液晶に何も表示されない。ここでほんのちょっぴり汗ばむ… 仕方がない、点検するかと一通り見回しているとフレキが一本抜けているのが見えた。どうやらこれで液晶表示器に信号を送っているようだ。

◆ それを元に戻して電源を入れると正常な表示になり正常に動作した。正常動作が確認できたので外した蓋を取り付けてシールド構造を完成させる。
家庭で使うPCなどは綿埃がものすごく付いてしまうが企業などだとさほどでもない。全ての事業所がクリンな環境とは言えないが、一般家庭とはレベルが違う。

◆ 以前にも書いた事があるがディーゼル規制前は綿埃ではなく煤煙の粒子が固まったそのものが付着した。首都高速道路近くに住んでいる人は外に洗濯物を干すと黒くなると言っていた。あのディーゼル煤煙は少し粘っこい感じなので付着すると払っても落ちない。それに比較すれば綿埃など可愛いものである。

◆ ディーゼル規制で蛍光表示管や表示器の前面のアクリルなどに付着する汚れというか曇りも大幅に減った。
少し高い電圧がかかって電子を飛ばす蛍光表示管の前面アクリルはゴミを吸い寄せやすいのでディーゼル煤煙の餌食になった。CDやDVDのピックアップにもディーゼル煤煙は付着して不良を作ったが、規制された後はそんな事も少なくなった。

◆ ESG-Dは黒鉛的な汚れは付いていなかった。綿埃と非常に細かい砂埃みたいな汚れが主だった。以前に直したローデシュワルツのSGも同様で多少綿埃があるかなと言う感じ。あのSGは普通の後方排気だったのでリアパネルの内側に埃が溜まっていたが、掃除機でそのまま吸い取る事が出来た。


ESG-D(1)(9/28)
◆ ESG-Dは動作品なので特に中を開けてみるでもなかったのだが、一応ファンに付いた埃位は掃除してやろうかと開けてみた。
この世代からアジレント(当時はHP)は従来型のSGと路線を変えてきている。一つは小型軽量化であり、もう一つは低騒音化だ。低騒音化は日本などからの要望が強かったという。

◆ 欧米ではファンのノイズは当然とする考え方があるのと、測定器をラックなどに入れて使う場合も多いので後方排気の騒音が余り気にならなかったのかも知れない。ローデシュワルツのSMEなどは後ろをふさいでしまうと排気できなくなる感じで、設置場所に余裕が必要だ。

◆ 日本の狭い環境では測定器机にぎっしり計測器を並べる事も少なくはなく、こういった環境ではエアフローに問題が起きる。HPでも一部スペアナなどでは通風口をふさぎたくても塞げないみたいな構造になっているものや、立てて使う事が想定される測定器では立てて使った時でも問題が少ないようになっている。
例えばファンにしても、後方からの吸い込み型だと床の埃を吸い込んでしまう。吸い込み型の場合はエアフィルタを付けやすいので良いのだが、床に縦置きするとゴミを吸い込む。

◆ ESGは低騒音化の目的もあるのだろうが2個のクーリングファンは筐体内に設置されている。通常だと吐き出し型のファンを背面に付けるわけだが少し違う。
エアは前方側面から吸い込んで後方に排気している。側面には取っ手があるので隣の測定器と密着させる事は出来ず、この隙間からエアを吸い込む想定なのかも知れない。ファンが内部にあるので騒音は少ない。騒音は少ないのだが必然的に溜まる埃を掃除しにくい。

◆ 軽量化は時代の求めというか、コストダウンにも寄与する。ESGはモノコック構造になっていて構造材が二重になる部分が殆ど無い。フロントパネルと電源を外すとバラバラになって、何かで支えていないとたわんでしまうような感じだ。もちろん無線部分のシールドケースに強度を持たせるような構造ではないが、右側は電源部とロジック部で支えていて左側は無線ユニットのケースで支えているみたいな感じである。

◆ 測定器というとアルミの構造材に守られた中にユニットが並ぶみたいな感じが一般的だが、ESGの場合はその構造材が存在していない。外装ケースはローデシュワルツなどもそうだが強度は殆ど無い。ESGは筒型のカバーをすっぽりはめる感じで、これはポータブルスペアナなどでも同じ構造だ。
筐体を抜くには背面と底部の足を外して引っ張るだけだ。

◆ ネジは例によって全てトルクスが使われている。取っ手や背面の足を止めている太めのビスとそれ以外でサイズは2種類だと思う。ESGはさほど重くないのでローデシュワルツのSMEをバラす時より移動しやすい。
まあSMEは上下の蓋が分かれているので解体しやすいと言えばそうだった。アジレントの場合は筒状のカバーなので重い測定器だと引っ張り抜くのも大変だ。

◆ カバーを引き抜くと内部があらわになるが、シールド板に覆われているような感じなのでそのままでは基板も何も見えない。この板が前後の強度を保っているのでバラバラにするとふにゃふにゃになってしまう。
まずは電源部の方から見てみる。小型のファンの排気側に電源部とロジック部がある。乾いた感じの埃が結構付着している。掃除機の口が入るほどの隙間はないし、フロントパネルを外してファンを取って掃除するかなぁ。
続く…


周波数カウンタ(9/27)
 周波数カウンタとは周波数を測るためのディジタルカウンタである。ディジタルICの無い頃ってどうやって周波数を測っていたのだろうなんて思うわけだが、今やワンチップで周波数カウンタが出来る時代である。

 回路的にはさほど複雑なものではなく入力信号を一定時間だけ通すゲートと、そこを通過してきたパルスの数をカウントする10進のカウンタと、その結果を表示するデコーダだけだ。
ただしこれだとカウント中の数字が見えてしまう。入力パルス数に応じて10進カウンタがカウントアップするので表示がめまぐるしく変わり、カウントが終了したと同時に次のカウントが開始される。

 これでは見にくいのでラッチ回路を入れる。カウントが終了するつまりゲートが閉じるタイミングで10進カウンタのカウント値をラッチする。表示はラッチされたものを使うのでカウントの最終値が表示され続ける。
あとは必要な桁数分だけカウンタとラッチとデコーダのペアを並べていけばいい。同期カウンタを使うと全ての桁が測定最高周波数で動作しなければならないが、非同期回路であれば高速動作させるのは初段(最下位桁)だけだ。

 カウントさせるためにはロジックレベルのパルスが必要になるが、通常の周波数カウンタは0.1V程度の電圧でカウントできる。つまりアナログ入力をロジック振幅に増幅するための広帯域なアンプが必要なのだ。
これも今だったらICを使えば何と言うことなくフラットな特性と必要はゲインが簡単に得られるが、高速なオペアンプなど無い時代はトランジスタでアンプを作った。

 私はワンチップの周波数カウンタ用LSIを使って周波数カウンタを作った事がある。作ったというか組み立てたレベルに過ぎないのだがユニバーサル基板で作ったので配線は大変だった。入力のアンプはトランジスタで作ったが、今ひとつゲインが足りなかったので入力感度は悪かった。
基準発振器も適当な水晶振動子をくっつけただけなので精度と言えるような確度はなかったが、周波数が読める事自体に喜んだものだ。

 ただワンチップLSIは最高周波数が数MHz程度でしかなかったのでプリスケーラを必要とした。プリスケーラを入れると、同じ測定時間で精度が1/10(1/10のプリスケーラの場合)になってしまうが仕方がない。それでもTTLのカウンタなんて50MHz辺りまでしか動かなかったような気がする。
それ以上だとECLなんてデバイスを頼らなければならず、コイツは単一電源で動かないとかトランジスタを非飽和領域で動かすので電流を食うとかで使いにくかった。

 ワンチップの周波数カウンタ用LSIは世の中にあったが、メーカ製のカウンタの多くはTTLを並べて作られていた。桁数の問題だとか動作速度とか、色々理由はあったのだと思う。
周波数カウンタ用としてではない汎用カウンタのLSIとTTLを組み合わせて作られているものもあった。これは単にデバイス数の節約なのだが、カウンタ用LSIの多くはLED表示器をダイナミック点灯させる。TTLを普通に並べて桁数を稼ぐ時にはスタティック点灯になる。

 当時のLED表示器は輝度が余り出なくて、それをダイナミック点灯させるので何とも薄暗くなってしまった。電流を流してもリニアに輝度が上がるわけでもなく、これが解決したのはダイナミック表示用の7セグメントLEDが出始めてからだったと思う。緑色の表示器もあったのだが赤の方が明るかった。
緑と言っても今の緑発光LEDのような色ではなく、黄緑というかそんな感じの少しくすんだ色だった。


SPEEDI(9/26)
◆ SPEEDIは廃止方向だそうだ。理由を端的に言えばは役に立たないから。だが役に立たないのではなく役に立つ機械を役立たせる事が出来なかった国が悪いと私は思う。
もっともこの手の設備なりは、金を使うだけ使った後で廃止してしまうのが(官僚的には)もっともスマートなのだ。

◆ 道路や港湾や保養施設にしても宿舎にしても同じように金を使って廃止する。SPEEDIが必要だったねとなれば再度カネを突っ込めばオイシイ事になる。
予測システムが役に立たないから廃止するというのは気象庁予報部が不要だと言っているのとあまり違わないと思う。

◆ 予測システムを使わずに何をするのかというと、現地に人間を派遣して実測するのだとか。しかしそこが危険かどうか分からないまま人間を派遣する事が実際に出来るとも思えない。
SPEEDIがあると原発事故が起きそうなイメージを与えるから廃止すると考える人も居る。原発は事故を起こさないのだから事故に備える必要など無い、無駄金だというわけだ。

◆ 予測は民間に任せる案もあるが、これは良いと思う。
現在のシステムの内容などを公開すればこれまでの蓄積は無駄にはならない。計算能力にしても現状のシステムは過剰でありハイエンドPCクラスでも十分に計算が可能だと言われている。民間に任せるではなく単に公開だけでもするとフリーソフトが色々出てきたりして。でもそうすると(予測して)不安を煽るとか何とか言い始める連中も居るのだろうな。

◆ 予測システムそのものよりも価値は地形などのモデル化データにある。日本のように山や谷が多い場所では地形や風向風速のモデル化が重要でもあり困難だからだ。しかし福島事故の際の予測データは実測値とそう大きく狂ったわけではなく、モデル化を含めた計算の精度はさほど悪くなかった。

◆ 原発事故のみではなく有害物質を発生する火災その他使い方は色々ある。幸いにして日本の公害ピーク時期は過ぎたが大気汚染物質などの流れなども公開していけば良いし、花粉予測にだって使えるのではないだろうか。民間がやれば、あるいは個人が使い始めれば予測システムの使い道は無限に広がる。
モデル化手法やそのアルゴリズムなどもより高精度化していく筈だ。

◆ 携帯電話のエリア設計などでもシミュレーションが行われるのだが、これもモデル化が大変だ。と言うよりもモデル化が出来ればエリア構築は出来ると言っても良い位である。都市部においてはビルが出来たりもするので余計に困難度は増すし、ビルの谷間や高架下などの狭いエリアの正確なシミュレーションは出来ないと言っても良い。それこそ車が走っているのかどうかでも変わってくる。なのでいかなる場合でも良好な通信状態が得られる保証はないのだが、その不感帯をいかに少なくするか苦労している。

◆ ドコモなどは屋外のみではなく屋内での伝搬特性のシミュレーション精度を高めようとしている。地下街や大規模商業施設内に設置する基地局や中継器の有効エリアを計算したいためだ。実測すれば確かに正確ではあるが建物が出来た後で基地局のアンテナを付けて行く事は好まれない。予め計算して設置場所を決めなければならない事情がある。なのでそうしたモデル化には価値がある。


SDR(9/25)
◆ SDRは一度に受信できる帯域内であればFFTによってスペアナ的な表示が可能だ。しかしそれは3MHz程度が限界なので広帯域を見る事は出来ない。
だがこちらのソフトを使うとそれが可能になる。
Pythonで書かれているようだが、それらも一緒にインストールされるので特に難しい所はない。

◆ 原理的には局発の周波数を変えてスキャンし、その結果をつなぎ合わせる感じだろう。スキャン速度もFFT速度も遅いのが難点だが、こうして広域を見る事が出来る。
860MHzから875MHzまでがauの割り当てバンドで875MHzから890MHzまでがドコモだ。

◆ このレベル設定ではダイナミックレンジが狭すぎてバンド内の様子がよく分からない。そこでGainを上げてより低いレベルまで見られるようにしたのがこちらだ。auは10MHz幅のLTEとcdma2000、ドコモはW-CDMAとLTE10MHz幅となっている事が分かる。SBMは少し周波数が離れる900MHz帯で945MHz〜950MHzがW-CDMAで使われている事が観測できた。ご自慢のプラチナLTEは観測できなかった。

◆ スキャン幅が狭ければまだ我慢できる程度のスキャン速度なのだが、例えば200MHzから1GHzまでを見たりすると30分以上待たされる。
ソフトにキャリブレーション機能でもあれば、そこそこ正確なレベルが得られるかも知れない。キャリブレーションソースが必要にはなるが、それこそ中古のSGであれば安価に入手できる可能性もある。

◆ SDRのレベル安定度がどの程度なのかは分からないが例え仕様には幅があってもそのデバイスに限って言えばそう大きくは狂わない感じがする。温度や経年変化を含めたとしても±5dB程度の差には入るのではないだろうか。勿論都度校正すれば短期安定度±1dB以下に入ると思う。SDRドングルをそのまま買ったら千円、レベル校正表付きなら千円プラスみたいなものがあったら便利かも。
千円で校正表を作るのだから全自動で出来ないと商売にはならないと思うけど。

◆ 以前にも書いたがADCが8ビットしかないのでダイナミックレンジが狭い。これはもう価格が安いのだから仕方がないと諦める以外にはない。
何しろ千円のハードウエアとフリーソフトでスペアナ風のものが得られるのだ。ダイナミックレンジが狭い部分は使い方でカバーする必要があるが、それにはある程度の知識が必要である。
単に適当にゲインを設定してスペクトルが見えたから良かったねと言う程度ではスペアナ自身の歪みを見てしまっているかも知れない。

◆ SDRを使ったスペアナはFFTそのものなのだが、測定器メーカはFFTアナライザとスペクトラムアナライザを区別している。いわゆるディジタルIFを使ったスペアナでもFFTではなくディジタルフィルタを使用した選択性受信機になっている。
通常の信号レベルだけではなくノイズその他の測定などの場合はフィルタの形やシェープファクタなども問題になるなどい、様々な理由がある。

◆ フィルタ式のスペアナとディジタル処理部を組み合わせたものもある。現在のスペアナの多くはディジタルIFなので、それこそやろうと思えば何でも出来る。ハードウエアの追加が必要なケースは少なくオプション代○○○万円を払うと、その処理のソフトウエアがイネーブルになるだけだ。


LED(9/24)
◆ ハイパワーLEDがかなり安価になっている。秋月辺りでも3W品が150円位なので手軽である。3WタイプのLEDの明るさは200ルーメン程度だが放熱基板付きのLEDでもこのパワーだと外部に放熱器が必要になる。
中華タイプの公称3W品は実測では1W前後のものが多く、これは放熱が間に合わないからだ。

◆ 200ルーメンの明るさとは20Wの白熱電球より少し明るいかな程度である。60Wの白熱電球並だと800ルーメンは必要だ。自動車用の55Wハロゲンランプの明るさは1000ルーメン程度と言われているのだが、この辺りの表示はどうも怪しい。それこそ90W相当だとか130W相当なんてバルブがゴロゴロしている。

◆ 明るさが90W相当ではなく価格が90W相当だったり、寿命が90W相当なのかなと思うほどなのだ。でもまあ1000ルーメンを信じるならば3W品を5〜6個並べるとかすれば明るさ的にはその数字が得られる。
15Wとか20WのLEDだと1500ルーメン以上がカタログに謳われているので1個で車のヘッドライト級の明るさになる。

◆ ただし3WのLEDでも放熱が厳しいのだから15Wとか20Wとなると放熱器だけでは駄目で強制空冷の必要が有ると思う。強制空冷と言えばファンなのだが、コイツは寿命がある。出来れば可動部分のないヒートシンクの方が良いのだが、これだとかなりの面積を必要とする。チムニー構造での自然空冷も効率が高く、放熱器でもチムニー構造にして熱抵抗を下げたものもある。

◆ 可動部分無く風を流すにはイオン風を使う手もある。装置が大型化しやすい感じがするのとオゾンが出てしまうのがデメリットと言えるだろう。可動部分を無くすのが良いのか、いやクーリングファン自体の信頼性を上げた方がお得かも知れない。あとは過熱保護があれば何とかなりそうだ。ヒートパイプなどを使えば配置自由度も上がる。

◆ 先日補助灯を付けているバイクを見た。形式は不明だったのだが250ccか400ccクラスではないかと思う。補助灯は前輪のハブボルト付近に付いている感じがした。
さほど明るくはなかったし下向きというわけでもなかったのと色温度からすると暗いHIDかLEDでは無いかと思った。レンズ無しLEDの照射角は100度を超えるので、そのまま使うと広角照射になる。
街中では眩しいほどの明るさではないのだが、暗い夜道や山道だと広角照射は役に立つかなと思った。

◆ 1000ルーメンとは言わないが安いLEDでライトでも作ってみようかなと思った。ドライブ回路は簡単には抵抗で疑似定電流だが専用のドライバICを使った方が効率的である。ドライブ回路も発熱するので効率は重要だ。電流検出の感度が高ければ抵抗値を低く出来るのでロスが減る。LED電球などでも効率化のためにこの辺りは重要だし長寿命化のために電解コンデンサを使わない設計などメーカも苦労している。

◆ 高輝度LEDが出て来た時もすごいと思ったがそれ以上のワット級LEDの進化と低価格かも凄い。家庭用などでの需要が特性の改良や改善と低価格化を推し進めた結果だ。
懐中電灯にしても多くのものはLED化されている訳で、家庭用白熱電球に続いて懐中電灯などの電球もやがて消えていく運命なのだろう。

◆ 現状では放電管などは真空管というかガラス管封入になっているのだが、これにしたってやがてはLEDなのかも知れない。放電管にしてもLEDにしても効率があるので発熱は避けられないが、一般的に放電管は高温下で特性を発揮するのに対してLEDは高温に弱い。高温に耐えてくれる放電管は放熱の必要性もあまり無いのだが、LEDは高温下では壊れてしまう。


パケット定額(9/23)
◆ 各社共にパケット定額ではなくなった。なので定額という言葉も余り使われなくなってくる事だろう。使い放題というのも微妙な所で、無限に使う事は出来るが速度は規制される。
SBMは3日で1GBを超えると規制が開始される。なので月間パケット数の多いプランを契約しようと、繰り越し分があろうと実際に使い切る事は出来ない。

◆ 家族で使う場合はもっと悲惨で、家族内の誰かが3日で1GB規制に引っかかると全員が規制される。
これを回避するためにはパケットを青天井にする契約を締結しなければならない。青天井なのだから規制されないのは当たり前だが、SBMはこの青天井部分は目立たないように、家族がひとまとめで規制されるのを回避出来る事を宣伝している。

◆ 自分が規制対象であろうが無かろうがSBMのこうした施策を知ると多くの人は騙された感を強く感じる。しかし時既に遅しとはまさにこの事でありローン縛りや契約縛りによって解約しにくい状況が作られているし、更に短期解約では違約金の上乗せまでされる。

◆ そこに持ってきてタダSIM縛りもある。契約している分には金はかからないが、その回線あるいはその親回線を解約すると金がかかってくる。太陽と北風を例にすれば北風であるSBMはその風速を強烈にして加入者を吹き飛ばそうとしているわけだ。

◆ なのでクーリングオフは怖くてたまらない。SIMロック解除にしても同様だ。SBMは特になのだが悪い事は全て「販売店がやった事」にさせられる。
楽天の二重価格問題も最初は会社ぐるみではないと言っていたが結局楽天の指示であった事がバレたように、販売店がやった事にする作戦はクーリングオフ制度によって打撃を受ける。

◆ 勿論ドコモやauも打撃を受けるがあくどさのレベルが違うSBMはインパクトが大きい。もちろんSBMはこれを回避すべく様々な作戦を練っているという。
たとえばクーリングオフ規制に引っかからないものを一緒に売って縛りを強化するみたいな、親回線が生きていればペッパー君は無料だが親回線を解約するとペッパー君が月額3万円寄こせと言うみたいな方法だ。

◆ ペッパー君は移動体通信事業契約はないのでクーリングオフ規制に引っかからない。勿論これにしても販売店が考えて販売店がやった事でありSBMは一切関与していないと言い切る。
実はそうでもしないと3日で1GB規制が問題になるのではないかと言われている。

◆ 新端末を契約するとアプリなどのダウンロードが増える。WiFiのある場所で使うなら未だ良いのだろうが、移動体通信ネットワークでアプリをどんどんダウンロードしていくと1GBはすぐに使ってしまう。
ここで速度規制が入り、契約者はブラウザも満足に動かないほどの遅さに驚いて解約を申し出るという流れだ。

◆ 3日で1GBを規制してSBMが何か得をするかと言えばそうではなく単に見せしめ規制に過ぎない。上記の例で行けばアプリのダウンロードが一通り終わった後は通常ペースのパケット使用量になるからだ。
SBMはクーリングオフ期間終了までは帯域を絞るなんてアイディアも持っているそうだ。これはレンタルサーバなどでも試用期間中は機能制限を受けるみたいなものなのだが、果たして騙しは通じるのか。
まあ普通の使用でも動画サイトはスロットリングして速度調査サイトはフルスピードにしている位だから、アプリダウンロードを遅くして「相手のサイトが遅いんじゃないですか」と口裏を合わせる事は出来る。


空気清浄機(9/22)
◆ ウチでは相変わらずPanasonicの電気集塵式空気清浄機を使っている。フィルタを交換したのがいつだったか忘れてしまったが、コイツのフィルタ寿命は長いので当分は働いてくれるはずだ。古いフィルタから新品に交換して脱臭能力が復活したかなみたいに感じた。
電気集塵式なので、いわゆるオゾン脱臭的な事が起きていると思うしフィルタの活性炭はその残留オゾンを吸着する目的もあるだろう。

◆ 一時期流行ったシャープのプラズマクラスタ、これはフィルタ集塵式だ。フィルタの寿命はクリンな環境で10年と表示されている。空気清浄機をクリンな環境で使うとはどういうことなのかと疑問になったりするが、そこがシャープなのかも。
ちなみに喫煙環境で1日平均5本のたばこの煙を吸わせると寿命は5年だそうだ。
ウチは砂タイプの猫砂は使うのをやめたので細かな砂の粉塵が舞い上がる事も無くなったが、そんな環境で使ったらフィルタ寿命は1年位かも知れない。
臭いに関しては洗浄可能な脱臭フィルタなるものが担当していて、これもたばこや焼き肉の臭いを吸い込ませた場合は数週間ごとの清掃が必要となっている。

◆ 全てではないかも知れないがシャープのプラズマクラスタ空気清浄機は洗える脱臭フィルタなる物が付いている。多孔質の吸収体だと洗っても臭いは落ちないと思うので何か違う方法なのかも。そもそも臭い自体はオゾン脱臭がメインな気もする。
構成的には洗える脱臭フィルタを通った後でオゾン発生器を通るようだ。
洗える脱臭フィルタは単に多孔質の紙みたいな風にも見える。何かがしみこませてあるとか、きっと工夫があるのだろうがよく分からない。
Panasonicのものは電気集塵機を先に通ってから活性炭フィルタだったかな。

◆ シャープのプラズマクラスタ空気清浄機には加湿器も付いている。イオンは大気を電離させないといけないので加湿器があった方が良いのかも。
イオン発生器があるならファンを使わずイオン風で良いのではないかと思ったりするのだが、構造的にコストが当たるのだろうか。ファンを使わないけど風の出る空気清浄機なんて、羽のない扇風機風(あれは羽根がないのではなく見えない所にファンが付いているだけだから)で良いと思う。

◆ 加湿器は構造的には水に漬かった回転フィルタに風を当てて自然蒸発を促すスタイルだ。水を蒸発させるので気化熱を奪い、20℃/30%の環境で加湿器を動作させると出てくる風の温度は15℃まで下がると書かれている。

◆ カルシウムやマグネシウムが飛ぶので超音波加湿器は使いにくいし加温式は電気代がかかる。なので自然蒸発式の蒸発器の面積を大きくして蒸発量を確保しようとした設計のようだ。下の方が水に漬かったDカットの円形フィルタがゆっくり回り、そこを風が通過する。空気は洗える脱臭フィルタ→洗えない粉塵フィルタ→加湿器の蒸発体→イオン発生器の順に通っていく。

◆ コイツが流行った理由はイオン発生器でウイルスだか何だかが死滅するとかしないとか。この辺りも様々な意見があってよく分からないのだが、こうした謳い文句が功を奏してなのか医療関係機関などでの採用例が多い。この場合も殺菌だとか除菌効果云々よりも患者へのアピールみたいな事だと思う。何となくプラズマクラスタで有害物質が破壊出来る気がするから、それがおいてあるから安心、みたいな。


テスター(9/21)
◆ 中国製みたいな超安物のアナログテスターも売られているが、SANWAあたりのものだと5千円とか1万円位する。中古も意外と高くて3千円位はしているようだ。一方で4.5桁位のマルチメータが2千円で買えたりする。

◆ アナログテスターでなければならない事は少ないと思うが、アナログテスターの方が見やすい場合もある。それが仕事や作業となるとアナログテスターの方が効率的に使えるとなり、ディジタルテスタの方が精度が高いんだよと言った所で精度の問題じゃないと言われてしまう。

◆ 安物アナログテスターは精度が悪い。それはアナログメータのリニアリティが悪いからであり分圧抵抗の誤差というわけではない。リニアリティの良いメータは高額なので高価格機でしか使えない。
低価格アナログテスタはメータのリニアリティに目をつぶって安値を追うわけだ。

◆ アナログメータもそれが全盛の頃には競争なども起きたし広角指示競争にもなった。しかし今は作るメーカも限られているので決まった物しか出来て来ないという感じだろう。なのでアナログテスターを求める際にはテスターメーカの物を選んだ方が良い。
電圧があるか無いか位が分かれば良いというのであれば千円のテスターでも良いが、この手の物はフルスケールは合っているが30%とか70%の位置では狂いが大きくなる。

◆ アナログテスターはオートレンジではないので測る電圧に合わせて人間がレンジを切り替えなければならない。勿論最初は最大スケールの所から始めるのは言うまでもない。
テスターを使い終わったら最大電圧レンジに戻しておく派と電流レンジにしておく派がある。最大レンジにしておくのは未知の電圧なりを測った時に針が振り切れるのを防ぐためで、電流レンジ派は分流抵抗によってメータがショートされるので振動などによってメータが触れてしまうのが防げるのだ。
ちなみに電流計のレンジを誤ると分流抵抗が焼けてしまうが電圧計のレンジを間違えても余程の事がない限りはテスターは壊れない。

◆ 過去には針が曲がった、ものすごい勢いで針が振れてストッパに当たって曲がった、なんて事もあった。
この辺りの高級なテスターのメータならば振り切れてきたメータの針を柔らかく受け止める機構が付いているのかも。
アナログメータは振動にも余り強くはなくて、なので自動車用のメータなどはバイメタル式のものも使われていたのは以前にも書いたかも。

◆ バイメタル式のメータは結構野蛮な物でバイメタルにニクロム線を巻き付けて通電し、その温度でバイメタルが反るその力でメータの針を動かす。なので相当反応が遅い。反応が遅いのでセンサの方はリニアではなくスイッチでもいける。オイルプレッシャセンサは油圧によってONとOFFのデューティが変わるようなものがあった。
テスターで測ってみたら導通と非導通しか状態が無くて不良だと思ったら、バイメタルメータ用だったのだ。

◆ 広角メータでは通常は1個の可動コイルが90度直交で2個になっていたりする。要するにモータと同じだ。バランスコイルだと針を戻すバネが要らないんだったかな。あのヒゲゼンマイみたいなヤツも廃すれば信頼性や強度が上がるのかも知れない。バネで針を戻せないので最初に針をゼロ側に振り切らせてキャリブレート?するんだったかな。


SG(6)(9/20)
◆ ESGで外から信号を突っ込んで分かった部分がある。出力のVCOは700MHzの周波数と比較してロックをかけている。700MHzを入れて出力VCOをロックさせ、その周波数を701MHzにすると出力周波数は1MHz上がる。出力VCOは100MHzステップで周波数が変化する。変化幅は500MHz位ではないかと思う(そこまで見ていない)のでこの出力を逓倍して使っている可能性がある。1.02GHz以上が逓倍なのは仕様から推測したが、1.02GHzまでも逓倍かも知れない。

 制御電圧は同軸ケーブルで他のユニットから供給されている。ユニット細分化でDC信号も同軸コネクタでインタフェースする必要が生じたわけだ。
この電圧を見てみると基準となる700MHzを動かす分にはそれに追従して制御電圧も動くし周波数も動く。これは正常である。しかし100MHzステップで周波数を変えると制御電圧が吹っ飛んでしまいロックが外れる。

 この制御電圧の元は(100MHzステップで周波数を変えるための)DACと700MHzの基準周波数との比較になっていると思われるのだがよく分からない。電圧が吹っ飛ぶと電源電圧近くにまでなるのだが、そこから戻ってこられない。ゲインかオフセットと思われる半固定抵抗を回すと電圧が正常値にスポンと戻ってロックする。

 アドバンテストなどのSGやスペアナのPLLロック外れはPLLのループフィルタに使われている電解コンデンサの容量抜けが多いという。こちらはアンリツのSGの修理記事だ。古めのSGはロック外れ品が多く出回っているという話なので、電子デバイスそのものの故障や調整不良ではなく電解コンデンサが駄目だとか。

 ただこのVCO制御周りにはそれらしい電解コンデンサはない。ただ他のユニットにも電解コンデンサは使われているし、電源のデカップリングにしても容量が抜ければ動作は不安定になる。特にVCO周りなどは電圧感度が高いのでノイズをきっかけに周波数が吹っ飛ぶ事も皆無とは言えない。

 この最終段のVCOに信号を供給している、つまり700MHzの方もロックしていない。ただしこのVCOは動作の怪しいPLLユニットと接続されているのと、微妙な所でロックしていない風なので調整でロックするかも知れない。
これもVCOの調整が狂っていると言うよりもPLLユニットからの制御電圧がおかしい感じがする。スペクトラムからすると、いかにもPLLのループ時定数かゲインがおかしいよと言う風に見えるので電解コンデンサ説は当てはまる。しかしPLL回りの全てのコンデンサをチェックするのは結構大変だ。多層基板でパターンも追いにくい。

 700MHzのユニットには大きな基板が付けられている。
厚みは数ミリもあるような厚いもので金メッキされている。アジレントやローデシュワルツのSGでは金フラッシュで基板が作られているが小型のライン用SGの場合はコストやSMT実装の都合もあるのか金色のものは見えない。SMAのコネクタにしても金メッキものはセミリジッドケーブル用に限られている。

 そんな中なのでこの大きな基板の塊は目立つ。分布定数フィルタにしては大きいし、部品は乗っていないように見えるのでやはりフィルタかなぁ。集中定数では上手くいかないとか漏洩が大きいとか。分布定数フィルタならば両面をGNDで挟む事が出来るのでシールドは楽になる。


ESG(9/19)
 アジレントのESGをいじっている。ローデシュワルツのSMEよりは世代が新しく、ローデシュワルツで行くとSMJかその手前辺りのものではないかと思う。当時ローデシュワルツとESGを競合させた事があったが、SSBノイズやIMの点でローデシュワルツには及ばなかった。

 それでもアジレントの営業がデモをしたいというので、ちょうどローデシュワルツのSGのデモ機を借りている時に持ってきて貰った。アジレントの営業は(特性では歯が立たないので)価格でなんとかと言ってきたのだが、特性が要求するものでない限り使うわけには行かなかった。

 ローデシュワルツのSGは特性は良いのだが重く高価で、しかも立ち上がりに時間がかかった。電源投入から使用可能になるまでに数分を要したのである。アジレントのSGの特性がものすごく悪いかというとそういうわけではないのだが、マルチキャリアを立てた時のIMのレベル差が気になったのである。

 もっともローデシュワルツにしてもギリギリの規格を判断する場合にはIMが気になったので、1つの筐体にSGが2組入ったモデルを選んだ。これだと2台のSGを使うのと同じである。
ディジタル変調対応機の場合はベースバンドでマルチキャリアを立てられるのだが、変調器やアンプの歪みがあるのでどうしてもIMが出てしまう。

 SMEにもディジタル変調器が付いていたがESGは世代が少し新しいので様々な設定が出来る。マルチキャリアなどもその一つであり、プリセットされている信号フォーマットもPHS,PDC,Bluetooth,IS95などなどと多い。SMEの方はGSMとPDC位だったかな。
ディジタル変調器とゼネレータがあるのでAWGN(additive white Gaussian noise)を生成出来る。変調帯域が有限なので15MHz幅でしか生成出来ないが、ディジタル復調器の感度測定などに使われる。

 復調器の感度を測定するためには規定されたS/Nの信号を入力しなければならない。単に信号を弱くして機器のノイズに埋もれさせるのは、そのノイズ量が特定出来ないので駄目なのだ。単に実機の感度を測るのならばそれで良いが復調器が理論通りに動いているのかどうかを見るためには量の分かっているノイズが必要になる。

 スイープ関係はSMEの方が単純スイープであれば細かな設定が出来る。SMEはスイープのステップを0.1Hz単位で設定できたがESGはスタート周波数とストップ周波数の間を何分割するかと設定する。しかも最大が401ステップしかないので粗くなる。周波数設定自体は10mHz(0.01Hz)単位で出来るが、スイープの方法がリストに従ったものでありそのリストの最大長が401なのだ。

 リストを使うので連続スイープではなくバラバラに周波数を飛ばしていく事も出来る。この辺りは設計の違いなので使用用途によってどちらが良いとも言い切れないとは思うが、スイーパとしての用途を考えるとSMEの方が分かりやすい。
本体質量はESGが圧倒的に軽く扱いやすい。これも世代の違いと言ってしまえばそうなのかも知れないが、SMUは凄く重かった。

 KENWOODのSGが100万円ちょっとであるのに対してESG-Dはオプションを含めて500万円位なので違いは当然ではあるが性能や機能の差が5倍しかないかと言えばそうではない。勿論生産ラインなどでは余剰な機能を省いていかなければ無駄になるわけで、ライン用と研究開発用の違いと言ってしまえばそれまでだ。
せっかくESGがあるのでKENWOODのSGに外部から信号でも突っ込んでみるか。


SG(5)(9/18)
 仕様から内部構造を推測出来ないかと思ったが余り情報はなかった。元々は1GHz版であり、それ以上の周波数では逓倍している可能性がある。それは1.02GHz以下は10Hzステップで周波数設定が出来るが1.02GHzを超えると20Hzステップになると書かれていたからだ。10Hzステップはずいぶん粗いのだがコストとの兼ね合いという所だろうか。

 ちなみにSME03は0.1Hz、アジレントのESGは0.01Hzステップである。これはDDSを使って実現したものと思われる。通常のPLLで周波数ステップを細かくするとロック時間がかかったり安定度が損なわれたりする。従って通常のPLLで10Hz以下のステップのものを作るのは難しい。このSGでも最大ロック時間は150mSとなっているように整数PLLで分解能を上げるとロック時間が凄く長くなる。なおSMEは100mHzステップでスイープさせた時の最小時間は10mSである。

 余り良くないのが周波数安定度で温度レンジ内での変動が50ppmもあるのでTCXOは使われていないのかも知れない。定価100万円クラスのSGとは言え2GHzで50ppmだと100kHzの誤差になるので高安定基準周波数を外部から入れなければ使い物にならない。内部では10MHzの原発から50MHzを作っていて、この50MHzはVCXOになっていたと思う。

 SSBノイズはそう多くはなく、-115dBc/Hzから-130dBc/Hzとなっている。高調波スプリアスは-30dBcとなっているが実力はもう少しある。ただし出力を上げるととたんにスプリアスが多くなる。出力アンプの余裕度の問題で、歪みが増えると言う事はAM変調も上手くかからなくなる。

 こうした設計が発熱を抑えているとも言え、消費電力38Wはかなり少ない。SMEはこの10倍位のパワーを食ったはずだ。生産ライン用として考えると消費電力も重要で、これは何十台も並ぶのだから消費電力が大きいと消費電力の合計だけではなく冷房パワーも多く必要になる。

 質量が軽いのも有り難く、SMEが30kg有るのに対してコイツは10kg程度しかない。最近のSGは小型軽量化も進んではいるが、この30kgというのはSGやスペアナの標準的"体重"だったのだ。
この重さの測定器を乗せるのだから測定器用のラックは丈夫に出来ている。ホームセンタなどで買えるスチールラックなどでは強度が不足してしまう。

 事務机なども同様で測定器を何台も乗せておくと天板が反ったりするし溶接部分が外れてしまう事もある。横幅50cm足らずの機械が30kgもあって、それが何台も乗せられるのだから机にしたって想定外だよと怒っていたに違いない。

 測定器を床に立てて使う事もあるのだが、縦置きが推奨されている以外の測定器ではエアフローの問題が出る。SMEなどは後ろ足が短いので立てて置くとファンのすぐ下に床が来る事になってしまい都合が悪い。ポータブル機器などでは側方排気のモデルもあるが、そうなると測定器同士をピッタリくっつけて置けなくなる。

 SGが内部で周波数コンバージョンするのはよくある事だが、スプリアスを上手く低減させているのは立派だ。このSGにしてもVCO出力には多くのスプリアスが含まれているが、出力のアンプか何かのユニットを通すと綺麗になっている。可変周波数のLPFにでもなっているのだろうか。出力の周波数レンジが広いので出力周波数によってカットオフ周波数を変える必要がある。


SG(4)(9/17)
◆ VCOのロック周波数がどこにあるのか、PLLデバイスへのシリアル信号を読めば分かるのだが、そもそもロックしようとしていない。バリキャップにはカソードに約13Vが加わっていて、これは15Vの電源をローカルレギュレートしているのだろう。
アノードの方は0Vなので最小容量になっている。

◆ だったらコイルのコアを抜けばロックしても良さそうなのだがロックしない。富士通PLLは15Vのバリキャップ電圧には対応出来ない気がするので、基板に実装されているOPAmpがバッファになっている事が考えられる。発振回路の出力はNECのMMICでバッファリングされている。これが壊れればPLLデバイスへの入力電力が不足するだろうが、そんな感じでもない。

◆ 実際にレベルを測ればいいのだが高密度実装されているのでプロービングのポイントが難しい。ICの足の所にコンデンサをくっつけるのが楽なのだが、力が加わるとパターンごと取れてしまいそうだ。ボードを広い場所に出せば無理な力も加わらないのだがどうしようか。接続は3本の電源と3本のシリアルラインだけなので引っ張り出せない事はないのだが…
◆ 基板上には3つの発振回路、MB87086Aが2個とMB1507が乗っている。発振周波数はたぶん50MHz〜100MHz辺りだと思うので全部MB87086Aでも良いはず。基準クロックを見てみるとMB1507は100KHzだ。片方のMB87086Aには10MHzが入っているがもう一方には入っていない。テスタで当たってみるとGNDとショートしている。

◆ 多層基板でパターンを追うのは不可能に近いのだが、何となく怪しげな所を見つけてGNDへの短絡は直した。するとバリキャップ電圧は上がり、今度はVCOの周波数が高すぎるよと言っている。そこでVCOの発振用コイルのコアを入れていくがロックしようともしない。LDを見るとロックさせようとしている動きはするのだが、発振周波数が高すぎるようだ。

◆ しかしコアを入れていっても全くロックしない。これはVCOの設定が悪いと言うよりは、他にロックしない理由があると見るべきだろう。ロジック部分がおかしくてデータが化けているなんて事もあるかも知れない。このSGは全てシリアルのバスラインで制御されていて、おそらく各ユニットごとにアドレスが振られているみたいな事だと思う。

◆ ロジックICが多くないのでシフトレジスタとコンパレータ程度の組み合わせだろう。アドレスだけのコンパレータで後の信号はデバイスにそのまま流すのかも知れない。いずれにしてもCPUが乗っているわけではないので受け側は複雑な処理は出来ない。一方送り側は可変長だろうが何だろうがCPUが乗っているので何とでもなる。

◆ どのユニットに何を送っているのかロジアナで… いや、考えただけで面倒だ。しかし修理するとなるとその程度の事をしないと何が何だか分からないかも。
各VCOの設定周波数でも分かると、アナログ側からではなくロジック側からブロック図が描ける可能性もある。ロジアナでシリアルデータを追いかけるよりPCで読み込んでささっと表示するようなものを作った方が楽だったりして。逆にそれが出来るとGPIB経由ではなくSGの各ユニットにダイレクトにコマンドだって送れる。と言った所でそんなソフトを作る腕があるわけではないので単なる夢である。
PLLがロックしてくれないのでかなり行き詰まった。周波数構成すら分からないし、困ったものである。


SG(3)(9/16)
◆ 昨日も書いたのだがこのSGは基板の修正箇所がかなりある。パネルに表示されている型番とROMのバージョンが違うなど怪しい。試作や開発途中のものである可能性もある。となると元々が正しく動作するものなのかもよく分からない。

 基板を引っ張り出すのはさほど難しい事はなく、電源と3本のシリアル信号線を接続すればいい。ユニットレイアウトの関係でユニットを装着した状態だとRF系のコネクタへのアクセスがきわめて悪いのだが、マザーボード側をバラしてしまうと楽になる。
SMAはまあ良いのだが、その他のRF系コネクタの品質が悪いというか接触不良になりやすい。

 ユニットはアルミケースの底板と天板で挟まれているだけでネジ留めされているわけではない。ただしユニット後ろ側にはユニットが抜けてこないようにアルミ板でガイドが作ってある。ここに嵌っているというか天板で押さえられているのでこのアルミ板をユニットは乗り越えられないわけだ。

 各ユニットをシールドケースから取り出した状態でマザーボード側に接続して各信号を追ってみたのだが、今ひとつ動作がよく分からない。おそらく複数の箇所の動作が怪しいと思われ、どこから手を付けて良いのかという感じ。
現状でSGはこの1台のみなので他の信号元から信号を突っ込んでみるわけにもいかない。

 ローデシュワルツのSGは基板に信号名などがあったので分かりやすかったし、比較的大きく作ってあったので信号の流れも理解しやすかった。しかしコイツは小型高密度で作られているのでどうにも分かりにくい。

 と言うわけで数時間いじくり回してみたのだが、修理の可能性を見いだせないままである。実は前回いじったローデシュワルツのSGも、最初は直せないかと思った。TXCOをロックさせる事は出来たのだがサミングループのアンロックは訳が分からなかった。
だが信号を追いやすかったのと方式が何となく分かったので調整する事が出来た。

 特に基板が大きくて信号を追いやすかったのは有り難かった。これが多層基板で信号が内装を通っているようなタイプだと信号を追う事も途中の信号を見る事も出来ない。このSGは超高密度実装ではないが信号が追いにくい。闇雲にいじくり回しても駄目なので周波数構成や制御の仕組みの予想を付けなくては。

 現在確認出来ているのはUHFVCOと呼ばれる発振器の出力とリファレンスオシレータのみだ。他に信号も見えるのだが周波数構成がよく分かっていないのでその周波数が正しいのかどうかがよく分からない。ユニットを眺めながら、思いつけばその信号を当たって見るみたいな感じでノンビリやっている。
だが直らないんじゃないかなと思う割合も大きい。

 ローデシュワルツのものはセルフテストなどをはじめとしてある程度の情報が得られた。しかしこのSGは7セグ表示器しか付いていないのでセルフテストやキャリブレーションの概念もない。まあ価格を考えれば当たり前の事ではあるのだが、どこが不具合なのかを表示してくれる機器の有り難みを思い知らされる気がする。

 周波数が低いと思われる3つのVCOは発振しないのだろうか。周波数設定を色々いじってみたが発振する気配が無く、しかし基板上の半固定抵抗を回したら発振した。PLLは富士通の汎用デバイスなのだが発振周波数が不明だ。60MHz辺りで発振しているがロックはしていない。


SG(2)(9/15)
 SGをいじってみた。能書き通り出力は出ないのでATT辺りがおかしいのかなと思った。ではATTの手前まで出力が来ているかと確認するとSMAのコネクタが緩んでいた。ここを締め直すと出力は正しく出てATTの損傷もないようだ。

 しかし周波数がロックしない。中古のSGで周波数がロックしないものは珍しくなく、玉数の多いアンリツ製やアドバンテストのスペアナなどでもPLLのアンロックはよく見かける。
前回いじくり回したローデシュワルツのSGも同様にVCOがロックしなかった。経年変化などで特性が狂ってロックしないのならば調整で直る可能性が大きいが、部品が壊れていたら駄目だ。

 まずは周波数構成を見ないとと思いカバーを外す。
このSGは軽くて薄いので扱いが楽で良い。ネジの数も少なくて簡単にユニットを拝む事ができた。
ユニットはアルミの押し出し材のチューブのようなものに基板が入っている。筒状なので全体を引き抜かないと基板を見る事が出来ない。

 筒なのでシールド効果は高いと思うのだが整備性はきわめて悪いが、無調整あるいは調整してしまえばいじらないとすればそれでも良いのかも。ネジの数も少なくて済むので軽量化にも貢献する。
制御信号はシリアルのようで、電源を含めてもコネクタのピン数は多くはない。全てのユニットがバス接続されているように見える。

 マザーボード側にはLEDが付けられていて、ユニットの動作がおかしいと点灯するようだ。で、このLEDがいくつも点灯している。
リファレンス発振部は10MHzのTCXOと50MHzのVCXOが入っている。ここには周波数微調整用のVRがあるのみだ。

 周波数設定ダイアルをいじってみると100MHz以下でリレーの音がする。どうやら100MHz以下はミキシングダウンして作っているようだ。周波数が高い側のVCOは1.6GHz辺りまで発振するようだがロックしないのでよく分からない。その他に3つのシールドケースに入ったVCOらしきもの、シールドはされておらず固定周波数がいくつか基板にシルク印刷されている局発と思われる発振部がある。

 ローデシュワルツのSGとの大きな違いは調整箇所がかなり多い事だ。回路のあらゆる所には半固定抵抗やトリマコンデンサが付けられているし、それでも調整しきれなかったのか固定抵抗のパターンの所に半固定抵抗が付けられていたりする。
ローデシュワルツのSGでも基板のバージョンによってはパターンカットやジャンパが飛んでいる事もある。SGは製造数量が少ないので多少の修正は手作業でやった方が安価なのかも知れない。しかしこのSGはかなりの修正が施されている。ICのピン番間違いと思われる言え換えだとかもあって笑ってしまった。

 周波数構成が分かればそこに調整するのだがこれが不明なのである。HF VCOとUHF VCOがあり、このUHF VCOが出力用のアンプに入っている。従ってこのVCOがロックすればいいと思うのだが上手く行かない。
SCANと書かれた半固定抵抗でVCOの制御電圧が変わるようなのだがロックには至らない。中途半端にロックしたというか制御がかかっていると思われる状態になるとエラーを示すと思われるLEDが消灯するのだが、しかしロックしているわけではない。制御がかかりそうでかからないみたいな、非常に不安定な感じなのである。


SG(1)(9/14)
 製造ライン用のSGを3台ほど入手した。これは本物のジャンクである。電源は入るが表示がおかしく、操作は正常そうだが信号はでないという。周波数やレベルの設定は出来るが出力は出ないそうだ。勿論こうした事情であるからファミレスの食事代程度の金額で入手した。

 仕様自体も測定器メーカ製よりもかなり簡易であり周波数の設定も10Hz単位だ。ローデシュワルツやアジレントのものだと10mHzとか0.1Hz単位での設定が当たり前なので見劣りする。おそらくは製品の検査ライン用などとして安価に製造されている製品だろう。

 10Hzとか100Hzステップであれば複雑なミキシング無しに実現出来そうだがローデシュワルツやアジレント製だとDDSとの組み合わせで周波数分解能を上げている。
アジレントのSGも入手したのだが、こちらは10mHzステップで周波数設定が出来る。いずれのSGも未だ手元にはないのだがアジレント製はさすがに高額だった。高額だからちゃんと動作するかと言えばそうでもなくて、この辺りが中古に対する賭みたいなものである。

 興味は動作のおかしなSGの方にある。
もしかして内部のユニットが無いとかで、ケースしか使えなかったら笑える。まあ笑って済むような価格なので直すにしても壊すにしても気兼ねなくいじる事が出来る。
このSGがアジレントより勝る部分はSSBノイズである。ローデシュワルツには及ばないがアジレントよりは良い。というかアジレントが悪いんだけど。

 レベル確度はアジレントやローデシュワルツより1桁悪い。レベル確度を上げるのは結構お金のかかる事なので割り切っているのだろう。変調帯域も常識的な低周波域のみで、ローデシュワルツがMHz台までの帯域を持っているのとは大違いだ。アジレントの方は更に広くて40Mhz近くまでの帯域があったはずだ。

 この辺りは変調器の作り方でもありアジレントやローデシュワルツは直交変調器を持っているので有利なのだ。KWNWOODのSGは質量が10kgちょっとと軽いのは有り難い。ローデシュワルツのSME03は30kg近くあるしアジレントのESGも20kg弱はあったはずだ。SMEはユニット自体が重そうではないのだが、筐体のフレームとかがアルミとはいえかなり丈夫そうなので重いのかも知れない。

 ESGはローコスト版の位置づけだろうか。性能的にも特別な感じはないが、アジレントの方がローデシュワルツよりも筐体漏洩が少ないイメージがある。
同じ年代の製品だとレベルが絞れるものが多い。SMEは逆入力が50Wまで耐えられるので高出力アンプとアッテネータが組み合わされていて、内部配線(セミリジッド)にフェライトビースが沢山挿入されていたりして苦労が伺える。

 最近のSGやスペアナは1W程度の入力を突っ込んでも壊れなくなっているが、以前は弱かった。同軸構造のヒューズなどもあったのだがヒューズが切れる前にSGのアッテネータやスペアナのミキサが焼損するような気がした。デュープレクス無線機などをテストしていると予想に反して送信動作をしてSGを壊す事もある。
アッテネータを入れて予防しておけばいいのだが、確度の高い測定を求められる時などはアッテネータを入れるのが面倒になる事もある。
さてジャンクSGがどんなものなのか、いじり始めたらまた記事にしていきたいと思っている。直れば儲けものなのだが、駄目なら部品取りかな。


中国製(9/13)
◆ 中国製と言えば怪しげ製品の最右翼である。これが見て分かるような品物であれば確認も出来るのだが、電子機器などは見ただけでは分からない。以前に電解コンデンサの話を書いた事がある。大きさはそれっぽい50V/4700μFと書かれたその中には50V/1000μFの電解コンデンサが入っているだけ、みたいなものだ。パッケージには105℃品と書かれているが、中身は80℃品がそのまま入っていたりする。

◆ 一般的に回路部品には余裕を見るので4700μFのコンデンサの中身が1000μFであったとしても気づかない可能性がある。
モバイルバッテリに砂や鉄板のおもりが入っている例もあるし、そうしてもっともらしくして高値で売る。
パッケージは立派に出来ているし電池容量にしても実際の容量の3倍位が表示されている。

◆ 日本メーカの中国生産品であれば品質は確保されていると思うし、中国製品でも日本代理店が売っている場合はまだマシだ。
偽物も勿論氾濫していて、純正部品を装った偽物部品が車やバイクの世界でも氾濫しているし、電子機器のユニットなどもそっくりコピーされている。

◆ PC関連にしても売れ筋でそこそこ高価な商品はさっくり真似されてしまう。BOSEのスピーカでもゲーミングマウスでもカネになりそうなものは全て偽物が存在すると言っても良いほどだ。
偽物産業は韓国も同様なのだが、韓国は取り締まりが強化されるなどして多少はマシになった。

◆ 中国は国策として偽物作りしているのではないかと思えるほどの酷さだ。まあ各地で侵略行為をしている位なので中国政府には何も期待は出来ない。
だったら中国製を買わなければいいとなるのだが、精巧な偽物なのだから本物との判別が出来ない。
そもそも電子部品などは流通してしまったら仕入れルートなどは分からないし、端数部品を集めて卸すみたいなブローカも暗躍している。

◆ 以前にはICの番号を打ち替えるなんて荒技もあった。当然そのデバイスは正規品の通りには使えないので製品は不良になってしまうのだが、部品納入から製品検査までに間があるのでブローカは逃げてしまう。

◆ 中身の入っていないIC、つまりパッケージだけのものがある。生産ラインにテスト用だとかに使われるものなのだが、中国人はそれに番号を印字して売ってしまう。しかも高額ICの番号を打つし、勿論メーカのロゴもコピーする。それが流通経路に紛れ込むと大変な事になるが中国人は姿を消す。

◆ WiFiやBluetoothモジュールにしても、日本メーカのコピーものがある。価格は安いが性能は低いし信頼性も低い。しかし見た目がそっくりなので本物かどうかが分からない。
コネクタなどでも同様で日本メーカのロゴを刻印すれば高く売れる。しかしメッキの品質や加工精度は日本メーカ製とは比べものにならないほど低い。

◆ 安くてもとりあえず使えれば良いと中国製を買うメーカもあると思うからそれはそれで良い。しかし偽物は困る。自動車部品などにしても純正を装ったものや有名OEMメーカを装ったものなどがあるが仕上げが雑だったり耐久性や信頼性に難がある。
細かなものでは電線にしても中国製があって、表示の導体太さに満たなかったり耐熱被覆と書かれているのに耐熱ではなかったり、難燃の筈が火を噴いて燃えたりする。ネジなどでもM3×10の筈が長さが10mmではなく9.5mmとか、そんな所で安さを出しているのである。


CB50(9/12)
 CB50に乗り始めましたとメールを頂いた。CB50がどんな物であるのか知らなかったので調べてみると1970〜1980年代に発売されたモデルのようだ。
メールを頂いた方はその当時にCB50に乗られていて、その後車に乗るようになって二輪車とは遠ざかった。だが数年前のガソリン価格高騰で小型車から軽自動車に乗るようになり、しかし車を使う機会も減ったのでスクータに乗るようになったと記す。

 スクータに乗り始めて、今度は大きなバイクが欲しくなり何度かレンタルバイクを借りたそうだ。しかし気合いを入れて乗らなければならない雰囲気がどうも面倒になり、結局は余り乗らなくなったのだとか。大型バイクには大型バイクの魅力があるが、若い頃のようにはその魅力は引き出せていないのではないかと思ったそうだ。
でもスクータでは面白くないなと漠然と思っている中、CB50の中古を見つけて購入したという。

 ずっと以前に乗っていた懐かしさや、その当時色々な所に出かけた記憶などがCB50を見てよみがえったと語る。
中古の程度は良い方で適度な整備で不安無く乗れるようになったそうだが「エンジンは50ccではありませんでした」と書かれていた。エンジンは80ccとか100ccのものもあったようなので換装されていたのだろう。
1980年のモデルだとしても30年以上前のバイクでパーツなどの入手性はどうなのだろうと気になる。

 スクータに乗り慣れるとシフトが面倒だとも書かれていたのだが、シフト付き原付の乗り方にも慣れてくると面白くなってきたそうだ。ちょっとホームセンタまで買い物に行くつもりが遠回りして帰るどころの話ではない位の所まで出かけたり、天気が良かったり少し涼しかったりすると乗りたくなったりする感覚が新鮮だったそうだ。

 泊まりがけで出かけたいのだがCB50に荷物をくくりつけるのは美学に反するとも書かれている。なので荷物はいつも必要最小限だそうなのだが、この夏に出かけた時には喉が渇いて仕方がなかったことがあったそうだ。そんな時に限ってコンビニも自動販売機もない山道を走っていて、ペットボトルの1本位は持って走らないと辛いなと思ったのだとか。

 私もペットボトルを持って走るのはそう多くはなくて、それは保冷ボックスに入れておいてもシート下に入れておくとホットドリンクが出来上がってしまう事にもある。まあ冬場は多少ぬるい飲み物が飲める事にはなるが、夏場だったら自販機で新鮮な物を買って飲みたいなと思う次第だ。

 なので山道に入る前に自販機やコンビニがあればそこに立ち寄り、一休みして喉の渇きを癒すみたいな。
ただ味の濃いうどんなどを食べた後はやはり喉が渇くこともあり、コンビニで買った炭酸飲料を(信号待ちで止まる度に)飲んで走ったなんて事もある。涼しい場所を走っている時は良いが炎天下の町中を走ると積極的な水分補給も必要だ。

 スクータの場合はシートの下に荷物が入れられるので良いが、そうでないとバッグを取り付けるか小さなリュックを背負うしかない。
そうそうCB50乗りの方がナビ代わりにiPhoneをハンドルバーに付けていたそうなのだが、どこにもぶつけていないのにカバーガラスにヒビが入ってしまったそうだ。振動によるものなのか温度によるものなのかは定かではないが地図を見ようと視線を落としたらヒビが入っていたそうだ。


ジャイロ(9/11)
◆ 圧電振動ジャイロがジャイロの小型化を実現した。
それまではと言えば物理的におもりを回転させる地球ごま方式や、日産が車用に使っていたと思うのだが長いファイバーの中にレーザを通すレーザジャイロが使われていた。これはとても小型化が出来るようなシロモノではなかったのだが、セラミックや水晶振動子などの圧電素子でコリオリ力を検出する方式がデバイスそのものを小型化させた。

◆ これによって多軸ジャイロが一つのデバイスで実現する事になり、今では多くの機器に搭載されている。
ラジコン用としても昔は地球ごま方式が一般的だったが、今では半導体多軸ジャイロでマルチコプターなども簡単に飛ばせるようになった。
しかしジャイロも万能ではない。マルチコプターにGPS搭載機があるように、微少な加速度や角度検出はドリフトとノイズの戦いになってしまう。

◆ 特にドリフトは、検出位置そのものが狂うので厄介である。いずれもDCだからドリフトにしてもオフセットにしても気になるわけで、だったら単軸ジャイロ自体を同期モータで回転させたらどうなのかななんて思った。回転数は分かっているので、処理でそれをキャンセル出来る。するとオフセットやドリフトを気にすることなく制御出来そうな気がする。

◆ ラジコンなどではスイッチオンから少しの間はキャリブレートやオフセットキャンセルシーケンスが走り、その間に機体を動かしてしまうとマトモに飛ばなくなってしまう。ドリフトやオフセットは経時変化もあるが温度などによっても変化する。なので厳密に言えば飛行中でもそれらは狂ってくることになる。

◆ ノイズはどうにもならない。モータなどの固有のノイズはキャンセルすることが出来るが、いわゆるホワイトノイズやその他の振動を完全に排除することが出来ない。
ラジコンなどではフィルタリングによってS/N比を上げようとしているが、フィルタには位相遅れがあるのとあまり重いフィルタをかけると制御の問題が出てくる。
なお市販のワンチップ多軸ジャイロの感度は200〜400LSB/deg/s程度、ノイズレベルは0.1/deg/s前後だ。

◆ ジャイロによるフィードバックは帰還になるので位相遅れとゲインによっては収束が遅くなってしまう。この辺りは無線系PLLでも同じなのだが、位相特性を適切にコントロールすることが大切になる。無線系PLLに比較すると全体にゆっくり動いているラジコンではあるが、その分だけ制御遅れが大きくなる。モータのレスポンスは速くてもプロペラがしなれば制御遅れになるし、その機体に搭載する物質の重さもループ性能に影響を与える。

◆ 出来る事は空中でキャリブレートするような動作を行えばより制御精度は増すことになる。
方向検出用として地磁気センサを使いたい所ではあるが、モータの磁気ノイズは上手く遮断出来るだろうか。結構ハイパワーなモータを駆動することになるのでモータのみならず配線の平衡度も確保出来なければノイズになる。これも自分で発するノイズなのでキャンセルが不可能ではないが難しいだろう。
だったらカメラで地上を見てしまっても良いような気がするが、絶対方向は分からない。GPSにしても移動しないことには進行方向が分からない。

◆ こう考えると自律安定を確保するには多くのセンサが必要になる。空撮用と考えると画像を見ながら操縦することになるので人間経由のフィードバックはかかるのだが、それと同じように地表を見て自律安定を促す画像処理センサも売られている。カメラと超音波測距センサと処理部が付いて1万円ちょっとと安い。


レクサス(9/10)
 イメージ戦略を行うとして方針転換したレクサスは変わったのか。営業マンに言わせればイメージ作りは出来つつあるのではないかという。だがその反面レクサス店で扱っている車が分かりづらくなったという。LSは知名度が高いのだが、GSやISとなると「どの車?」みたいに聞かれることがあるようだ。どの車かと言われたって説明が難しいに違いない。

 日本の市場、特にトヨタは扱い車種が多いので名前自体に覚えやすさだとかインパクトが必要なのではないだろうか。ホンダも一時期はNSX、S-MX、CR-X、CR-V(他にもあったかな?)と似たような名称を付けていたが、その車の知名度が上がらないと覚えて貰えない。

 レクサス店の取り扱い車種を調べてみると結構沢山ある。LS,GS,IS,HS,ISC,CT,RX,NX,ISFだそうだ。LSはセルシオでGSがウインダムだったっけ、いやESがウインダムだったかな。と、その程度しか分からなかったりする。NXは知らなかったのだが外観はCTな感じだが排気量を見ると2.5リッターの4気筒となっているからCTより大きい。CTの車高を上げたような?全高を見てみると1,645mmなのでCTより大きい。ちなみにCTは1,460mmでLSは1,475mmとなっている。

 RXがハリアーではないかと思うのだが、これの全高は1,690mmなのでNXはハリアーの類似車?うーんどうもイメージがハッキリしない。
この辺りがイメージ戦略で車両がボケる原因だと思われ、イメージCMと共に車両をアピールするCMも同時に流した方が良いのではないかと思った。

 もっとも車名から明確なその姿を連想出来る車の方が少ないとも思うわけで、売れている車ならともかくマイナーな車種となれば名前すら知られていないなんて事もある。クラウンなどは現行モデルの形がどんな風であってもクラウンだからと言うことで話が通じてしまう。スカイラインにしても車名の知名度が高いモデルだと言える。

 ベンツもBMWも色々なモデルがあるが、車に対して興味のない人からすればAクラスだろうがEクラスだろうがベンツでひとまとめみたいな所が現実だ。ベンツはAからB,C,E,Sと大型化していく訳だし、BMWはおおむね百の位の数字が大きくなると大型化する。なので分かってしまえば小型なのか中型なのかの予想位は出来るだろうが、その形まで想像出来る人は多くないと思う。

 これがトヨタや日産となればかなり多くのモデル数があるし、双子車もあるので分かりにくい。なので分かりやすくインパクトのある車名を考えそれを名乗る。
レクサス店での扱い車種は多くはないのだが、やはりレクサス自体が今ひとつメジャーになれないのがわかりにくさにも通じているのだろうか。

 ハリアーは一時期RXに統合?されてトヨタでの扱いが無くなったのかな?現行モデルはトヨタブランドとレクサスブランドでの併売のようだが、この辺りの事情には疎いので間違っているかも。
いずれにしても双子車となると特別感が無くなってしまう。レクサスを特別なモノとしてレクサス代を取ろうと思うのならば、全てが特別である必要がある。

 LSなどはそこそこ特別感はあると思う。トヨタらしからぬ、見えない部分に金がかかっている希有な車だ。ブレーキなどにしてもモノブロックキャリパーが使われているだけでトヨタっぽくないではないか。惜しいのはボディ剛性が低いことで、これは車重との兼ね合いから仕方がなかったのかも知れない。車重を軽くしないことにはカタログ燃費を飾ることが出来ないからなのだが、大型で静粛性の高い車であるが故に余計にボディ剛性の低さが目立ってしまう。


料金プラン(9/9)
 ドコモは機種変更時に新料金プランに変更しないと月々サポートをあげないよと言っている。新料金プランは実質値上げなのでドコモは儲かるが、好んでこのプランにした人は通話ヘビーな人でありドコモは儲からない。そこで実質値上げになってしまうライトユーザをこの料金プランに引き込みたいわけだ。

 人によっては月々サポートが無くても従来プランの方が良い(安い)という人も居るだろうし、新料金プランの方が安い場合もあるとは思う。家族割りなどを組んでいれば新料金プランで大幅値上げとはならないが、単身などだとかなり厳しいことになる。

 私の場合は長期利用割引があるのでさほど悲惨なことにならないような気もするが、現状ではFOMAプランを家族内に2契約持っていてその無料通話分で他の回線の通話料金を埋めている。FOMA契約はパケット契約もしていないので980円で1,000円分の無料通話が付いてくるんだったかな。つまり基本料金無料なのである。

 通話完全低額となれば通話料を気にする必要が当然無くなるのだが、ナビダイヤルは無料対象外である。
ナビダイヤルはNTTコミュニケーションズが提供しているサービスであり、グループ内なのだから無料対象としても良いはずだ。この辺りはグループ内だから無料対象にしないよと言う、料金収入額の減少防止だなと思ってしまう。

 ナビダイヤルの他に一般電話番号が併記されている所ならばいいが、ヤフーストアのサポートなどはナビダイヤルだけなので毎分43円もかかってしまう。
しかも相当待たされて、30分以上待たされたあげくに切られると言う事も少なくはない。これが無料通話対象であれば何時間でも何日でも待ってあげようじゃないかとなるのだが、0570ではそうも行かない。

 楽天の方は一般番号が併記されていたと思うので無料通話の対象だ。
各社共に完全通話定額となり0570と一般電話番号を併記する所が増えるのかも知れない。国際電話や船舶電話などは無料対象にならなくても仕方がないと思えるが1570と0180が非対象だというのは納得出来ない。
料金を決めるのがNTTコムだと言う事は分かるし、それをドコモが批判するわけには行かないだろうがauやSBM(特に)がギャアギャア騒いでも良いような気がする。

 私は現在5契約持っているのだが、果たしてこれで新料金プランにするとどのくらい高くなるのだろうか。パケットは余り使わないのだが、あまり上限の低いプランは無かったような気がする。とすればパケットは余らせることになるし、それで支払額が上がるとすればこれは悔しい。

 ドコモは新料金プランの加入者が何百万人になったとかと宣伝している。数字好きと言えば孫さんなのだが、その孫さんが数字を全く出してこないと言う事はSBMの定額プランは人気がないのだろう。これは分からないでもない。ドコモの方が定額開始が早かったので定額が欲しい人はさっさとドコモと契約した。残った利用者は定額なんか要らないよと言う人たちだ。

 しかしドコモと同じような事をSBMもやっていて、キャッシュバックなどを貰うためにはスマ放題に加入しなければならない。ドコモほどの縛りは今はないとは思うのだが、真似好きSBMとしてはドコモの施策をそっくりコピーするかも知れない。こうなると非通話定額で安価に契約したいとすればYMしか無くなる。しかしYMは実質的にはSBMのローミングになる訳で、だったらドコモ回線の使えるMVNOの方が良いかも知れない。


SME03(3)(9/8)
◆ VCOはロックしている風に見える。調整点の下限と上限を見極めてその中間位にセットした。これでキャリブレーションは通るようになり、エラーは出なくなった。だが周波数を様々変えてテストすると1.1GHzを境に周波数が大きく飛んでしまう。
VCOが2系統というかL/Cが2組あるのだが、このつなぎ目が1.1GHzなのではないか。

◆ VCOはガラストリマのような調整点がある。ガラストリマにバリキャップが直接半田付けされていて、バリキャップのリード線がコイルだ。1.1GHz以下用と思われるトリマと、1.1GHz以上用と思われるトリマを調整し、さらに温度変化も与えてロックが外れないようにした。
これも文字にするのは簡単だが実際に作業は単純な事の繰り返しで疲れた。

◆ かくしてエラーで使えなかったSME03はよみがえった。今回は特に不良の箇所があったわけではなく、調整の狂いというか経年変化のようなものだろう。
最初はキャリブレーションデータロストの文字からバックアップ電池の消耗を考えたのだが、フロントパネルを外して電池電圧を測ってみると正常だった。

◆ ローデシュワルツのSGは日本では余り出回っていないためか修理や分解の記事がない。本国ドイツにはいくつかの記事があったのだが、当然ドイツ語なので読めない… 翻訳機にしても英語から日本語に訳すほどの精度がないというか専門用語が多いというかで苦労した。

◆ 直接的に今回の調整に関する記載はなかったのと、搭載されているオプションやユニットの年代が違うようだった。ただし全く参考にならなかったわけでもなく、部分的にブロック図が掲載されていたのは有り難かった。
前回修理したSME03とはファーム自体も異なっていてキャリブレーションやシステム系のメニューが異なっていた。

◆ SMEに関しての概要は前回書いたとおりなのだが、ソフトウエアで実現していると思われる機能も今回いじったものは前回のものと異なっていた。いわゆるプリセットデータのような感じで、航空識別系の信号が出せたりFMのステレオ信号がR/Lその他パラメータを変えながら出せたりする。

◆ LF GENERATOR(変調は発生用の低周波発振器)が2系統搭載されていて複数変調を同時にかける時に内部信号元だけでも異なったパターンを使える。たしか前回のものは1系統ではなかったかと思う。
SGは様々なハードウエアやソフトウエアオプションがあり、特にディジタル対応機では通信方式に応じたデータなども揃っている。と言ってもこれが結構高額な有料オプションなんだけど。

◆ メグロや菊水、リーダやPanasonicなどのSGはラジオやTVの調整用などのものが多くAM/FM変調はかけられるが複雑なことは出来ない。単に周波数範囲やレベルの話だけではなくこうした部分の設定自由度はモデルによって大きく異なってくる。

◆ アンリツ辺りの普通の、つまりAM/FM変調が行えるだけのSGでも動作品だと3万円以上はするのではないだろうか。だとしたらSMEを10万円で買った方がずっとお得な感じがする。まあメグロのSGが1万円だったらそれもアリなのかなとは思う。
ヤフオクなどに出ている電源ON確認のみってヤツは電源が入るけど出力が出ないとか、そういったものが多いのでハイリスクなのだ。


SME03(2)(9/7)
 現物を見るとTCXOのロック外れ、キャリブレーション値のロスト、サミングループのアンロックが出ている。まずは直せそうなVCXOのロック外れから見る。
VCXOのロック範囲は±10ppm程度なので経年変化などによって周波数が狂ってしまうとロック出来なくなる。回路図もブロック図もないので手探りではあるが、発振回路のコア入りコイルのコアを少し抜いてみる。

 ボードエクステンションがないので調整してはボードを挿入しての繰り返しで効率が悪い。しかし何度か調整すると常温というか電源投入時のエラーは消えてくれた。温度が上がってくるとロックが外れてしまうので、今度は温度が上がった状態で手早く調整する。その後ドライヤでさらに加熱してみたりしてロックが外れないことを確認する。

 と書くのは簡単だが調整には結構な時間を要した。
エクステンションがあれば制御電圧が0V付近で正しい周波数位なるように調整すればいい。制御電圧は±12Vのようだ。
VCXOは調整できたがsumming loop unlockedは消えてくれない。周波数を可変してみても、まさにロック外れの状態で正しい出力が得られない。

 PLLのロジック部分が駄目だとすると相当面倒である。SummingLoopがどうなっているのかなのだが、メインのVCOは2系統ある。1GHzを境に切り替えられているようなのだが発振回路は一つでL/Cごとスイッチしている感じだ。
このVCOと15MHz/100MHz(たぶん)がミキシングされて制御されている感じがする。

 周波数の細かな部分はDDSであり、このミキシングされるべき周波数が変化する。基準周波数を変化させてVCOをそこにロックさせるような仕組みだろう。
基準周波数は低いのでコムゼネレータ的にスプリアスを沢山作ってミキシングダウンしているのかな。これは古いHPのスペアナでも使われていた方法で、GHz帯をダイレクトにロジックに入力出来ない頃の手法だ。

 この基準周波数元を外しても何ら変化がないので、基準信号かコムゼネレータかミキサがいけないのではないかと思った。
思っただけでは何も進まないので、仕方なく途中から線を引っ張り出して観測する。この辺りでかなり絶望感が漂う。方式も回路も分からない、まさに手探りの限界だ。観測ポイントのレベルなどが正しいのか正しくないのかすら判断が出来ない。

 そんな感じで信号を追っていくと、あるデバイスを境に信号が出なくなっている箇所を発見した。このデバイスは何だ?SMTの3端子なので調べるのに時間はかかったがPINダイオードだと分かった。ここに逆バイアスが加わっているので信号経路が遮断されている。
しかしこれは正しいというか、そう制御されているに違いない。

 PINスイッチを制御している元の信号が何かは分からないのだがIF LEVELと書かれた調整ポイントがある。
他にRF LEVELとPULSE LEVELも調整出来る。PULSELEVELはコムゼネレータ出力のことだろう。調整点があると言う事は調整を要する部分な訳で、このIF LEVELを少し調整してみた。するとロックはしないが周波数ダイアルに対する実際の出力周波数の動きが変化した。調整はそこそこ微妙な感じで幅が狭く、しかもボード実装状態ではいじれない箇所なので大変だ。それでも多少の希望が見えてきたので、少しいじってはボードを差して出力を見ることを繰り返し、何となく良い線になった。しかし全てが上手く行ったわけではない。
続く…


自転車乗り(9/6)
◆ 自転車乗り氏と話す機会があった。以前はロードバイクみたいなタイプに乗っていたと思うのだが、それ以前は普通の自転車だった。自転車ブームに乗る形でロードバイクか何かで走り回っていたのだが、やがて山の方に行くようになって今はクロスバイクというのかな、そんな自転車に乗っている。

◆ 夏場でも山の上の方は気持ちが良い。スクータで山に行っても同じなのだが、静かだし涼しいしで爽快である。自転車の場合はさらに達成感も加わるので格別だろう。だがその達成感を得るためのヒルクライムはきつい。特に夏場は高温多湿に加えて水分補給用の水なども積むので辛さに勝てないと言う。

◆ で、彼の場合は日が昇る前の時間に山を登る事が増えたと言っている。暗い山道を走るにはライトが必要で、彼は懐中電灯を使うそうだ。懐中電灯と言っても最近のものはずいぶん明るいが、中華懐中電灯の明るさ表示、○○ルーメンってヤツは嘘ばかりだそうだ。まあこの辺りは中華HIDを見ても分かるとおりで、実際とはかけ離れた宣伝をするのはどこかの通信事業者と同じである。と、どこかの通信事業者の宣伝はこうした例を示すのにとても都合が良い。

◆ 検索してみると凄い懐中電灯を自作した人がいたりする。車用のHIDを付けちゃった人も。
明るいライトは電力も消費するので無動力乗り物の場合は重さに関わってくる。中華懐中電灯などの広告を見ると1300lmで1.5時間以上使える(楽天アフィリエイトコード入りリンク)なんてものがある。
1300lmと言うと20Wの蛍光灯よりも明るい。LEDの発光効率は蛍光灯と似たり寄ったりなので20W以上の消費電力である事は間違いない。

◆ この懐中電灯の電源は18650を2本なので20Whにも満たない。20Whの電池から20W以上を放電させて100分持つというのは一体どういうことなのか。まあ中華HIDの入力電力と出力電力が著しく矛盾している事実を見れば不思議でもないが、しかしこれは良心的な方だ。酷いものになると単三電池1本で1300lmの光を3時間照射し続けられるなんてものもある。

◆ 自転車乗り氏が最初に買った懐中電灯は明るいには明るかったそうだがスポット的なもので周りを照らしてくれない。これは全く役に立たなくて懐中電灯の前にレジ袋をかぶせて拡散させたりしたそうだ。でも一番良かったのは懐中電灯の前にカメラの広角レンズをくっつける事だったよと話す。なるほど、プロジェクタライトにしてしまったと言う事か。

◆ カメラのレンズを通すと暗くなりそうなものだがどうなのだろう。結局彼はその後広角タイプの懐中電灯に買い直したと言っていた。
自転車用の発電機だと10W前後がせいぜいなのでこのクラスの懐中電灯を光らせる事は出来ない。夜間に長距離を連続して走るなら別だが、暗い夜道だけで使うのであれば予備電池を持っていれば済む事だ。

◆ 明るいライトで照らしながら山道を登っていると、その速度がゆっくりな事もあるが虫が沢山寄って来るという。スクータの場合は速度があるので虫が飛んでくる前にそのエリアを通過するが、自転車でしかも短波長域の光も出す白色LEDタイプだと虫にとってはとても言い光源になってくれるのかも知れない。


SME03(1)(9/5)
◆ 前回に続いてローデシュワルツのSGを直してみる事にする。今回の修理品は未だ手元に届いていないのだが、100MHzのVCXOのアンロックとサミングループのロック外れらしい。そういえば前回修理した時に同軸コネクタを差し間違えたらサミングループのロック外れエラーが出たっけ。

◆ 100MHzのVCXOのロック範囲はきわめて狭いのでOCXO搭載機の場合はオーブンが温まるまではこのエラーが出る。ただ今回の修理品はOCXOが搭載されていないと思われるのでそれが理由ではない。
調整の狂いという点で考えると10MHzのTCXOがずれたためにロック出来ないとかはあり得る。

◆ 調整の狂いを疑うのは、バックアップバッテリが寿命を迎えているのではないかと思うからだ。これも詳細を見てみないと分からないのだがキャリブレーション値をロストしたというエラーも出ているという。
それだけの問題であればユーザキャリブレートを行えば使えるようになるはずだし、バックアップバッテリを交換すれば元に戻る。

◆ 逆にキャリブレーションを取り直してもエラーが消えない場合は本格的?なハードウエアトラブルの可能性が高くなる。調整で直るレベルのトラブルならば良いのだがパーツ不良は厄介だ。汎用のディスクリート部品ならば代替品なども含めて入手出来る可能性があるが、特殊部品やロジック系となると入手の可能性はきわめて低い。

◆ SME03は搭載されているオプションにもよるがAM/FMのアナログ変調に加えてGMSKやFSK,QPSKなどのディジタル変調をサポートする。アナログI/Q入力ではなく信号の組み立ても内部で行ってくれるのでSGがサポートしている変調方式と変調形式であればクロックとデータを突っ込めばいい。PRBSは内部生成(オプションだったかも)が出来る。

◆ FM変調器はオプションで、このオプションを実装すると2系統のFM変調を同時にかける事が出来る。FM放送のパイロットを別に変調するとか文字放送の変調をかけるとか、そんな使い方も出来る。FM変調とPM変調は同時に使えないがFMとAMとDigital変調は同時にかけられる。
これら変調をかけたままスイープも出来るが、周波数スイープとレベルスイープは同時には出来ない。

◆ スイープの最小ステップは1Hzだったと思う。スイープの最小時間は10mSだったと思うので10mSごとに1Hz動かす設定がそれぞれの最小だ。周波数スイープは簡易的に周波数レスポンスを見る用途かな。スペアナを使うほどでもないけれどとか入力周波数と出力周波数が異なる(スペアナのトラッキングゼネレータで見る場合には外部ミキサが必要)場合や、RF入力に対して出力が直流(RSSIなど)の場合はSGとオシロや電圧計で想定する。

◆ レベルスイープはアンプの飽和特性や直線性などを、これもスペアナでIMを測るほどではないという場合に便利である。IMを測るにしてもレベルスイープの出来る2台のSGを同期させて使用し、スペアナで3次歪みの周波数をゼロスパンで見、これもスイープを同期させればグラフが描ける。
また周波数スイープ同様に入力周波数と出力周波数が異なっていたり、あるいは出力がDCのRSSIなどをグラフで見たい(オシロの掃引と同期してスイープ)場合に便利だ。

◆ スイープ機能のないSGの場合はダイアルをぐるぐる回しながら目で追うみたいな事になるので、それが自動で出来るか否かは作業性に大きく影響する。大抵のSGはスイープ機能が付いているとは思うのだが、設定の柔軟性が低いと機能を発揮出来ないのである。


歩く(9/4)
◆ 少し前にこちらのページで紹介されていてこのイベントを知った。日本海側から太平洋側まで5日間の日程で歩くというもの。これは凄い。スクータで走った辺りもコースに含まれているので興味深くマップを見た。一般道というか車の走れる道もあれば山岳コースもある。こんなマップを見ていると私も行ってみたくなる。

◆ 勿論歩いてなど行けるわけが無く、乗り物に乗ってだ。ただ山岳コースは乗り物では入れない所もあるだろう。乗り物では入れない場所は迂回するが、イベントが行われた日程より時が経った今からだと移動もしやすい気候になる。もっとも山も上の方では寒くなっているとは思うけど。

◆ イベント参加者は通信型GPS端末を携行し、自位置を自動送信する仕組みになっている。コースアウトしたり移動困難になった場合などはオフィシャルが見つけてくれるのだろう。
携帯電話の携行も義務づけられているが、おそらく圏外の場所もあるはずだ。ドコモかauでと規定されているのは、SBMは山岳地帯やルーラルエリアで余り使えないからである。

◆ 以前に黒部に行った記事でも書いたが相当広範なエリアで圏外が続く。観光地位整備してくれと言う感じなのだが、CMをやっている飛騨の辺りがやっとつながるようになった感じかも知れない。
以前はスクータで走っていてSBMの電波が受信出来るかどうか見る事もあったのだが、少し山に入ると受信出来なくなってしまう。せっかく900MHz帯が割り当てられたのだから整備してくれればいいのだが、接続率の低いエリアは整備しないと公言していた位だから無理か。

◆ ルーラルはドコモにローミングさせろとも言っていた。
来期からはさらに設備投資を縮小するようなので山間部などのエリア化は行われないのだろう。
ドコモにしても圏外に遭遇する事はある。バッテリコンサンプションのログを見ると圏外になっている時間帯が分かる。たいていは何キロか、スクータで1〜2分も走ると圏外を脱出出来るがそんな圏外エリアでトラブルでも起きて立ち往生は嫌だなといつも思う。

◆ 九州南部ではauが強くドコモでも圏外が多かった。当時契約していたSBMの従来型ケータイはドコモが入る場所でも簡単に圏外を示してくれた。当時はドコモもSBMも2GHz帯のみであったため山間部を走る高速道路上などでも度々圏外になった。今はおそらく整備されているとは思うのだがSBMはべったりマップが塗りつぶされているスタイルなのでどこが本当は圏外なのかよく分からない。

◆ TJARのコースを見るとスタートから少しして山間部に入ったあたりから上高地辺りまではSBMの圏外率はかなり高そうだ。ちなみにエリアマップの塗りつぶし面積的にはドコモよりもSBMの方が圏外が少ない事になっている。
これは将来エリアになる予定(日程明記無し)の地域が目立つからだ。TJARでは主催側がSBMを排除しているから良いのだが、パッとエリアマップを見てエリアが広いから大丈夫だろうと勘違いしてしまうと危険だ。

◆ ドコモやauは比較的その辺りの勘違いを誘わないようになっているがソフトバンク系は違う。規制がないから何でもやってしまう同社故に、実際のエリア以外を同時表示してはいけない規制でも作らないと駄目だろう。山歩きや山岳部に出かける事の多い人なら実体験として分かる筈だが、近年増えている高齢登山者のトラブルなどを見ると、勘違いを誘うエリアマップの野放しは危険ではないかと思った。


飛ぶもの(9/3)
 空を飛ぶものは風の影響を受ける。以前に書いた空撮用のラジコンヘリにしても風には弱い。ジャイロと制御ファームが頑張るのだが、動力性能以上の風が吹けば流されてしまう。またレスポンスも重要で、風向きが刻一刻と変化するような場所では不安定になる。逆にある程度の風であっても一定方向から吹いている分には、動力性能が耐えうる限りホバリング出来る。

 無動力のものは風任せだ。ソフトバンクの気球が風で失敗したという話があったが当然だ。気球は浮力を得るために体積が必要となるが、それは同時に受風面積を大きくしてしまう。翌断面形状の翼などを制御して力のベクトルを変えるなどの工夫があればまだしも、単なる風船では無理だ。

 コミケで失敗した気球は簡単な単なる風船のようにも見えるが、災害時に仮説基地局として使うとアナウンスされている気球は動力を積んでいるのだろうか。無風状態であればいいが、そうでないと姿勢安定が保てないのでアンテナの放射角が刻一刻と狂ってしまってフェージングが起きる。

 コミケの気球はWiFi用だったとの事だが、WiFiでマクロセルを作るとはなかなか乱暴だ。APは6チャネルを使うとかだが大量のトラフィックをさばくとする同社の思惑とマクロセルを作る事は相反する。
気球の姿勢が安定しさえすればマルチビームのアンテナ(結構大きくなると思う)を使ってセル分割を行う手もあるのだが無動力の風船では無理だ。

 今まで誰もやらなかった事にチャレンジする心意気は評価出来るし、前例がないからやらないとでも言いそうなドコモとはひと味違う。前例とは作るものであり評価するものではないからだ。
ただし単純な風船では考えがなさ過ぎた。やはり何らかの制御がなければ実用的ではない事が証明されたに過ぎない。もちろん、こうした様々な失敗から次を開発していくのは常であり、もしかしたら来年には翼の付いた気球が大空を舞うかも知れない。

 空撮用のヘリ的ものにはワイヤードで動かすものがある。けい留地点とワイヤーで接続され、単に上下方向にのみ移動する役割になる。これは必要な時にのみ上空から下界を観測するとか、ある程度の風であっても(電力供給が可能なので)それに耐えうる動力性能を持つなどが謳われている。
動力で上昇するので気球に比較すれば絶対的に受風面積は狭く、最大9kgのペイロードと50mまでの上昇が風速10m/s以上でも行える。

 構造的には上昇用の回転翼の他に姿勢安定用と思われる回転翼が付けられている。回転翼とは言わないのかな?シュラウドの付いたプロペラ風のものだ。
電力供給がワイヤーで行えるので運用時間に制限はないし、無線基地局として使う分にはいずれにしてもワイヤーが必要なので風船よりも良いのではないだろうか。気球の方が安くて手軽となるわけだが、話題性重視のソフトバンク的にはこうしたワイヤードホバリングマシンの方が良い気がする。

 動力があるので姿勢は安定しているし、ここにマルチビームのアンテナを組み合わせればWiFiでも移動体通信用でも使える。ただし周波数が低いとアンテナが大型化してしまうので質量と風圧面積的に不利になる。
気球にしても同じなのだが故障して落ちてきた時などは被害が大きい。気球は風船が壊れない限り落下しては来ないがヘリコプタは落ちてきてしまう。
付近を立ち入り禁止に出来ればいいがイベント会場などで半径50mに柵を作る事が出来るかどうか。


10年(2)(9/2)
◆ N氏が頑固にトルマリン効果を信じ続けているのかというと、私は少し違うのかなと思う。それは同氏の言動の変化にもあるのだが詳細は避ける。
私の想像では、トルマリンをいくらいじくり回した所でエンジンに対する効果はないなとおそらく気づいている。但しそれを公にすれば自らの10年間を否定する事になるので出来ない。

◆ 私だったらその時々の自分の思いや考えを書いていくかな、あの時はこう思ってやったけどやっているうちに違うのではないかと気づきましたよ、みたいな感じで。
一時期流行ったアーシングにしてもコンデンサにしても今は余り聞かなくなってしまった。だって理にかなってないんだもん。

◆ 結論から言ってしまえばトルマリンなり何なりが燃焼効率改善に寄与するとの真実ではない事を書き続けた罪はあるが、一つの趣味としての実験の不正確な結果だと思えば良いのかな。それを商売にしてと言うのだとまた話は違ってくるが、あくまでも自分の満足のためと言う事であれば誰にも責める権利など無い。

◆ もう一方の雄というのは違うかも知れないが「アンチは知能が低いから」と書き続けるK氏である。こちらも検索してみると相変わらずの活動中である事がよく分かる。N氏が(正確性などはこの際無視して)実践派であるのに対してK氏は一切自分で確かめようとはしない。これは頑なであるのだが、おそらくそれには理由がある。それも、単に家から出るのが嫌だとか面倒だというような消極的ものではなく、自分の信念自体が揺るいでしまう危険性を感じ取っているからではないか。

◆ 自分以外の人をアンチと切り捨てるのは、その人の言動を切り捨てなければ自己矛盾に陥ってしまう怖さの表れだ。アンチはバカで低脳だから、そんなヤツの言う事は聞かないよと自分に言い聞かせる。そうやってギリギリの所で耐えている姿が感じられる。
あくまでも罵倒が基本であり、相手と正当な議論をしてしまうと自己の主張が維持出来なくなる。

◆ K氏は1+1=3だと主張しているとしよう。しかし実際の答えは2である。ここでK氏は「アンチは知能が低いから知らないようだが1+1は3だと公の場で発表されている。それなのに答えが2だとはお笑いだね。
そんな回答をしているからアンチはバカだと言われてしまうんだよ」とか何とかで話を逸らす。普通の人のように「3だと○○に書いてあったからそう思ったけれど、何故2だと思うのですか?」なんて議論になれば自分の間違いに気づかざるを得なくなる。

◆ なのでアンチはバカだからのフレーズが出たと言う事は、相手の言い分を肯定したという裏返しなのだ。
燃費グッズの謳い文句同様に、真実が見えてくるとお決まりのフレーズの裏側に真意と苦悩が見えてくるのではないだろうか。ただそうなってしまうと相手にしてくれる人が減少する。K氏の場合はかまって貰いたいが為にあえて嘘を並べるみたいな所があるので時間に余裕のある人はレスを付けてあげたらきっとK氏も喜ぶに違いない。

◆ 同じフレーズを20万回以上も書き続けるのは普通の人には無理な事だ。以前に触れた"呆れる逆恨み"な人もさすがにこの回数には及ばないのではないだろうか。


10年(1)(9/1)
◆ 久々にあちこちのページを見てまわった。あの人は今どうしているのだろうかという感じで。
いつ書かれた記事か日付がないので分からないが、10年を振り返る書き物が追加されていた。お元気そうで何よりだし未だにトルマリンに傾倒している姿を感じて懐かしく感じた。
反射材という言葉も、一体何をどう反射させるのかよく分からなかったりするし混合機が運転状況により濃くなると言うのも、一体いつの話なのかなと思ったり。

◆ 現在のエンジン制御では多くの場合は理論空燃比で運転するようになっている。ポンピング損を減少させるために混合機を薄くしてエンジントルクを減らす場合にはNox吸着触媒などを使う必要があるので何かと面倒だ。確かにエンジンの損失の中ではポンプロスが最大ではあるが、燃焼形態を変える事での効率追求とは別の方向に行っている。

◆ パワーアップグッズには燃費向上とパワーアップを同時に謳うものが多い。しかしこれは明らかに矛盾している。燃料の物性は決まっているのでパワーアップの理由がないわけだが、仮にパワーが上がったとすると同一走行条件でアクセル開度が減る。
アクセルを軽く踏んだだけでこれまでとは違う加速をするから、これまでと同じように走るのならばアクセル開度が減って燃費が良くなる。と、これも良くある宣伝文句だ。

◆ しかし、希薄燃焼による燃費節約が何故考えられたかを理解すれば分かるように、出来るだけアクセル開度を上げてポンプ損を少なくしなければ効率は上がらない。
つまり、パワーが上がったからアクセル開度を減らすと言う事はポンプ損を増やしているだけなので効率は低下方向になるのだ。
燃費グッズに「この燃費グッズはエンジンパワーを半分に減らします」とでも書いてあれば、同じ走行条件でのスロットル開度が大きくなるので燃費は良くなる。

◆ アクセルを開けた方が燃費が良くなるというと、じゃあ急加速を繰り返した方が良いのかと連想してしまう所に間違いがある。あくまでも同じエンジン出力を出すためのスロットル開度なのだが理解されにくいし、そこに燃費グッズ屋は突っ込んでくる。よって人々は簡単に騙されてしまうのは致し方ないとも言える。

◆ N氏は「電気伝導率(電導率)が極端に小さい金属を反射材にした」と記しているが、何を反射させるのかは不明だ。
低抵抗が重要だとすると相当インピーダンスの低い何かがそこに存在しているのだろうが謎である。表皮効果が関係ないとすれば金属板の体積を大きくすれば電気抵抗は減らす事が出来る。チタンなんて材料も登場するが、コイツの電気抵抗は銅より一桁以上大きい。

◆ こうして作った物体をラジエータホースに巻くのかな。ラジエータホースの中身は不凍液なのだが、それにどんな影響があるのかは記載されていない。結局の所何の影響があるのか分からないけれど、自分が苦労して作った物体を取り付けたのだから燃費が良くなるに違いないと思い込む事こそが燃費節約運転に作用するわけだ。理屈などがどうでも良いのは、その物体の効果にだけ着目して理論解明をしようとしない所からも伺える。理論を解明すると矛盾が現実となってしまい、右足の燃費節約効果に支障を来すからだ。燃費節約グッズはエンジンに作用するものではなく人間にしか作用しない。しかし人間の運転する自動車としてみるならばそれも燃費節約グッズと言えるのかも。
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