TAのアナログポートを試す


TAのアナログポート,普通の電話機やFAXをつないでいる方もいるだろうし、モデムを

接続している方もいらっしゃるだろう。

データポート性能はデータの実行伝送速度比較などの記事を見ることもあるが、アナログポ

ートの性能(機能ではない)の比較は余り聞かない。

私が最初に購入したTA777のアナログポートはひどかった。送受話レベルの設定(設計)

が不適切で、とてもそのまま使用できるシロモノではなかったのだ。

アナログポートの性能を試すために、フツーのアナログ電話機を接続して使用したインプレ

ッションと、56Kモデムを使用した接続実験を行った。


1.TA777

  ISDNが一般に普及し、低価格TAが売られるようになった初期の製品。

  当時MN128等の商品が供給不足の中、このモデルだけは豊富に存在していた。

  アナログポートの送受話レベルに関しては「送話レベルが小さく受話レベルが異常に大きい

  と、改造無しでは使用できない程のモノだ。

  もっとも、その後メーカによって無償交換が行われた..が、ファームが変わったためか?

  DET速度が115.2KbpsではDTE-TA間の通信に問題が生じた。一旦接続できてしまえばデータ速度

  は不満がないものの..接続失敗(ATコマンドが通らない)が多くてイヤになる。

  56Kモデムを(改造済みの)アナログポートに接続してみると42Kbpsで接続できた。

2.ALEX-128HG

  見た目のデザインは??だが、液晶パネル付きで値段もお手頃。アナログポートの機能も一応

  のレベルにある。送受話レベル,ローカルエコーともに問題ない。

  複数の電話機をアナログポートにつないだ場合でもローカルエコーは増大せず、この点は好感

  が持てる。

  中身はCPUが68302(たぶん20MHz),写真右側のヒートシンク付きICはSLICだろう。

  裏返しの二階建て部分は電源とアナログ関係が乗っている。

  連続動作では熱による障害と思われる暴走が起きるが、その場合でもアナログポートは生きて

  いる場合が多い。

  K56モデムでの接続速度は46Kbpsだった。

3.NEC Aterm-IT55 DSU

  液晶表示などが無い割に実売価格が高めのモノ。巷ではアナログポート性能が悪いと言われて

  いるが本当だろうか?

  電話機を接続してみるとローカルエコーが大きい。NCUの設計によるのだろうが、自分の声が

  自分の受話器で聞こえすぎるのは使いにくいと思う。

  個人的にはローカルエコーは小さい方が有り難い..が、それがゼロだと回線のロングエコー

  が目立つので逆に使いにくくなる。

  K56モデムでの接続速度は安定して50Kbps,ローカルエコーとアナログチャネルの周

  波数/位相特性は別物というわけだ。


番外編

  ここで使用したSUNTACの56Kモデムをアナログ回線で接続してみた。

  時間帯によって接続速度が変化する(局間の問題か?)が、46Kbps〜50Kbpsでの

  接続が可能だった。モデムメーカでも「国内の回線では50Kbpsが上限」と言っているよ

  うに、日本の(NTTの)アナログ回線品質は56K接続には向かない。

  TAのアナログポートを介した接続では56K迄上がっても良さそうなモノだが、TAのアナ

  ログポート自体がNTTアナログ回線を基準に作られていると思えば仕方ないことだろうか?