エステー化学 消臭プラグ


消臭ビジネスは今も昔も盛んである。
体臭が少ないと言われる日本人は香水こそ余り使わないが逆に臭いに敏感であるために住空間の臭いは気にするのだとか。
ある時ディスカウントセンターに買い物に行くと、コンセントタイプの消臭剤が目にとまった。
単にヒータで薬剤の蒸散を行うものなら珍しくもないが、パッケージを見ると「イオン脱臭」だとか書いてある。
ちなみに同社のホームページにはその記述がないから、最近宣伝方針を変更したのだろうか。
これをしばらく使用していると、消臭プラグ本体やその周辺が汚れる事から空気を帯電させていることは解る。
購買価格がいくらだったか忘れたが、たぶん千円以下だったと思う。
果たして中身はどうなっているのだろうか。
消臭剤の入った瓶を外すとこんな感じ。
消臭剤はフェルトのようなもので瓶から出てきて、そのフェルトの棒?を加熱するのがこの本体の穴の中のヒータだ。
イオン系?はどこにあるのかよく解らない。

電源を入れるとLEDが点灯する。
表示器の類はこれ一個、横に蒸散量を変えるためと謳われるスイッチがある。

ピン付きトルクスネジを外すとLEDとダイオードっぽいものが見える。
黒い樹脂部にアルミ板が挟まっているような部分が加熱用のヒータなので、ダイオード風のものは温度検出用だろうか。

ここが問題の無声放電部だ。
自然対流で空気が流れるだけなので、発生するオゾン?イオン?量はたいしたことはないだろう。

ちゃんと電源も付いている。
モールドされた一体型で、この電源部の他にはヒータ制御用と思われる若干の回路しかない。

一時期トイレなどの脱臭用としてオゾンがもてはやされた時期があった。
その後は活性炭方式が主流となったようだが、アクティブ型脱臭も制御がキチンと出来ていれば有用だと思う。
と言うのも、オゾンは毒性が強いためにこのあたりが難しく、更に多湿な日本の夏にはオゾン発生量が低下する。
で、この消臭プラグのイオン脱臭効果はどうかというと、トイレ用オゾン脱臭器のような明確な効果はない。
試しに消臭剤を取り外してイオン部のみで稼働させてみたが、消臭効果があるのか無いのかよく解らない程度の効果に終始した。
ただし脱臭剤を蒸散させれば過剰なほどの臭いが部屋を満たす事になるのだが。
ちなみに、自動車の燃費節約用品として高価格で売られている「イオン系燃費改善グッズ」よりは余程マトモに動作していると思う。
ただしこれをエンジンルームに取り付けても燃費改善にはつながらないので念のため。
もし本気でエンジンに電離した空気を送り込みたければ、キロワット級のオゾン生成機が必要になり、更にNOxが相当量排出されるのでやめた方が良いと思う。