バックライトを交換する


ノートPCのバックライトに使用されている冷陰極管には寿命がある。
液晶テレビなどでは数万時間の寿命を確保しているようだが、ノートPC用は数千時間程度で明るさが半減するという。
明るさに関しては輝度調整を上げていけば何とかなるのだが、同時に色温度が変わってきてしまう所が何ともしがたい所である。

中古パソコン屋によっては「これは仕様です」みたいな事を言う所もあるが、そんな事はない。
新品時には低輝度でも高輝度でも殆ど色温度は変化しないのだから。

このPanasonic Lets Note S51はヤフオクで中古を入手したものであり、最大輝度で使用している分には良いのだが輝度を下げたりスタートアップ時など、冷陰極管の温度が冷えていると画面が赤っぽくなってしまう。
このまま放置するとたがて冷陰極管は放電(発光)しなくなり、最悪の場合は冷陰極管を点灯させているインバータまで付き合って壊れてしまう事もある。
そこでコイツを交換する事にするのだが、ノートPC用の冷陰極管は各メーカオリジナル仕様であって、汎用品が合致するとは限らない。
Panasonicの場合は純正品を購入する手もあるが、ここではあえて汎用品への交換に挑戦してみたい。
まずはオリジナル冷陰極管のサイズを調べる。
液晶部分をバラして測ってみると、長さは240mm弱で太さは2.1φ程度である事が分かった。
さっそくパーツ屋さんで調べてみると240mm×2.0φというサイズがあるではないか。
ちょっと長いかなと思ったのだが、これを購入してみる事にする。

PCは液晶部分の隠しネジ4本を外せばバラせる。
ネジ以外の所はプラスチックのツメで固定されているが、そこはコジれば外れる。
爪が折れる心配は無いようだ。


カバーが外れると液晶ユニットはポロッと外れる。
ネジなどで固定されている訳ではなく、インバータなどと一緒に挟まっているだけだ。

インバータユニットを引き出してみるとこんな感じ。

冷陰極管の電極部分にはシリコンゴムのカバーが取り付けられているので、それをめくって半田付けを外す。

ちなみに電線を外さないと冷陰極管が抜けてこないので注意する事。
純正冷陰極管を外したら、その全く逆の手順で新しい冷陰極管を取り付ける。
おそらく慣れていない人でも30分ほどで交換作業は完了するはずだ。
そしてスイッチオン!

バッチリ点灯した。
なのだが、輝度を絞るとチカチカする。
おそらくインバータの出力に対して冷陰極管の要求電流(か、放電電圧)が高いのだろう。
冷陰極管交換で気になるのは色温度である。
メーカ純正品と色温度が異なればカラーの具合も違ってくる。
幸いにして今回使用した物は赤すぎる事もなく、むしろ(新しいためでもあろうが)純正品より少し色温度が高いかなといった感じ。
次に管長228mm×2φ品に挑戦してみる。
こちらの方が放電開始電圧が低いだろうから、もしかしたら低輝度時のチラつきが減るかも知れない。
インバータの出力の線を外してクリップで228mmの冷陰極管に接続し、組み込まない状態で点灯試験をしてみる。
ん?点かない…おかしいなぁ接触不良かな?と、色々チェックしたのだが点かないものは点かない。
で、240mm長の方に接続を戻してみるが、やっぱり点かない。
こ、これってもしかしてインバータが壊れたって事じゃないですか〜インバータの基板上にヒューズは付いていないようだし、メインボード上のヒューズは切れていないようだし、一体何が起こったというのか。
このインバータは圧電トランスみたいなので、これが壊れていると修理が出来そうにない。
ドライバはFETのようなので、この部分だったら代替品がありそうだが。
それよりLED化の実験なんてのも面白そうだな。