VC

過去の雑記置き場


2015(1/1)
無意味な事(1/2)
作りの違い(1/3)
誤差(1/4)
電圧(1/5)
ケース(1/6)
基板(1/7)
誤差(2)(1/8)
水道(1/9)
誤差(3)(1/10)
テスター(1/11)
孫帝国(1/12)
ハイブリッド車(1/13)
サニスタンド(1/14)
歪率計(1/15)
歪率計(2)(1/16)
20年(1/17)
歪率計(3)(1/18)
0.5桁(1/19)
RIGOL(1/20)
楽天出店(1/21)
DMM(1/22)
カイロ(1/23)
コレクション(1/24)
コレクション(2)(1/25)
仮想敵(1/26)
STAP細胞(1/27)
同期回路(1/28)
NF(1/29)
掘り出し物(1/30)
ジャンクが高い(1/31)


ジャンクが高い(1/31)
◆ ヤフオクの話の続きみたいな感じだがジャンクが意外に高いというお話だ。
動作品の値段がそこそこ上がるのは分からないでもないのだが、時にジャンクが動作品以上の価格になる事がある。SGなどもその傾向があって、動作品が4〜5万円で落札されているのに、時にジャンクが5万円を超えたりする。

◆ 単に応札競争で価格が上がっているだけではないかと思うのは、仕様やオプションを見ても特に高額になる理由がないからだ。修理に成功したとしても高いものになってしまう。
そのモデルが希にしか中古で出ないというのなら希少性みたいな話があるのかも知れないが、だって動作品が安く出てるじゃんみたいな。

◆ これって動作品を落札してジャンクとして出品したら儲かるんじゃないかなぁ。まあ値が上がらない事も考えられるのでリスク承知になるが、そこはオークションなので仕方がないだろう。動作品にしても高くなってしまう事もあれば安く買えることもある。

◆ 測定器類のジャンクは値が上がるのだがカメラ類のジャンクは余り値が上がらない。周知の故障で修理が簡単な場合はそこそこの値段になるのだが、カメラやレンズは分解と組み立てに技術を要するのかジャンクは安い。
レンズなどでも分解掃除の出来る人なら良いとは思うがそうでないと曇りやカビのあるレンズには手を出しにくい。

◆ 不動とは言わないけれど完全ではないものが多いのが車やバイクカテゴリではないだろうか。バイクなどにしても自走は可能だがどこまで走れるかは保障しないよ、みたいな。売る前に整備をしてと言う人は多くないだろうから現状渡しになる。大切に乗られていた車もあるのだろうがそうでない車もある。もしかしたら難燃もオイル交換されていないかも知れない。

◆ スクータなどにしても駆動系の状態は開けて見なければ分からないし走行距離などアテには出来ない。
古いバイクだと整備前提でという感じになるのだろうが、買ってすぐそのまま乗りたい人だと選択が難しい。

◆ スカイウエイブは中古で買ったのだが、一応はちゃんと走った。但しバッテリは早々に駄目になったので、と言うか駄目なバッテリだったので交換した。エンジンは載せ替えてしまったので元々の状態は不明ながら、ウエイトローラはかなり減っていた。その後フロントフォークからのオイル漏れに見舞われるのだが、おそらく長い間乗っていなくてフォークの錆びがシールを傷めたのだと思う。錆び自体は摺動によって綺麗になってしまったがシールは壊れた。

◆ 結局フロントフォークもオーバホールしたし、ブレーキキャリパもオーバホールしたし、その予定ではなかったリアのキャリパーは引きずりが出て、ついでにブレーキマスターシリンダも交換した。
何だかんだといじって楽しめたのは事実なのだが、逆に言えばいじらないとならない部分が多かったとも言える。
中古バイク屋で保障付きを買うか、中古バイクや価格の半額位でヤフオクで買うかはこの辺りが違う。
車と違って二輪車はいじるのが楽だから、楽しみでいじれる人ならばヤフオク中古も悪くはない。


掘り出し物(1/30)
◆ 今時ヤフオクにだって掘り出し物など存在しないと言うなかれで、たまにひっそりと誰にも入札されずに終わろうとする品物がある。落札相場からすれば2千円位は付いても不思議はないものが1円スタートでそのまま終了しようとしているとか。

◆ 以前にも書いたが中華系のHID屋とかLED屋とか、とにかく中華系は送料で稼ごうとしているのでタチが悪い。1円で落札されても送料と梱包料と称する金額の合計が4千円も取られたのでは高額なものになってしまう。
こうした出品者には注意が必要だが、それ以外の品物に関してはお得なものもある。

◆ 雑記ネタにも登場させたキクスイの電源、18V/3Aのそれは千円だった。送料もゆうパックの定価通りだったのでお得だった。落札相場的には3千円前後にはなる品物だ。中古の場合は状態の善し悪しもあるので何とも言えないのだが、でも千円は安かった。アドバンテストの4.5桁のDMMは1.2千円で、HPの5.5桁のDMMも4千円はしなかった。

◆ テクトロのオシロが7.5万円で出ていた。1GHz帯域幅と4Gspsだったかな。写真から見る限りにおいてはかなり綺麗なもので、これは安いと思ったら数分後には即決価格の9.5万円で終了していた。安いなと思ったらすぐに買うことも必要である。
中古の場合は同じような品物が沢山出てくることもあるし、その一品限りのこともある。

◆ 良くあるのが、同じ品物が複数出品されると最初に終了するものが最も安いというアレだ。多くの人が後になるほど安くなるに違いないと考えるからなのか、あるいは最初は様子見で入札が入りにくいのか、最初に買うのが一番良かったと後悔するパターンだ。
これは見合いも同じらしくて、最初に断った人が今思えば一番良かったワと某女が言っていたっけ。

◆ ジャンクの中に「電源が入らない」系のものがある。運が良ければヒューズを交換あるいはヒューズを入れる(企業が廃棄時にヒューズを抜いた)だけで修理完了になる。しかし本当に壊れていて電源が入らない物もある。アジレントやテクトロなどのWindowsベース機だとOSやHDDがクラッシュしていて動作しないものがある。HDDの交換が出来たとしても測定器のシステムソフトを持っていない限り復活させることが出来ない。
新たにソフトを買おうとすると相当な金額になる。

◆ KENWOODのマルチメータは不動品が良く出てくる。電源は入るけれど動作しないとか表示がおかしいというヤツだ。私はいじったことがないので故障箇所は不明なのだが、そこそこ良い値段で取引されているようなので修理が可能な故障なのかも。
簡単に修理ができればお買い得となるのだが、修理出来ないとゴミになってしまう。

◆ アドバンテストや一部アンリツの高周波系測定器は電解コンデンサ不良による動作不安定が多い。電源部や主要部の電解コンデンサを片っ端から交換して直してしまう強者もいるのだが、総数数十個にもなるコンデンサを交換するのは結構大変だ。電解コンデンサは漏液すると基板や他のデバイスにまで浸透して道連れにしてしまう。なので転ばぬ先の杖は重要だ。電解コンデンサも真空管機器に使われていたようなチューブラタイプ、同じくチューブラタイプのオイルコンデンサは古くなると破裂する場合がある。ふなっしーではないがブシューッと音がして煙に満たされる。


NF(1/29)
◆ NFに関しては以前にも書いた。アンプでゲインが重要なのは勿論なのだがNFもまた重要である。ノイズの多いアンプを付けるとそのノイズ自体が信号をブロックしてしまう。
プリアンプを入れたら信号は20dB上がったけれどノイズフロアも20dB上がったというのではアンプの意味がない。

◆ おかしな?アンプを入れると信号が20dB上がるけれどノイズはそれ以上に大きくなりS/Nが悪化してしまうなんてものだってあった。
アンプさえあれば弱い信号でも受信出来るのではないかと、ゲインの大きなアンプを入れまくりみたいな人が居なかったとも言い切れない。
S/Nではなく信号強度が大きくなればそれで良い的な考えの人というか、S/Nと言う概念にまで達していない人だって居た。

◆ NFを測るにはNFメータが必要になる。あるいはノイズの量の分かっているノイズソースが必要だ。NFメータは今でこそHP8970が安価に入手出来るが以前はそうでもなく、ノイズソースとセットで数十万円とか。勿論中古である。
で、NFメータを自作する人も居たりして凄いなと思ったのだ。自作と言ってもそう複雑なものでは無く、安定な受信機を作ればいい。

◆ HP8970にしても中身はトリプルコンバージョンの受信機である。安定なというのは、ゲインなどがドリフトするとNF測定値が信頼出来なくなってしまうからで、多段のアンプやミキサやパッシブ部品などで作られる受信機を安定にするのは意外に難しい。

◆ HP8970はゲインもNFも0.01dB単位で測ることが出来る。0.01dBの分解能があるのだから内部ドリフトはそのレベルまで抑えられていなければいけない。ノイズソースもアマチュアは自作するのだが、それにしても温度安定度などを確保しておかないと0.01dB分解能に対応出来ない。

◆ 最近ではトランジスタが良くなったのでNFが0.3dB位のアンプを作ることはそう難しくはない。だが0.3dBのNFを確度良く測ることは余り簡単ではない。HP8970にしてもノイズソースにしても電源ONから30分位はドリフトが見られる。しばらく通電しておいても室温が変わると測定値が変化する。

◆ ノイズソースの中古が沢山出た時期があったそうだ。商用無線局がNF管理を行っている時があり、商用無線局ごとにノイズソースが設置されていたとか。たぶん測定自体はその無線局の無線機に測定モードみたいなものが付けられていたのではないかと思うのだが、ノイズソースは信頼出来るものが必要だ。その商用無線局が閉局したか機器が入れ換えられたかで大量のノイズソースが巷に溢れたと言う事らしい。

◆ ノイズソースの真空管の話は以前にも書いた。流す電流によって決まった量の雑音が出てくれる。シルバニアの5722だったっけ。シルバニアと言っても猫の一家の話ではない。5722を使ったNF測定法ではプリアンプなど単体のNFは測れない。ノイズを検出するための受信機を別途用意する必要があるので、その受信システムのオーバオールのNFが測れる。勿論プリアンプを入れたり抜いたりして計算すればプリアンプのNFも測れた。

◆ 5722での測定確度は1dBとか、せいぜい0.5dB単位といった感じで読み取り精度はいくらでも上げられるが実際の確度はそう高くはない。
今ならPCのオーディオ入力に受信機の出力を接続し、PCの方では帯域幅が正確なディジタルフィルタを作ってノイズ電力を測ればそこそこの精度でNFが測れそうな気がする。


同期回路(1/28)
◆ 現在のLSIはクロック同期回路で設計されている。同期回路は全てがクロックのエッジに合わせて動作するので遅延の影響を排除しやすい。その代わりクロックに同期してしか動作出来ないのでクロック分の遅延が起きる。
つまり配線やデバイスの遅延をクロック分遅らせて再同期させるようなものだ。
と、文字で書いても分かりにくいのでこちらの説明図が分かりやすいと思う。

◆ 大規模LSIはクロック同期でないとマトモには動作しない。配線遅延などが複雑になるのとバックアノテーションなどがかけられない、シミュレーションしにくいなどがある。
おそらく非同期ロジックが現実的にデバッグ出来るのは数百ゲート規模までではないだろうか。

◆ 私は以前にFPGAで数万ゲート規模の非同期ロジック回路を組んだことがあったが、動作させるために相当苦労した。だったら同期回路で組めば良いではないかと言われそうだが、同期回路にすると回路規模が数倍にもなってしまってFPGAに入らなくなってしまう。

◆ ちょうどFPGAが世の中に出始めた頃に関わったので、最大規模のデバイスが9000ゲート級だった。勿論それ1個だけでは構成出来ないので複数個のFPGAを並べて使った。FPGAは内部配線の遅延は少ないのだがI/Oピンをドライブするバッファは遅い。つまり複数のFPGA間の信号は内部配線の何倍もの遅延が出てしまう。
そこで回路の分割も考えなければならず、それは全体回路としてみると冗長部分が増えてしまうことになる。

◆ 当時のPCのCPUは486DXの100MHzが凄いなと言っていた頃であり、FPGAで20MHzを扱うのは大変だった。しかも非同期ロジックで、1つでもゲートが少なくなるように回路を作った。配置配線情報から遅延を見て回路を組み直したり、部分的に自動配置配線ではなく手配置や手配線をした。
機能記述も無いではなかったが一般的ではなく、回路図ベースで設計した。シミュレータもあったが動作速度が遅くて使えるようなシロモノではなかった。たかだか1,000クロック分を進ませるのに数分もかかった。
FPGAの自動配置配線も数時間規模で時間がかかり、1回の設計変更に1日かかるような状況だった。

◆ この時ほど速いPCが欲しいと思ったことはない。
今はクロック周波数だけでも30倍、おそらく実行速度は100倍にもなっているだろう。自動配置配線アルゴリズムも改善されたがFPGAのゲート規模は当時の100倍以上になっている。
FPGA内にRAMが内蔵され、ハードマクロが用意されるなど相当使いやすくなった。

◆ 従来はゲートICを並べて作っていた回路がFPGAで実現出来る。回路を変更するのに半田ごては必要ではなくコンフィグレーションを変えれば良い。
自分でCPUを作ってみたいと思う人が居るかも知れない。効率的な命令実行の研究をしたり、オリジナルの命令群や専用演算器を内蔵したCPUなど。
検証だけならシミュレータで出来るが、それを使ったハードを作ろうと思えばFPGAが必要だ。

◆ どこまでをCPUなりDSPで実行し、どこからをハードウエアにするのかは悩みどころだ。実効速度の違いはあるがハードで出来る事の多くはソフトウエアと少々の周辺ハードウエアで実現出来る。
ソフトウエアで実行した方が効率的だと思われる部分はFPGA内にステートマシンを組めばいい。


STAP細胞(1/27)
◆ STAP細胞論文が発表されたのは1年前になる。画期的発見と言う事でニュースになったが、その後論文写真の使い回しなどが発覚した。
果たしてSTAP細胞はあるのか無いのか。論文の正確性はどうなのかなどが議論された結果論文を取り消す事態となった。

◆ 小保方氏は「STAP細胞はあります」と会見に臨み、その後自ら再現実験を試みた。
再現実験は実験室にカメラが設置されるなど公平性を担保する形で行われたのだが、これに対して小保方氏は制約が厳しかったと言っていた。

◆ 昨年末になりSTAP細胞が再現出来ない事が公表された。小保方氏は50回に及ぶSTAP細胞再現を試みたが明確なSTAP細胞は得られなかったという。小保方氏は再現実験には成功しなかったがSTAP細胞は存在すると発言していた。
調査ではSTAP細胞は存在せずES細胞が混入したとする結論を出した。

◆ 理研は本件に関する調査を行うための委員会を設置、今後は懲罰委員会で処分に関する議論が重ねられる。小保方氏は退職したため処分の対象に出来ないそうだが、結果の公表を以て制裁とする旨が語られた。

◆ STAP細胞はあるのか無いのか。小保方氏は200回以上作成に成功したと発言している。その200回の成功は何回の失敗を繰り返した中なのか。
成功率はどの程度なのかなどは小保方氏のみが知る所ではないだろうか。ES細胞が実験の度に混入したとも考えにくく、故意の臭いもする。
今年になると、小保方氏がES細胞を若山照彦教授の研究室から盗んだ証拠をそろえたとして刑事告発された。

◆ ケースは少し異なるのだが低温核融合などの研究でも実現したとかしないとかの話にはなる。
非常に微妙な計測を必要とするので測定エラーや誤差に埋もれてしまう場合があるからだ。
もっともそうしたエラーを利用して永久機関なんかを発明してしまう輩が居るのも事実で、過去にはマツダも永久機関モドキみたいなものを発表したことがある。

◆ だいたいは磁石ものなのだが、これに騙されて投資した金融機関や団体が数多くあった。そうした偽永久機関の改良型みたいなものも出現したりして、作っている側は騙そうと思っているのかそれとも信じているのか。

◆ 今やすっかり廃れてしまった燃費改善磁石にしても同じなのだが、磁力ってヤツは詐欺に使われやすい。磁力があたかもエネルギが存在するかのごとく扱われるからだが、磁力があるだけでは何も起こらない。磁力に変化があればそれを取り出せるが、それは温度でも同様だ。気温という温度があるからエネルギがあると言っても信じない人が、磁力があるからエネルギがあると言われると信じてしまうのは不思議だ。

◆ あらゆる面でドコモを超えたと言った孫さんは本当にそう思っているのか、それとも投資家向けの冗談なのか。
エリアも速度も顧客満足度もSBMが日本一だというSBMな人は本当にそう思っているのか、って、これは話が小さすぎるか。

◆ 小保方氏は別の企業か団体に移って研究を続けるのかも知れないのだが、実験の過程や検証などに関しても相当ずさんだったとされる。その背景には理研からの圧力みたいな話もされるのだが真相は不明だ。しかし実験者たるもの正確性を求めるのが真の姿ではないかと思うのだが…


仮想敵(1/26)
◆ 仮想では無い敵とも言えるがKDDIは最近ドコモの動向を気にしている。少し前まではSBMを見ていた感じが強かったのだがドコモがiPhoneを扱い始めたあたりから変化が出てきた気がする。

◆ 一つはSBMの勢力が弱まった事で気にする必要が無くなった事もある。ドコモにしても決して順調とは言えないのだが、MVNOによる純増稼ぎの方が気になって仕方がない。それに加えてセット割りともなれば焦るのも当然と言える。

◆ MVNOはKDDIも行ってはいるのだが回線卸コストが高い事もあって関係の深い企業にしか扱って貰えていない。KDDIはセット割りに関しても何にしてもそうなのだが、自由化だとか自由競争に強固に反発する姿勢を見せる。

◆ MVNOにしても使って貰いたければ回線を安くすればいい話であって、ドコモがずるいと言っても始まらない。実際SBMなどはKDDIよりも高い回線費用と狭いエリアが嫌気されてMVNO事業者が寄りつかない。
通信方式からすれば使われても良さそうなものだが駄目だ。だからと言って孫さんはドコモとMVNOの関係に文句を言っていない、たぶん。

◆ KDDIがSBMを気にしなくなった以上にSBM自身は純増数の減少に悩んでいたのだろう。
今回の合併にしても経営の効率化やインフラの共通化でコストを下げる狙いもある。CAにしてもYMの1.7GHz帯を正規に使う道が開ける。
新たな帯域獲得は、総務省がグループ内は同一事業者と見なすとの見解から別事業者を装う必要が無くなった。

◆ 規模の拡大はコストダウンにつながる。ただSBMの場合は重複契約が800万近くあるそうなので実質加入者数として考えるとKDDIグループと大差なくなる。SBMが回線コストを下げるなどしてMVNO事業者への卸売りを始めるとするとKDDIは再びSBMを気にし出すかも知れない。

◆ 通信事業者本体での加入者数が稼げなくなってきている現状でMVNO事業者の存在価値は大きい。当初は安く回線を卸して何が得なのだと考えていた事業者だが、MVNO事業者へのMNPが可能になって見方が違ってきた。
ドコモの回線卸売りコストが安いのなら通信費が安くても良いではないかと思われるが、そこには様々なサポートコストだとかApple税の支払いが積み重ねられるので安くは出来ない。

◆ ただし3日/1GB規制撤廃のように同じ金を払うのならば自由度を増やしたよと言うような事は行われている。逆にSBMの規制は厳しくなっているようで、規制に引っかかると数十kbpsしか出ないとも報告されている。厳しい制限をかければ青天井オプション導入率が上がるかも知れないが、他社に逃げて行かれてしまう弱みもある。

◆ KDDIはUQでの規制を緩める方向で対抗する。
WiMAX2+は帯域拡大のCAと4×4MIMOでトラフィックに余裕が生まれると考えたのだろう。4×4MIMOはXGPでも可能なのだがインフラ整備を必要とする事なので金がかかる。勿論金がかかるのはUQも同じなのだが、UQはこれまでも結構設備投資をしてきている。まあ母体が大きいから、みたいな所はあるのかも知れないが元は取れるのかと心配にもなる。


コレクション(2)(1/25)
◆ 工具の場合は実用的なものなのだが、実用性以上のものを求めると趣味になる。実用範囲内であったとしても、他人から見れば車やバイクの整備は工場に任せた方がトータルとして安いんじゃないのなんて言われる。

◆ 実車ではなくスケールモデルなどを趣味にする人も工具に拘る。ピアノ線をバチンと一発で切れるような超硬のニッパなどを持っていたり、ピンセットややすり一つを取っても何万円もするものを所有している。
小さなモデルなどの出来上がりは工具の質が左右するとまで言われていて、ピンセットなどにしても用途に応じて何種類も必要なのだそうだ。

◆ 測定器も道具の一つに違いはないが、使うと言うより集めることが主目的になってしまった人も居る。理由は様々で、最初は必要に迫られて買った測定器をどんどんグレードアップして台数が増えたという人も居れば、高嶺の花だった測定器が自分の手の届く価格で出てきたから買ったという人、様々な測定器を揃える事自体が趣味な人など。

◆ 測定器にしても工具にしても私も所有しているが趣味として使う頻度は低い。工具などもその時に必要だから買って来るが、その作業が終わったら出番が無くなったなんてものもある。特にSSTなどは使用頻度は低いが値段は高いみたいな感じで困ったりする。

◆ 測定器にしても基本測定器は出番も少なくはないが、少し特殊なものは余り使わない。余り使わないのだけれど、それを手放すとそれを使う場面が訪れたりする。
例えばワンセグドングルとSDRソフトで様々な電波を受信するとしよう。ドングルの周波数誤差が知りたくなり、感度を測りたくなるとSGなり何なりが必要だ。ただ感度が分からなくても非実用的でもないし、感度が分かった所で何と言うことはない。

◆ ドングルを改造したりすれば又別なのだが、感度を測って感度が分かればSGは不要になってしまう。その為にSGを買うのかどうかはその人の拘り具合による。物事に対する探求心だとか興味のレベルによってそれらは異なるし、多くの探求心があれば多くの楽しみが生まれるのも又事実だ。

◆ 私の中では収束してしまったGPSの1PPS計測でも同じで、実際のGPS受信機がどう動いているのかを知りたくなり色々やった。これだって別にどうでも良いことだと言ってしまえばそれまでである。

◆ こちらの方はスペアナは各部屋に1台、周波数カウンタは各部屋に数台置いているそうだ。
この方は凄い。計測器室(!)に並んだ測定器類の総額は一体、みたいな感じで、しかも並べて楽しんでいるわけではなく多方面に対する技術にも長けている。

◆ 他にも検索すると測定器マニアとかジャン測マニア氏は沢山見つかる。ジャンク測定器に関してはそれを使うと言うよりもそれを直して楽しむみたいな人も多い。直した後は売ってしまうようだが直す手間代が稼げているのかというと微妙だったりするので趣味の領域だろう。
必要な測定器があればそれを買い、要らなくなったら売って次に必要なものを買うのも、中古測定器であれば値段変動が小さいので借りるよりもずっと安い。測定器を買ってそれを元に自分で標準を作るなり校正し、それが安定に動く事を確認したら測定器を売ってしまうなんて事も出来る。


コレクション(1/24)
◆ 趣味の世界は幅広い。世の中には様々なものを集めている人が居る。フィギュアだったりアニメグッズ、CDやレコードを山ほど持っている人も居る。所有することの楽しみだったり、それを見たり聴いたりして楽しみ自分の世界に没頭する。そこには喧噪と隔たる別の世界が生まれるに違いない。

◆ これらの趣味は往々にして他の人から認められない傾向にあるのが悲しい所で、そんなものを集めて何の役に立つのかと切り捨てられる。集めて何の役に立つものでは無く、集める事自体が趣味なのだと言ってもなかなか理解はされない。

◆ 実用的なものになると車やバイクを沢山所有するとか調理器具を揃えるとか、女性だったら履ききれないほどの靴や宝飾品を集めるかも知れない。
機械ものをいじる人だと工具に凝る人も多い。
一流の工具を全て揃えるとなれば相当な金額になるのだが、趣味の世界なので支出は惜しまない。

◆ こんな工具何に使うのかとか、およそ意味ないサイズではないかと言われたってシリーズで揃えることに意味があるのだ。
そんなものプロでも使わないと言われようが、それは当たり前なのだ。プロな商業ベースで考えるので必要なものは買うが不要なものは買わない。設備投資を最小にして最大の利益を上げることがプロだからである。

◆ 普通の移動体通信事業では基地局数を増やしてエリア充実を図る。しかし孫さんは余剰なものは削れとばかりにPHS基地局を間引きした。通話品質が落ちてもコストが抑制出来るのならその方が得だと考えたわけだが、まさに商業ベースというのはそういうことなのである。

◆ 年に1度使うかどうか、それもクリチカルな部位ではないネジの為にスナップオンが買えるのかと言えば難しい。安い工具で済ませろと稟議は却下されるだろう。
しかし趣味の世界ならば揃えられる。工具など墓にも埋められないよと言われた所で、マニアは死んでも放さないと強情になる。

◆ 工具そのものが趣味ではなく車やバイクが本筋で、それをいじるための道具として工具を揃える事も多い。私にしてもそれは同じなのだが高額工具は余り所有していない。まずは安いセット工具から始まり、使用頻度の高いものを買いそろえていったという流れだ。なので余り使わないサイズを除いて多くのソケットなどは単品購入したものに置き換わっているし、特に使用頻度の高いものはそれなりの品質のものを買った。

◆ 工具とは武士にとっての刀と同じだという人も居る位で、車やバイクを大切に整備するならばそれに見合った、いや、それ以上の品質の工具を揃えるべきだという。これは当てはまることも多く、安物工具でネジをつぶしてしまっては元も子もない。

◆ ソケットやメガネもそうなのだが6角レンチやトルクスドライバは品質の良いものを買いたい。これらは高トルク型のネジなので安物工具だとレンチやドライバが割れたりナメたりする。
私はスクータをいじるようになって工具を増やした。使われているネジサイズなど限られたものなのだが同サイズのメガネやその角度違い、ソケットにしてもディープを買ったりした。


カイロ(1/23)
◆ この時期スクータで出かけるのは結構寒い。厚着をしても時間が経つにつれて体は冷えてくる。体を動かしていれば自己発熱があるのだが、気合いを入れずに乗る二輪車では体はスタンバイ状態である。真空断熱スーツでもあれば良いのだろうが、体の発熱量よりも放熱量が多いので寒くなる。

◆ パッシブな保温だけではどうしようもないと言う事で使い捨てカイロを使ってみたが、今一つ暖かくなかった。理由はカイロ自体が冷えてしまうので反応が起きなくなるからだ。
そこで二重貼りにした。シャツの上に使い捨てカイロを貼り付け、その上にもう一枚重ね着した服の上にもカイロを貼る。勿論その上にはジャンパを着る。

◆ 外気に近い方のカイロは外気温で冷やされてしまうが、内側に貼ったカイロが反応を助けてくれる。内側のカイロも外側のカイロで熱せられるのでポジティブフィードバックがかかってかなり暖かい。
使い捨てカイロがどの程度の温度で反応を停止するのかはメーカごとの企業秘密?らしいが、0℃位になると反応はかなり抑制されるそうだ。

◆ 使い捨てカイロは内容量1gあたり1kcalくらい発熱して、全ての反応が終了するまでに数十リットルの空気を必要とする。まあ衣服なので通気性はある程度確保されているのだが、防寒特化で通気性がゼロに近いジャンパーなどでは反応が鈍ってしまう。使い捨てカイロが温まらないなと思ったら少し空気を入れてやると良いかも知れない。

◆ 衣服より条件が悪いのは靴の中に入れるカイロである。靴の中は通気性が悪いので早々に反応が鈍くなる。布製の靴であれば通気性はあるが革のブーツなどだと酸素不足に陥ってしまう。
酸素スプレーでも持っていれば、それをプシュッと噴射するとささっと発熱開始となる。

◆ そうそう、手袋に使い捨てカイロを貼ってもカイロ自体が冷やされるので殆ど暖かくない。かといってカイロを貼った上から又手袋をはめてとモコモコにしてしまったら運転しにくいので小型ハイパワーのLi-ion電池を使った電熱手袋の方が良い。カイロを直接二重に貼るのは、二枚とも一緒に冷えてしまうので効果が少ない。
保温と加熱を上手くバランスさせるのが二重貼りの秘訣である。

◆ こうして太ももと腕と胸の辺りにカイロを貼り付けておくと外気温度0℃位でも結構暖かいのである。特に太ももの保温は効く感じで寒さ感はかなり抑制出来る。
衣類としてはフリースがなかなか暖かい。ただしそれだけだと風が通ってしまうので、通気性のない衣類と組み合わせなければ効果は半減だ。

◆ ウールのセーターも保温力を発揮するのだが、目が粗い点でフリースにかなわない感じがする。
私は薄手のフリースを着てそこにカイロを貼り、少し厚手の綿のシャツを着てカイロを貼り、裏地がフリースで表地がナイロン系の薄手のジャンパー(ブルゾン)を着て、その上にPUのジャンパを着る。一番上に着るジャンパ以外は全部薄手のものなので、さほどモコモコにはならない。

◆ パンツは、今年はヒートテックズボン下ははかずに薄手のフリースをその代わりにした。ヒートテックズボン下よりも多少厚いので、ここに使い捨てカイロを貼る。その上に普通のパンツをはいてカイロを貼り、最後に防寒パンツ(ジョギング用みたいな表がナイロンのもの)をはけば完成である。


DMM(1/22)
◆ DMM.comと言えばアダルトビデオの老舗だ。
今は金融分野からMVNO事業にまで手を出しているが、元々はアダルトビデオ屋なのである。ホームページも、現在は少し上品になったが長らくアダルトビデオの広告を前面に出していた。
若い人のDMMに対するイメージがどうなのかは分からないのだが、古くから知っている人はアダルトビデオ屋そのものだろう。
って話ではなくてディジタルマルチメータのDMMの事を書こうとしていたのだった。

◆ 比較記事でも使ったアドバンテストのR6441Aは悪くない。その最大の理由は中古価格がこなれていることで、5千円以下で買える。
4.5桁ではあるが通常使用では十分だと思うし交流電圧のdB表示にも対応しているのでオーディオ系の自作派にも良いのではないか。確度は0.04%だったかな。この時代のモデルなので電子校正には対応していないかも。

◆ タケダ理研時代のマルチメータの中古は安い。
4.5桁で2千円以下で買えるが、狙い目はバッテリパック付きだろう。これだとテスター代わりに使えるので(ちょっと重いけれど)、同クラスのディジタルテスタより良い感じだ。表示器もLEDで見やすい。各測定器などを見るとバックライトや自発光表示器でないと見にくいと感じる事も多い。

◆ 同じくHPの3478Aも悪くない。バックライト無し液晶表示が見にくいのは仕方がないのだが、5.5桁、それも最大桁が1ではなく2迄行けるので300000まで表示が出来る。表示の更新は遅いが安定している。dB表示は出来ないのでその点は微妙なのだが中古価格1万円なら我慢出来るし電子校正に対応している。

◆ 6桁級になると値段が高いので魅力が薄れる。勿論それを必要としている人には必要な測定器になる。中華パネルメータはフル5桁品が千円位で買えたりする。仕様上の精度も0.05%とかが謳われているが真偽の程は定かではない。
ディジタル表示器が付いていると読んだその数値が正確なものみたいに見えてしまうのだが、実際には誤差があるしノンリニアな部分もある。

◆ 二重積分型ADCではコンデンサの特性が非直線性の原因にもなるし、基準電圧源の温度特性だって桁数が増えれば見えてしまう。
オーディオ系を趣味にしている方はアンプの定電流源の特性にも拘るのだとか。様々な回路やデバイスを試して特性を取っている方もいる。
こうした世界では正確で安定な電圧計や電流計を必要とするだろう。
それが音に対してどれだけの影響があるかではなく、回路としての特性がどうかを見るのだから。

◆ オーディオ系だと100kHz以上の交流電圧を測定する用途もあると思う。オシロでも勿論電圧は観測出来るが精度は低い。雑音電圧などを測ろうとするとそれなりに注意しなければならない。
無線屋さんは電圧に関してシビアに見ていく事は少ないが、パワー系をいじる人だと基板の電圧降下だとかコイルの抵抗値が気になるかも。

◆ 以前に半導体製造装置用13.56MHzのPAを作った事があるが、パワーを出すには基板の銅箔の抵抗が問題になってくる。銅箔の厚い基板を使うとか別の配線をするなどしないとロスが減らない。同じくハンダの抵抗値も効いてきて、特にトランジスタのコレクタ側(ドレイン側)は相当インピーダンスが低いのでハンダの抵抗値で特性が変わる。


楽天出店(1/21)
◆ プリモトルテ楽天店だが決して売れているとは言えない。楽天の出店営業は「同じように運営してもヤフーショップの4〜5倍は必ず売れます。そうでなければ高い費用は頂けません。」と豪語したが結論からすれば嘘だった訳だ。ちなみに楽天は三木谷指令によって証拠を残すようなことをしてはいけない社内規定になっているそうだ。従って嘘偽りを言いまくるのは電話攻勢であり、文書は一切発行しない。

◆ 出店すると担当が変わるが、今度は広告を買え、メールアドレスを買えと言ってくる。何もしなくても売れるんじゃなかったのかというと「それは出店営業の言ったこと」と切り捨てる。挙げ句には「何もしなければ絶対に売れません。あなたは売る気があるのですか」とまで言う。さすがにこの言葉を浴びせられたプリモトルテのEC担当者は怒った。

◆ メールアドレスや広告を買わなければ売れない、早く買え、早く買えと毎日電話で攻められる。まさに霊感商法、楽天商法そのものだ。
買えと言うばかりでその内容は一切非公開だ。広告効果も公開されていない広告をどうして買えと言えるのか。なのでこう言ってやった「プリモトルテのショーツを1万枚買うと必ず幸運が訪れます。理由は言えませんが買って下さい。」楽天のコンサルはそれは買えないという。何故買えないのか、あなたは幸運が欲しくないのかと楽天が言う事をそのままぶつけた。これでコンサル氏はおとなしくなった。

◆ と思えば今度は楽天大学を受講しろと始まった。
楽天大学を受講しても売り上げが上がるわけではない。出店すると楽天大学の無料講座分も付いてくるのだが見てもいない。サンプルの口座を見てみると、まさに霊感商法炸裂だからだ。
広告を買わないというと今度は楽天大学、ようするに金を使わせたいだけなのだ。

◆ 広告押し売り作戦も楽天大学費用押しつけ作戦も失敗したコンサル氏は、売れないのはページが悪いという。ではどうした良いのかと聞いても一切言わず「売れているショップの真似をしろ」となる。つまり売れているショップは楽天系列のページ屋に作らせているから、そこに外注しろと言う事だ。勿論売れているショップが楽天系のWeb屋に外注しているか否かは分からないわけで、要するに得意の口から出任せである。

◆ コンサル氏は転換率(ページアクセス数と品物を買ってくれる人の比率)が3%に満たないのはページが悪いと言うが、ショップの平均転換率は2%前後だとか。ここでも嘘を言って煽っている。
こうした嘘偽りだらけの楽天の言い分通りにしたらどうなるのか。商材にもよるが楽天の言うとおりにするとそこそこの売り上げにはなるらしい。
ただしその売り上げの何倍も、何十倍もの金を使わせられる。

◆ 楽天は「私の言うとおりやれば売り上げが上がりますよ」と言うのだろうが、売り上げ売り上げと言うだけで決して利益率に触れようとはしない。
おそらくは売り上げの数字だけに目が行くように、広告費などの経費に触れないようにしろと三木谷指令が炸裂しているのだ。
そんな楽天が嫌になり、出店店舗の4割弱は1年限りで撤退していくそうだ。売り上げ云々も勿論あるが楽天のやり方自体が嫌になるのは事実だ。
ヤフーはシステム系が貧弱なのとヤフーを使うのは高齢者だけみたいな感じで売り上げは伸びない。
しかし楽天は、会社自体が陰湿なのだ。


RIGOL(1/20)
◆ 中華オシロの中でも比較的出来が良いと言われているのがRIGOLだ。50MHz版だと3万円位で買えたらしいのだが、今は少し値上げされたのと為替レートの関係で高くなっている。
何故RIGOLが人気なのかと言えば、勿論その価格の安さにもあるのだが内部のCPUが既知のものである点やOSにunix系が使われていることで改造がしやすいのだとか。
RIGOLはメーカサイトにも改造情報があるとのことで、もはやそれが売りになっている。

◆ 買ったら誰もが行う?改造は帯域幅の拡大だ。
50MHz版は100MHzに、100MHz版は200MHzに改造が出来るそうだ。中華オシロなら性能ギリギリで、いや、架空の性能まで表示するのが当たり前だ。つながりやすさナンバーワン戦略である。だがRIGOLは違うようなのだ。

◆ 改造系のサイトは海外を中心にいくつもあり、OSレベルでいじくり回すなんて事も行われている。
改造による帯域幅の拡大を調べたグラフによれば、確かに改造すると3dB帯域幅が広くなっている。同じハードウエアでリミットをかけているだけなのか、それとも余裕を見た設計なのかはよく分からない。
帯域拡大以外にもFFT機能を有効にするだとか、改造というかハッキングというかの情報が色々出ている。

◆ 安価なオシロというと秋月扱いのOWONがある。
60MHz帯域で4万円弱の価格は魅力なのだがサンプリングレートが500Mspsである。RIGOLは1Gspsなので2倍の違いだ。OWONは従来型のディジタルオシロ風な線を書くタイプだが、RIGOLは線を重ねて輝度によって繰り返し情報を見ることが出来る。
帯域が100MHzならば200Mspsで良いではないかと言われればそうで、確かに100MHz迄しか帯域がないと100MHzの矩形波も正弦波にしか見えず、それなら200Mspsで間に合うが、実際には取り込みジッタなどの問題にもなるのでサンプリングレートは大切だ。この点ではRIGOLも上等とは言えず、取り込み時のジッタが気になるという人も居る。

◆ 中華メーカには低価格オシロがいくつもある。だいたい10万円を出すと中級モデルが手に入る感じでアジレントの真似っぽいSIGLENTなんてメーカもあるが、本家アジレントの計測器部門はキーサイトテクノロジー社に変わってしまった。
SIGLENTはレクロイの低価格?モデルも作っているとかで大画面モデルなどもあってなかなか良い感じ。
ローエンドで見るとだいたい5万円以下で、Hantekは200MHz版が買える。Hantekは200MHzが最低レンジなのかなと思うがそれにしても安い。
SIGLENTは150MHz版が5万円前後で買える。
ただ現状ではRIGOLの方が優れているという人が多いので人気薄なのかも。

◆ 10万円クラスになるとテクトロニクスの低価格版に手が届くので競合状況が変わってくる。中古という点で見るとピンキリなのだが10万円で1GHz帯域位まで、しかも程度の良いものが入手可能だ。
高速ロジックなどをいじる人だと帯域幅も必要になるとは思うが、私自身は100MHz帯域以上のオシロが欲しいと思ったことはあまり無い。

◆ オーディオアンプをいじる方などはオシロ所有率が高い。オシロと電圧計と低周波発振器がなければ何も出来ないみたいな感じだ。オシロも帯域が数十MHzあれば十分だが、高感度側のノイズが低くないといけないなど基本性能に拘るのはアンプのノイズなのかオシロのノイズなのか分からない、みたいな事があるからだろう。


0.5桁(1/19)
◆ ディジタルテスタなどで3.5桁とか4.5桁とかの表示がある。3.5桁の最大表示は1999で最上位桁が2を表示することは出来ない。3.75桁になると3999が最高になる。
数字をBCDで表すと1桁は4ビットになるので4ビットを1桁と考える。0.5桁はその半分の2ビットになるが、だったら3までカウント出来るではないか。

◆ いやいや最上位には符号ビットがあるから2ビットで符号に加えて1までしかカウント出来ないのだよと。じゃあ3桁のディジタルメータは符号がないではないか。3桁ではなく3.25桁無ければいけないのではないか、と思う。

◆ HPの3478Aは5.5桁と書かれているが299999まで表示出来る。これは一体何桁というのか。
何で2までは表示出来て3が出せないのかとなるが、BCDカウンタの話ではなくADCのビット数で制限を受けているからだと考えられる。29999だと±4FFFFまで?これを十進にすると32767で中途半端だから29999で切った?じゃあ119999表示はと言うと1D4BF で、1FFFFって事なのか。

◆ そもそもBCDで話をしているのだから1が表示出来るだけのものに0.5も重みを与えて良いのか。
1しか表示出来ないなら0.1桁分じゃないか。え?最上位の桁は偉さが違うから0.5を与える?そもそも桁数に小数点を使うのがおかしい。
有効数字3.5桁で答えなさいと言われたら、何と回答を書けばいいのだ。最下位の数字が0〜9まで使えないとでもなるのか。いやいや1桁繰り上がると10倍なのだから、その半分で3.16倍(1/3.16)を言うのか。

◆ おそらくはBCDのビット説あたりが最初ではないかと思うのだが、今ではそれが余り通用しなくなってくる。
ごく初期の頃の計算機や演算ロジックはBCDで動いていたと聞いた事がある。数字を出力する事とか10進演算を考えるとBCDの方が都合が良かった、ここで都合が良いというのは回路を簡単に出来た、デバイス数が少なくて済んだと言う事かも知れない。  

◆ 上に書いた299999は何桁というのか、HPでは5.5桁と言っている。1199999を120万カウントまでと言っている所もあれば6.5桁と言っているメーカもある。
ちなみにADCのビット数と桁数の関係はlog(2^{ADCビット数}とされる。
10ビットのADCだと2の10乗で1024、log(1024)が約3.01なので3桁(999<1024)というわけだ。極性付きだと1ビット余計に要る。

◆ 符号ビットもデータの中の1ビットには違いがないのだからそれを分けることはない。そうなると3桁の表示とは符号無しの3桁になってしまうよと言うのがおかしい。
今となっては慣習的に使われるみたいな感じで、3 1/2桁とか3 3/4桁と見ればどこまでが表示範囲なのか想像が付くというものだ。
符号を安易に付けると+0と−0が出来ちゃうなんて変なソフトを書くヤツが居たなぁ。

◆ ただしこの3/4桁という表現は余り見かけなくなった。3999表示のディジタルテスタの出始めの頃こそその表示が見られたが、今では3999にするならばもう少し欲張って19999まで頑張る感じではないだろうか。特にADCやその他のコストが桁数のみを考えるとたいして変わらない時代だけに、確度はともかく表示桁数だけは増やしてしまうみたいな(安物)テスターは多い。


歪率計(3)(1/18)
◆ フリーのFFTソフトを使ってSGのLF出力を測ってみる。PCのLINE INは1Vp-pまでしか入力出来ないのでPCのLINE-INをゲイン1設定でフルスケールにすることが出来ない。
PCのゲイン設定は"74"にした。ゲインを上げているからなのかノイズレベルが高い。
全高調波歪みの歪み率THDは0.012%、ノイズも含めた歪み率は0.252%と計算されている。

◆ 次にマイク入力を使ってみる。THDは0.0086%となり+Nは0.240%と計算された。誤差の範囲と言えばそうかも知れないが、FFTの画面の見た目はだいぶ異なる。
KENWOODの廉価版オーディオゼネレータの歪率が0.1%程度、低歪率発振器だと0.008%が仕様だ。リーダーの廉価版も似たような特性ではないかと思う。

◆ FFT同様フリーソフトのファンクションゼネレータソフトで正弦波を出してみる。このソフトは正弦波のみならず三角波や矩形波、変調波などを出すことが出来る。これを測定するとTHDは0.0038%で+Nは0.237%と計算された。
このWaveGeneはパルス波などを出すことも出来て、これを入力すると歪率は100%以上と計測される。

◆ FFTの場合はサンプリング間隔の問題もあるのでディジタルオシロで波形を観測する時同様の注意が必要となる。今回の測定ではあえて1.000KHzでおこなったのだが、これはSGのLF出力が100mHz台までしか設定出来ないのでFFT最適化周波数近傍ではビートを起こすためだ。  
◆ おそらくはこうした測定の何が正確かを求めたくなり、測定器に手を出すパターンではないのか。測定器とはその測定値がどれだけ信頼出来るかが重要なのだ。逆にPCベースの測定で誤差が分かっていればその誤差を考慮した上で測定値を見ることが出来る。
周波数でも電圧でも温度にしても、何かしらの基準が必要だ。

◆ PCベースの測定器というとソフトウエア開発系に多かった。PCベースとは違うが古くはHP64000システムなどがそれでロムライタやICE、ロジアナなどを統合環境で動作させるものがあった。その後のICEなどでもPCベースのものが普通であり、専用機にしてもPCで動作させるものも多かった。
ソフトウエアは開発自体をPCベースで行う事が多いので統合環境の方が使いやすい面もあるが、それ以外だとスタンドアロンの方が手軽で使いやすい。

◆ とは言っても、以前に紹介したスペアナやVNA的なものにしてもソフトウエア処理と画面表示をPCで行い、アナログフロントエンドのみ外部ハードウエアを使うアマチュア向け計測器もある。
このFFTソフトにしてもオーディオゼネレータにしてもちょっとした計測器の代用には十分使えるので気の利いたオーディオフロントエンドがあれば下手な測定器顔負けの性能を発揮する。

◆ 自作オーディオマニアのみではなく年代物のオーディオ機器などの特性が初期性能を維持しているのかどうかなど、外部にダミーロードやちょっとしたものを追加するだけで確認出来る。絶対精度や確度を言い始めるとキリがないのだが、何かを測る、測ることに興味を持つきっかけにはなる。普段気にせず使っているものの性能がどうなのか、最近音が悪いと感じているのは気のせいなのか?機器が故障なのか?調べてみるのも面白い。


20年(1/17)
◆ 阪神淡路地震から20年だそうだ。私はアキバに向かおうとする車の中でニュースを聞いていた記憶がある。大変な災害だと言う事は理解出来たのだが東京の道路はいつもと変わらぬ混雑であり、実感として何かを思ったかと言えば否である。
一方で東日本震災では直接的に揺れを感じた事もあって、より大きく影響を実感している。

◆ 地震そのものによる被害は阪神淡路地震の方が大きく、ビルや高速道路が破壊された。その報道映像を見ながら、この末は再生にどれだけの時間がかかるのだろうかと思ったものだ。
当時のセルラーグループ、現KDDIやドコモも基地局が壊れたり地上系の通信ラインがダメージを受けたためにサービスが不可能になった。

◆ 当時セルラーグループは無線中継を使っていた基地局も多かったと言い、この基地局を優先して活かす事が考えられた。地上系が分断される中、無線中継の基地局を活かすのは電源確保だけだったからだ。活かせる基地局を活かしてアンテナのビーム角などが調整出来れば調整し、通話規制は自動ではなく主導で適宜行っていくという運用でドコモよりも実質使える範囲を広げた。

◆ ドコモの場合は良くも悪くもトップダウンなので現場の判断で勝手に対策を講じる事が出来ないし、そうした教育もされていないので司令を待って居る状態が続く。もちろんそうした指揮系統はセルラーグループも同様ではあったが、基本的サービスを何とか行おうとする現場の力が勝った格好だ。

◆ これは東日本震災の時に、駅構内に残る人を追い出してさっさと駅を閉鎖してしまったJRと、帰宅困難者などを受け入れる対応を見せた私鉄との違いそのものである。
阪神淡路震災では原発事故はなかった。なので復興増税だなんだという話にはならなかった。
原発が1つ壊れるだけでどれほどの負担を国民が強いられるのか、そしてその事故処理は現在も続いていて先が見えない。

◆ 日本の原発は動いていても停止していてもほぼ同じだけの金を食う仕組みになっている。停止原発に払う金をカットすれば電気代はかなり安く出来るはずだが、原発を留めて金が流れなくなるのは困るとばかりにジャブジャブカネを流す。

◆ もしかしたら今日かも知れないし10年後かも知れない、あるいはもっとずっと先かも知れないが東海、南海、そして関東大地震がやってくる。
これによって壊れる原発がなければ復興は早いだろうが静岡や茨城の原発が壊れたら相当大変な事になる。勿論その時にどの程度の燃料が運び込まれているのかにもよるけど。

◆ 地震に加えて津波に襲われると首都圏は大変だ。
地下鉄や地下街には大量の水が流れ込む事になるし海抜の低いエリアも水に漬かってしまう。
マンションなどでは地下に変電や受電設備がある建物も少なくはなく、浸水後の復旧には時間がかかる。自然災害はそれに備えるとは言っても簡単な事ではない。社会インフラ自体が破壊されてしまうのだから個人での対策や対応には限界がある。

◆ 燃料や食料の備蓄なども必要なのだが、震災経験者によれば備蓄や備えと言ったって死んでしまったらなんにもならない。まずは死なない事が一番大切だと。
自治体はアテに出来ない。東日本震災の時の横浜だったか、備蓄食料や水の放出を願う市民に対して「これは非常用だから出せません」と言ったのは。


歪率計(2)(1/16)
◆ オーディオアンプの歪率はどの程度であるべきなのかという話は良くされる。管球アンプなどでは0.1%以上の歪みでありながらも音が良いという話も聞く。この音が良い悪いというのはきわめて抽象的なものであり、それこそ広がりだとか透明感などと言われると感覚の世界でしかない。ただし、そう表現するのに相応しいというかそうとしか言えない音があるのも又事実だ。

◆ 一般的に歪率は高調波歪みを見ているものであり、増幅器としての直線性を全て表しているわけではない。無線のアンプなどでは2信号3次歪みを計測してリニアリティを確認する。リニアリティの悪いアンプは小電力出力時においても3次歪みが低下しない。

◆ 一般的に2信号3次歪みの測定はそのアンプの飽和出力レベルの計測に用いられると思われがちだがそうとも言い切れないのだ。
トランジスタのアンプと管球アンプで比較すると多くの場合で管球アンプの方がリニアリティに優れる。なので高調波歪みを見る歪率と二信号特性で見る歪みを比較したりしたら面白いのかも知れない。

◆ いくつかの自作派ページを見ると3次歪みと3倍高調波を混同している例を見かける。2次歪みは高調波歪みであり、基本波の2倍、3倍、4倍等の高調波の成分を言う。3次歪みは混変調歪みであり、1KHzと1.1KHzを入力した場合に出力される、900Hz成分と1.2KHz成分を言う。

◆ 高調波歪みはフィルタによって取り去ることが出来るが3次歪みはどうにもならない。
オーディオ信号の場合は様々な周波数の信号が同時に入ってくるので、それぞれの周波数成分の和分や差分が出力されることになる。
単一周波数、例えば1KHzで1Wを出すことは出来たとしても100Hzから10KHzまでの様々な周波数の合計電力では1Wを大きく超える可能性もある。

◆ 以前に書いたノイズの電力のようなもので広い周波数帯にまんべんなく広がる信号に対する特性を見ることも必要なのだ。これは可聴周波数帯以外の成分にも言えることで、人間には聞こえないけれどアンプは頑張っている、みたいな。

◆ 歪みの低減にはNFBを多量にかけるという手もあって無線周波数帯のアンプでも負帰還をかける手法が多く取り入れられた時代?もあった。オーディオアンプでも同様なのだが多量の負帰還は音が悪くなるとか、管球アンプなどでは帰還をかけないで歪率も良くないし周波数特性もフラットではないが音が良いみたいに言われているものもある。

◆ 歪率計を手に入れると歪率低減のために一生懸命になりがちなのだが、人間が感じる二次歪みという点からすると1%を下回っていれば問題ない(聞くことが出来ない)などとも言われる。
極限を求める設計はなかなか面白いものではあるが、どこまでが必要な性能なのかを見極めることも又重要だ。

◆ 高調波歪みを計測する歪率が1%以下なら良いのならば高精度の歪率計は不要ではないかと思われるかも知れないのだが、リミットを1%とすると低出力領域などではそれよりも相当低い歪率になる。またそのレベルでの歪率をチューニングしていかないと高出力レベルでの歪率を1%に抑えられなかったりする。


歪率計(1/15)
◆ 無線屋さんがSGだスペアナだというのと同じように、オーディオ自作派は低歪率のオーディオゼネレータと歪率計が命だそうだ。
私は低周波の方は余りいじったこともなく、昔A級アンプを作りかけたことはあったのだが途中で挫折している。

◆ 私は低周波発振器は使わないでもないのだが、SGに可変周波数・可変レベルの低周波発振器が内蔵されているのでそれで間に合わせているという感じだ。矩形波や三角波が欲しいと思う事も無いではないが、希である。PLLのデータ設定などにシリアルデータをプログラム出来る簡易機器を使っていたことがあるが、これはなかなか便利だった。

◆ 歪率計は使ったことはあるが、歪率計単体としてではなくオーディオアナライザ的なものだった。オーディオアナライザもメーカによって使い勝手や特性が異なり、最初に買ったものでは仕様を満足せずに買い直したこともあった。
歪率計の原理は簡単なもので、ソースは低歪率の発振器であり、これで特定の、例えば1KHzを出力する。低歪率であることが求められるのでフィルタ共振型の発振器などが使われる。この発振器の出力を被測定アンプに通すと、そのアンプの歪みが重畳されるので出力には1KHz以外の信号成分が出てくる。

◆ 歪率計は1KHzの信号のみを取り除くフィルタが入っていて、この1KHz成分を取り除いた残りの電圧を測る。この残りの電圧が歪み成分+雑音成分となる。低レベル領域では雑音成分が歪率としてそれを悪化させ、高レベル領域では高調波が支配的になる。

◆ アマチュアオーディオ家が入手可能な歪率計は年代的にも古いものでありアナログオシレータとアナログフィルタで構成されているものが多いが、最近はディジタルフィルタ+FFTなどで構成される。アナログフィルタやオシレータはドリフトがあり、アナログフィルタの方はきわめて急峻な特性なのでこれの中心周波数が自動校正されるものでないと非常に使いにくい。

◆ 中古で出回っている歪率計のそれぞれはこちらこちらに解説が、また同サイトのこちらは一読の価値がある。歪率にしてもレベルにしてもアナログメータの方が見やすいと感じる方は多いようだ。自作派としては歪率計のフルスケールが0.01%のモデルを探したくなるだろう。

◆ 歪率計にしても何にしてもアマチュアにとっての測定器は使用頻度が低い。なので自作する方も少なくはない。歪率計は低歪率の発振器とフィルタなので自作もそう難しくはないからだ。
PCのオーディオ入力を使ってFFTと言う手もあるが16ビット分解能では90dB程度しかダイナミックレンジがないのと、サンプリング周波数の関係で高域での計測で誤差が出る。

◆ 測定器より耳だと豪語するオーディオ家も多い。
確かに自分が聞いて満足出来ればそれで済んでしまうわけで、スプリアスだらけの電波をまき散らして近所に迷惑をかける無線家とは異なる。
以前から書いているように、測定器とはアマチュア自作屋の自身を打ち砕くのに十分すぎる実力を持っている。自己満足満点の機器も、いったん測定器で測ってみれば、真の実力があらわになってしまうからだ。
その現実を目の前にしても「測定器が狂っている」と決めつける御仁にその後の発展はない。


サニスタンド(1/14)
◆ サニスタンドとは女性用の小便器の名称だそうだ。これが話題になったのは1964年の東京オリンピックの時で、中腰で立ったまま用を足せるというシロモノだった。オリンピック時にはサニスタンドは個室化されずに並べられた状態だった。
少し昔の中国の公衆トイレみたいなものだ。
中国の公衆トイレは和便器が広い部屋に沢山並べられているような感じ。

◆ サニスタンドはいくつかの施設などに設置されたそうだがやがて姿を消すことになる。おそらくは洋便器の普及にもその理由があったのだろう。
洋便器で男性が小用を足す時に、小便の飛び散り防止の観点から座って用を足す人が増えているのだとか。

◆ これは母親の教育によるもので、子供の頃にそう教えられればそれが当然となる。
その反対に中腰で用を足す女性も増えている。理由は公衆トイレなどの便座におしりを付けるのが嫌だと言う事からだ。便座に乗って(足を乗せて和便器のように)用を足す人も居るそうだが、ヒールの高い靴などでは不安定な気がする。

◆ それに比較すると中腰スタイルは安定性の点でメリットがある。問題は周囲や便座に小便が飛び散ることなのだが、自分の家のトイレではないので彼女たちは気にしない。
デパートなどのトイレでは便座に乗ることや座らずに用を足すことに頭を痛めているという。
そこで便座消毒用の洗浄剤を置いたりもするそうなのだが効果は限定的だとか。

◆ トイレットペーパ使用量の増大も管理コストを押し上げる原因になっていて、女性は相当量のトイレットペーパを使うのに加えて便座を拭いたり便座に敷いたりするので、それらをいっぺんに流そうとすると時に配管の容量を上回るケースもあるのだとか。

◆ 清潔性の観点からすれば便座に触れずに用を足せる立ちションスタイルは理にかなっている。一時は姿を消したサニスタンドなのだが、今の時代これが設置されたら意外に受け入れられたりして。
と言っても中国トイレスタイルのような、大部屋にこれをずらりと並べても駄目で個室に洋便器とサニスタンドを並べなければいけない。

◆ だがこれで用を足す時間の短縮が可能だとすると高速道路のSAなどでオバサン連中が男性用トイレに押しかけてくる事態を防げるかも知れない。
女性は尿道が短いので排尿の時間は男性よりも短い。しかし便座を拭いたり何だかんだとやっていると時間がかかる。
見物渋滞と同じで、せっかく待ったんだからゆっくり使わせて貰うわよ、みたいな。

◆ サニスタンドはTOTOが1951年から1971年まで製造していたそうだ。女性専用の小便器と言うことでもなくて男女兼用型となっている。まあ男性の場合は特別な形状を求めるわけでもない。
TOTOによれば男性専用小便器と違ってトイレットペーパを流せる容量を持っている事が特徴だとしている。

◆ 現在の技術というか考えからすれば洋便器の形状を変更してサニスタンド機能を持たせることも十分に可能なはずだ。便座を上げているとサニスタンドに近い形状だけれど、便座を下ろすと従来の洋便器に近い形状になるとか。市場に浸透するのには時間がかかると思うのだが飲食店やデパートなどを中心に需要は掘り起こせると思う。


ハイブリッド車(1/13)
◆ ハイブリッド車ブームはピークを過ぎた感じがする。一つはハイブリッドシステムに頼らずともそこそこの燃費が達成出来ること、そもそもハイブリッドだから燃費が良いって本当か?みたいな所もある。

◆ その一方で商用トラックなどは燃費改善と言うよりも走行性能改善とエミッションコントロールの為のハイブリッド化がある。ディーゼルエンジンを燃料過剰運転にしないために低回転高負荷領域をモータで助けるのだ。
ハイブリッドシステムによる燃費改善効果は20%〜30%と言われていて、これは欧州自動車メーカなどの意見と一致する。

◆ ハイブリッド車の出始めの頃には燃費が2倍も良くなるみたいな触れ込みだったが、そんな魔法は存在しなかった。
一方でハイブリッド車やアイドリングストップ車両の排ガス問題も見え始めてきた。つまりハイブリッドやアイドリングストップがエンジン温度を安定させず、コールドスタート時に近い排ガスレベルになるというのだ。

◆ 確かに冷えたエンジンが再スタートするあるいはエンジンが冷えてしまう状況はそう多くはないのかも知れない。しかし台数が増えればエンジンが冷えた状態での排ガスが出る率も増えてくる。これが新たな排ガス公害問題だという人も居る。

◆ コールドスタート時の排ガスは浄化しにくいので欧州車などでも低減に苦労している。新たに定常運転状態以外の規制が出来たらハイブリッド車やアイドリングストップ付きの車両のエンジンコストは大幅に上昇するとも言われる。
そればかりか排ガス浄化のための保温その他によって燃費も悪化するのではないのか。

◆ アイドリングストップは停車時ごとの制御になるのだが、ハイブリッド車の場合は通常走行時にもエンジンが止まるので、その時間によってはエンジン温度が低下する。オイルや冷却水容量を増やせば温度変化はなだらかになるが、熱容量の増大は温度安定までに時間がかかるようになってしまう。

◆ 冷間時排ガスはディーゼルエンジンの方が深刻かも知れない。ただ現状のハイブリッドトラックでは長時間エンジンを止めるような状態にならないので温度安定は保たれているのかも。ハイブリッド化によって尿素を使わずとも排ガスレベルをクリンに保てるとしたメーカもあるが、冷間時規制が強化されるとそうも言っていられなくなる。

◆ そんなハイブリッド車に代わってEVやFCEVも増えてくる。EV普及に対して航続距離や充電ポイントの不足が叫ばれたのだが、FCEVと水素ステーションの関係もまさに同じだ。FCEVが増えてくるとガソリンを使わない訳なのでガソリン消費量が減少する。これは需給のバランスを変えることになるのでガソリン価格が低下する可能性がある。ずっと未来にはガソリン自体が売られなくなってしまうかも知れないけど。

◆ EVよりもFCEVよりもハイブリッドが効率的だと言い続けたトヨタも、ハイブリッド特許が切れると言い分を変えるのだから恐れ入る。トヨタはハイブリッド車拡販のためにFC開発を停止したと伝えられたのだが、実はひっそりと開発を続けていたのだろう。それがFCEV市販一号車となって日の目を見る事になる。


孫帝国(1/12)
◆ スプリントが上手く立ち直れない。国内の方もこれまでのような勢いではなくなった。スプリント問題がなければ国内でも頑張れたのかも知れないのだが、所詮自転車操業みたいなものなので事業の拡大がなければ維持も出来ない。従って事業規模の拡大は必須であり、その矛先がスプリントだったわけだ。

◆ しかし目論見とは異なりTモバイルの買収が出来なくなった。これにより米国で競争に勝つ可能性が大きく減少した。Tモバイルが買収出来ることを予定して様々な事業投資を行ったが、計算が狂った。

◆ スプリントの問題はエリアカバレッジの問題でもあった。孫さんはSBMで培った手法により急速にエリア整備を行い、そしてほぼ完成の域になったとした。エリア不満が解消したのでこの先は加入者増に力を入れると言ったのだが、真実は違った。
孫さんお得意の口先カバー率であり実情は駄目駄目なままだった。そこでSBMからもエリア改善部隊を派遣するなど"本当に"力を入れるポーズを見せた。

◆ ポーズというのは、エリア改善のために使う金が無いからエリア設計は出来ても改善はなかなか出来ない。そればかりか人員整理、賃貸ビルの又貸しなどで小銭を稼がなければならなくなってしまった。この影響はSBMにも及んでいる。インセンティブ額の縮小を余儀なくされた結果として、ご自慢の純増トップの座もあっさり他社に奪われることになった。

◆ これまでも孫さんのやること全てが上手く行っていたわけではない。多くの投資家が経験するように多数の失敗と少ないけれど爆発的成功がある。失敗事業を数え上げればキリがないが、他社に押しつけて自分はさっさと逃げてしまうのが孫スタイルだ。
しかしスプリントからは上手く逃げられない。ほとぼりが冷めるまでは頑張らなくてはいけない。

◆ 孫さんがたたき上げの成功者なら、三木谷さんはキャリアのサラブレッドだ。孫さんのような下品さは見せずクールを装うがやる事が嫌らしい。孫さんのような鋭さは持ち合わせないエリートという感じ。個人的には孫さんの生き方というか頑張り方の方が好きだ。
確かに泣き言を言ったり口先戦法で投資家を丸め込んだりするのだが、それも生きていくための知恵である。

◆ 三木谷さんはそんな臭いことはしない。他人を騙すにしても何にしても自分の身を隠して行う。孫さんが一線に出ているのとは少し異なる。この辺りが明るい詐欺と陰湿な騙しの違いだ。その楽天にしたって全ての事業が上手く行っているわけではない。孫さんがどちらかというと将来性を見越した買収を行うのに対して楽天はゴミ拾いみたいな所がある。勿論そのゴミの中からタカラが見つかることもあるが、孫さんのように自ら味見をして確かめるタイプではないので冴えない買収も多い。

◆ 野球チームを持っている極悪同盟の中のDeNAはどうも冴えない。携帯電話にしがみつき、スマートフォンシフトが遅れた事はNECがPC9800にしがみついたのと似ている。今でこそYahooと組んだりECモールを作ったりしていて、あくどさは楽天の真似をするが所詮物まねである。モバゲー以外に活路を見いだせるのかはDeNAにとって大きな問題だろう。

◆ そんな中でやはり孫さんは面白いし話題性がある。孫さんにとって今年はいい年になりそうにはないが、新たな何かで話題を作って欲しいと思う。
色々な意味で色々な機能を持った色々なロボットに注目も集まるが、巨大なゴミと言われるペッパー君はともかくとして新たなチャレンジに期待したい。と言っても資金が厳しいのかなぁ。スプリントをさっさと売り払わないと。


テスター(1/11)
◆ 昨日書いた360円のディジタルテスターのインプレッションを見ていた。(リンクは楽天アフィリエイトコード入り)ディジタルマルチメータと読み値を比較しているページがあるが、さほど誤差はないように思える。もっとも普通の部品を普通に使うと普通の精度の物が出来上がる。
これが5桁だ6桁だとなれば部品そのものの精度や温度特性も考慮しなければいけないが、3.5桁ならばさほどの苦労はない。

◆ 以前にディジタルマルチメータを設計している人が同じグループに居たのだが、桁数を増やす事自体はデバイス依存なのでさほど難しくはないと言っていた。むしろ温度安定性だとかノイズの排除などの方が大変だそうだ。ディジタルマルチメータによってはアナログフロントエンドというかADCまでを別基板にしているモデルもあったが、今は一枚基板なんだろうな。

◆ 安物テスターの話に戻そう。何とこれを6台も買って誤差を比較したページがある。誤差は±1%以下なので3.5桁のテスターとしては普通だと思う。仕様は±0.5%+2LSDだそうだ。
3.5桁の安物テスター→0.5%、4.5桁のデジタルマルチメータ→0.04%、5.5桁のディジタルマルチメータ→0.003%、6.5桁のディジタルマルチメータ→0.0015%辺りが仕様なので価格を考えれば十分だ。

◆ このテスタはトランジスタのhFEも測れる。hFEはトランジスタの電流増幅率で、ベースに流す電流とコレクタに流れる電流の比だ。hFEを正確に測ろうとすると、あるいは様々なパラメタでテストを行おうとすると各種設定を要することになるが、まあhFEを測るというかトランジスタが壊れているかどうか見る位には使えそうだ。

◆ 回路的にはベースに定電流源から電流を流せばいいのだが、内蔵電池から抵抗を介してベースに接続するだけが簡単だ。ベースに流れる電流はテスター自らで測れば分かる。この状態でコレクタ電流を測定して計算するとhFEが出るというわけだ。
差動アンプなどを組む場合はhFEの揃ったトランジスタの方が良いので、トランジスタを沢山買ってきて選別したなんて人も居るかも知れない。

◆ 確度に不安があるとそれを確かめたくなる。±1%の誤差を許す仕様だと、本当にそうかを確かめたくなる。これがメーカ製であればそのメーカを信じればいいのだが中華製ではそうも行くまい。

◆ このディジタルテスターが売り始められた頃は500円前後だったそうで、かなりインパクトがあったのだとか。テスターリードを買い換えるならテスターごと買ってしまえとばかりに飛びついた人も居たようだ。確かにテスターリードだけで買うと800円とか千円になる。だったらテスター付きで360円の方が良いではないか。

◆ 分解能に関しては、普通の作業であれば3.5桁で間に合うだろう。デバイスなどの温度特性を見るとかの用途だともう少し桁数は欲しくなる。
充電式電池の電圧にしても温度などによって変化するし、充電中であれば自己発熱による変化もある。寒い時期などは負荷を加えると電池自体が発熱して起電力が上がるなんて事も分解能のある電圧計なら見ることが出来る。


誤差(3)(1/10)
◆ ディジタルテスターが普及し始めた頃、安価なものは2.5桁位しかなかった。それでもアナログテスターよりは良いかなという感じで使っていたことがある。SANWAだったかどこだったか忘れてしまったのだが、ディジタルテスター初の3.5桁だか3.75桁だかを謳った製品が登場したので買った覚えがある。

◆ 当時のディジタルテスタは消費電力も大きく、オートパワーオフの付いていないモデルも多かったので電池がすぐに無くなってしまった。外部電源端子でも付けてACアダプタで動作させたいと思ったほどである。
ディジタルテスタの価格も安くなり、1万円を切り始めた頃からモデル数も多くなってきたし、3.5桁が普通になった。

◆ 3.5桁の分解能を得るためには最低でも12ビットのADCが必要になるが、ADCや周辺回路の高集積化と価格の低下は著しいものがある。勿論精度や確度を保障するとなればそれなりの設計が必要になるのは当然なのだが、桁数という点だけで言えばワンチップデバイスで簡単に作る事が出来る。

◆ 市販されているADCで入手可能な物は32ビットが限界だろう。例えばこのADCで入力最大値を1Vに設定したとすると1LSBは約233pV(ピコボルト)になる。TIのADS1281は32ビットのADCだが、SNRが130dBしか無いので22ビット分位までしか見えないことになる。
おそらくは狭帯域フィルタを使うなどしてS/Nを稼ぐのではないだろうか。そもそも1KΩの抵抗の熱雑音を10KHz帯域で読むと24ビットの分解能の1LSBに相当する。つまり32ビットのダイナミックレンジを得るためには熱雑音とも戦わなければならないのだ。

◆ 今時のディジタルテスタは安物で2.5桁、一般的には3.5桁が多い。中華製と思われる2.5桁のディジタルテスタは楽天で360円だ。たぶんセールでない時は500円位になるのだと思うのだが、それにしても安い。3.5桁になると少し価格が上がるがそれでも千円以下だ。(楽天リンクはアフィリエイトコード入り) ちなみにマトモなメーカ製だと3.5桁のもので1万円弱はする。

◆ テスターの中古が意外と高いのは需要が大きいからなのだろうな。これに比較すればDMMなど安いものである。4.5桁ならば2千円出せば買える。ジャンクではなくテスト済みと書かれたものだって4千円はしない。しかも同じ4.5桁でもディジタルテスタとは確度が違う。実験机の上で使うのならこれで良いが屋外でとか、持って歩いて使うにはテスターの方が良い。

◆ アドバンテストでもアジレントでも最大表示が1199999とか319999のモデルがある。
1.1Vを測る時には7桁あるが、1.2Vだと6桁になる。
2.1Vでも6桁になってしまうので0.5桁の恩恵は20%しかない。
6.5桁と謳いたかったからなのか、この119999表示を6.5桁とは呼んで欲しくない。
±1199999だと349F00で、380000Hexまでの内部データをキリの良い十進数にしたとか。

◆ 車やバイク関係で電圧や抵抗を測る場合は精度よりも堅牢性という感じ。だから500円の2.5桁のテスターでも事足りてしまうし、堅牢ではなくても安いから壊れても仕方ないと諦められる。


水道(1/9)
◆ 水道は自治体が行っている。従って日本全国水道料金は様々で山梨が最も安くて仙台が最も高いと思っていたら違うようだ。調べてみると最も安いのが愛媛県の八幡浜市で20立方メートル使用時の料金が210円となっている。もっとも高額なのは熊本県宇城市で8,940円って…!下水道料金が最も安いのは埼玉県戸田市で777円、これでも20立方メートル使った時の価格だ。最も高額なのは秋田県湯沢市で6,487円となっている。引っ越しを考える時には水道料金や下水料金にも気を配る必要がありそうだ。

◆ 私が育った家には水道が来ていなかった。何故かと言えば近所に水道が来ていないから引くのに金がかかるという理由だ。その金額を自分で負担するのなら引いてあげるけど、市の予算では引けないよと言われた。近くには都営住宅があったが、そこは独自の水道だったので市の水は来ていなかった。都営住宅は都営住宅専用の水道施設を持っていて、井戸だと思うのだけれどそこから水をくみ上げる施設や高所のタンクがあった。夏場などはその巨大なタンクが結露していたっけ。

◆ ガスも電気も電話も使えたのだが、何故か水道だけは使えなかったのでずっと井戸水を使っていた。
自費で水道を引くとなるとものすごい金を請求される。民間業者に工事を依頼すれば、市の言う金額の1/10以下ではないかと思うのだが民間業者は市の水道をいじれない。あの地域の今がどうなったのかは分からないのだが、市には「金のかかる地域に水道を引いてはならない」とでも規定があるのだろう。

◆ ガス料金も地域で異なっていて最も安いのが千葉県の大綱白里市で最も高いのが京都府舞鶴市となっていて、その差は4倍近い。横浜市の水道料金に関しては過去にも書いているが、ダム代が入っているので下げることが出来ない。
水道料金の値上げで市民が節水努力をすると、値上げしたにもかかわらず水道料金収入が伸びないと言う事で更に値上げされた。

◆ これは消費税を上げたら消費が落ちて税収が下がったのと同じである。ダム代をペイするためには水を沢山使って沢山の金を払わなければいけない。東京に比較すると水源の豊富な神奈川エリアは水不足になりにくいわけで、そこに値上げと節水をさせるものだから水使用量が減ってしまう。

◆ 日本の水道品質は高く、水道管などからの漏水も低く抑えられている。これは品質管理のための天下り先に金が沢山流れる仕組みが出来ているからで、水道局は水を流すよりもカネを流す方が得意のようだ。
何しろ人間が水音を聞いて漏水を発見するという、ウルトラ手間のかかる検査をしている。検査代を削って漏水を黙認した方が絶対に安いのだろうが、まあ水が漏れると道路に穴が開いたりもするから難しい所か。

◆ 配管の、例えば1kmメッシュか何かで流量計を付けるなどすれば効率的だと思う。古い配管を交換する際にそうした仕組みを付けて行くことは可能で、どこかの自治体では下水道の流量か何かを測っていたような気がする。

◆ そうは言っても人口減少フェーズに入っているわけだから、どこかでの公共投資を行わなければならないのか微妙だ。公務員連中は自分たちのためには事業を推進するが国民のために金なんか使うかみたいなものだから、無駄な物は増えても必要なものは増えない。


誤差(2)(1/8)
◆ DMMの誤差に関しては以前にも書いた。実際はどうなのかというと、こんな感じである。
電源からは1V丁度を出そうとしたのだが上手く行かなかった。電源の電圧調整つまみはアナログ系の場合は巻き線抵抗が使われている。カーボン抵抗ではガリが出るからだが、巻き線抵抗は完全に連続的には抵抗値が変化しない。

◆ HPの3478Aは5.5桁(2.99999)で確度は0.003%±2LSDである。つまり、測定値である1.00670Vに対しては1.00664V〜1.00675Vの幅がある。
アドバンテストのR6441Aは4.5桁(1.9999)で確度は0.04%±2LSDなので読み値の1.0069Vに対しては1.0061V〜1.0075Vの範囲になる。双方で表示値は異なるがいずれも誤差を考慮すれば同じ値が範囲になる。
34401Aは6.5桁なのだが私はインチキだと思う。
最大表示が119999だからだ。これとの比較はこんな感じで3478Aとほぼ合っている。この位合っていると気持ちいい。

◆ 3478AのADCは電源同期で動いていて50Hz地域では最遅だと毎秒1.9回しか表示が更新されない。
4.5桁であれば毎秒17回の表示更新が起きる。
34401Aは古いながらも現行モデルで6.5桁時は0.5回/秒、4.5桁時は1000回/秒の更新速度だ。
アドバンテストは高速性を売りにしたモデルも多いが、これは古いのでさほど速くはなく毎秒80回の更新である。

◆ R6441Aは100KHzまでの交流電圧測定が保障されているが5%の誤差がある。4578Aは100KHz以下で0.05%±5LSD、34401Aは0.04%〜300KHzだと4%に誤差が増える。なお誤差を許容するならば4578Aは500KHz程度まで応答する。
34401Aは周波数カウンタにもなるが精度は良くない。周波数カウンタで測る交流電圧みたいなものか。

◆ 抵抗測定では配線の抵抗を除去するために4線測定を行う事もあるのだが、私は殆ど使ったことがない。
抵抗値の最小分解能は3478Aが100μΩで6441Aが10mΩと2桁分の差がある。直流電圧の測定は仕様も単純なのだが交流系や抵抗測定はそれぞれ違いがある。
交流電圧測定の時にR6441Aやアジレントの34401AはdBm表示が出来るが3478Aは出来ない。せっかく真の実効値測定を謳うのだからdBm表示は欲しい。

◆ アジレントの現行モデルはアナログRMS検波器を使用せずにダイレクトにAD変換して実効値を求めている。
表示桁数にしても最低で6.5桁、AC周波数特性は300KHzが最低線ではないかと思う。表示にしてもバックライト付きのカラー液晶になって見やすい。蛍光表示管のモデルは見やすいのだが、反射型液晶の3478Aは見やすいとは言えない。まあこの時代のアジレント(HP)製はパワー計でも何でもこの液晶だった。

◆ 電流測定時は電流計の内部抵抗が気になる。R6441Aは1.5Ωで1μA分解能、0.04Ω側の端子を使うと100μA分解能だ。3478Aは最大測定電流が3Aしかないので抵抗は0.1Ω固定であり分解能は1μAだ。34401Aは5Ω/0.1Ωが切り替わる。100mAレンジで5Ωはいかにも大きい。
0.1Ωならば100mA流しても10mVの電圧降下なのだが、5Ωあると500mVの電圧降下となるので無視出来ない。

◆ 6.5桁の分解能は1ppm単位まで見られることを意味する。一般的なカーボン抵抗の温度係数は±400ppm/℃位であり、中央値はゼロだが温度傾斜を持ったものもある。100kΩ以上のものだと1000ppm/℃以上の温度係数を持つものもあるので、抵抗を温度計として使える位の分解能があることになる。


基板(1/7)
◆ 昨日の話で思い出した。トランシーバを作っている時にプリント基板も作った。
当時はPCも無ければCADも無かったわけで、トレーシングペーパに手書きでパターンを書いた。
それを基板屋さんに送るとそこから版を起こしてくれてプリント基板にしてくれる。
注文枚数は1枚でも2枚でもOKだった。

◆ 基板屋さんの場所は忘れてしまったのだが、それらしい所を検索するとこの基板屋さんが出てきた。
ホームページは10年も更新されていないのだが今も基板を作ってくれるのだろうか。
ガーバデータベースで作ってくれる所は色々あるが、手書きでいける所は少ないと思う。もっとも今ならガーバデータを作ることも難しくはないし、パターン図をプリントすることだって勿論簡単だ。

◆ ガーバデータベースで作ってくれる基板屋さんより1桁もコストが低いのは魅力だがスルーホール加工はやらないよと書かれている。スルーホールはメッキ工程につながるので小規模な基板屋さんでは手間がかかる。スルーホール無しの両面基板は、片面がベタアースならともかく、そうでなく配線層として使う場合は自分で部品面と半田面を接続しなければならないので手間がかかる。

◆ 手書きではファインパターンが作りにくいこともあるので限界はあるが、アートワーク材料をマイラーフィルムに貼り付ける手法であればそこそこ出来る。IC用のテープなどもあるのでmm方眼の上でもインチピッチの実装は可能になる。
実際CADなどが一般的ではなかった時代にはこうして自分で基板を設計したものだ。

◆ だが、いずみやアイシーでも取り扱い終了品が増えているので手作業でプリント基板設計を行う時代ではなくなったという事なのだ。基板CADも小規模設計であれば無償版などでも使える。回路CADからネットリストでデータを渡せば配線ミスもなく仕上げることが可能だ。これをガーバデータとして基板屋に出すも良し、プリンタで印字して写真製版の基板屋に出すも良し、なのだ。

◆ 高周波回路などは配線数が余り多くはないのでベタ基板の上に空中配線でも、あるいは感光基板を使った自作もさほど難しくはない。しかしロジック回路となると配線数が多いのでプリント基板がないと作るのに気合いが必要だ。
それでも試作回路などICが20個程度だと手配線で組んだこともある。ユニバーサル基板には部品を挿入する穴の他に2個の穴が開いている。2個の穴があれば送り配線で全てが事足りるからだ。

◆ 私は余り経験がないのだがワイヤラッピングという配線手法もあった。半田付けではなく電線を絡めて配線していく方式で、電動のワイヤラッパーなどを使うと線をむいてそれを巻き付けてカットもしてくれた。小規模なものであればワイヤラッピング用のピンというかそんな感じの工具で作った。

◆ これらもピンピッチが2.54mmの時代だから出来た話で、今時のQFPなどではそもそもソケットがないかやたら高額だったりする。基板関係のパーツ屋さんで2.54mmへの変換基板なども売られているので、それを使えば手配線でも組めないことはない。CPUなどでもFlashROM内蔵型が増えたので従来のようにROMやRAMに大量のバス配線を行う手間はない。


ケース(1/6)
◆ マルチバンドのトランシーバが欲しいと思った時期があった。と言っても中学生か高校生の頃だ。どういう周波数構成にしたら回路を単純化出来るかとか局発を共用出来ないかとか、ブロック図を書いては楽しんでいた。

◆ 電気の回路は書く事が出来るが、問題はそれを入れるケースだった。市販のアルミケースでは余りに格好悪いし、だからと言って市販のトランシーバのようなケースを作る手段もない。そこで考えたのがメーカ製のトランシーバのケースを部品で買えないかと言う事。せめてパネル部分だけでも入手出来れば格好は付く。

◆ 当時のトリオのサービスセンタかどこかに問い合わせた事があったと思うのだが、入手した記憶がないので売って貰えなかったか高額だったかに違いない。
単調な平面アルミ板以外でパネルを構成するために、削る事は出来ないので盛る事を考えた。
材料はエポキシ系の接着剤である。これに絵の具を混ぜて色を付ける。意外に絵の具は良く混ざってくれるが強度が落ちる。

◆ 型は紙とテープで作った。テープの接着面を内側にしておくと、エポキシを流した後でぺろっとそれが剥がれてくれる。セロテープを物から剥がす感じでエポキシから剥がせる。が、これも上手くは作れなかった。一つはスが入ってしまうことで、空気が抜けきれなくてムラになる。加熱すると粘度が下がるのだが、冷え始めるとかなりの速度で固まってしまうので修正が出来ない。

◆ 一度大量の2液性エポキシ接着剤を混ぜたら、その反応熱で発煙するほど発熱してあっという間に無意味な形状の塊になってしまった。
製品のクレイモデルなどを作る職人さんならば器用に削って形を作るのだろうが、何せそういった方面は全く駄目なので格好良く作るつもりが格好悪いシロモノにしかならなかった。

◆ 以前にもリンクをしたことのあるこちらなのだが3Dプリンタは凄いなと思う。3Dプリンタも凄いけれどその図面を書くのも凄いか。私は機械図面は書けないことはないが、せいぜい板金ケースか削りのパーツ位だ。3Dプリンタの場合は一体成型的に作れるので全体を把握しながら図面を書いていかなければいけないのだと思う。

◆ アルミパネルならば削り出しで作れないこともないが、家庭用?ミーリングのような物では曲面を削るのは相当難しい。刃の物理的大きさに制限も受ける。
削りはエッチングのように不要な部分を取り去るが3Dプリンタはメッキと同じで素材を太らせる。
勿論細かさにも限界はあるわけだが削りよりも自由度が高い。まあ曲面が削り出せるようなマシンを使えば好きな形が出来ると言えなくはないが、それでも刃の入らない所は削れない。

◆ 3Dプリンタでは面を平坦にしにくいようなので、ここは(パネルなどとして使う場合は)修正なり塗装なりが必要になるだろう。が、センスさえあればメーカ製を上回るデザインを手中に出来るのだから素晴らしいではないか。パネルばかりではなくツマミの一つにしても自由に作れる。このツマミってヤツも市販品はあるのだが、当然のことながら決まった物しかない。
大量に作れてしまう物なので少量多品種という訳にはいかず、結局デザインは市販のツマミそのものなのだ。
ツマミと言えば古い測定器や家電製品でもつまみやレバーが壊れて困ることがある。こでも3Dプリンタがあれば作ることが出来るのだ。


電圧(1/5)
◆ 昨日の話でDMMの誤差が10ppmあたりにあると書いたのだが、周波数の確度に比較すると意外と低いものだなと思った。まあ周波数カウンタが1秒ゲートで11桁とか12桁の表示が出来るのに対して8桁のDMMはかなり限られたものになる訳で、仕事の内容にもよるが通常使うのは5桁とか6桁だ。

◆ 精度を追求しないのはそこまでの精度が必要ないか、あるいは実現するのが凄く難しいからだ。
いや、必要があれば今の時代だから精度を上げていく事は可能だ。但し精度を上げていくとノイズ除去の問題だとかごく短時間のドリフト、周囲温度の変化や気圧の影響も出てくる。
高確度のDMMでは温度範囲や気圧範囲が厳密に規定されている。

◆ 今のモデルは高速性も追求されているとは思うのだがDMMによっては有効桁数を増やすと計測時間が長くなるものもある。常にフルスピードで動いているのではなく測定時間を変更出来たりするものもある。更に計測値の平均化やその手法の設定などDMMは様々な機能を持っている。
計測時間はADCの変換時間が支配的になり、分解能を上げようとすると変換時間が遅くなるしノイズ除去その他の処理で時間がかかる。
ノイズは帯域に比例なので100Hzのフィルタを1Hzにすればノイズ量は1/100になる。

◆ DMMというか可搬型テスタといった方が良いかな、これはFLUKEが知られている。テスタよりも計測器タイプだとkeithleyが有名どころとなるのだがアドバンテストも色々製品を出していた。
国内各社で各種測定器を作っているのはアンリツくらいで、他は規模縮小したり専用計測器だったり海外製を売っている商社的な振る舞いだったりする。

◆ アドバンテストは現在は一般測定器からは手を引いた感じだが岩通は製品がある。アジレントのDMMは余りピンと来ない感じではあるのだが製品はいくつか出していて、100kHzサンプリングで8.5桁、精度0.1ppm以下というものがある。
0.1ppm、すなわち7桁分の確度が保障されていると言う事だ。

◆ 電圧標準は電圧標準機が売られていてそれで校正する。だが精度自体が10ppm位のものなのでアジレントの8.5桁のDMMの方が精度が高い。フルークの電圧標準も短期安定度で0.3ppm、1年の安定度で1.2ppmとなっているので凄く正確という感じはしないのだが標準器として売られているのだからそれなりの意味ある数字か。
高精度を謳うマルチメータだと量子化誤差も規定されていたりするので標準電圧器で校正した以外の電圧の測定における誤差も推定出来る。いずれにしても周波数標準とはまさに桁が違うのだなと思った。

◆ ちなみに直流電圧だけではなく交流電圧の標準機もあるが誤差が100ppm位はある。直流に比較すれば交流は精度を出すのが難しいのかなとは思う。
交流というと実効値をいかに正確に測るかも問題になる。電流波形が綺麗ならばそれで良いのだが、そうでない場合は誤差が出やすい。電力計などでも同様でどの位正確に実効電力が計算出来るかが問題になる。

◆ 基準電圧デバイスってどの位正確なのだろう。電圧計はこの基準電圧を元に動いている。アナデバの資料を見ると初期電圧精度は0.1%程度、まあこれは調整出来る事なので良いとして、温度係数は5ppm/℃となっている。リニアテクノロジーでは2ppm/℃と0.25ppmのノイズのものがある。ノイズを許容すれば1ppm/℃が最高である。


誤差(1/4)
◆ 周波数の正確性は求めてみた。電圧に関しては、以前に複数台のディジタルマルチメータを比較した事がある。勿論それぞれの規格には入っているのだが、規格内でのばらつきは当然ある。さらに安価なディジタルテスターとなると桁数はあるが確度はないみたいな感じで、結構いい加減だなと思ったものだ。

◆ 何台かのテスターなりDMMのどれが正確なのかは基準がないので分からない。簡単にできる事と言えば多数決を取る位だ。ディジタルテスターの誤差は1%程度だと思う。4桁の表示があると0.1%まで測れるが誤差はその10倍ある。
ディジタルマルチメータはグッと誤差は小さくなるが表示桁数が多いので誤差が見えるという点では同じだ。

◆ アドバンテストでもアジレントでも5桁(5.5桁)のDMMの誤差は0.003%程度である。6.5桁以上ものでも誤差を0.001%(10ppm)以下を仕様としているものは少ないので、通常の可搬型マルチメータではこの辺りが限界かも知れない。
更に高精度をと言う事であれば温度補償その他の細工が必要になるだろう。

◆ 安定化電源に付いているDVMは10mVが最小単位なので見えるほどの誤差はなく、キクスイでもアジレントでもその出力電圧を測ると誤差は表示桁数以下になっている。

◆ SGは出力周波数を測っているわけではなく、設定した周波数を出力するように動作している。
電源も同じように設定したものを出力するタイプと、出力された電圧を電圧計で測るタイプがある。GPIBなどの外部制御で電圧を変えるタイプは前者が多い。出力電圧をDACで出せばDACの分解能と回路全体の誤差までの精度で出力出来る。

◆ 家電製品などの設定で"自動"とか"最適化"みたいなボタンのあるものがある。自動と呼ばれているものが自動的に最善の設定を作るものなのか、それとも単に最適と思われる値がプリセットされているだけなのかはよく分からない。
アナログ時代のTV受像器にも"自動"のボタンがあったりして、何をどう自動制御するのかなと思って調べてみたらプリセットだった…

◆ 液晶テレビになって明るさの自動調整は確かに自動だが、その位だろうか。まあカラーバランスも周囲の光の色によって変える必要があるので自動制御されても良いとは思うが、その為にはカラーセンサの搭載が必要になる。しかも自分の出した光が入ってしまうと調整が狂うので、その対策も必要になる。

◆ 周りの光源によってホワイトバランスが違って見える。スマートフォンで画像を見るのを屋外で見るか白熱電球下で見るかで色合いが違って感じられる。PCのモニタの設定など変えていないのに、部屋の照明器具の蛍光灯を3波長型にしたらなんか色が変わって見えるんだよね〜 と言うのも同じ事だ。

◆ 人間は絶対値の判断が得意ではないので仕方ない所ではある。だからかどうかは分からないが、計測値に誤差があったとしてもその誤差を何らかの方法で認識できないと気にならない。逆に何かと比較しておかしいぞと思うと気になる。しかし誤差の理由が判明するとそれで良くなってしまったりする。
数字が全ての仕様や規格と、思い込みや感覚が入り込む人間の感じ方には差があるわけだ。


作りの違い(1/3)
◆ 電源の話を書いているので各社電源の中身を見てみた。写真は上からアジレント、キクスイKENWOODである。アジレントとキクスイは最大電流3AでKENWOODは5Aなのでトランスの大きさは違う。
同じ3Aだがアジレントは20Vでキクスイは18Vが最大だ。トランスはアジレントの方がコアが厚い。トランスの縦横サイズはさほど違わない。

◆ KENWOODは5Aなのでアジレントの電源より少しトランスが大きいがコアは圧倒的に薄い。トランスのコアの大きさは飽和磁束密度に影響するのかな。いずれにしてもその電流用に設計されているのだから性能差は少ないだろう。それこそカットコアなどが使われる場合もあるが、測定器用としては余り見かけない。

◆ コストダウンの努力が感じられるのは基板で、ガラスエポキシではあるが片面基板なのだ。サイズに余裕があるから出来る事ではあるが片面基板にジャンパを打つなんてオーディオアンプの世界みたいだが、KENWOODらしいとも言える。
アナログメータにはYOKOGAWAの品番シールが貼ってある。

◆ 部品自体もKENWOOD製は圧倒的に少ない。少ない部品で機能が同じなら信頼性は上がる。アジレントは連携制御やトラッキング機能などがあるので部品は多くなるのかも知れないが、基板の面積はキクスイの4倍という感じ。
キクスイやメトロニクスは昔から部品数は多いと思う。最初に中身を見た時には、たかが電源なのに何でこんなに部品が多いのかと思ったのはオペアンプを使わずにディスクリートで差動アンプなどを組んでいるためだ。

◆ アジレントのシャーシはアルミ製でカバーは樹脂で出来ている。キクスイとKENWOODは鉄だ。
質量はアジレントが5.5kg、菊水が5kg、KENWOODが8.1kgとなっている。重さの大部分はトランスで次に重いのがケース(アジレントはアルミシャーシに樹脂カバーだから軽そう)である。
KENWOODは強制空冷型はもっと小型のケースに入っているのが、このエコノミー版?はサイズが大きい。

◆ 各社共にこのクラスはファンレスなのだがキクスイは外部にヒートシンクが付かないのでスッキリしている。ケースはネジ2本で開ける事が出来て、これはアジレントも同じだ。KENWOODはさすがに5Aクラスなので大きなヒートシンクが付いている。KENWOODはビスが多くケースを外すには8本のセルフタップビスを取る必要がある。このセルフタップビスというのもコストダウンに貢献する。

◆ アジレントの電流計と電圧計はDVMが別基板で付けられているような感じで、調整点があるのでゲインやオフセットをここで変えるのかも知れない。
DVMでも表示更新時間がまあまあなのでさほど調整が面倒なわけではない。
KENWOODのマルチ出力電源などは電圧調整がロータリエンコーダだが、シングル出力の場合は可変抵抗である。

◆ キクスイは二重のVRで祖調整と微調整が、KENWOODは祖調整のみ、アジレントは10回転のポテンショ(アジレントの和文取説によればポテンション(笑))になっている。ロータリエンコーダで1LSDごとにクリックがあるのが使いやすい。メータを見なくても指先の感覚で電圧調整が出来るからだし、10mV台を変えるのか、100mV台を変えるのかなども設定出来る。


無意味な事(1/2)
◆ 昨年秋頃からGPSの1PPSを測ったり色々やっているのはblogに書いているとおりなのだが、それにどれほどの意味があるのかと言われるとハッキリ言って無意味に近い。こちらの工具も実用的ではないという意味では無意味なものだ。
確かにSGや周波数カウンタの基準発振器が正確かどうかの判断は出来るし校正も出来るが、じゃあSGの周波数が0.05ppm狂っていたから何なのかみたいな。

◆ 無線系の認定機器などでも周波数を気にする事はあまり無い。何故ならば設計時点で規格に余裕を持って入る仕様の基準発振器を使うからで、その基準発振器自体もカタログの仕様よりも余裕を見て製造されている。従って基準発振器が不良か故障でもしない限りは仕様内に入る事になっている。

◆ 例えば規格が±5ppmで、実測値が4ppmも狂っていると不良の可能性と言う事ではじかれる。
測定器誤差や部品のばらつきなど全てを考えたとしても通常は3ppm以内に入るはずだとか、そうした社内の検査規定が出来ているからだ。
測定器類は定期的に校正されるので、校正されるごとにセシウム基準に合わせられる。

◆ 製造ライン用ではない実験室の測定器の多くはスタンドアロンの基準で動いている。この辺りもその企業などによっても異なるのだが、誤差が気になる測定の場合はエンジニアが自分でそれを気にするという感じだ。
これが発振器を作っている企業だったとすると全ての測定器が社内の二次基準に同期するようになっている。

◆ なので必要性のない精度まで測ってみるのは楽しみでしかない。全く実用性がないからだ。
周波数はGPSを基準にすると精度の良い周波数が得られるからいじり甲斐があるわけで、例えばセシウム原器を買ってきたとするとそれで終わりになる。

◆ 周波数でなくても、例えば標準電池の自作法みたいなものがあれば標準電池を作ったり、その電圧をいかに電流を流さずに測るかみたいな手法が検討されたりして面白いかも。これも出来合の測定器や基準電圧元を買ってきたのでは面白くはない。

◆ 基準電圧源は低雑音電源でもあるが電流は多くは取れない。ものにもよると思うがせいぜい数十mAだろう。なのでVCOのテスト用には使えるが電流の流れるものには使えない。と言うか元々はDVMなどの校正用の電源なのだが、校正用には低雑音の電源が必要だからその電源でVCOのテストをしてしまうわけだ。

◆ キログラム原器って今でもそれが基準なのかな。
日本のキログラム原器を韓国に貸したら、そのキログラム原器は質量変動が大きい、悪いキログラム原器になっちゃったなんて話がある。まさか手で触ってしまったなんて事はないだろうが、大切なものを大切に扱わないのは韓国流である。こんなニュースもあった。『「朝鮮王室儀軌」の原本を紛失したので、以前日本に贈った写本を略奪された事にして返還要求』文化の違いなのだろうか。

◆ 電圧計でも電流計でも8桁の精度のある測定器はかなり限られる。でも周波数ならば10桁でも12桁でも分解能が得られる所も、その確度を追求するには良いものだと思う。1PPS追求は煮詰まったというかやりきったというか飽きてきた感じもするが、でもそこそこ面白いのである。


2015(1/1)
◆ 明けましておめでとう御座います。
本年も昨年同様よろしくお願い致します。

◆ 正月休みに工作でもないが、昨年から何度も話題にしている電源に関して色々なページを見ていた。
自作されている方も多いのだが、殆どはキットものを使っている。キットでなくてもディスクリートで組もうという強者は数少ないようで、確かに専用デバイスを使った方が安く早く高性能なものが出来る。

◆ サンハヤトがキットを出しているんだ〜 と思ったのはこちらのページを見たからだ。サンハヤトは細かなパーツだとか基板関係の色々なものを扱っているメーカ、ちなみにサンハトヤは温泉である。サラウンドと皿うどんも似て非なるもので、えーと何の話だったっけ。

◆ このキットのパネルを見るとスイッチング電源となっているのだが電源トランスがある。何故かなと思ったらAC100Vを直接整流してスイッチするのではなくいったん電圧を落としてからスイッチする方式なのだ。

◆ せっかくキット化するのならば重くて高価な電源トランスを廃した高周波スイッチングの方がスマートだし、ドロッパ方式の電源との違いが明確になって教育用としても良いと思う。何故スイッチング電源にするとトランスが不要になるのか、実際には不要になるのではなく絶縁用として必要なんだよとか、スイッチング周波数とトランスの大きさの関係なども覚えられる。

◆ 安定化電源というかロジックICの実験用として組んでみましたというのがこちらだ。74LSシリーズに時代を感じたりするが、CMOSでは無いのでIoLよりもIoHの方が小さい。なのでLEDはシンクで点灯すべきである。

◆ 定電圧電源の自作記事などを読んでいたらVUメータを作っている人が居た。メータを作っているのではなくてメータを振らせる回路を、だ。
VUメータは一応規格があって(今は廃止された)0VUは+4dBmだったかな。無信号状態から0VUの信号を印加し、0VUの-1%の所に針が来るまでの時間が300mS±10%だったと思う。オーバシュートも規定されていて1%以上1.5%以下でなければいけない。

◆ このような特性なのでVUメータの針はピクピク動いたりせず、かなり粘っこい感じで動くものだ。
メータ自体の反応速度は通常はこれより早い筈なので回路の方で調整する事になる。今ならオーディオ信号をADCで読んでCPUで実効値整流した後でタイミングを取ってDACに出す、みたいな感じだろうか。

◆ 話がそれた。電源自作派は自作してみたくて作っている人が多い。シリーズパスの電源だと電源トランス代もかかるしケースだって必要だ。それらを考えれば中古どころか新品の中華電源に手が届いてしまう。昔と違って今は自作は高級なのである。自作派も減っているわけだから、あえて金をかけて自作する人もかなり"高級"だと言えるだろう。

◆ トランスの入手性が悪く価格も高いと言う事でノートPC用のスイッチング電源を使っている人も居る。この出力をシリーズパス電源に通して可変電圧とするわけだ。KENWOODでもこの方式でリップルノイズを低減させた電源を作っている。
スイッチング電源はそれ自体でレギュレーションが確保されているので、これを入力に使うと入力電圧変動に対する安定度の点で有利になる。
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