ティアナに乗る


日産ティアナに乗った。
日産車の中ではブレーキフィールもアクセルも比較的扱いやすいセッティングだと思う。
エンジンはレブリミットまで元気に回っていき、ノイズの高まりも許容範囲内だ。
確かにベストバランスで回っている感じではないのだが、ある回転数から急激にノイズが高まるようなこともなく、カタログ値173馬力に見合ったパワー感も感じられる。
このサイズのクルマなのでFRかと思っていたのだが、しばらく乗っているとパワーのON-OFFによるトルクステア(とまでは言えないが)を感じる場面があり、ボンネットを開けてみたらFFだったと言うわけだ。
もう一つ感じたことは高速域での接地感の不足だ。
アクセルを踏み続けていけば160Km/hあたりまでは比較的スムーズに加速していく。
その後シフトアップして回転数がドロップすると加速感が鈍るのだが、この辺りで明確に接地感が失われる。
そのまま踏み続ければ速度リミッタに当たるまで速度は上昇するが加速感はかなり無くなっているし前輪の接地感が乏しいので危険も感じる。
高速道路での燃費は12Km/l程度で悪くはないが、特別良くもない。
市街地燃費が比較的良いような感じはするが、空気抵抗その他もあって高速燃費が思った以上にはのびない感じである。
燃料タンクは70リットルはいるのだが、高速を走っているとどんどんガソリンゲージの針が下がる。


車内は広いが安っぽい。
この安っぽさは特筆もので、何がモダンリビングなのだと言いたくなる。
安っぽくすることでレトロなイメージを演出しようとしているとすれば、それは正しい演出にはなっていない。
木目調のパネルも貼り付けられているのだが、それが更に安っぽさを強調しているようにしか見えず、ナビやそのコントローラなどが取り付けられているパネルとの質感も内装には合っていない。
アクセルフィールもブレーキもさほど悪くはなく、軽く吹き上げって行くエンジンを持っているのに、この内装は残念だ。
サスペンションにしても昨今の日産車のような感じでふわふわ感は適度に抑えられているし、だからと言って乗り心地が過度に堅いわけでもない。
これで内装がもう少しマトモなら、4ドアサルーンとして使い勝手の良いモデルとして推奨できる。
ただしナビのコントローラ系は使いにくい。
少ないキー操作でコントロールしたいという気持ちは解るのだが、直感的ではない部分や階層が深かったりして扱いにくいと感じた。
ナビは走行中の操作を推奨しない、BENZのもののような使いにくさがある。
地図を走行中にスクロールさせようとすると、一定の割合でスクロールしてしまうため、目的の場所を画面のセンターに持ってこられない。
これを回避するには車両を停止させるしかない。
BENZも同様なのでおそらくは松下製ではないかと思うのだが、このマンマシンインタフェースを考えた人は車に乗ってナビを使ったことがないのではないのか。
とにかくイライラするナビなのだ。


90%高速、10%を市街地走行したトータル燃費は9Km/l程度だった。
高速で速度を出したりした割には良いと思うし、2.3リッターにしては市街地燃費も悪くないと思う。
パワー感もファミリーカーとしては十分だし、内装の安っぽさ以外は良くできているクルマだと思った。