SSTが不良だった

Aliexpressで購入したSST(社外品)だが、不良だった。
これはクランクシャフトのオイルシールを入れるためのものなのだが、2つのピースに分かれている。
それが斜めに入っていて抜けない。

プラスチックハンマーで叩いてみたり、いったん入れられないかと全体重をかけてみたりしたのだが、ガッチリ嵌合してしまっていてどうにもならない。
仕方ないので返品の手続きをした。

返品手続きをしたので再度購入する。
意外に早く再送されてきたが、例によって箱はボロボロである。
箱から出してみると、コイツも斜めじゃないか!

だが今回のものは噛み込んでいるわけではなく、力を入れて引っ張ったら外れた。
まっすぐに入れれば正常である。

これをどうやって使うかというと、シールのセンターを正確に合わせるものだ。
下の写真の左がフロントギアカバー、これに赤色のものを突っ込んでセンターを出す。
突っ込みやすいようにテーパ状になった部分と一緒に押し込み、押し込んだ後でテーパの部分を外す。

テーパの部分を外すとクランクシャフトと、突っ込んだ赤いアダプタが嵌合する。
そのままカバーを押し込むとクランクシャフトに押され、シールは赤いアダプタからクランクシャフトに移動する。
更に押し込むとクランクシャフトがカバーから出てきて、赤いアダプタも一緒に押し出される。
このSSTってBMWのB38/48/58エンジンにしか使えないと思うのだが、中華メーカが作るという事はそれなりに需要があるのだろうか。
OEM品で$100前後、中華製のこれは3千円くらいだ。

ギアカバーは純正品は2万円くらいなのだが、中華ものは安い。
左はアルミ製の強化タイプと称されるもので、クランクシャフトシールの交換が可能だ。
右は純正同様の樹脂製で、オイルシールの交換は出来ない。

BMWではロックタイトの5970が液状ガスケットとして指定されている。
液状ガスケットは使う度に買うわけで、保存性が悪いので固まってしまう。
もっとも5970は使用期限が、未開封状態で1~2年しかないはずだ。
脱アルコール型は特定の金属や樹脂に対する攻撃性が少ないのだが、保存寿命が短い。
ロックタイトの5970は300ml入りが一般的だと思うのだが、とても使い切る量ではない。
でもそれしか無いなら仕方がないか、と探してみるとBMW純正品として小容量のものがあった。

容量あたりの価格としては当然ながら割高ではあるが、絶対的価格は安い。
300ml入りが1.5万円位、50ml入りが3.5千円くらいだ。

部品は揃えたのだが、増し締めするとにじみが減る感じもする。
どうせいつかは換えなければいけないのだから、さっさとやれと言われそうではあるが、この程度のにじみを気にしていたらBMWには乗れないのでは?みたいにも思ったりする。
今のBMWは良くなったが、昔々はオイルがにじんでいるのは当たり前みたいな感じだった。

増し締めの結果を見て作業をするかなぁ、増し締め効果がなければギアケースカバーを交換する。
オイルパンを外すかどうかは悩んでいるのだが、オイルパンを外して内部の様子を見てみたい気持ちがある。
50mlの液状ガスケットはオイルパン脱着2~3回分位あるので、フロントギアケースカバーに使うだけだと余りにもったいない。
液状ガスケットがもったいないから(それを使うために)オイルパンを外す訳ではないけど。

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乗物
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コメント

  1. tnk より:

    SSTを温度差(膨張・収縮)で抜く方法は試されなかったのでしょうか?
    機械整備の現場では、ベアリングを嵌めるのに誘導加熱器を使ったり、
    カップリングを抜く際に、軸にはドライアイス、カップリングをバーナーで温めたりしているようです。

    • FnF より:

      SSTの嵌まっている部分が40mmなので、200μmの寸法差を付けるには双方の温度差を150℃位にする必要があります。
      (アルミと言っても材質によって違うのと、中実構造ではないので計算が違うかも)
      ところがアルマイト処理されているので、アルミが熱膨張するとアルマイトが割れる(膨張係数がアルミの1/5程度なので)可能性があります。
      片側を冷やして、片方を温めれば抜けたかも知れないですね。

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