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過去の雑記置き場


増税は行われるのか(11/1)
猫に牛乳(11/2)
変わる秋葉原(11/3)
TR-1100(11/4)
塩分少なめ(11/5)
配信者金バエ氏(11/6)
減税条件と民主党(11/7)
夢の素材と言われた金属(11/8)
静電気がATMを止めた?(11/9)
車内販売と人件費(11/10)
日本では有名?ASUS(11/11)
OMRONが見捨てる体重計(11/12)
薪の価格は原価の10倍(11/13)
OMRON体組成計PC版ソフト(1)(11/14)
OMRON体組成計PC版ソフト(2)(11/15)
可変抵抗器の信頼性(11/16)
ガラスの紫外線透過率(11/17)
修理する権利(11/18)
Pepper君は何故売れなかったか(11/19)
商売人系配信者の末路(11/20)
商売人系配信者の末路(2)(11/21)
振幅変調回路(11/22)
視聴率より視聴者数(11/23)
備蓄原油放出(11/24)
スマートフォン(11/25)
絞り機構と構造(11/26)
大型撮像素子は主流になるのか?(11/27)
光学ズームの可能性(11/28)
TR-2300を直した(1)(11/29)
TR-2300を直した(2)(11/30)


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TR-2300を直した(2)(11/30)
◆ TR-2300は片面基板が使われている。今なら多層基板にSMDで超小型に出来そうな感じだが、当時としては価格の上がる両面基板は使いにくかったのだろう。

◆ 片面基板なのでトランジスタは簡単に外す事が出来た。外した2SC460の代わりに2SC3331を付けて終了である。これで直った、いや直るはずだと信じて基板をシャーシにネジ止めし、電源を入れてみる。と、電源が入らないではないか。

◆ テスト中も電源が入ったり切れたり不安定だったのだが、ついに入らなくなってしまった。コネクタの接触不良かと思っていたのでその辺りをチェックするが異常はない。線を追っていくと、音量調整VRの所で線が切れていた。
切れかかっていた線を、基板修理の時に引っ張ったりしたのでとどめを刺してしまったのだ。

◆ ここを半田付けし直して電源を入れる。
テストしてみると、送受信とも出来るようになった。受信感度は-10dBμV位あるので異常はなく、送信出力もピタリ1W出ていた。

◆ 2SC460は他に2箇所で使われているのだが、特性に異常はなかったので壊れていないと思われる。予防的には全部交換しても良かったのだが、単に面倒だという理由だけでそのまま蓋を閉じる事にした。

◆ 送信部のミキサにはシングルバランス型が使われている。10.7MHzを加えるわけなので、ローカル周波数±10.7MHzが出力に現れる。つまり145MHzと134.3MHzと123.6MHzが大きく漏れてくる。なので、134.3MHzが出来るだけ漏れないような回路になっている。10.7MHzの局発は、周波数が離れているのでフィルタで落とす事が出来る。

◆ 出力のスペクトルを見ながらDCバランスのVRを回すと、漏洩電力が変化する。
スペアナがない場合は、最大出力点を探せばそこがほぼバランス点になっている。

◆ なお各部の調整を行う時にはAPC(パワーを一定にするための仕掛け)のVR(VR2)をパワーが上がる方向までいっぱいに回しておかないと、設定出力で頭打ちになるように動作するので調整が出来ない。

◆ APCが働かないようにすると1.5W程度の出力になるが、1Wが1.5Wになったところでたいした差ではない。消費電流も増えるし、バンド内でのパワー差も出てくるのでAPCは効かせておいた方が良いだろう。修理というか調整記事は後日Blog Nにまとめる予定だ。

◆ 入力電流は450mAが仕様なので、約6Wになる。総合効率16%は、この手の単純な無線機としては決して良い方ではない。ただ1978年当時としては頑張った方なのだろう。この1世代前の無線機は送信出力を2Wとしたものの、電池の持ちが悪いと言われて1Wに戻したのだそうだ。

◆ 1980年頃になると、本当に手に持てる大きさのハンディトランシーバが出てくる。TR-2300は弁当箱のような感じで、ハンディーと言うよりもショルダータイプの無線機だった。

◆ 今なら手の平に収まるサイズで2BANDのトランシーバが2万円くらいで売られている。TR-2300は1978年に4万円以上していた筈だ。部品の小型化や高集積化は、無線機のサイズだけではなくコストにも大きな影響を及ぼしたと言う事だ。


TR-2300を直した(1)(11/29)
◆ TR-2300はKENWOODがTRIOの時代に発売された、アマチュア無線用のトランシーバである。発売は1978年だそうだ。それまでは周波数を変更する場合は水晶振動子を取り替え(切り替え)ていたのだが、TR-2300はPLL方式になった。

◆ PLLは米国の多チャネルCB無線機用として普及した。それまでは1チャネルあたり送信用と受信部局発用の2つの水晶振動子が必要だった。50チャネルのトランシーバには100個の水晶振動子が並ぶ事になり、コスト的にもスペース的にも厳しいものがあった。

◆ これがPLL方式となれば、基準発振器としての水晶振動子が1個あれば良い。こうして瞬く間にCB無線はPLL化が進んでいった。対するアマチュア無線用のトランシーバは、PLL化が遅れていたと言える。

◆ TR-2300は134MHz帯のVCOを使う。受信部は145MHz-134.3MHz=10.7MHzのIF周波数となり、送信時にはIF分の10.7MHzをミキサーで足して145MHzを作っていた。今であれば受信時には134MHz帯を発振させ、送信時には145MHz帯をダイレクトに発振させる事が出来る。

◆ しかし当時はモジュラスプリスケーラを搭載したPLLデバイスがなかったのかも知れない。TR-2300にしても、VCOの134MHz帯と水晶振動子から作った131.74MHzをミキシングして2.56MHzを作り、それをロジックICで1/2に分周してからSM5104というPLLデバイスに入力している。

◆ TR-2300の状態としては送信も受信も出来ない。まずは要のVCOが発振しているかどうかを見てみる。スペアナのプローブを近づけると140MHz付近で発振している事が分かった。VCOの周波数調整用のトリマがあるのでこれを回してみるが、周波数がロックしない。

◆ PLL ICが壊れていたらアウトなのだが、そのPLL ICに1.28MHzが入ってきていない。その前段の74LS73の入力もスレッショルド以下だ。1978年頃ってHCシリーズは未だ出ていなかったのかな。4000シリーズのC-MOSでは速度が足りなかったのだろうか。なんて考えながら回路を追ってみる。

◆ PLL用の2.56MHz帯を作るためのミキサは動いているような感じなのだが、その出力が増幅されていないようなのだ。アンプはトランジスタの、電圧帰還バイアスのごく簡単なものが2段入っている。

◆ このトランジスタが2SC460で、調べてみると壊れやすいと書かれていた。ピンが銀メッキされているために、その腐食が内部にまで進むのだと解説しているページもあったが、だったら銀メッキ端子を使った他のトランジスタもICも全部ダメになるはずだ。

◆ トランジスタによってはエポキシ封止が悪く、湿気が入ってダメになるものもある。だから高信頼性トランジスタはコールドウエルドメタル封止だったのだ。ではメタルパッケージが絶対かというと、メタルパッケージからピンを出す所のガラスと金属間にクラックが入るとか、色々あったらしい。

◆ と言う事でまずはこのトランジスタを交換するのだが、当然同じものは持っていない。周波数が低いから何でも良いかな、2SC1815でも付けようかなとパーツケースをあさってみると2SC3331があった。今は無きサンヨー製である。


光学ズームの可能性(11/28)
◆ スマートフォンには搭載が難しいとされてきた光学ズームだが、ペリスコープ型レンズレイアウトによってこれが可能になった。ペリスコープ型は昔からあるものの、構造の複雑さなどもあってスマートフォンには中々使われなかった。

◆ ペリスコープ型レンズユニット製造メーカでも、歩留まりが中々上がらないなどと言う話もあった。ただスマートフォンに使われるとなれば生産台数が非常に多くなり、製造技術や生産管理技術が向上する。

◆ ペリスコープ型の場合は撮像素子の幅がスマートフォンの厚み方向になる。この為薄型化を行う為には大型の撮像素子が使えない。例えばスマートフォンの厚さが8mmで、ディスプレイなどを除いた内部有効幅が5mmだったとすると、1/3型くらいが限界になる。

◆ プリズムを工夫して光軸を2回曲げるようなものが出てくれば別だが、現状の構造で大型撮像素子を使う事は難しい。一方でズーム比は大きく取れる。2019年発売のOPPOReno10X Zoomは8.1倍の光学ズームだ。連続的に焦点距離が変わるわけではないが、GALAXY S21は3倍/10倍切り替え機構となっている。

◆ 光学ズーム(可変焦点距離)と単一焦点距離の望遠レンズの違いを理解していない記事もある。こちらなどはXperia1にズーム機構が搭載されているような記述だが、単に複数のカメラが付いているだけだし、iPhone11Proにしても同様だ。価格.comの編集なのでアレなのは仕方がないとして、記事を見て疑問を抱く他の編集部員がいなかったのかなと思ってしまう。

◆ こうした間違い記事の一つに、ディジタルズームと光学ズームの区別が曖昧なものもある。最大ズームで比較しましたみたいな記事で、iPhone13ProとPixel6Proの比較があった。iPhone13Proは光学3倍ズームだったかな?Pixel6Proは4倍なので、画角を同じにしたからと言って同列に比較は出来ない。

◆ こちらでも同じような比較がされていて、光学ズームの倍率が違うよと突っ込みが入っていた。この方、プロフィールを見るとプロの方で、講習会なども開いている。記事ではGoogleオリジナルプロセッサが凄いと主張しているが、ディジタルズーム処理の善し悪しを見るのであれば、それ以外の部分(撮像素子のサイズ、レンズの性能や焦点距離など)を揃えなければいけない。

◆ プロの方の書いたものなので、その辺りは百も承知の提灯記事かも知れない。いわゆるステマに属するわけだが、Googleは有償/無償/貸与で、相当数のPixel6を(発売前に)配ったと言う事だ。ポテトチップスでも広告宣伝費を使い、何とか日本でシェアを伸ばしたいという努力の跡は見られる。

◆ スマートフォンのメインカメラに高画素撮像素子を使うと、一部切り出し型の拡大が出来る。Pixel6ではメインカメラの画像を拡大しても、望遠レンズを使っても極端な画質差が無かったりする。ただしレンズ性能が有限なので、画素数に応じて解像度が上がるわけでもない。こうしたレンズや撮像素子のサイズのバランスなどで、今後のスマートフォンの望遠のあり方が決まってくるのだと思う。


大型撮像素子は主流になるのか?(11/27)
◆ AQUOS R6やその派生モデルであるLeitzPhoneは1インチの撮像素子を使っている。シャープの資料によればAQUOS R6のセンササイズは対角線が1インチとなっている。

◆ この○インチという呼び方と○型という呼び方は少々分かりにくい。
○型というのは撮像管時代の、その撮像管の直径を言うものだ。直径が1インチなので、実際に撮像素子として使える面積は撮像素子のガラスの厚さの内面に接する四角形が最大だが、実際にはもう少し小さな範囲でしか使用が出来ない。

◆ 実際のセンササイズはアスペクトレシオによっても変わってくるが、対角線でだいたい16mm位になる。シャープのページでは対角線が1インチあるとなっているのだが、これは長さの単位のインチではなく撮像素子の単位のインチだ。

◆ 実際の撮像素子をAQUOSR6の乗せた写真があったので、画素数から撮像素子の横幅を測ってみた。その結果は13.4mmとなり、1型センサの13.2mmに近かった。この事からシャープの言う1インチは25.4mmの事ではない訳だが、対角線を示して1インチと書くのは明らかな誤りである。

◆ 1インチを表現したいのなら、撮像素子よりも大きな円を描いてその直径を表すべきで、これを1インチというのですよと注釈を付けるべきだ。シャープの表現は優良誤認である。

◆ Xperia Pro-Iも1型センサを搭載している。こちらはプロ向けと言う事で1インチではなく1型と表現している。プロ相手に分かりにくい表現は避けたいという所だろうか。なおXperia Pro-Iは画素サイズが2.4μmとなっていて、これはAQUOS R6と同じだ。

◆ iPhone13 Proは画素サイズが1.9μmと大きくなった。画素数よりも撮像素子サイズを大きくしていくというのはSONYの方針なのだが、一方でiPhone使用者からは画素数競争に負けるのは悔しいという声も少なくはない。

◆ 確かに画素数と解像度は比例はしないものの、2000万画素と4000万画素の差はピクセル等倍にすると分かる。一方で暗所のノイズの問題だとか色再現性などで画素サイズの小さなセンサは不利になる。

◆ 画素数が多くてセンササイズが大きければ一番良いが、それでは筐体に入らなくなってしまう。こうした点を考えると現状では1型が最大級になる。

◆ Xperia PRO-Iは可変焦点距離カメラは使わなかった。プロ用としてはペリスコープ型カメラユニットを未だ推せない事情があったのかも知れない。各カメラのレンズの焦点距離(35mmフィルム換算)は16mm/24mm/50mmと余り離れていない。

◆ より広角、或いは望遠を使いたい場合は他のカメラをと言う事らしい。スマートフォンのカメラで撮れる範囲をスマートフォンで撮ってねと。AQUOS R6は潔く1カメラにしている訳で、この辺りも設計思想の違いと言う事になる。

◆ 一般向けとしては超広角から望遠までカバーするカメラ構成が好まれそうだが、超広角は周辺光量などが、望遠側はコントラストの低下などが目立ちやすい。16mmから50mmあたりまでならスマートフォン内蔵カメラでもそこそこの画質が得られると言う事なのだろう。


絞り機構と構造(11/26)
◆ カメラと呼んで良いくらい(ちゃんとした)カメラのレンズには、絞り機構が付いている。リンク先の図を見ると分かるが、絞りの羽根にはピンが付いている。実はこのピンは2箇所に付いていて、そのピン同士の位置を動かす事によって絞りの羽根を移動させている。

◆ と言う事は理屈の上では分かっていたが、実際にそのものをバラした事はなかった。今回たまたま絞り機構のみの部品があったので、それをバラしてみた。バラすのは簡単だったのだが、組み立てには非常に苦労した。

◆ 羽根自体は薄くて固い金属で出来ている。材質は炭素鋼などだそうだ。厚みを調べたかったのだが、検索語に絞りを含めると絞り加工の方に行ってしまうし、レンズを含めると絞りからは離れてしまう。

◆ 安価な機器用にはエンプラを使った絞り機構もある。エンプラを1μm単位の精度で成型するというのだから凄い。絞りとしてなら(大きさが許すのなら)厚くても良いが、レンズシャッターなどだと重さが動作速度に影響する。

◆ 絞りの組み立てに何故苦労したかというと、ピンの位置決めが難しかったからなのだ。バラした絞りは、大雑把に言えばここにあるような構造だった。薄い羽根板にピンが立っていて、そのピンの片側は筐体側のへこみに入れて支点とし、もう一つのピンは可動側のスリットに入る。

◆ まずは筐体側の穴にピンを入れて組み立てていくのだが、引っかかりが非常に少ないので外れやすい。それこそ咳をしたらその風圧で外れてしまうほどだ。さらにスリット側にもピンを入れなければならないので、位置関係が非常に重要だ。

◆ バラしてみた絞りは羽根が9枚だったかな。その羽根に生えているピンを全て穴に入れ、スリットに入れるのは大変だった。自動機にしてみれば何でもない事だろうが、人間の作業としては難しかった。

◆ 絞りの羽根の位置を固定するような治具でもあれば簡単に組み立てられたと思う。1枚でもピンが外れていると、その板だけ他の板とは違った動きをするので、絞りを開け閉めした時に開口部がおかしな形になる。

◆ 穴側もスリット側もうまく嵌まったら、それが抜けないように可動部と固定部を押さえてネジを締める。引っかかりは0.1mmもないと思うので、少し余計な力が加わると外れてしまう。絞りなのだから普段は力など殆ど加わらないわけで、全体を薄く作るためには引っかかりも小さくしなければいけない。

◆ 板同士を過度に密着させると摺動抵抗や摩擦による摩耗が問題になり、密着させないと外れたり光が漏れやすくなったりする。レンズシャッターのカメラなどはシャッター板の状態によって、高速シャッターが切れなくなったりする。摺動抵抗が増えるとレンズシャッターの板が速く動けなくなるからだ。

◆ 絞りには円形絞りというものがある。
有限枚数の板を使いながら絞った時の開口部が円に近くなるように、板の面を加工したものだ。ただし全ての開口位置で円形になるわけではない。


スマートフォン(11/25)
◆ スマートフォンをヒットさせたのはAppleだ。iPhone3Gはソフトバンクが販売し、当時の価格は約2.3万円だった。それでも日本市場における従来型携帯電話に機能で遠く及ばず、全く売れる気配がなかった。しかしソフトバンクのゼロ円配りやキャッシュバックにより、徐々に売れはじめ、やがてブームになる。

◆ 孫さんはゼロ円だから売れる、こんなもの金を取って売ろうとするのが間違いだと言い放った。この信念の元?ブームになったあともゼロ円販売や高額キャッシュバックを続け、カネで加入者を買う作戦を継続した。

◆ Androidスマートフォンも発売されるのだが、あらゆる面でiPhoneには及ばなかった。画面のスムーズさ然りだし、そもそもOSの完成度も低かった。それでも国産スマートフォンはFelicaに対応したり防水対応になったりと、少なくともハードウエア面ではiPhoneを大きく凌いでいた。

◆ スマートフォンが実用的になってきたのは2013年とか2014年頃だと思う。iPhone3Gの発売から5年が経過し、iPhoneは5Sになっていた。この頃になると操作性も操作感もAndroidはiPhoneに追いつき、機能面では元々Androidの方が優れていたので、同じ土俵で競争が出来るようになったとも言える。

◆ ただしiPhoneはゼロ円以下でキャッシュバック付き、対するAndroidスマートフォンは高額とあって、iPhoneのシェアは高いまま安定していた。こうした販売方法によって日本でのiPhoneシェアは世界に類を見ないほど高くなっていたわけだが、これもAppleの一つの功績と見ても良いかもしれない。

◆ iPhone5の価格は5万円ちょっとで、4万円台だったiPhone4よりも値上げされた。これをタダで配り、更にキャッシュバックも行った。従来型携帯電話黎明期のような販売方法、当初はソフトバンクが行った訳だがやがてドコモやauにも伝線していく。

◆ 事業者を乗り換えればキャッシュバックにありつけるとあって、現在よりも流動性は高かったと思われる。総務省は価格競争を促進したい考えだが、それには物品価格で競わせた方が良いという見本のようなものだ。

◆ とは言っても第一次分離プランをソフトバンクにぶち壊された恨みを官僚は忘れなかった。ソフトバンク対策法を練り上げ、そして実行に移す。これによってソフトバンクは純減に陥るわけだが、既に孫さんは移動体通信事業に飽きていた。

◆ 一方でハードウエアとしてのスマートフォンは、統一性と継承で安定を見せるiOSに対して、迷走状態とも言えるAndroidはバージョン毎に仕様が変わるばかりか操作方法も変わっていった。これが落ち着きを見せるのはAndroid9くらいからなのだが、Android12ではまた操作性が変わっている。

◆ 仕様が安定しないのは、現在の仕様の完成度が低いからに他ならない。Google全体に言える事なのだが、システムをまとめる人材がいないのではないか。みんなが好き勝手に何かをやっているみたいな感じで、それをもはや誰も止める事が出来ないみたいな感じを受ける。


備蓄原油放出(11/24)
◆ 米国からの要請により、日本は備蓄原油の放出を行うのだとか。政府関係者はロイターの取材に対して「何らかの対応を検討せざるをえない」と語ったそうだ。本当は放出などしたくないけれど、米国がやれと言うから従わざるを得ないねと言うような感じだ。

◆ これで思い出すのが3.11の時の横浜市の対応だ。帰宅困難者などが市役所を訪れ、喉が渇いたから水が欲しいという。すると市の職員は、市で備蓄している飲食物は非常用のものであり、渡すことは出来ないと。

◆ 今のところ3.11の時以上の非常事態は無いのだが、横浜市は一体どんな時を非常時だと認識するのだろう。そして備蓄食料は消費期限が切れて廃棄されていく。これが正しい税金の使い方なのかどうか、おそらく民間人の殆どは疑問に思うだろうが職員の大部分は疑問と感じない。

◆ 日本の原油備蓄量は消費の半年分くらいだそうだ。毎月半分を放出すると1年くらいは原油輸入量を半分に減らせる。主要国が備蓄分を放出すると、需要が緩和されて価格が落ち着く可能性がある。それにはより多くの国がより多くの量を放出しなければならない。

◆ ただし備蓄はあくまでも蓄えであって、やがてそれは無くなってしまう。そうすれば再び需要が増えるので同じ事が起きる可能性はある。根本的には生産国が生産量を増やすかどうかなのだが、生産国にしても、単価が高く売れるならそれが良いと考える。

◆ 農作物だって同じ事で出荷調整をしながら価格を維持して行ければ、少ない労力で多くの収益を得ることが出来る。ただし自由なマーケットでは競争が起きるのでカルテルが結びにくい。

◆ 原油の場合は一応価格統制というか生産規模のコントロールを行っているのと、昨年は原油価格がものすごく安くなってしまっていた、その分を取り戻そうという動きもあるだろう。

◆ 確かに昨年の夏はガソリンが場所によっては100円前後まで下がり、灯油が70円くらいだった。原油価格の割にガソリン価格が下がらないのは、ガソリンにかかっている税額が大きいからだ。

◆ ガソリンなどに対して政府が補助金を出すみたいな話があったが、原油放出で価格が下がれば補助金は必要がなくなる。というか補助金を出すなら暫定税を廃止した方が余程簡単だ。

◆ 政府にしてみれば補助金を出すために関連会社に鐘を流すみたいな、一体誰のためにカネを出すのかという、これまで通りの図式が出来上がっている。ばらまき給付金にしたって現金でさっさと配れば良いものを、クーポンが良いとかポイントが良いとかと麻生のオッチャンも力説していた。現金を配るだけだと関連各社にカネが渡らない。

◆ 原油価格が上がるとEVだとか原発推進だとかと言われはじめる。原発は止めておいても金を食っている訳で、停止期間が一定以上になったらばらまいている金の額を抑制する法律でも作った方が良い。


視聴率より視聴者数(11/23)
◆ 先月だったか、またまたTV朝日系が問題を起こしていた。問題を起こしたというと、どの問題の事かと聞かれるほどの問題の多さである。最も最近の問題は大下容子のワイドスクランブルのヤラセだった。結局の所視聴率を取るためにはヤラセしかないという、最小の努力とコストで最大の効果を上げようとする結果だ。

◆ そんなTVの視聴時間は10代平均で69分(総務省の2019年のデータ、1日あたり、以下同)だった。60代になると260分も視聴している。高齢者向け番組を多くしなければいけない理由がそこにあり、高齢者番組を若者は観ない図式がここにある。

◆ TVも悲惨な状況だが、新聞はもっと壊滅的だ。60代では22.5分間新聞に接するのだが、10代では何と0.3分である。
年代が上がると新聞に接する時間も増えるのだが、40代でもやっと5分だというのだから新聞の意味はもはや無くなっていると言って良いだろう。

◆ AMラジオの終焉と言われるが、新聞に接する時間は全世代でラジオ聴取時間よりも少ない。時間ではなく行為者率で見ると、新聞購読は60代で57%になるのだが、10代では2.1%に留まる。
行為者率が上昇するのは50代からなので、時が経てば(今の50代が高齢化すれば)行為者率の全世代平均値は下がる。

◆ インターネット利用時間は20代が最も長く約178分、次が10代となっている。
60代でも約69分あるが、年々の増加率は大きい。TVの録画に関しては全世代で余り大きな差はなく、20分程度となっている。60分番組を週に2回くらい録画してそれを観る感じだろうか。

◆ TV視聴者数自体が減少する中にあって、録画率も減少する。娯楽の多角化と言ってしまえばそうかも知れないのだが、録画してまで観たい番組が少なくなった事や、インターネット経由での見逃し配信などで見たい時に観る習慣が出来上がっているとも言える。

◆ ヤラセや偏向報道などは従来から言われている事だが、それは中々改善されない。TV視聴者数の減少による収益減少を回避しようと、NHKの全世帯課金などはまさにNHK税という事になる。

◆ 休日はTV視聴者数が増加する。10代でも平日の69分から87分になる。家にいる時間が増えるので何となくTVを観る時間も増えるという事か。新聞に関しては逆に0.3分が0.1分に減少する。仕事などで必要な情報を得ようとする人も、休日には新聞は見ない訳だ。

◆ 10代と20代では特に休日のネット利用時間が増加する。学校や会社が休みなので、家でインターネットアクセスする率が増える。10代のラジオ聴取時間は休日に0.0分になる。平日は自宅以外のどこか、例えばそれは営業車の中かも知れないが、そうした仕事絡みでラジオを聴く人が、自宅にいるとラジオ受信機がないと言う事だろう。

◆ ラジオの場合は全世代で聴取者数が少ない事もあり、年代感のばらつきも少ない。
これは将来的に聴取者数が極端に減少する可能性が低いと言える。逆に新聞などは若い世代ほど接する時間が明確に短いのだから、その人たちの年齢が上がれば全世代で新聞接触率は下がる。

◆ ただニュースという点に於いてはインターネット経由で接するわけで、新聞という物理媒体が消滅しても新聞社は残る事になる。


振幅変調回路(11/22)
◆ アマチュア無線用のAM変調送信機の多くは終段コレクタ変調などが使われた。パワーアンプをC級動作させ、コレクタ電圧に変調信号を重畳する事で振幅変調を行う。

◆ これならドライバ段も終段もC級アンプが使える事になり、電力利用効率が良くなる。元々トランジスタは余りリニアリティが良くなかったので、終段以外で変調をかけるのは現実的ではなかった。

◆ もっともSSB送信機などでは平衡変調器がハイパワーでは動作しないため、変調信号をリニアアンプで所定の出力に増幅した。ただしAM変調時にはバックオフが6dB必要なので、10Wの送信機ではAM変調時に2.5W程度しか出力を出せない。

◆ コレクタ変調なのだから、コレクタに印加する電圧に応じて出力電力がリニアに変化しなければならない。しかし、そもそもコレクタ電圧を変化させるのだから出力パラメタも変化し、マッチングも何もなくなってしまう。

◆ 実は真空管式のPAの場合はプレート電圧と高周波出力がそこそこ比例する領域があり、さらにスクリーングリッドの電圧も変調信号に応じて変化などさせると、そこそこリニアリティが良い変調波が得られた。

◆ 所がトランジスタの場合はそうは行かなかった。そこでトランジスタベースにも変調信号を加えたり、前段のコレクタにも変調信号を加えるなどした。終段コレクタ変調が上手く動作するためには、電圧-出力電力のアイニアリティが必要なのだ。

◆ トランジスタ式のリニアアンプにしてもリニアリティは酷いものだったし、電波法に対しておおらかな時代というか何というか、今では電波法や道徳?的に中々使えない。

◆ コレクタ変調にしても、電圧に対する出力変化がリニアなデバイスを使うとか、プリディストーション的にトランジスタのノンリニア部分をディジタル処理で音声加工してしまうなどすれば、実用的な変調が行える。

◆ コレクタ電圧調整にしても、変調トランスなどは使わずにPWMというかΣΔ変調器を使って行えば、よりリニアリティは良くなる。ただしPWMのクロック周波数も一緒に変調されてしまうので、この点はフィルタなどが必要だ。

◆ 現在の技術であれば、終段コレクタ変調はさほど難しいものではない。ただ昭和の時代に於いては高性能なトランジスタもなかったし、ましてやディジタル音声処理なんて想像も出来なかっただろう。

◆ メーカは忘れてしまったのだが、車載用のHF帯のSSBトランシーバを発売した新興メーカがあった。リニアアンプ部はリニアリティを稼ぐために24Vを印加していた。その為に24Vを作るDC-DCコンバータが内蔵されていた。

◆ 今であればFETでアンプを作るのが普通な感じだが、当時は良いトランジスタがなかったのだろう。HF帯のトランシーバと言えばハイパワーが当たり前みたいな感じで、そうした点でもトランジスタは使いにくかったと言える。

◆ ちなみにSSBトランシーバでAM変調を行うには、平衡変調器のバランスを崩す手法だった。HF帯用のSSBトランシーバでAM変調が使われる事は殆ど無く、違法CB用途として生き残った機能みたいな感じだ。


商売人系配信者の末路(2)(11/21)
◆ O氏は石けんを自作してそれも売っていた。O氏が言うには、欲しいというユーザがいたから売った、雑貨として販売すれば法に触れないと言っていた。原価が安く高く売れた石けんに続き、ハンドクリームやリップクリームも製造販売したそうだ。これも当初から違法ではないかとの声が挙がっていたのだが、雑貨なら問題はないと繰り返していた。

◆ O氏はこれらのグッズを路上でも販売していたが、路上販売は許可が必要だ。
そこでO氏は、これは販売ではなくタダで配っている、タダで配ったらたまたま支援金を寄付されただけだと言い張った。以前にも書いたが、この理屈が通れば白タクでも何でも合法になってしまう。

◆ 石けんに関しても同様の理屈で売っていた。だったら医薬品も雑貨にすれば売れるのかという話になる。とにかく売ってカネに出来るものは金にするという信念の元で石けんを売りさばいた。

◆ しかし実際には医薬品医療機器等法違反に問われる事が分かり、回収騒ぎになった。あの時の威勢の良さはどうなったのかと思うほどの変わりようなのだが、まあ自分でも屁理屈が屁理屈でしかない事は分かっていたのだろう。捕まらなければ合法、捕まったらその時考えればいいやと。

◆ 健康被害が出たのかどうかは分からないが、ハイリスクな商売に手を染めてしまった結果の回収劇である。もっとも本当に回収しているのか、ポーズだけを見せているのかなどは分からない。

◆ 回収と言ったって、使ったものは回収しませんとか、使った残量によって返金額が違いますとか、回収には面倒な手続きがいるけど良いですかとか、それが嫌なら一筆書いてくださいとか、嫌がらせにも似た事が行われていると言っている配信者もいた。

◆ 回収すれば金が出て行くわけで、合法的に回収しなくて良い道を探れば支出は少なくなる。これが商売人の魂というヤツだ。

◆ O氏の言い分はいつも同じで、リスナーが希望したからとか、リスナーがこう言ったから従ったという。I氏も言っているが、都合の悪い事は全てリスナーのせいにするというのがO氏なのだそうだ。

◆ こうした反省を元に、配信で稼ぐのではなく働くと言っていた事もあった。しかし何だかんだと理由を付けて働かない。これはY氏の真似だと思われる。Y氏も働く働く働くと言いながら、実際には就職活動すらしていないみたいな日々だった。そんなY氏を批判していたO氏だが、自分がその立場になればやる事は同じだというのが何とも配信者なのである。

◆ 他に民事で訴えられて400万円以上の支払いを命じられたとの話もあるし、件のトゥクトゥクを騙して?売った話もある。
中古車屋の査定がいくらだからと、購入希望者にLINEで金額を書き、早くしないと他の欲しいという人に売ってしまうぞと急かした。

◆ その買った人が、トゥクトゥクの余りの状態の悪さにO氏に電話をすると、LINEにそんな事は書いていない、ディーラに勤めていた人に査定額を聞いただけだと言い始めた。

◆ O氏が特別悪人かというと何とも言えない。TJを名乗る配信者はspam発送で捕まっているし、老人を騙してカネを巻き上げ詐欺罪で捕まった配信者もいる。


商売人系配信者の末路(11/20)
◆ LIVE配信者の話題である。埼玉県の川越から配信しているO氏がいる。以前にトゥクトゥクで日本一周をしたという話を書いた事があるので、覚えている方が居るかも知れない。

◆ この配信者はいわゆる商売人系で、カネを稼ぐために配信をしている。しかし今は余り配信をしていないのかな。古くからの配信者であるI氏によれば、度重なる金銭的トラブルによって評判が悪くなり、配信で金が稼げなくなった。金の稼げない配信ならやらないと言う事で配信を中止しているとの事だ。

◆ 事の経緯は以前に触れたY氏と似ている。それまで余り金を稼げなかったO氏なのだが、企画配信やイベントなどでカネが入るようになった。I氏などは配信の結果が面白かったら投げ銭を頂戴ねと言うのだが、O氏は逆だった。こういう企画をやるからカネをくれと、先にカネを集める。

◆ 代表的企画としては会場を借りて行うイベントや、カンボジアに行って何かを作る的な企画だった。カンボジア企画用に集めたカネはカンボジアに使う、NPOのように訳の分からないカネの使い方はしないと豪語していた。しかしふとした事から、集めたカネをカンボジア以外に流用した事がバレた。

◆ 当初は明細は公開しない、リスナーが公開しろと言っていない、公開しろというのはカネを払っていない人だけだと逃げていた。だが福祉関連施設の代表がO氏に質問した事で悪事がバレてしまった。

◆ 福利関連団体の代表は、自分のカンボジアに対して寄付を行いたいと申し出た。ついてはカンボジアのどこに寄付をしているのかと問うたそうだ。しかしO氏は(寄付などしていなので)答えられなかった。

◆ 一時はカネをプールしている、まとめて孤児院に寄付をするつもりだと開き直ったものの、その後カネは全部使ってしまったとなったらしい。ボランティアだ寄付だと言えば容易にカネが集まる。いわゆる寄付ビジネスのようなもので、面白いようにカネが集まったのだろう。

◆ しかもその流用した金額が600万円と多かったという事で、更に批判された。同時にカンボジアの子供の写真を無断で公開したり、これを売って商売にするなどした事も問題視された。せっかくカンボジアに行ったのだから徹底的にカネにするという、商売人根性としてはたいしたものだ。

◆ O氏は写真展も開いていたようで、5〜6枚の写真を飾って入場料を取り、グッズの販売などもしていたという。これもカンボジアのためだと言い、リスナーのみならず一般人からもカネを集めたと言われる。

◆ イベントにしても当初は無料での配信だったそうだが、その後は有料になったのかな。カネの臭いに非常に敏感なO氏なのだ。イベントに参加した人に言わせると、配信中は清く正しくみたいな事を言っているものの、配信が終われば吸い殻のポイ捨てなどは日常茶飯事だったという。

◆ 金集め系配信者としてはTFK氏がいるのだが、その人にも散々叩かれていた。TFK氏はカネは集めたいが人気が無いので閲覧数が上がらない。そこで他人のネタで閲覧数を稼ごうとする。少し前には以前に書いたY氏の話題で、その後はO氏の話題で閲覧数を稼いだそうだ。


Pepper君は何故売れなかったか(11/19)
◆ 一代限りで終わってしまうPepper君、ソフトバンクはPepper君を開発したロボット事業会社(アルデバラン)を売却するのだそうだ。リースバック品が山積みとなり、嫁ぎ先もないまま解体されていくPepper君に罪はないのだが、面白味が足りないのは事実だった。

◆ 当時既に音声認識技術はかなりのレベルになっていて、siriだってまともに使えていた。しかしPepper君は人間の言葉を余り理解しなかったし、その言葉を元にしたアクションにも限界があった。

◆ ソフトバンクは通信契約を結ばないとPepper君は使えないよと言ったのだが、だったらセンター側で音声解析を動かせば良かったのに。感情認識技術が云々と宣伝されていたのだが、感情より先に言葉を解析して貰わないと役に立たない。

◆ Pepper君はプログラム通りに動く機械であり、判断などは出来ない。多少の命令は理解するが、実行できないことが多かった。回転寿司チェーンのはま寿司に見るPepper君の役目は、いらっしゃいませと言って予約券を発行する程度だった。

◆ いや、Pepper君にはプリンタが付いていないので、他の機械にプリントアウトを任せた。現在は予約の受付から予約券の発行までを1台の機械が行っている。Pepper君のように暴走して停止してしまう事もなく、安定に動作している。

◆ 汎用のPepper君に専用のプログラムを入れたとしても、専用機のようには動かなかったのだ。こうした事からはま寿司はクビになり、ソフトバンクの倉庫に戻されたのである。

◆ 様々な企業や店舗で使われていたPepper君だが、どこでも同じような感じだった。
多少言葉を理解するそぶりを見せるプログラムが入力されていたとしても、結局は宣伝を独り言のように言い続けるくらいしか出来なかった。

◆ 取り扱いにも細心の注意が必要だった。運送業者はソフトバンクの指定する所である必要があった。まあ、放っておいても暴走して停止してしまう位なので、物理的衝撃には弱かったのかも知れない。だからといって繊細なセンシング機能などがあったわけではなく、蹴飛ばしても反応はしない。

◆ ソフトバンク的には(売り先の問題もあっただろうが)長く持っていた方だ。世界中の機械にソフトバンクの技術が入ると唾を飛ばして演説した孫さん、しかしそのARM買収劇は4年後の売却にて終了となった。ロボット事業でもそうだが、ARMに関してもものすごい気の入れようを伺わせるような演説をしたわけだが、所詮は投資先の一つに過ぎない。

◆ 投資家は簡単な言葉で騙されてしまうわけだが、非投資家においては孫さんが力を入れている投資先は危ないなどとも言う。危ない投資先だからこそ力を込めて演説し、企業価値を高く見せかけて売り払うというのがソフトバンク流だからだ。

◆ ARMをNVIDIAに売ってNVIDIAの株を手に入れた孫さんは、モバイルネットワークの仮想化システムにNVIDIAのGPUを使うなどと言い始めている。ソフトバンクは3〜4年前にNVIDIAに投資したものの、株価はどんどん下がってしまい、ソフトバンクは株を売り払った経緯がある。この時の損失約11億ドルの恨みは今も忘れていないぞって所かな。


修理する権利(11/18)
◆ 自動車やスマートフォンを自分で修理する権利は認められるのか。と言う話は何度か書いている。自動車にしてもEVなどでは、素人が触る事に危険性を盾に、ボンネットすら開かせない自動車がある。

◆ 内燃機関動力車の場合は油脂類などの定期交換が必要だったが、EVとなると消耗品が少ない。ウォッシャ液などはボンネットを開けずに補充の出来る仕組みが用意される。ブレーキオイルなどはディーラで見て貰えと言う事か。

◆ 現場でボンネット開閉がどの程度管理されているのかは不明だが、勝手にボンネットを開けたから補償しないよみたいな事になる可能性もある。
テスラなどは既にこれに近い状態であり、テスラ車は一般の自動車工場では整備が許されていない。

◆ ディーラが日本全国にあり、休日でも何でも見てくれるなら良い。しかし実際はそうではなく、困った時には街の修理屋さんに駆け込みたくなるだろう。修理屋さんが一目見れば分かる故障だったとしても、修理屋さんに修理が許されていなければ安易には触れない。

◆ スマートフォンではiPhone13の話題があった。ディスプレイを交換するとFaceIDが動作しなくなると言うもの。どうしてディスプレイと顔認証がリンクしているのかは不明だ。FIX ITの記事には以下のように書かれている。

◆ Face ID workseven when we disconnectedthe front sensor assembly. However, any display replacement knocks out Face ID. We tried transferring the sensors from theold display and porting over the Face ID hardware, but no dice. It looks like the display is serial-locked to the phone.TL;DR: Unless Apple revises this behaviorin software, screen replacements outside Apple's authorized repair lose all Face IDfunctionality.
◆ Appleのソフトウエアによって修正すれば再び使えるようになるそうだ。裏技的にはディスプレイモジュールに実装されたデバイスを新たなディスプレイに移植すれば良い。画面が割れたらAppleに修理を頼むか、或いは顔認証を諦めろと言う事になる。

◆ ディスプレイ交換は修理の中では多い方だと思われ、これを独占することによる売上増はかなりのものになる。そこでディスプレイにセキュリティデバイスを貼り付けたと言うことか。

◆ 自動車にしてもスマートフォンにしても、修理をどこまで許すのかは難しい。スマートフォンに関しては、安価な中華バッテリーに交換したら火を噴いたみたいな話もある。しかし現実的に交換用のバッテリーは中国製であり、それ以外は入手が難しい。

◆ Xperia1 IIIなどは端子電圧の高いLi-ionバッテリー(コバルト系?)が使われており、果たして同じ電圧のリプレイス用バッテリーが出てくるのかどうか。通常のマンガン系などを使えば、過電圧ですぐに壊れてしまうし危険でもある。

◆ こうしたリスクを考えると素人による消耗品交換は危ないとなるのだが、一方でメーカ修理は時間とカネがかかる。修理代は諦めて払うとしても修理に何週間もかかるのは我慢できないだろう。自動車修理同様に街の修理屋さんに持っていけばほんの30分で直るものが、メーカ修理では時間がかかる。


ガラスの紫外線透過率(11/17)
◆ 基本的にガラスは紫外線を通しにくいのだが、一般的な窓ガラスとして使われているソーダガラスのUV-Aの透過率は60%程度だそうだ。私はもっと透過率が低いと思っていた。と言うのも、紫外線灯などは石英ガラスが使われていて、これだと90%(ガラス自体の透過率にほぼ等しい)の紫外線を通す。

◆ 以前に少し書いたが、紫外線によって床などが色あせるのが少々気になっている。山の中は紫外線が強いのだろうか。少し調べてみると標高が1000m上がると紫外線量が13%強くなると言うものがあった。

◆ 床の変色を気にしてからはレースのカーテンを引くようにしているのだが、カーテンによる紫外線のカット率は3割程度らしい。するとガラス窓と合わせての透過率は40%位となる。

◆ 普通のカーテンではなくUVカットカーテンだと、紫外線透過率は数パーセントに減る。多くのカーテンはUVカットが謳われているわけだが、果たして遮断率はどの程度なのか。いくつかのカーテンの紫外線透過率を実測したページがあった。

◆ 紫外線強度測定器の検出波長がどうなっているのかだが、多くはUV-A/UV-Bには反応するがUV-Cには反応しない。短波長のUV-Cはそれ用の測定器が必要になる。殺菌灯などを光源に使ってUV透過率を測る場合は、UV-Cレンジの波長になる。UV-Cは地表には余り届かないので、通常余り気にすることはない。パッシブ型、つまり反応塗料の色変化で見るタイプのものはUV-Bにしか反応しないものが多い。またパッシブ型は経年劣化があり、古くなると反応しなくなってしまう。

◆ 遮光フィルムの計測などに使われる測定器は、光源と受光器でサンプルを挟んで計測する。自動車用フィルムなどを測るのにLS110hなどが使用される。ちなみにワンボックスカーや軽自動車(ジムニーも)に使われる可視光透過率の低いガラス、トヨタだとプライバシーガラスと呼ぶのかな、これは可視光透過率は下がるのだが紫外線透過率や赤外線透過率は透明なガラスと殆ど差が無い。

◆ 勿論可視光透過率が下がれば冷房能力の節約にはなるのだが、せっかく暗くするのだから赤外線や紫外線透過率がもっと下がれば良いのに。と言うと、見えない機能はカネにならないんだよと言われてしまいそうだ。

◆ ガラスに貼るUVカットフィルムなどのUVカット製品もあるが、可視光透過率が下がる。また赤外線吸収も行うものが多いので、真夏にはガラス温度が上がる。
ガラスは温度上昇で割れる場合があるので、フィルムを貼る場合は注意しなければならない。

◆ フィルムは粘着性接着剤の付いたものもあれば、スマートフォン用の保護フィルムのように吸着型のものもある。窓ガラスの破損時の飛散防止にフィルムを貼る場合もあるが、フィルムを貼ることによって飛散防止は出来るものの強度自体は下がる場合がある。

◆ これはテープなどを貼った場合も同じなのだが、ガラスの反りが均一でなくなるために応力が集中して割れてしまう。窓ガラス用板ガラスは結構反っても割れないようになっていて、それを無理に防ごうとすると一気に割れてしまうのだとか。


可変抵抗器の信頼性(11/16)
◆ 可変抵抗器はカーボンなどが塗布されたパーツの上にリン青銅などのバネ材のスライダーが動く仕組みだ。こうした民生用の可変抵抗器は、長期間使わない状態でいるとカーボンの上にゴミが付着して接触不良になる。

◆ 接触不良になったら、可変抵抗器のつまみを何度も何度も回せば、摺動によってゴミが取り去られて復活する。音量可変用のものなどだと、それを動かしたときにガリガリと音がする事から、ボリューム→ガリオームなどと呼んだりする。

◆ と言う事を思ったのはこちらの記事を見たからだ。安定化電源の電圧可変用VRが接触不良になったら、電圧が上がってしまう危険があるという記事である。

◆ 私がまず最初に思ったのは可変抵抗器の位置である。VR1を可変抵抗ではなく固定抵抗にして、R2を可変抵抗にすれば良い。或いは可変抵抗のスライダーに相当する端子をQ1のベースに接続すれば良い。

◆ 可変抵抗器の信頼性はさほど低いものではなく、余程の長期間保存しておく事をしない限り接触不良にはならない。
可変抵抗器の信頼性を云々すると、じゃあ(それより寿命の短い)電解コンデンサはどうなのよとなってしまう。

◆ 確かに固定抵抗に比較すると故障率は50倍とか100倍になるのだが、それでもMTBFとしては10の8乗時間くらいある。高信頼性を望むのであれば、巻き線抵抗タイプや密閉型のサーメットタイプを選べば良い。

◆ 回路による工夫も大切だが、部品の故障を恐れるならば部品自体の信頼性を上げるべきだと私は思う。そもそも可変抵抗器には直流は流すなみたいな事も言われるわけで、直流を流すと摺動部のカーボンが傷んだりするのかも知れない。

◆ 記事中でも「それってめったに起こることでは無い気がしますが」と書いているように、予め不良になった可変抵抗器でも使わない限り、遭遇しないと思う。まあ、この辺りは設計のポリシーみたいな所なので、何を重視するかはその人次第だ。

◆ むしろ電流制限を入れた方が使いやすいのかななんて思ったりした。私は未知の機器を動かすときには、安定化電源の出力電流をかなり絞っておく。当然機器を接続すると電圧がドロップ(CC制御になる)する訳で、そこから供給電流を少しずつ上げて行く。

◆ もしもその機器が消費する電流(の想定値)よりも消費電流が多そうなら、その機器は正常では無い可能性があると判断する。いきなり定格電圧をかけると過大電流が流れ、壊れなくても良い部分まで破壊してしまう事があるからだ。

◆ 安定化電源に関しては以前にも書いたが、出力側にコンデンサの入っているものは電流制限が怪しくなる。電流制限の仕組みのレスポンスが凄く良くないと、出力側のコンデンサに蓄えられた電荷が、出力電流の設定値にかかわらず負荷に流れる。

◆ KENWOODの実験用定電圧電源はコンデンサが大きめで、出力電流を1mA程度に設定していてもLEDを接続するとLEDは一瞬光ってそのまま壊れる。アジレントや菊水の電源ならそんな事は起きない。そもそもシリーズパスの電源なら、出力側のコンデンサを殆ど必要としない設計が出来る。


OMRON体組成計PC版ソフト(2)(11/15)
◆ HHX-IT4をPCに接続する。特にドライバなどは必要としない。次にダウンロードしたソフト、ウエルネスリンク機器専用測定記録取り込みソフトウエアという長ったらしい名称のを起動する。ソフトを起動すると対象機器にHHX-IT4を近づけろと表示されるので、その通りにすると設定が完了する。設定と言うほどの事はないが、この辺りは後日blogNにまとめる。

◆ 設定というか使用可能にする操作は、機器設定も含めてドコモのわたしムーヴよりも余程簡単だ。どうしてドコモの作るソフトはダメなのかと、毎回の事ながら不思議に思う。ここまでダメなソフトを作り上げるには、ダメさ加減を増すために相当な努力が必要だ。普通の人が普通に仕様書を書けば、こんなダメなソフトは出来上がらない。

◆ PCにUSB接続されたNFCリーダを体組成計に近づける、いや、体組成計をPCの近くに運んできてNFCリーダをそこに乗せるという、何とも滑稽な行動が必要になるわけだが、データの取り込みが可能な事は分かった。

◆ ではなぜOMRONはこのソフトの公開を中止したのか。型落ちモデルの割引販売などを行うくらいなら、HHX-IT4を配った方が余程マシではないか。このソフトの取説には過去のデータの取り込みが云々とあるが、ソフトのメニューにそれっぽいものはない。

◆ もう少し踏み込むなら、このWindows版ソフトのスマートフォン版を作ればいい話だ。だがドコモのクラウドサービスを介さずに動作するアプリの提供禁止か何かが、契約に盛り込まれているのかも知れない。

◆ 利用者の事を考えないという点でOMRONも相当悪いが、ドコモには悪の歴史がある。勝手にサービスを中止して救済策を講じないというのは、ドコモが得意とする所だ。OMRONが、未だ利用しているユーザがいるのでスタンドアロン版アプリを提供させてくださいと言っても、契約変更は出来ません、ハイ終わりみたいな事を言うのがドコモだ。

◆ ドコモのサービスが終わると、ドコモが売っていたリストバンドなども使い道がなくなるのだろうか。リストバンドはドコモでは販売を終了しているが、市場在庫は1.5万円ほどで売られていたりする。なおウエルネスリンク体組成計は千円くらいで売られているが、一方では未だに定価近くで売っている所もあるのでご注意を。

◆ 体組成計ではなく血圧計のデータも取り込んでみた。HHX-IT4を血圧計に当てておかなければならないのがちょっとダルいが、データは正常に取り込めた。HHX-IT4を当てておくのがダルいのは、取り込み速度が遅いのか?結構時間がかかるからだ。体組成計の場合は上面がフラットなので、HHX-IT4をひっくり返して乗せておけば良いのだが、血圧計は筐体が斜めになっているため押さえていないと落ちてしまう。

◆ HHX-IT4でマイナンバーカードが読めるかどうか、対応機器には成っていないが一応やってみた。JPKI利用者ソフトを起動してみるが、残念ながら動作しないよとのダイアログが出るだけだった。HHX-IT4にはNFC-Fと書かれているので、Felicaのみに対応したリーダライターなのだろう。


OMRON体組成計PC版ソフト(1)(11/14)
◆ OMRONの健康管理機器の対応アプリが続々とサービスを終了する。この代替としてPC用のアプリが案内されたのだが、3ヶ月後には提供が中止された。案内ページも消失(404)している。

◆ しかし案内ページがなくなっただけで、ソフトウエアのダウンロードは可能だった。ダウンロードページ自体が検索出来たので、そこからソフトをダウンロードした。ソフトはWindows10で起動させる事が出来た。

◆ 体組成計や血圧計とインタフェースさせるためには、PCにNFCリーダを接続しなければいけない。対応するのはHHX-IT3かHHX-IT4である。これがマイナンバーカードリーダに使えれば良いのだが、対応機種にはなっていない。

◆ 逆にスマートフォンをインタフェースとして使えればもっと便利だ。健康管理機器のそばに、いや逆だな、PCの側まで体重計を運んできて、PCにUSB接続されたNFCリーダを近づけるなんて面倒だ。スマートフォンが使えれば、スマートフォンとPCをBluetooth接続しておき、体重計にスマートフォンを近づければ良い。
と思ったが、これは出来ないようだ。

◆ 今回は実験の意味もありNFC対応体組成計(HBF-215F)とPCの接続にトライしてみるが、実用的かと言えば何とも言えない。体重計は脱衣所などに置いておくのが一般的で、そこにはPCは置かないだろう。

◆ 浴室でスマートフォンを使う人もいるという事なので、脱衣所にスマートフォンを持ち込むのは不思議ではないとして、PCは持ち込まないよなぁ。と言う事でこの方法は現実的な利用を想定したものではないと言える。体組成計ではなく、ねむり計とか血圧計であれば、PCの近くに運ぶ事はさほど面倒ではない。

◆ HHX-IT4は2千円前後、しかし高く売っている店だと5千円を超えていたりするので注意が必要だ。ソフトをインストールして、このUSB-NFCアダプタを接続すると健康管理機器からのデータが取り込めるようになる。

◆ なお従来のわたしムーヴやPC用のUSB通信ソフトとの同時利用は出来ないよと注意書が出る。基本的にこのソフトはスタンドアロンで動作するわけで、OMRON側の都合にかかわらず使用し続ける事が出来るはずだ。

◆ 利用者無視と言われてOMRONは評価を落としたが、OMRONはサポートが劣悪な企業として有名でもある。サポートコストがかかるとか何とかで、現時点に於いてもOKWAVEに聞けと言っている。保証期間内の修理でも有償になったり、新品交換に1ヶ月を要したりと悪評は多い。

◆ 実はへっぽこネット系銀行が、何年か前に同じような事をやっていた。楽天銀行だったかなぁ、忘れたけど。そうしたら銀行専用の質問コーナだと思って、個人名や口座番号を書く人が続出したという。
まあ、当たり前と言えば当たり前だ。だって銀行の正式ページに、質問はこちらへと書かれているのだから。まあ、そんな事もあってへっぽこ銀行はOKWAVEへのリンクを外す事になった。そのOKWAVE自体も株式会社オウケイウェイヴから株式会社PRAZNAに売られていったんだっけ。


薪の価格は原価の10倍(11/13)
◆ 以前に薪を売っている人の話を書いた。間伐材などを貰ってきてそれを切ったり割ったりして販売する。間伐材は値が付かない程度の価格というか、勝手に持っていって良いよと言うようなものらしい。

◆ では間伐材ではない、ちゃんとした?木を買うとどうなるのか。杉やヒノキは薪に適していないそうだが、だいたい樹齢30年から50年の杉やヒノキが1万円位なのだそうだ。これを薪として売ると50万円以上になると言っていたので、原価率は2%位だ。

◆ 堅い木は杉やヒノキのように、まとまった大きなものは入手しづらいそうだ。曲がっていたり細い枝があったりで、加工の手間がかかる。ただ薪としては、堅い木は燃焼時間が長いので価値があるのだとか。

◆ 木を切ったり割ったり(機械で割る)乾かしたり(自然乾燥か乾燥室)する手間だとか機械の燃料費などが必要なので、粗利がそのまま儲けと言う事ではない。薪売りの人もいきなり儲けたわけではないらしいが、薪御殿と言われる家が建つくらいだから凄い。

◆ 先日もローカルニュースで木こりが不足していると言っていた。手入れがされないまま放置された山の木を切り、生長が早く花粉の余り出ない品種の杉やヒノキを植林していくのだそうだ。

◆ 新しい品種の開発も行われていて、花粉などの飛散量を減らしながら木材としての品質を高める事で、木材自給率を上げたいという。現在の木材自給率は3割くらいと言ったかな。

◆ 国内の木材価格は年々下がっていたそうだが、コロナの影響なのか海外の木材価格が高騰した事で、国内の木材が見直されていると報じていた。
木材価格が上がればきこりの報酬も上がるわけだが、その木こりがいない。

◆ 林業関係の専門学校もあるようで、植林から木材の加工まで学ぶという。ただし生徒数は年々減少していて、いわゆる家を継ぐ以外の学生は見られないそうだ。

◆ 農業にしても林業にしても、自給率を上げる為には必要な業種だ。半導体の国内製造云々でTSMCを誘致するらしいが、農業や林業政策も考えていく必要がある。個人農家などを守ると言う事で大規模農家を制限しているが、もはやスケールメリットなくして競争には勝てない。

◆ 何故山を切り崩してメガソーラが作れるのに、広大な農地が作れないのか。わずかな金をばらまきながら生かさず殺さず的に田畑を維持させるのも、もはや限界ではないのか。労力低減や経営の効率化を行わなければ農業や林業の明日は見えてこない。

◆ レタスなど航空運賃を使ってでも輸入した方が安いというのだから、日本の農業のあり方が間違っているだろう。今年は燃料価格が高騰しているので、温室栽培野菜の原価は上がる。日本の場合は景気が悪いので人件費は安いのだが、エネルギコストだとか税金が高いので競争力が無い。

◆ 燃料調整費とかで電気代も上がっている。電気代には再エネ割賦金だっけ、それも加算される。再エネ割賦金を入れると、今年の電気代上昇率は2割にも迫るとか何とか。


OMRONが見捨てる体重計(11/12)
◆ 以前にも少し書いたがOMRONの体重計や血圧計などのソフトウエアサポートが終了する。体組成計によってはソフトウエアのサポート終了と共に、体組成計として機能しなくなるものもある。

◆ 2015年頃に販売されていたOMRONの健康管理機器は、NFCインタフェースを備えていた。スマートフォンにOMRONのアプリを入れれば、健康管理機器のデータを非接触で読み出す事が出来、管理が可能だった。

◆ しかしOMRONは2017年にアプリの対応終了を発表した。元々アプリがスタンドアロンで動作すれば全く問題はなかったのだが、ユーザの健康情報が欲しかったのか、ドコモの存在意義を示したかったのか?サーバ管理方法を採った。そしてアプリの廃止、ドコモは法人向けのサービスも切り捨てるとした。

◆ OMRONはBluetooth対応の健康管理機器を特価で販売するから買い換えてねと言うのだが、対象機器はかなり古いものであり既に市場からは消えている。まあ、在庫処分的に安価販売しますよみたいなものか。

◆ スマートフォン用のアプリの提供停止に伴い、PCでの管理ソフトの提供が開始された。スマートフォンのアプリと異なり、スタンドアロンで動きますよみたいな、しかし専用のNFCリーダを買ってねと言う話だった。しかしこのWindows用のソフトも、提供開始3ヶ月で終了する事になる。NFCインタフェースを買った人は悲劇だったとしか言いようがない。(※詳細別途記述予定)
◆ ウチにはNFCインタフェース対応の血圧計体組成計があるが、現時点で使えるのはドコモのわたしムーヴアプリだ。
だがこれも来年にはサービスが終了する。わたしムーヴアプリは今まで使った事がなかったのだが、中々癖のある、ドコモだなと思わせるような出来の悪いアプリだ。

◆ この手の管理アプリを一度使うと、Excelに手入力で管理など面倒でやっていられない。わたしムーヴのサービス終了後はどうしようかなと考えている。中華体重計ならBluetooth対応のものが2千円くらいで買える。ただし体脂肪率などは適当、体重の測定誤差も±0.5kg程にもなる。

◆ Bluetoothインタフェースのものは、総じて測定値の取り込みの時に体組成計やスマートフォンの電源を入れなければならない。これに対してNFCやWi-Fi対応版は勝手に通信してくれる。Wi-Fi対応版はELECOMが販売している。ただし管理アプリがオリジナルで、GoogleFitなどにはインタフェース出来ない。オリジナルアプリという事はOMRONと同じ目に遭う可能性がある。OMRONよりELECOMの方が(こうした点では)信頼性は高そうだが、どうだろうか。

◆ ELECOMの取説によると、データ管理はクラウドサーバによって行うとされている。しかし端末(スマートフォン)に直接通信する経路も書かれている。スタンドアロンで動くのであれば良いのだが、クラウド管理となればOMRIONの二の舞だ。

◆ この点中華体重計はGoogleやAppleなどの管理アプリとインタフェースが出来るので安心出来る。ELECOMに聞いてみようと思ったのだが、質問はOKWAVEで聞けとの事だ。アプリはスタンドアロンで動きますかと質問すると、TANITAの体重計を買った方が良いですよと回答が来るような狂った場所でしょ、あそこは。


日本では有名?ASUS(11/11)
◆ ASUSと言えばPC関連パーツで有名だった訳だが、今ではスマートフォンメーカと言った方が通じるかも知れない。PCパーツメーカとしてASUSを知る人はエイサス(エーサス)とかエイスス(エースス)と呼ぶ人が多かったと思う。これは英語読みをそのまま日本に持ってきたものだ。

◆ ASUSの日本法人が出来ると、その法人名がアスース・ジャパン株式会社だった事から、アスースと呼ぶ人が増えたと言える。少なくとも法人名がそうなのだから、それに異論を挟む余地はない。

◆ しかしスマートフォンの発売と共に、ASUSはいったい何と読むのかと言われるようになったそうで、ASUS自身が呼び名を決めることになった。え?じゃあ日本法人はどうなっちゃうの?
◆ 結局日本でも海外でもエイスースに統一された。カタカナで書くとエイスースだけれど、発音的には長音記号が不要な、エイスス(エイサス)に近いと思われる。ただそれを日本語、カタカナで表記しようとすると難しいのだろう。

◆ 日本人的にAをエイと読むのは一般的ではなくアと読みたくなる人が多いそうだ。その点からするとアススとかアスースになってしまう。中々浸透しない呼び方に対して、ASUSはASUSの読みを着信音にしてスマートフォンに内蔵しているらしい。

◆ 中国製スマートフォンが未だ少なかった頃、ASUSのスマートフォンを見かける機会は多かった。今では少しハイエンドよりにシフトしたというかROG Phoneのイメージがあるからか。もっとも数年前にも、メモリ搭載量を増やしてきたのはASUSだった。

◆ 日本メーカのスマートフォンがメモリ搭載量に余り目を向けなかった頃、ASUSはメモリの重要性を示したと言える。今でこそハイエンドスマートフォンのメモリ搭載量は多くなったが、当時は少ないものだった。CPUの高速性は宣伝文句になるが、メモリ搭載量は付加価値にならないと思われていたのだ。

◆ ROG Phoneは18GBのメモリを搭載している。いわゆるゲーミングスマホの分野を切り開いたのもASUSかも知れない。価格競争で中国製に勝てないのは他のメーカも同様で、どこに特徴を出すのかが勝負になる。ブランド力を高められる魅力的ハイエンドを作り、一方でお手頃価格のミッドレンジを売る的な商売になっている。

◆ SAMSUNGも低価格版GALAXYでシェアを回復したと言われる。SONYのミッドレンジがどの程度売れているのか分からないが、考え方としては同様なのかも知れない。

◆ フラグシップが高額になるのはSoCが高いからだとも言える。ただ2年もするとミッドレンジのSoCが2年前のハイエンドに近い性能で安価に供給されはじめる。今はミッドレンジのSoCでも処理能力的には十分な余裕があり、それこそゲームをバリバリプレイする用途以外であれば、性能的な不満を感じることもない。

◆ Zenfone8など数字の付いているシリーズはハイエンドだが、MAXなどはミッドレンジになるのかな。価格的にも買いやすい所になっている。Zenfone6や7なども売られているようで、1年或いは2年前にモデルだと実売価格も安くなっている。


車内販売と人件費(11/10)
◆ 欧州では高速列車は運転効率が悪く、多くの電力を消費し炭酸ガスを排出するとして避けられる傾向がある。鉄道各社は従来型の列車を復活させるのだが、そこで問題になるのが車内サービスだ。

◆ 列車を走らせる事は出来ても、車内での食事をはじめとするサービスの人員確保が難しいという。時間に余裕のある人は従来型の列車を選ぶという欧州では、多少不便な所があっても高速鉄道を選ばない人が増えている。

◆ 日本では新幹線で車内販売が行われているが、これは年々減少しているそうだ。新幹線で飲むコーヒーは320円であり、割高感は否めない。その分座席まで運んで貰える訳だが、乗車前に缶コーヒーなどを買う人が多いのだそうだ。

◆ 従来型列車だと旅客時間が長いので飲み物や食べ物が必要になったのだが、新幹線は年々スピードアップしている。少し速度を上げるのにも大きな電力を使うのだが、それでも速い方が良いという人が多い。環境問題だとか発電による炭酸ガス排出量云々というのならば、移動方法やその手段も見直されていくべきなのだろうが、日本の場合は利権があるので難しい。

◆ 航空機と比較しても、移動時間自体は航空機の方が短いものの飛行場までの移動時間などを考えると新幹線と変わらない。だったら、駅に行けば乗れる新幹線の方が気軽だとなる。
もっとも運賃は航空機の方が圧倒的に安いが、空港までの電車賃を考えるとその差は縮まる。

◆ こう考えると電車の運行コストの高さが分かる。ただし日本の電車料金が世界一高いわけではない。電車料金の高さはロンドンで、これは有名だ。ドイツはかなり安いのだが、再生エネルギ促進みたいな流れで、電気代が現在の何倍にもなり日本の電気代と同程度になってしまうとも言われる。そうなるとドイツの鉄道料金も値上げされていく可能性がある。

◆ 日本では新幹線化の流れの中で、従来型特急は廃止されていく。乗車率の問題もあるだろうし、新幹線の方が利益が大きい事もあるだろう。中央リニアが出来れば、莫大な消費電力と引き換えに品川-大阪間を67分で結ぶ予定になっている。現状新幹線を使うと東京-大阪間が2.3時間程度なので、大幅に短縮出来る。

◆ リニア新幹線で車内販売が行われるのかどうかは不明だが、車内販売関係はJRの子会社というか関連会社が行っているわけだから、簡単に廃止はできないのかも知れない。既存の新幹線よりも付加価値分?高く売れるとすれば、リニアの車内販売は儲かるとなる。

◆ もっとも既存の新幹線内での車内販売金額は減少傾向なので、需要が減ってくると車内販売が行われなくなる可能性もある。車内販売員は物品販売と共に車内の様子を観察するのも仕事だそうで、体調不良などの乗客がいれば適切な通知通報を行う事になっているのだそうだ。

◆ 日本は先進諸国に比較すると人件費が安いのだが、それでもコスト的に厳しいのか。まあJR何とかみたいな会社は、末端の人件費の何倍もの付帯費用がかかる事になっているから、それこそ町の販売店とは訳が違う。


静電気がATMを止めた?(11/9)
◆ 度々発生するみずほ銀行のトラブル、10月に発表された故障の原因の一つは静電気だとされた。静電気が作用してネットワーク機器を狂わせ、その結果8月23日及び9月8日に100台以上のATMが止まったとした。

◆ 冬場ならともかく、この湿度の高い日本の夏では静電気を起こそうとしたってリークの方が多くなる。結局の所原因は不明ですと言いたかったのかも知れない。

◆ サーバエラーの原因はハードディスクだとした。ハードディスクが経年変化によって劣化したのだそうだ。ハードディスクは冗長構成になっているはずなので、その機械が故障していなかったとするならエラーが表示されたはずだ。

◆ システムメンテナンス屋がエラーを無視すれば障害が起きるだろうが、普通は無視は出来ない。6年経って劣化したと言うが、MTBFなどから定期交換されるのが普通ではないだろうか。
なおシステムは6年前に富士通が構築したとあったので、それ以来手が付けられていなかった事になる。

◆ 以前に書いたようにマルチベンダ態勢になると、システム全体の把握が難しくなる。みずほ銀行内に優秀なエンジニアがいれば良いが、そうでない場合は稼働しているシステムのメンテナンスすら出来なくなる。

◆ ドワンゴがニコ生のシステムをいじれる人がいないと言って放置していた。実際には新たな機能を組み込みたかったようだが、トラブルが起きるだけで新システムは中々稼働させる事が出来なかった。

◆ ドワンゴは夏野氏が関わっているわけだし、経営状態が良いとは言えないのでカネが出なかった事もあるだろう。それでも新規のシステム構築などを進めていけば良かったのだが、要するに経営側の方針すらまとまっていなかった結果だと言える。

◆ みずほ銀行の障害で、障害発生時のバックアップシステムへの切り替えはコマンドの発行ミスだったとしている。無停止システムなら予備機へは自動で切り替わるはずだが、作業者がコマンドをたたき込みながら切り替えるのだろうか。

◆ そもそも人間が関わる部分には必ずミスがつきまとう。自動化できるところは全て自動化する事が信頼性の確保になる。システムが異常になりました→マニュアルを調べてバックアップシステムに切り替えます→切り替えるためには数十のコマンドを、その時の状況に応じて発行します→切り替えには5時間ほどかかります、作業員の披露があるのでミスも起きます、みたいなシステムなど考えられない。

◆ 無停止システムは様々な制御や工夫が必要ではあるが、世の中の多くの高信頼性機器は無停止運用が出来ている。間違っても静電気で破壊されるような事はない。データセンタや移動体通信基地局などは、落雷や強電界などによる影響を防ぐために、壁沿いに銅線というより銅板的なものが貼ってあったりする。

◆ 電源にしても外部と接続される線にしても、そこからノイズなどが入ってこないように保護されている。機器自体も電源やネットワークケーブルなどのサージは保護されているのが普通だし仕様化されている。


夢の素材と言われた金属(11/8)
◆ 話題になったのは2012年頃だった。元々のアイディアは1960年頃からあったそうだが、実用化が出来なかった。その金属に目を付けたNECは、ノートパソコン用に加工技術を開発したのだそうだ。

◆ そのマグネシウムリチウム合金は、同一剛性で見た場合に従来のマグネシウム合金の74%の質量なのだそうだ。これはプラスチック(ABS)と殆ど変わらない比重であり、更に同じ剛性を得るための厚さはプラスチックの4割で済む。

◆ これによって薄く軽い筐体が実現出来、NECはLaVie Zの底板に使用した。底板にしか使用しなかったのはコストの問題や、加工が難しいために平面板にしか出来なかったなどの理由があるそうだ。

◆ この薄くて軽くて丈夫な合金がスマートフォンに使えたなら、現在よりも大幅な軽量化が出来る。同じ剛性でアルミの約半分の質量であり、その時の厚さはアルミより1割ほど増える。

◆ しかしこの夢の合金は夢で終わる事になる。LaVie Zの底板は経年劣化によってボロボロに変形したからだ。ノートPCの発熱による変形説もあったが、発熱部位以外でも変形が見られる事から空気や水分が原因ではないかなどとも言われた。

◆ 金属材料の開発などでは、様々な物質に対する耐性なども研究される。自動車などと違うから、ノートPCならどうでもいいやとNECは思ったのかも知れないが、数年で非実用的なまでに変形する材料を使うのは凄いというか何というかだ。

◆ 実験的に使ってみるというレベルならばまだしも、当時の記事を見る限りNECは大きな自信を持っていたように見える。この先NEC製のPCは全てこの合金になるんだぞみたいな雰囲気すら感じられる。

◆ 酸化しやすい素材に対しては、表面処理技術を新たに開発した事により、長期間の安定性も問題ないとしている。NECは他社にもまして厳しい環境テストをしていて、塩水噴霧なども行ったとも書いている。酸やアルカリ耐性のテストも抜かりはなく、厳しい基準においてのテストがなされている、安心して使って欲しいと結んだ。

◆ それが数年でボロボロなのだから、NECの言う環境テストや耐性とはいったい何なんだとなる。勿論この合金はその後使われる事はなくなった。NECでは独自の技術であり、他社が真似の出来る素材ではないと言い切ったが、他社は使おうとすら思わなかった、あるいは実用に耐えない金属である事が分かっていたのかも知れない。

◆ そもそも1960年代に発見されていながら、日の目を見なかった素材である。加工技術や表面処理技術の向上によっても、その素材を実用的なレベルにまで改善する事が出来なかった。

◆ それでも製品に使ってみようと思ったのか?それとも経年劣化の激しさが予測出来ていなかったのか。経年劣化を予測出来ていなかったとしたら、NECのエンジニアの技術力に幻滅せざるを得ない。


減税条件と民主党(11/7)
◆ 以前から書いているように静岡県はガソリンが高い。灯油も100円を超えている。ガソリン価格が160円を3ヶ月連続で超えると暫定税率分を引き下げるという法律を民主党政権時代に作った。正式には、揮発油価格高騰時における揮発油税及び地方揮発油税の税率の特例規定の適用停止だ。

◆ しかし東日本大震災が起きたために運用が凍結された。これは、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の施行によるものだ。同法には租税特別措置法第八十九条の規定は、東日本大震災の復旧及び復興の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間、その適用を停止する。とある。

◆ では別の法律ではどう定められているのかというと、そんな法律は存在しないのだ。暫定税分をカットするよと言う法律は作った、そしてその法律の運用を停止する法律も作った。しかし運用の停止を解除する法律は作らなかった。

◆ エネルギ価格にしても輸入原料を使う食品価格上昇にしてもそうなのだが、そもそも日本の経済が諸外国に比較して悪い(成長率が低い)のが問題だ。iPhone価格を米中では"高くない"と言い、日本では残価設定ローンでなければ買えないという。

◆ ようするに日本の労働者賃金が上昇しないから、他国では安いと思われるものが日本では高くて買えないとなってしまう。新政権は経済対策を行うと言っているのだが、財務省の経済を良くしたいだけじゃないのかななんて思わないでもない。

◆ 日銀は当然だが、自国通貨の価値が高い方が良いと思っている。これはつまりデフレになった方が良くて、円高になった方が良い。インフレにでもなったら通貨価値は下がってしまう。その意味では日銀は現状に満足している。だからこそ景気は回復している、長期にわたって景気上昇状態で推移しているという。だがその結果が、停滞した平成の経済と言う事になる。

◆ もしも諸外国並みに日本経済が成長していたら、今のガソリン価格に国民は驚かなかったかも知れない。ガソリンは高くなったけれど、コロナ感染者数激減で経済が回っているから良いんじゃないの、この冬のボーナスは去年の2割増しが確実だろうから、みたいな感じで。

◆ その意味でも早急な経済対策、諸外国の成長に追いつけるだけの施策が必要になる。とは言ったって、今までと何が変わるのか、変えられるのかは疑問だ。そうそう、防衛費のGDP縛りをやめたいみたいな記事があった。

◆ 日本のGDPが上がっていかないわけだが、諸外国は軍事費を積み増している。経済が悪いから侵略を許して良いという話にはならない。平成不況による実害が、国防問題なども含めて色々な所で出て来ている。

◆ 公明党のばらまき案もどうなるのかよく分からないが、まあばらまきはばらまきで一定の効果はある。ただし国民は未来が暗いと思っているから、金を蓄えようとする。そうなれば経済効果は上がらない。

◆ 現金ばらまきだと関係会社にカネが落ちない、ここはポイントシステムにして関係各所にカネを流さないとマズいでしょ、みたいな動きもあるのだとか。


配信者金バエ氏(11/6)
◆ 9月の終わり頃だろうか、金バエを名乗る配信者が入院していたそうだ。金バエ氏は自他共に認めるアルコール中毒で、片時もビールを手放す事はない。ただ近年は肝硬変症状が現れていて、体調が思わしくないと酒を飲むのをやめていた。

◆ 金バエ氏が禁酒をするくらいだから余程体調が悪かったのだろうが、しばらくすると又テーブルの上に缶ビールが並ぶ。体調が改善すると酒を口にしてしまうようだ。まあそれがアルコール中毒だと自ら言わしめる現実なのだ。

◆ 肝硬変はグレードCだそうだ。グレードCは高度の肝硬変で、合併症などががみられる状態だそうだ。肝硬変の他に食道静脈瘤や胃壁からの出血もあり、何度か入院していたと思う。入院すると当然酒を飲む事は出来ないのと、胃からの出血が多量の場合は輸血が行われるのでかなり元気になって退院する。当然元気なので酒を飲み始める。

◆ 9月の入院は、それまで同様自ら体調不良を訴えて病院に行った。9月の時には救急車を呼んだそうだ。Twitterへのアクセスは入院1週間後あたりから行われている。病院側も厄介な配信者だと分かっているのか、院内の事などは公表しないようにと言われたらしい。

◆ とりあえず酒をやめれば体調悪化は食い止められる。しかし問題は、その酒がやめられない事にある。金バエ氏曰く、酒を飲まずに配信しても面白い事が言えない、面白い事を言えないと閲覧数が上がらない、閲覧数こそ全てだという。もっとも一時期は人気配信者だったものの、最近では閲覧数も低迷している。

◆ 閲覧数は収入にもつながるのだろうから、これが低下するのはまさに死活問題だ。別の配信者であるYO氏は糖尿病なのだが、酒を飲みながら配信している。医者に酒を止められても、飲む事が仕事だからやめる事は出来ないと言ったそうだ。

◆ 金バエ氏にしてもYO氏にしても、配信をやめるか人生をやめるかみたいな状態になっている。先日書いたY氏は配信とは関係なく薬物に手を出しているわけで、色々な人生があるのだなと思う。そんなどうしようもない配信者であったとしても、その配信者を待ち望む人がいる。

◆ どんな生き方をしようとそれはその人の意思なのだから文句は言えない。ただそれに犯罪的要素が絡むとなれば罰せられるわけだ。以前にも書いたしんやっちょこと大原氏は、自分はコロナだ、今世間にばらまいていると発言したそうだ。一部ではこれにより逮捕されたとの話もあったのだが、真実は不明だ。大原氏は軽犯罪法違反で何度も捕まっていて、警察も手を焼いている。

◆ ひろゆき氏がしんやっちょ氏を批判したらしいが、迷惑度という点ではひろゆき氏の方が上ではないのか。まあ、どちらも犯罪者だから似たようなものか。と言ってしまうと身も蓋もないのだけれど。

◆ 金バエ氏の体調が現在どうなっているのかは知らないが、元気に過ごしていていただきたいものだ。アルコール中毒患者に節酒はないのだそうだ。飲み始めれば際限が無くなる病気なので、飲まないと決めて酒を断つ以外にないらしい。これは普通の人であればたやすい事が、アルコール中毒者にとっては大変な努力を必要とする。


塩分少なめ(11/5)
◆ 中国の方は塩分に弱いようで、味付けに塩辛さがない。唐辛子の辛さなどはあるのだが、塩味というものは余り感じない。なので日本人にとっては味に物足りなさを感じる事もある。

◆ 日本でも地域によって食べ物の味は異なる。海が遠い長野県中部では、塩の入手が容易ではなかったのだそうだ。そこで味噌や醤油を作る時にも塩を余り使わず、独特の細菌群による発酵法が使われてきたのだとか。

◆ 勿論現代に於いては好きなものが好きなだけ手に入るわけだが、その土地の味みたいなものは受け継がれている。発酵食品だとか塩漬けなどは食べ物の保存性を良くする。塩が容易に手に入る地方では塩漬けが優勢となり、そうでない地方では発酵食品が増えていったのだとか。

◆ 塩分を少なくしながら味を出していくのに出汁がある。発酵食品の独特の味はアミノ酸に由来するものだそうで、アミノ酸は出汁の成分でもある。味の素はサトウキビなどを発酵させてアミノ酸を増やし、それがグルタミン酸となり、そのグルタミン酸を取りだして結晶化させて乾燥させると味の素が出来る。

◆ 長野県の一部地方に今も伝わるみそ玉は、大豆を発酵させる課程でみそ玉の周りをカビが覆い尽くすのだそうだ。このカビによって適度に外気と遮断されたみそ玉は、その内部で独特の発酵が進むのだそうだ。

◆ みそ玉はチーズの風味を感じるみそとも言われるが、その臭いは中々強烈だそうだ。カビの種類は違うのかも知れないが、この発酵したみそ玉とそこに生えたカビを丸ごと塩水に溶かして造るみそもあるらしい。

◆ みその味は日本各地で様々だが、多くは塩を沢山必要とする。しかしその塩が貴重だった地域では、更に独自の発展をしていったと言う事だ。みそにはカリウム分が多く含まれているので、塩分摂取量は多いが体内からの塩分排出量も多くなるそうだ。

◆ 日本人は塩分を取りすぎだと言われる。名前が変な"減塩塩"みたいなものも売上を伸ばしている。減塩塩は塩化ナトリウムの代わりに塩化カリウムを使う。塩化カリウムだけだと苦みを感じるので、それを軽減するための調味料を添加する。

◆ 日本人の食塩摂取量の平均は約11g/日だそうだ。従来は9g/日に抑えましょうと言っていたのだが、目標達成が可能な範囲になってきた事から、目標値を8g/日に改めたのだとか。ちなみに醤油の塩分は15%〜20%なので、醤油を40g飲むとリミットに達する。

◆ スーパーなどのパック入り寿司に付属している醤油パックは、内容量が4〜5mlだそうだ。寿司を食べると醤油をかなり使うと感じるのだが、この醤油パック10個分も使うと塩分量は10gになってしまう。1パックの醤油を"飲むのなら"塩分量としては1g程度というわけだ。

◆ 味噌汁の塩分量は、かなり味を濃くしたとしても2g程度だ。寿司醤油1パックと味噌汁で3gの塩分なので、残りは6gある。所が朝食に辛口の塩鮭を食べると、それだけで塩分は5gになる。塩分過多に気をつけるとするならば、塩漬け食品に注意しなければいけない。


TR-1100(11/4)
◆ アマチュア無線の免許を取って、最初に買って貰ったのはTR-1100というトランシーバだった。キャッチコピーはトラベル1100だったが、トラブル1100だなどと言われた。

◆ 当時のVHF帯トランシーバは、自励発振器による送信部と、自励発振器によるスーパーヘテロダイン受信部の組み合わせだった。つまり送信周波数と受信周波数を別々に設定する方式だったわけだ。

◆ 短波帯のトランシーバでは、周波数ミキシングによって完全トランシーブトランシーバと呼ばれる、送受信周波数が常に同じになる仕組みになっていた。しかしVHF帯のトランシーバでは、回路の簡易化が優先されたのか?送受信を別々のダイヤルでセットするみたいなものがあった。

◆ トリオ(現ケンウッド)は、その受信周波数設定用のバリコンと、送信周波数設定用のバリコンを同軸にした。機械的に周波数調整ダイヤルをつないでしまったのである。しかし周波数の異なる自励発振器の周波数調整バリコンを連結した所で、同じように周波数が可変出来るわけではない。

◆ そこでキャリブレーションと称するアクションを必要とした。自分の送信波を自分で受信し、FM検波器の出力をメータで見てゼロインさせようとする。これを行わないと送受信周波数が合わないので不都合が起きた。

◆ VHF帯のトランシーバは水晶発振器で送信周波数を決めるものも多く、自励可変周波数発振器(VFO)を使ったものは高級(高価格)なトランシーバだったのだ。それをハンディ(と言っても弁当箱より余程大きかったけれど)にしたのだから、色々無理もあったのだろう。

◆ 当時はFD-AM3という井上(後のiCOMだったかな)というトランシーバもあって、これは2ダイヤル式のトランシーバだった。トリオだとTR-1100の次期モデルになるTR-1200は1VFOのミキシング方式になった。TR-1100の前のTR-1000は、送信は水晶振動子で固定周波数だった。

◆ このTR-1000はしばらく借りて(事実上貰ってしまったとも言う)使っていた事があった。何しろ固定周波数なので、その周波数が使われていると電波を出す事が出来ない。これを何故借りてきたかと言えば、TR-1100が壊れて使えなくなっていた時期があったからだ。

◆ デザイン的に見るとTR-1000はTR-5000系列の古い感じ(実際相当ふるい訳だけれど)で、TR-1100とかTR-5100は世代が変わった感じがするものだった。アマチュア用の無線機は無骨なものが多かったのだが、トリオのデザインは(個人的には)好きだったなぁ。

◆ その後は松下のRJX-601を使った。元々は50MHz帯のAM/FMトランシーバなのだが、SSBゼネレータを内蔵してAM/FM/DSBの送受信を可能に改造した。何故SSBではなくDSBなのかは、SSB用のフィルタが高価で買えなかったためである。

◆ RJX-601のあとは50MHz帯オールモードのTS-600を買ったんだったかな。これは早々に50MHz/430MHzの2BAND改造をしてしまった。当時の無線機は内部空間に余裕があり、外観を変えずに色々なものが組み込めたのである。


変わる秋葉原(11/3)
◆ 私がアマチュア無線の免許を取ったのは小学生の頃で、試験官に漢字が分からなければひらがなで書くように、間違った字を書くと不正解になるよと言われた。従事者免許はどこかにしまってあるとは思うのだが、探せるかどうか。免許のアルファベットがAUNだと思ったので、相当古い。

◆ 小学生にとって無線機は非常に高額なものだったし、親にねだった所でそうそう買っては貰えなかった。まあそれでも何とか買って貰ったわけで、細々とというかなんというか運用を開始したのである。

◆ 秋葉原には何度も行ったが、いわゆるウインドゥショッピングみたいなもので、アレが欲しい、これが欲しいと思いながらも、絶対買えない(買って貰えない)なと諦めていたのだった。

◆ その頃の秋葉原はラジオの街みたいな雰囲気が色濃くて、アマチュア無線関係の品物を扱っている店は、むしろ近代秋葉原みたいな感じだった。
トヨムラとか、巣鴨にはハム月販って店もあったっけ、入った事はなかったと思うけど。

◆ ツクモとかロケットは新しい感じの店で、火事になったのはロケットだったかトヨムラだっけ。火事で焼かれたり水をかぶったりした機器が放出されるみたいな話があって、それを買いに行くと言っている人たちがいた。

◆ いわゆるパソコンが出回りはじめると、秋葉原の街はパソコン関連ショップで溢れるようになる。無線機屋さんがパソコン屋になるなど、雰囲気も変わっていった。携帯電話の普及と共にアマチュア無線は下火になり、Windowsの登場と共にPC-9800が売れなくなり、秋葉原を取り巻く環境も大きく変わった。

◆ PC-9800時代には拡張カードなどが売られているに過ぎなかった訳だが、いわゆるDOS/V機が全盛になるとマザーボードやI/Oカード類などが部品として販売されるようになる。

◆ 部品で買えば一つ一つは安価だが、組み合わせてPCにすれば総額は大きくなる。この事から税務署は、最終的にPCになるのだから部品も消耗品とは認めないみたいな話があった。メモリレス・ストレージレスのPCにメモリを買い足し、必要な容量のHDDを買い、ディスプレイを買う。
税務署はこれらをまとめてPCとして課税すると言い出したわけだ。

◆ PCなどに詳しくない業種では、税務署の言うとおりに償却資産に計上したのではないかな。企業にもPCが急速に普及した時代であり、何とかして課税したいという税務署の無理矢理な姿勢がよく分かる。

◆ PCブームが落ち着き、PCが特別なものではなくなるとPCパーツ関連ショップも減っていく事になる。ただし需要がゼロになるわけではないので、BTOパソコンを売りながらパーツも扱う的になってきた。

◆ その後はメイド喫茶である。古くから電子部品などを売っている店のオジサンは、変わりゆく秋葉原にどんな思いなのだろうかと思う。メイド喫茶に関しては強引な客引き問題などもあり、電気街から歓楽街への変貌と言った所だ。


猫に牛乳(11/2)
◆ 猫と言えばミルク、そんなイメージがある。しかし猫は乳糖分解酵素を余り持っていないので、牛乳を与えるとお腹を壊す。

◆ 人間でも体質によって乳糖分解酵素の少ない人がいて、牛乳を沢山飲むとお腹を壊す。私もその一人であり、一日に牛乳を(おおむね)200cc以上飲むとお腹がやばいかなと言う感じになる。

◆ お腹を壊したとしてもビオフェルミンなどを服用すれば良くなる。多少お腹が痛い状態は続くし下痢もするが、それ以上重篤な状態にはならない。

◆ 猫も同じように牛乳を与えると下痢をする。猫用のミルクなども市販されていて、200ccで200円位する高価なものなのだが、猫は飲んでくれない。味は牛乳と言うよりも脱脂粉乳みたいな感じで、臭いがないので猫は飲まないのだと思う。もしかしてバニラエッセンスでも入れたら飲むのかな。

◆ 猫用ミルクを飲んでくれないので、赤ちゃん用のミルクを与えてみた。
いわゆる粉ミルクである。スティック状の粉ミルク10本入り(1リットル分)で500円だった。これは猫用ミルクよりは良かったが、人間用の牛乳のようには飲んでくれなかった。

◆ 何故猫にミルクをあげたいかというと、猫が人間用の牛乳を欲しがるからなのだ。欲しがるからあげたいのだが、あげればお腹を壊してしまう。だったら乳糖の少ないミルクを与えれば良いと言う事なのだが、難しい。

◆ 乳糖の少ない牛乳にアカディ牛乳がある。メグミルクが作るこれはずっと昔から存在している。乳糖分解酵素の少ない人間用の牛乳だ。乳糖を分解する酵素であるラクターゼを添加する事で、通常の牛乳に比較して乳糖を8割ほど減らしたものだ。

◆ ずっと昔にはスーパーなどでも売られていたのに、最近は見た事がない。通販では買えるが、低温輸送が必要なので送料が高い。コンビニ通販/コンビニ受け取りなら送料はかからないのだが、取りに行くのが面倒という理由で頼んでいない。

◆ 生クリームがある。ホイップして使ったりするアレだ。生クリームには乳糖は殆ど含まれていない。植物性と称されるものの原料はサラダオイルみたいなものなので、こちらも乳糖は含まれていない。

◆ 牛乳から作る生クリームを泡立てると、クリーミーで柔らかいホイップクリームになる。サラダオイルと乳化剤で出来た生クリームは固めでシッカリしていて形が崩れにくいため、ケーキのデコレーションなどにも使われる。

◆ 猫はホイップクリームを食べるのだが、家にホイップクリームを常備しているわけではない。勿論泡立てずに与えても舐める。生クリームはそのまま冷凍すると分離すると思う。泡立てずにコーヒーなどに入れても分離するかも知れない。ホイップクリームのパッケージに、必ず泡立てて使用するようにと書かれているものもある。

◆ 泡立ては電動攪拌機があればさほど大変ではないのだが、乳脂肪分の少ないものは泡が立ちにくい感じがする。まあ、価格の高いものの方が良く泡立つと思っていれば良い。泡立てすぎるとこれも分離するので注意が必要だ。


増税は行われるのか(11/1)
◆ 新総理誕生と言う事で期待される一方で、結局誰がなっても変わらないとも言われる。自民党の場合に総理は、自民党の爺さん達の代弁者でしかないみたいな所がある。

◆ 岸田氏も政治不信からの脱却を掲げて総裁選に出馬、森友問題にも切り込むなどして話題を集めたが、その後は森友当事者である安倍氏や麻生氏に詫びを入れ、麻生氏には役員人事で優遇を図ると言う事で応援を取り付けたとか。

◆ 麻生氏が牛耳る限り経済はアウトだろう。朝日新聞に対しては強い事を言うものの、強いものに対してはからきし弱い。特に官僚に頭が上がらないのはどういうわけだろうか。いじめられるのが怖いのか。

◆ と言う事で増税案目白押しと言う事らしい。コロナ禍に於ける税収不足対策は経済回復よりも優先するというのが不況からの脱出を遅らせる。まず目を付けられたのがたばこ税なのだとか。

◆ たばこ税の収入は2兆円程度あるそうで、増税が行われると一時的に税収が増える。しかしその後は喫煙者数が減少するので税収も減っていく。特に2018年の4回目の増税では、景気低迷があり税収が殆ど増加しなかった。

◆ 増税3回目が2010年だったので4回目の増税は久しぶりの増税と言う事になったのだが、増税効果が期待ほどでは無かった。そこで2020年に5回目の増税が行われた。これは多少の効果があり、税収は2兆円を超えたのだがすぐに落ちてきた。私は非喫煙者なので実感としては分からないが、喫煙される方にとっては大問題だろう。

◆ 財務省と麻生氏は社会保障費の削減にも力を入れている。2021年に35.8兆円になる社会保障費は、急激に膨らんでいる。これは当然で、高齢者人口が(ベビーブーム世代で)増加しているからだ。ただ今後は高齢者人口そのものが減少に転ずるので、それに伴って社会保障費は伸び率の鈍化や減少傾向になるだろう。

◆ 団塊の世代が後期高齢者になると言う事で、いかに支出を抑えるかに頭を悩ませている。しかし支出を抑えるにも限界があり、税収増でまかなわなければいけない。

◆ 年金の場合は、将来的に財源が不足する可能性があるから(受給者人口が減るのに?)今はカネを貯めておくよ、支払わないよと言っている。一方で福祉費用は、カネが足りないよ、将来はカネが余る見込みだけれど今足りないからもっと徴収するよと言っている。

◆ 日本の場合は、経済を回復させて税収を上げていこうという考えにならない。
税収を上げて経済が悪化したら、その時はまた増税すれば良いという感じだ。

◆ 消費税を8%に上げる時期があと数年遅くなっていたら、もしかしたら日本は世界に取り残されなかったかも知れない。

◆ 米国や中国ではiPhone13の価格を「割安だ」と評価するのだそうだ。機能や性能の向上の割に価格が抑えられていると感じるのは、GDPの上昇率がそれ以上だからだ。一方で日本では高価なスマートフォンに分類され、残価設定ローンでなければ手が出せないとなる。せっかくiPhoneシェアの高い日本の経済ががこんな状況では、Appleも頭が痛いわけだ。