VC

過去の雑記置き場


明けましておめでとうございます(1/1)
おせち料理(1/2)
売れる事は何でもやる(1/3)
ポイント付与率減少(1/4)
物流効率化(1/5)
公園を廃止させた人間(1/6)
SmartHome(1/7)
2SC372(1/8)
各社解約率(1/9)
集合住宅とEV問題(1/10)
加入者集めは大変(1/11)
静岡県とリニア問題(1/12)
CAD(1/13)
鉄塔は高い(1/14)
廃バッテリーの行方(1/15)
ミリ波とアクティブ反射板(1/16)
モータ駆動トラックの可能性(1/17)
加入者を金で買う(1/18)
夢のエネルギー源(1/19)
理解力が低下している論(1/20)
PayPay経済圏(1/21)
レネゲード(1/22)
ソーラーパネル義務化(1/23)
リニアモータとコイルガン(1/24)
世の中の変化(1/25)
人工石油だそうで(1/26)
最小回転半径(1/27)
5G SA(1/28)
立ち往生(1/29)
熱効率(1/30)
未来は決まっているのか(1/31)


VC
未来は決まっているのか(1/31)
◆ タイムマシンは未だ発明されていないと思われる。もしかしたら発明されているのかも知れないが、世間はそれを知らない。

◆ ドラえもんのタイムマシンは時間移動機能と空間移動機能を持っている。空間を移動せずに時間だけを移動すると、宇宙空間に放り出されてしまうからだ。

◆ ドラえもんとのび太が過去に移動して、過去をいじってしまう話は出てくる。しかしそれによって現在が大きく変わってしまうことはない。

◆ BTTFでも同様なのだが、PART3では未来にまでその影響が及び、それはそのままにされる。未来が変えられないとすれば、未来が変わらないような力が働くはずだが、BTTFで唯一未来を買えてしまった例だ。

◆ BTTF2では大きく未来を変えるも結局は修正される。そうした一連の事自体が未来は変えられないと言えるものなのかどうか、このときにはパラレルワールド的説明がなされていた。

◆ タイムトラベルにはgrandfatherparadoxがある。例えば私が過去に行き、祖父を殺してしまうとどうなるかというものだ。祖父を殺すと私は存在できなくなるので、つまり存在しない何かによって祖父は殺されたことになり、矛盾が生じる。ただ実際には原因不明とか謎の死はいくらでもあると言えばそうなる。

◆ しかし最近の研究によると、そもそもこのようなパラドクスは存在しないというのだ。過去に戻った私が祖父を殺そうとしても、何らかの外力により実行が阻止されるという。ということは過去も現在も未来も既に決まっていて、それに力を加えることが出来ないのか。過去は決まっているけれど未来は決まっていないなどとは言えない。過去や未来は見る位置によって異なるからだ。

◆ 例えば過去に戻ってヒトラーを殺してしまったとしても、第二のヒトラーが現れて、殺してしまったヒトラーと同じ事をするから未来は変わらないというわけだ。

◆ これはターミネータでも同じで、審判の日を阻止しようと様々な行動を取るが、結果として未来を変えることは出来ていない。ターミネーターは色々な方向で何作品も作られているので、だんだんと最初の設定が変わってきたのも事実だけど。

◆ 過去をいじっても未来が変わらないと説明すれば、もしかしたら未来からタイムトラベラーがやって来ているかも知れない説が成立する。そうでなければ、タイムトラベラーがやってきたという、その事自体が世界を変えてしまう恐れがある。

◆ 未来に行ってみたいか過去に戻りたいか。アンケートを採ると現在は過去に戻りたいとする人が多いそうだ。これは現時点での満足度によって回答が異なると言われ、現在の生き方に満足している人は過去に行きたいとは思わないそうだ。

◆ 過去に行きたい人が多いと言う事は、現在の生活に満足していない人が多いという事になり、今の日本では仕方ないのかなと思う所でもある。


熱効率(1/30)
◆ ガソリンエンジンの熱効率はそう高いものではない。内燃機関で効率が高いのは低速ディーゼルエンジンだ。船舶用のDU-WARTSTILA 12RT-flex96Cエンジンは2ストロークで排気量約27キロリットル、約93キロ馬力を毎分102回転の時に発生する。

◆ 直列12気筒のこの巨大なエンジンの熱効率は52.5%だという。ディーゼルエンジンは熱効率を高めやすいのだが、ガソリンエンジンは様々な損失があり効率が上げにくい。

◆ それでも3代目プリウスの2ZR-FXEエンジンは最高効率38.5%を謳った。ただし最高効率を発生する回転数や負荷のレンジは狭く、そこから外れれば効率は落ちる。4代目プリウスでは冷却損失を減らす努力により熱効率40%を達成した。トヨタは、筒内噴射などを行えばもう少し効率が上げられるとしながらも、コスト的に(プリウスには)厳しいと語った。

◆ 高効率エンジンと言えばプリウスを連想するのだが、カムリ用の2.5リットルエンジンで熱効率41%を達成、ヤリス用の3気筒エンジンでも41%を達成している。

◆ 研究室レベルでは慶応大学や東大などが参加し、47.2%の数字がある。ただし最高効率だけを追い求めても、自動車としての燃費が良くなるわけではない。確かにトヨタのエンジンの熱効率は高いのかも知れないが、トヨタ車の燃費性能が世界一というわけでは無い。

◆ 中国はエンジン開発は遅れていて、EVに力を注ぐ。EVであれば工作設備もノウハウも無しに世界と競争が出来ると考えたからだ。しかし内燃機関の研究もされているようで、2021年の6月には最高効率43%の3気筒エンジンを発表している。

◆ このエンジンが実使用時にどの位の効率を発揮するのかなどは分からないが、日本のエンジン技術が中国に追い越される日は来ないだろうと言われていたのに、少なくとも数字は追い越された。

◆ このエンジンを搭載するのはBYD秦Plusで、レクサスグリルみたいなものを付けている。高効率エンジンとハイブリッドシステムによって良好なエネルギ効率を実現するとある。だがカタログ場の燃費は26km/l程度で、特別良い数字ではない。

◆ 結局の所ピーク性能が良かったとしても、自動車として燃費が良くなるとは限らない。エンジンの出力特性も同様で、ピークパワーを狙うために高回転型のエンジンを作ることは出来るが、パワーバンドが狭くなれば多段のトランスミッションが必要になるなど、実用性から離れて行ってしまう。

◆ 逆にレースなど用途を限定すれば、高回転高出力型のエンジンを活かすことも出来る。各メーカ共に新規のエンジン開発を中止しているか、或いは中止する方向になっている。従ってガソリンエンジンの効率追求や研究も、今後は行われなくなるだろう。

◆ EVに於いてはモータの効率化やモータ制御の最適化が求められる。それこそモータへの通電タイミングや通電時間、電圧や波形などを綿密に制御して効率を上げていく。モータの回転数や負荷、温度などに応じた制御なくして高効率EVはあり得ないと言われ、効率を追求すると駆動回路が複雑(=高コスト)になってしまう。


立ち往生(1/29)
◆ 毎年雪の季節になると立ち往生した車と、それに伴う大渋滞の話が出てくる。雪道の走行が出来なくなるのはスリップで進めなくなるからだ。

◆ 東京など雪の降らないエリアから雪国に行く人の中には、冬タイヤも装着せずチェーンも持たない人がいる。雪道なんてたいした事ないよ、夏タイヤでも走れると軽く考えている。

◆ こういう考えの人に冬タイヤの必要性を説いた所で、俺は大丈夫だからと謎の自信を見せるのが関の山だ。俺は事故を起こさないから保険は要らないとか、酒を飲んで運転して何が悪いとかと言う人、高速道路の追い越し車線をノロノロ走行して渋滞を作る人と変わらない。

◆ こうした人は厳罰に処すしかなく、厳罰を以てしても飲酒運転が減らない現状を考えれば1発免許停止位のペナルティを科しても良いのではないか。一台の車が何百台もの車を止めてしまうのだから。

◆ 意図せぬと言うか意図しているのだろうけれど、走れなくなるのがトラックだ。多輪駆動のものならまだしも駆動輪と非駆動輪が並んでいるタイプの車両だと、タイヤの面圧が上がらないのでスリップしやすい。

◆ チェーンが巻かれていれば実質直径がわずかに大きくなるので未だマシだが、冬タイヤのみで低荷重状態だと簡単にスリップしてしまう。これは車両の特性を考えれば分かる事なので、こうした車両もペナルティの対象にしなければいけない。

◆ トレーラの場合は引くものの荷重のかかり方で状況が大きく異なり、駆動輪に荷重が余りかからないものだとチェーンを巻いても進めなくなる。これは構造上仕方がないものなので、雪国を走行する場合は多軸駆動車などを使わなければいけない。

◆ このあたりでも雪が降った時には全輪駆動のトラックを使うと、ヤマト運輸の人が言っていた。チェーンを巻いても山道を登る事が出来なくなってしまうからだそうだ。

◆ そうは言っても車両コストの問題はあり、ヤマトも全輪駆動の車両は(営業所に)1台しかないそうだ。なので積雪量に応じて多軸駆動以外のトラックの通行を制限するような事しか、現実的には出来ないだろう。

◆ 関西方面でバスがスリップして走行出来なくなり、周りの人が車両を押した動画があったが、良く事故にならなかったと思う。バスが後退してきたら後ろで押している人は轢かれてしまう。バスのドライバーも雪道の危険性を全く認識していないというのが怖い。

◆ トラックにしても乗用車にしても、一台が走行出来なくなると連鎖的に走行出来なくなる車が増える。前方で立ち往生している車がいると、その車を追い越す事が出来なくなるからだ。

◆ 車両が通行出来なくなると道路には雪が降り積もり、除雪なしでは通行が出来なくなる。渋滞の先頭車両をどかしたとしても、もはや車が通れないほど雪が積もってしまう。


5G SA(1/28)
◆ 最近は事業者も5Gだ5Gだと騒がなくなったようにも思う。以前は高速だ、低遅延だと宣伝していた。しかし低遅延などはSA(スタンドアロン)で実現出来るものであり、NSAで低遅延を謳うのは有利誤認ではなかったのか。

◆ そのSAも各社サービスを開始するわけで、ドコモは月額550円のエクストラチャージが必要(現在は割引で無料)だ。SAは低遅延や多元接続性などが得られるのだが、個人利用でその恩恵は感じられないだろう。

◆ プロゲーマーなどだと低遅延を求めたいのだろうが、相手のサーバまでのレスポンス時間を見た場合にFTTHとモバイルネットワークのどちらが速いかは分からない。

◆ 通信速度はNSAより遅い(5Gの帯域のみしか使わないため)が、ミリ波エリアであればNSA並の速度が出る可能性がある。5G自体もそうなのだが、特にSAに関しては一般の契約者がそれを求める理由が見つからない。

◆ アンケート調査ではほぼ半数の人が5Gへの関心を示していない。5Gになると何が変わるのか分からない、現状で不便を感じていないなどの回答が多かったそうだ。5Gになって何かが変わるのかと言えば、場所によって通信速度が速いですよと言う程度である。

◆ 最近ではメディアでも5G特集的な記事は見かけなくなり、人々の関心の低さが反映されている。5G対応スマートフォンを買うと自動的に5G契約にさせられる点に関しても知らない人が多く、5Gを使っている事を認識していない場合もあるという。

◆ 5Gに関してはやがてはSAになる訳で、5G SA料金を取るMNOのARPUは上がる事になる。SA対応のスマートフォンを購入したら強制的に月額課金開始なんて事になるかも知れない。

◆ 一部メディアでは無理矢理的に5GSAのメリットを挙げていた。NSAに比較すると接続に要する時間が100ms程短縮されるので、バッテリーが長持ちすると書いていた。通信時間に対する接続時間の割合がどうなのかという話になるが、こうした部分までメリットとして書き出さなければいけない所に残念さを感じてしまう。

◆ メディアの記者などもSAの理屈は説明出来てもメリットが説明出来ていない。通信速度が云々と言ったってNSAとの違いが明確に出来ない。スマートフォンを数十台並べて同時接続性のテストでもやれば違いが見えてくるのかも知れないが、そこで違いが出たからと言って、一般利用者にとって何なのと言われればそれまでだ。

◆ auは新たなSA(他と違うと言う事?)みたいな事も言っているが、どう差別化してくるのだろうか。通信速度に関しても、スピードテストを行えば違いが分かる程度であって、実際にはWebサーバの応答時間が支配的になっている。

◆ 天津港の全自動物流センターのような所でローカル5Gとして活用するのは有効として、一般利用者が5Gをメリットとして感じられる事は少ない。ローカル5Gにしても、従来の無線規格より何が優れているのかというと、これも難しかったりする。現状ではシステムコストが高すぎる事も問題だ。


最小回転半径(1/27)
◆ 都市部にいるとさほど気ならない車の最小回転半径だが、駐車スペースが軽自動車基準?みたいな田舎では、小回りの利かない車は運転しにくい。

◆ 駐車スペースそのものの問題もあるし、通路幅もあまり広く取られていない。他の車が居ない時なら駐車スペースに車を入れるのは簡単だが、駐車場が混んできて車がいっぱいになると、駐車スペースから車を出すにも切り返しが必要になる。

◆ スーパーの軽自動車用スペースに他県ナンバーの普通車ワンボックスが止まっている事があるが、駐車場が混んできて周りがいっぱいになると、そこから車を出すのがかなり難しい。その車が脱出に時間を取られ、駐車場の通路が塞がれて渋滞が起きる。

◆ BENZのFR車は小回りが利き、SLもCLSも5.2m(SLは5.1mだったかも)である。全長約3.4mのジムニーの最小回転半径が4.8mなので全長はずいぶん違うが最小回転半径は余り変わらないことが分かる。

◆ FFや4WD車の場合はフロントのドライブシャフトの角度に限界があり、ステアリング切れ角を大きく取れない。アルファードの最小回転半径は5.8m(最大)、エルグランドは5.7mあるので狭い駐車場に入れるのは大変だ。

◆ BENZ Sクラスロングの全長は5mを超えるが、最小回転半径は5.5mである。最小回転半径が大きくなるのはフロントタイヤの切れ角が小さいからで、大径タイヤを収めようとすればタイヤハウスの室内側への出っ張りが増える。これを避けるには切れ角を小さくするしかない。

◆ 小型のFR車であるマツダロードスターの最小回転半径は4.8mとジムニーと同じだが、同じFRでもGR86は5.4mと、これはスープラの5.2mよりも大きい。水平対向エンジンを載せるためにスペースを占有されたとか?
◆ 車体の大きさなどにもよるので最小回転半径がどの位だとどうなのかと一概には言えないが、個人的には最小回転半径が5.5mを超えると小回りが利かないなと思い始める。5.3m以下だと切り返さないでUターンできるんだ!と思える感じになる。

◆ CLSからジムニーに乗り換えた時に、ジムニーの方が最小回転半径は小さいのだが、車の大きさの割に小回りが効かないなと思った。最小回転半径で表される数字そのものよりも、前輪の切れ角の方が重要なのだ。

◆ FRの軽トラックの最小回転半径は3.6mなのだから、軽トラックに乗り慣れた人が大型FF車に乗り換えたら戸惑うに違いない。ランボルギーニなどは全長は長くはないが、最小回転半径は6m前後、車幅も広いので狭い所には入りたくない車である。意外な所ではGRヤリスの最小回転半径が6mとなっている。

◆ トラックはどうか。10tダンプの全長は7.6mくらいあるが、最小回転半径は6mくらいだ。前輪の切れ角が相当大きいことになり、派手なドリフトを演じてもスピンモードに入る可能性が少ない。まあひっくり返らずにドリフト出来ればだけど。


人工石油だそうで(1/26)
◆ 何日か前にニュースになった人工石油の話、水を特殊光触媒に通してラジカル水を作る。ラジカル水とはOHラジカル(ナノイーやとかプラズマクラスターで作られる)とかヒドロキシルラジカルなど、活性(酸化力)の強いものの総称だろう。

◆ このラジカル水に炭酸ガスを混ぜるのだが、その時に種油が必要なのだそうだ。おめでとうございます!10億円が当選しました!つきましては最初に事務手数料として100万円を振り込んでいただく必要があります、みたいなもの?
◆ このラジカル水に炭酸ガスを溶かしたものをラジカル重合反応させると、合成石油と水に分離されるのだそうだ。ラジカル重合は合成樹脂などの製造に使われる技術だ。

◆ これで作られる石油の発熱量が不明なのだが、ディーゼル発電機の燃料に使えるらしいので軽油同等の38MJ/l位だと思われる。という事は人工石油1リットルを作るにはそれなりのパワーが必要で、合成効率が50%だとしても21kWhくらいの電力が要る。

◆ 人工石油の単価は11円/リットルだと言われているが、逆にエネルギコストを含んで11円が実現すると、この人工石油でディーゼル発電機を動かし、その電力で人工石油がどんどん作れる。

◆ 研究者は140(容積か重量かは不明)の種油と、100の水の合計240から150の人工石油と90の水が出来るという。つまり10の水が石油に変わる事になる。水と言えば、古い話だがこんな発明?もあった。

◆ 説明によれば水と炭酸ガスと紫外線と逆浸透膜で石油を作るとなっている。合成に必要な電力はポンプの動力のみとされているが、紫外線は太陽光でも使うのだろうか。

◆ ENEOSや一部海外でも行われる合成石油製法は、水を電気分解して水素を作り、そこに炭酸ガスを合成してメタンを作るというものだ。しかしメタンを作る迄にも大量の電力が必要であり、理屈の上での合成は可能でも商業的には難しいとみられている。

◆ 今回の人工石油製造装置を作ったのはサステイナブルエネルギー開発株式会社で、大阪市が後押しした事でニュースになった。人工石油合成装置は月額50万円で利用する事が出来、1ヶ月間連続稼働させると1リットルあたり11円で石油が出来るのだそうだが、どの程度の量が出来るのかは不明だ。

◆ 4.5kW/50Hz/200V単相三線のディーゼル発電機が、毎時約1.8リットルの燃料を消費する。1リットルあたり11円で軽油が作れるとすると、4.4円/kWhで電気が作れる事になるので、電力会社から買う電気代の1/10になる。

◆ 電気を作るために使わなくても暖房用だとか、農機具用(自動車用には税金の関係で使えそうにない)に使う事が出来る。個人的には今回の人工石油の話は嘘くさいなと思っているが、まあ実現に期待しましょうと言う事で。

◆ 過去には磁石ブーム的な謎機関が流行った事があった。今回の人工石油の話には大阪市が"乗った"のだが、磁石によるエネルギ発生機関にはマツダが踊らされた。素人目に見てもおかしいと分かる磁石機関の特許を出したりしていたっけ。


世の中の変化(1/25)
◆ 菅直人氏は講演で「再生エネルギーで日本の電力は十分に供給可能。原子力はゼロにできる!」 と吠えたそうだ。だったらさっさとやれば良いのに、現実的には何も出来ていない。そればかりか再エネ賦課金が重くのしかかり電気料金を高くしている。

◆ 再エネ賦課金がどこにどう流れているのかも謎で、国民からの集金額の半分位はどこかに消えているという話もある。ソーラーバブルは怪しげな業者を量産する結果となり、韓国系の○○合同会社が雨後の竹の子のごとく増えた。

◆ 合同会社は設立や解散が簡単なため、代表者を日本人にして設立すれば実体隠しになる。民主党政権の目的がそこにあったと言ってしまえばそうなのだが、結局は韓国系企業やソフトバンクにカネを流すための策だったと言える。

◆ 平地の少ない日本において、メガソーラ用地はすぐに枯渇する。山を切り崩すには膨大なカネが必要だが、それを以てしても儲かるだけの売り上げが保証されるのだから、乱開発が進む。

◆ 乱開発が問題になった時点で方針転換をすれば良かったのだが、自民党は設備基準を緩和して(結果的に)山間部メガソーラー推進姿勢を取った。このあたり献金なのかも知れないしファミリー企業問題も出てきたり、或いは統一教会の教えに従ったのかも知れない。

◆ 原発を止めて金を撒くのをやめれば電気代も下がったのだろうが、原発が動こうが止まっていようが同じように金をばらまいている。だったら安全基準なり何なりを再検討して再稼働させれば良いのだが、何しろ原発は利権の塊なので大変だ。

◆ 原発を再稼働させようと思えば、寄って集ってカネをぶんどろうとする輩が沸いてくる。安全基準一つ変えるのも多くの金を動かさなければいけないと、原発反対派は叫ぶ。

◆ 原発再稼働が遅いのは、原発停止の後に利権の流れがメガソーラーに向いたみたいな事も言われる。もはや原発では儲からない、メガソーラー事業者こそが金を生み出すという。実際メガソーラー事業者が議員にカネを握らせた、ブルーキャピタルマネジメント事件やテクノシステム事件がある。

◆ これなど氷山の一角に過ぎず、小泉ファミリーにはメガソーラーマネーがどっさりと転がり込む。特に小泉純一郎氏は反原発派なので、メガソーラー事業者の話にコロッと騙されて広告塔、みたいな事になる。

◆ その時々や時代によって求めるべき解は違ってくる。一度決めたから何が何でもそれをやるという、考える力を持たない官僚の言いなりでは何も進まない。都合の悪い事は「前例がない」とし、無駄が指摘されても「決まった事」としか言わない連中に牛耳られていてはダメなのだ。

◆ ソフトバンクの孫さんなど、早ければ半年もすれば自分の言った事すらなかった事にしてしまう。あの時はそう思ったが今は違う、みたいなものだ。これと同じ事を政治家がやったら信用問題ではあるが、古びた考えを引きずらない事も重要だ。


リニアモータとコイルガン(1/24)
◆ リニア新幹線の動力効率はどの位なのだろうと、色々な記事を見ていた。現状では現行型のモータ駆動新幹線より(同一速度に於いて)損失が大きく効率が悪い。もしかすると磁気浮上ではなく、レールの上を走らせれば現行型鉄道と同じ位の効率になるのかも知れない。

◆ 鉄道の高速化に於いてはレールの上を走らせるには限界がある。走行安定性や高速域での摩擦の減少で限界はあるそうだが、実験車両では400km/h以上を記録している。

◆ リニア新幹線はリニアモータで走るわけだが、似たようなものにコイルガンがある。コイルガンのエネルギ効率は数パーセントと低いのだが、やり方によってはリニアモータ位の効率は出せるのではないかと思った。

◆ コイルガンの製作記事は多いものの、実際にデータを取っている人は少ない。そんな中でこちらのサイトは興味深かった。コイルの違いや通電時間によるエネルギ効率と出力エネルギなどが計測されている。

◆ コイルガンの出力を上げるためには多段式にする事が有効だ。しかし多くの製作記事を見ると単に多段にしているだけのものが多い。実際にはそのコイルを通過する弾速によって通電開始のタイミングも、通電時間も異なるはずだ。

◆ コイルを多段にしてそれを近づけると相互誘導が起きる。これを阻止するにはコイル間にケイ素鋼板などで磁気シールドを付ければ良い。またコイルを通過する弾は磁力を帯びているはずなので、それによる影響も受けるはずだ。

◆ コイルは電圧を加えてもすぐに電流が流れ始めるわけではないし、逆起電力防止のダイオードを入れれば電圧印加をやめてもすぐに磁力はゼロにならない。弾速や効率を求めていくとブラシレスモータの制御のような磁力制御が求められそうだ。

◆ このあたりはEVに於けるモータ効率の追求のようなもので、回転数や負荷によって綿密に制御される。コイルに流す電流や周波数、回転数や負荷による駆動電圧の最適化、リラクタンストルクの利用など、多くの技術とノウハウが注ぎこまれる。

◆ コイルガンも鉄球を飛ばすのではなく、永久磁石を飛ばせば効率は上がりそうだ。磁力を反転させなければいけないので交流の1サイクルみたいな駆動波形になり、コイル自体も平角線を数ターン巻いた程度のインダクタンスの小さなものが求められるだろう。

◆ コイルガンの多くはコンデンサに蓄えられた電荷をSCRなどで一気にコイルに流す方法だ。その同様なものを多段にして力ずくでパワーを得るみたいな感じである。エネルギ効率と弾速を求めるならコイルガンよりレールガンの方が良いと言うことで、コイルガン自体の研究は少ない。

◆ 撃つためのコイルガンではなく、理論の追求のためのコイルガンも面白いかなと思う。磁気工学的知識も必要だろうし、それをやって何になるのかと言われると何ともなのだが、まあ興味や趣味とはそんなものだろう。


ソーラーパネル義務化(1/23)
◆ 東京都では一般住宅へのソーラーパネル設置を義務化する。確かにメガソーラなどに比較すれば、個人や工場の屋根にパネルを設置するのは環境に対するインパクトが少ない。

◆ もはや日本にメガソーラーに適した土地は残っておらず、無理矢理ソーラーパネルを並べようとすれば山を切り崩すことになる。ソーラーパネルを並べるために木を切り倒せば、土砂崩れなどが起きたり、気温の上昇が起きる。大規模に木を切り倒せば酸素濃度が低下する。

◆ こうした点で個人レベルのローカル発電は悪くはない。ただし義務化というのは少し違うのではないのか。従来のように設置に補助金を出すくらいが良い気がする。特に今はソーラーシステムが廉価になっているので、補助金額も少なくて済む。

◆ 東京都はソーラーパネル設置推進に、住宅関連業者に300億円超のカネを配る。システムの価格はkWあたり25万円くらいなので、1kW分の補助を出すとすれば12万件分だ。東京都の年間戸建て着工件数は1万軒くらいらしいので、個人に配れば10年分の予算になる。

◆ ソーラーパネルの多くは中国で生産されているので、中国で炭酸ガスを排出したパネルが日本で電気を生み出すみたいになる。まあその意味ではお得なのだが、逆に中国での劣悪労働を支援するみたいな形になることに反対する人も居る。

◆ 都内の住宅にパネルを乗せると言っても、日当たりの関係でそう上手く行くとも思えない。日照権などという言葉が使われ始めたのは、高層ビルがどんどん増えてくる頃だったが、さらに日照問題が大きくなる。

◆ 陽が当たるか当たらないかは電気代や売電価格にも影響するわけだから、例えば住宅街にビルが建てば、当然争い事が起きる。都内の住宅と言えば土地は20坪くらいで、その土地いっぱいに3階建ての住宅が建っているイメージだ。当然屋根の面積も狭いので、そう多くのパネルを載せるわけにもいかない。

◆ 少ないパネルから少ない電力を得ているのに、ビルが建って日陰になる時間が増えれば投資コストが回収できない。日照は誰のものなのかという論争が再び起こる。高層ビルの影はどうするのか、樹木に葉が茂って影になるのはどうするのかなど、色々面倒なことがおきそうだ。

◆ ソーラーシステムを乗せれば住宅価格は上がり、固定資産税も上がる。東京都としてはこれが狙いかも知れないけど。発電が良好に出来る立地の住宅は売電で儲ける事が出来、そうでない人は再エネ賦課金で損をすることになる。これが格差の拡大だという人も居る。

◆ 今でさえも重くのしかかる再エネ賦課金をどうするのか、これも問題だ。事故の際の対応も問題としてあげられている。強風などでパネルが飛んだ場合や火災の発生時など、感電の恐れがあり放水できない問題をどうするかだ。これに対して東京都の推進派は、感電事故が今までに発生していないから大丈夫だとする。


レネゲード(1/22)
◆ レネゲードとは米Jeep社が販売する小型の車両だ。元々はFIAT500Xがベースで、外観が異なるのでイメージは大きく違うのだが中身はほぼ同一だ。エンジンは1.3リッターのターボ過給器付きと2.4リッターのNAがあったが、今は1.3リッター版のみになっている
◆ トランスミッションはトルコンATとDCTがあったようだが、1.3リッターエンジン+DCTでは低速が厳しいと言う事で今はトルコンATのみなのかも知れない。

◆ 1.3リッター版でもチューニングが複数あり、リミテッドが150馬力位でトレイルホークは180馬力位出ていたかな。基本的仕様は同じなので過給圧か何かの違いだと思う。リミテッドはFFで豪華?仕様版であり、トレイルホークは4WDのヘビーデューティー版みたいな位置づけだ。

◆ でもトレイルホークのシートはモケットだったりして、汚れの落としやすさから考えれば本革や合皮、ビニールがふさわしいと思うんだけど。シート以外の装備関係もトレイルホークは簡略化されていた。

◆ ラインナップが変わったのがいつなのか分からないが、今はガソリンエンジン版はリミテッド(FF 151PS)だけになっている。4WD版はプラグインハイブリッド車になり、リミテッド(131PS)とトレイルホーク(179PS)になった。欧米では燃費のこともあり4WDは人気がないのだとか。

◆ プラグインハイブリッド版はモーターとバッテリーを搭載するために、ガソリンタンク容量を36リットルと軽自動車並みに小さくした。なおカタログ上ではモータのみの走行で50km走れることになっている。

◆ Jeepは燃費規制クリアのために苦労していると言っていて、メーカの販売車の平均燃費を稼ぐためにハイブリッド車を売らざるを得なかったようだ。大型のJeepで燃費改善は難しく、まずはレネゲードでやってみたという事か。

◆ 公称燃費はコンベンショナルなエンジンモデルがWLTCモードで15.6km/lであるのに対して、PHEVのリミテッドが16km/lでトレイルホークは14.8km/lだ。ハイブリッド化しても殆ど燃費が変わっていないのは、ハイブリッド版の車重が300kg〜400kg重くなっていることにもある。

◆ これではJeepの思惑通りとは言えないわけだが、それでもハイブリッド車を売りたいのか?或いは日本でならハイブリッド車が売れると思ったのだろうか。現在のハイブリッド版のシステムはよく分からないが、出始めの頃のモデルは走行によるバッテリー充電が出来ないみたいな記事があった。

◆ イタリア製アメ車のハイブリッド版なんて、故障せずに走るのだろうかと言っては失礼だが、仕様設計そのものにも迷いがあったのではないか。そもそもハイブリッドシステムを積むためにガソリンタンク容量を36リットルにする所からしておかしいでしょ。

◆ ジムニーだって40リットル入るわけで、それでも燃費が10km/lも行かないのだから給油は頻繁に行うことになる。レネゲードの市街地に於ける実燃費はジムニーよりは良いとは思うが、山道を駆け上がればパワーに応じた燃料は消費していく。なおコンベンショナルなエンジンのモデルの燃料タンク容量は48リットルとなっている。


PayPay経済圏(1/21)
◆ Zホールディングスはソフトバンクの孫(まご)位になるのかな。中間にAホールディングスが挟まっている。そのZホールディングス傘下のPayPay、LINE、Yahooはマイレージ型の販促プラットフォームをやがてスタートさせる。

◆ いわゆるPayPay経済圏に関しては一昨年から動きが大きくなってきているが、より強固な基盤作りと言う事で共通化や統合などを行う。だがLINEモバイルとヤフーモバイルに見られるように、グループ内での競合が起きる。LINE PayはPayPayへの統合が決まっているが、現状各グループで似たような事業は多い。

◆ 互いを連携させますよ、使いやすくなりますよとは言っているが、利用者側にどのようなメリットが生まれるのかが、少し分かりにくい。LINEの加入者数を活かして行きたい所なのだろうが、そのLINEは主体ではなくPayPayがコアになる。

◆ PayPayはYahoo関連のショップやオークションなどでも、ポイント付与などを行っている。付与率が楽天より多いこともあり、またYahooショップの方が(テナント料が安いので)販売価格が安い出店者もいる。Yahooショップは未だマイナーなイメージはあるが、やり方によっては成長が望める。

◆ PayPayへの付与ポイントなどが楽天ポイントに追いつくには未だ時間がかかるだろうが、PayPayに付与されるポイントはそのままPayPayでの支払いに使えるなど、便利な部分がある。

◆ 私はバーコード付き請求書払いや税金の支払いをLINE Payで行っているが、統合後はPayPayで行うことになる。それに伴いLINEカードが不要になるので解約するかも知れない。LINEカードは2年目以降は年会費が必要だったと思うのだが、解約防止のために無料になったんだったかな。

◆ こうしてサービス自体を統合すればPayPay経済圏は拡大するが、そうでないとバラバラなままになる。楽天が楽天ポイントをベースとして各事業を行うのに対して、PayPayの方は後付けでかき集めていくので効率が悪い。

◆ 特にソフトバンクの場合はソフトバンクカードがあったりTポイントがあったりし、そして今PayPayに揃えようとしている。従ってPayPayポイントが拡大して行くには時間がかかるだろう。

◆ 以前に楽天カードがクレジットカードのタッチ決済に対応した話を書いたが、その後visaタッチなどはかなり急速の普及している。ただし店舗側のリーダがそれに対応していないことが多く、カードリーダにカードを挿す決済方法は当分続きそうだ。

◆ しかしタッチ決済が一般化すると、コード決済は面倒に思えてくる。PayPayがコード決済を続けるのか、それともPayPayカード側に統合されていくのか。PayPayカードになるのなら、巨額をかけたコード決済は何だったのかとなってしまう。だからといって、利用者数が減少するまでコード決済を頑張るのは得策とは思えない。

◆ コード決済でもNFCでも使えますよとするのが良いような気もするがどうだろうか。そもそもコード決済はFelicaに対応しないiPhoneの為、とまでは言わないが、画面しか使えないスマートフォンのために使われ始めたようなものだ。


理解力が低下している論(1/20)
◆ 日本人は勤勉で平均的にIQが高いとされるのだが、一方では物事に対する理解の仕方が分からない人が増えているという。文章を読んでも内容が上手く理解できないとか、ドラマや映画が難しくて(ストーリーが)よく分からないというもの。

◆ 以前にTVの話の時も書いたのだが、今は分かりやすく理解しやすい物語でないと観て貰えないという。面倒な描写だとか比喩だとかをちりばめると、面白くないと言われてシーンをスキップされてしまう。そうすると全体像がつかめなくなるので、このドラマは面白くないと言われる。

◆ 結論が先延ばしにされるのも若者は嫌う。「○○はCMの後で」みたいな番組の作り方をすると、視聴者は二度と戻ってこなくなってしまう。別のチャネルに切り替えて、そこで面白い映像が見られれば元のチャネルには戻らない。

◆ CM中に視聴者をつなぎ止めようとする工夫が、逆効果になる。では結論は気にならないのかというと、思いついたときにTwitterでも見れば書いてあるから良い、となる。プレジデントオンラインの記事で『「日本人の8割がTwitterの短文すら理解できない?」…急増する"バカ"の正体』とする記事があった。

◆ Twitterの場合は時々の思いつきが書かれていて、前後関係が怪しいことに加え「○○に驚き!」の一言だけしか書かれないようなこともあるので、そもそも理解しがたいものもある。書いている本人としては連続的事象の一部分を綴っているわけだが、その人に密着しているわけではないその他の人にとっては謎以外の何物でもない。

◆ 国立教育政策研究所の調べでは、国民の1/3は日本語が読めないとしている。読めない率は27.7%となっているので、これを1/3としてしまうところに頭の悪さを感じないでもない。だって1/3よりも1/4に近いのだから。記事を書いたのは作家の橘 玲氏である。

◆ また「メールを読んで会議室の予約が出来たか」をITスキルとして、9割の人が会議室の予約が出来なかったのだとか。予約システムの使い方が分かれば誰でも出来そうなので、予約システムの使い方の説明が不足していたとか、メールの開き方(メーラの操作方法)が知らされていなかった、などではないだろうか。

◆ どういう人を対象にテストをしたのかが明確ではないので何とも言えないが、専門技術が必要な作業を一般人に行わせるのはもはや間違っている。上の例で行けば9割もの人が操作できないような予約システムは、それを作った方が悪い。誰でも使えてこそ便利な道具であり、全ての機械はそれを目指さなければいけない。ついでに言うなら、メールを見て会議室を予約するのなら、メールを書いた人が予約すれば良いじゃないかとなる。

◆ 日本人の教育レベルは低下していると思う。これは教育の問題であって人種的な問題とは違う。教育レベルが低下すると教師の質が下がり、それにより更に教育レベルが低下する。教員とは知識だけではなく、教える能力に長けていなければ務まらない。教師と言えば不祥事の温床な訳で、教師の教育から始めないとね。


夢のエネルギー源(1/19)
◆ 1960年代後半から1970年代、公害問題の深刻化やオイルショックにあえぐ日本に於いて、原発は夢のエネルギー源だと言われた。1950年代から実用化に向けた研究を進めていた米国は、日本にも原発をという事で技術供与を行う。

◆ これに基づき原子力委員会の設立など、日本中が原発に向けて動き出すことになる。もちろん被爆国として反対する人も少なくはなかったし、立地の問題もあった。実際の原子力発電所設計に於いてもコストのかかるPWRにするのか、二次系の管理難易度のあるBWRにするのかなど、様々な検討がなされた。

◆ 日本で初めて原子力発電が行われたのは東海村の動力試験炉で1963年のことだ。1966年には商用発電が行われている。関西では1970年に、3年の歳月をかけて完成した美浜原発が商用運転を開始した。

◆ この当時は様々な技術の過渡期にあたり、当初の設計から幾度も変更されて最終出力が大きくされたそうだ。模索と言っては余りに不安定に聞こえるが、建設中に新たな技術が開発されればそれを取り入れるなど、今から考えれば手作り感満載だったとも思える。

◆ 原発による環境への影響は殆ど公表されていない。実際には排出される気体や液体の放射線レベル低減のためにフィルタが設けられたり、システムが一部変更を受けたりしたそうだ。

◆ 日本では商用原発が各地に作られる時代となる訳だが、世界的に見れば第一次原発ラッシュは終わろうとしていた。日本では大学に原子力工学科が設立されるなど、夢のエネルギーに向けて夢を追う若者達が育成されることになる。

◆ 石炭や石油は100年でなくなる、原発こそが国を支えるともてはやされた。原発周辺には金がばらまかれ、当時木造が一般的だった学校が鉄筋コンクリート製にされる(放射能漏れ対策?)など、原子力の町として原発周辺が栄えた。

◆ 将来はロケットも原子力で飛び、原子力飛行機や原子力船の話も出てくる時代であり、1968年には原子力船むつの建造が開始、1969年に進水する。1972年に燃料が搬入され 1974年に臨界に達した。しかしその4日後、放射能漏れが見つかる。中性子の遮蔽に関する技術が不足していたため、原子炉の出力を1.4%まで上昇させた時にストリーミングと呼ばれる現象が起きた。むつは帰港先を失い太平洋上を漂流することになるが、1979年になって長崎県が入港を許可、25年間金を食い続けたあげく1993年に原子炉が撤去された。

◆ むつの事例は設計不良が上げられるわけだが、固定型商用原子炉でも多くの事故は起きている。電力会社は基本的に事故を隠蔽するが、それでも発覚したものだけで年間20〜30件位(日本中の全原子炉)になる。

◆ チェルノブイリでも同様なのだが、原発は安全であると認識させる所が誤っている。エネルギ密度が高く、操作を誤れば大きな事故が起きることを認識し、その対応方法などを徹底しておかなければ福島原発のようなことが起きる。周辺環境より炉を守りたいとする東京電力や、大事になれば政治的インパクトがあると考える政治家や官僚などを、まずは廃さなければいけない。


加入者を金で買う(1/18)
◆ 移動体通信事業者の競争は新規加入者獲得競争だ。加入者増こそが未来につながると、金融機関も株主も考える。こうした考えがある以上、事業者は加入者を集めなければならない。

◆ いかにして加入者を集めるのか。従来型携帯電話全盛時代には、新しいサービスや新たな機能による競争が行われた。ドコモはモデル毎に新機能を搭載し、その新機能を活かすサービスと連携させた。これがiモードでの囲い込みにつながり、人気となった。

◆ auは若者をターゲットとして学割などを開始、若年層に訴えかけると共に端末価格の値引きなどで加入者を増やした。ただcdma時代になりHDML(Handheld Device Markup Language)を使ったことで、互換性が乏しくなってしまった。

◆ ソフトバンクは売るべきものがなかった。ドコモにiモード網の解放を訴えるも知らん顔をされた。サービスでもエリアでも魅力を出すことが出来ず、最終的には端末のばらまきで加入者を獲得することになる。
端末のタダ配りは従来型携帯電話の頃から半ば常態化していたが、ソフトバンクは更にキャッシュバックを積み増した。

◆ こうした販売方法にメスが入れられるも第一次分離プランはソフトバンクによって見事に打ち砕かれた。そして法規制を伴う第二次分離プランが現在である。

◆ こうなって困ったのが楽天だ。楽天だけ特別(法を適用しない)と言われても我々は過度な値引きはしないと三木谷氏は言ったものの、楽天は特別扱いされなかった。特別扱いはされないが法に反する値引きを行いお叱りを受けることになる。

◆ 楽天モバイルは基本料金をゼロ円にする事で加入者増を狙った。ゼロ円顧客でもシナジーに期待が出来るから愚策ではない、メリットが大きいとした。だが実際には1年あまりでゼロ円を引っ込めざるを得なくなる。

◆ これにより加入者を失うが、売り上げは上がった。失った加入者は他社に流れることとなり、楽天モバイル以外の多くの事業者が棚から牡丹餅的な加入者増バブルの恩恵を受ける事となる。

◆ では今年などうなっていくのか。各社共に値下げによる減収をカバーする、様々なサービスなどを考える。通信以外での収益に期待するが、おそらく既存各社の売り上げに大きな変化はないだろう。

◆ 楽天モバイルは減少した加入者数を増やしていく必要があるのだが、売りがない。唯一楽天のエリア内に於いて月間30GB以上使う人だとメリットが出てくる。ただし大量のデータを消費する利用者の数は少ない。

◆ ソフトバンクがホワイトプランでライトユーザにターゲットを絞ったのとは逆なのだが、果たして成功するのか。今後の設備投資額は1兆円では済まないどころか、700MHz帯を手に入れれば設備投資額の縮小などとは言っていられなくなる。政治力を使い手に入れようとしている700MHz帯、さらにおねだりして今度はJTにでも出資させるのか?


モータ駆動トラックの可能性(1/17)
◆ 環境負荷が低いからディーゼルが良いと言っていた欧州は、ディーゼル車が増えすぎたことによるNOxやパティキュレート問題で、一気にディーゼルは悪者とされた。確かに低公害ディーゼルエンジンは従来のディーゼルエンジンよりも排出ガス中の有害物質は少ないが、そもそも軽油はガソリンよりも炭素量が多いのだから、少々燃費街良くても環境負荷は上がる。

◆ 加えてディーゼルなら環境に優しいとばかりに、大排気量に過給器付きという乗用車が増えた。そしてディーゼル車に乗る人自身も、俺は環境を考えているみたいな勘違いをする。

◆ そんな欧州ではEV化を急ぐ傾向にあり、商用車に関してもその例に漏れない。一般的に大型車両ほどEV化が有利というか、車体重量に対してバッテリー重量が小さくなるからだ。ディーゼルエンジンは強度や耐久性の点から重くなる傾向にあり、EV化による重量増加は許容しやすいと言われる。

◆ それでもバッテリーの重量はいかんともしがたいものがあり、欧米ではEVトラックはディーゼルトラックより重量が重くなっても良いとして、車両基準や(橋などの)通行基準を変えている。

◆ テスラのsemiは推定1MWのバッテリーを搭載し、サンフランシスコからサンディエゴまでの約830kmを無充電で走破した。道中の最高標高は1260mに達し、積載物とトレーラヘッドの合計重量は約37tだった。モータ出力は600kW〜1MWとされ、水冷の電線によって電力が供給される。

◆ semiには複数のモータが搭載されており、いくつかのモータや制御系が故障しても走行できる仕組みが採られているそうだ。ブレーキは回生を主体としているため、ブレーキパッドなどの交換が事実上不要だとしている。メンテナンスコストと燃料代を考えると、既存のディーゼルトラックより2割お得だとテスラは言う。

◆ 充電電力も膨大になるので専用の充電器が必要になるが、それを使えば30分の充電によって640km走行分の電力が溜まるそうだ。また米国ではトラックの連続運転時間が4時間に制限されているため、法で定められた休憩時間を利用した充電が効率的だという。

◆ 車内で使う暖房電力などは、総バッテリー容量からすれば微々たるもので、走行距離への影響は最小になる。EVなので加速もよく、トレーラヘッドのみであれば0-96km/h加速を5秒、フル積載でも20秒でこなすという。標準的トレーラヘッドの場合は、無積載での0-96km/h加速が15秒前後だそうだ。加速性能に関しては賛否があり、急加速では荷崩れが起きるとも言われる。EVトラックによってはいくつかの加速モードが選択できるものもある。価格は20万ドルとされるが、標準的走行で(標準がなんなのかは不明)で年間7万ドルほどの節約が可能だとしている。

◆ semiの1号車はペプシに納車されるそうで、経済性や信頼性が十分であれば、既存のトラックからの代替が進むと思われる。ACCや各種安全装備なども充実しているが、果たして次世代トラックの主流になるのかどうか。なお将来的にはコンボイ的な半自動運転走行も予定されているそうだ。


ミリ波とアクティブ反射板(1/16)
◆ 移動体通信に於いて短波長帯はいささか使いにくい。電波の直進性が高く障害物による減衰が大きいので、見通し外での通信が難しくなる。

◆ 現状では見通し範囲内で使う事になり、自ずとセル半径は小さくなる。勿論セル半径が小さいからスループットも稼げるのだが、事業者からしてみればアンテナをいくら設置しても足りないとなってしまう。

◆ そこで考えられるのが反射波の利用だ。これはミリ波帯のみではなく、山間部のTV放送受信用などに山に大きな反射板を設置する例もあった。ミリ波帯では波長が短いので反射板も小さく出来るのだが、反射板は光を反射させる鏡と同じなので、反射方向は決まってしまう。

◆ UHF帯などでは八木アンテナ同士を接続したパッシブレピータ的なものもある。ドナーアンテナで受信した信号を、別のアンテナで再輻射する。これは山間部やトンネル内のエリア化などで使われている。

◆ ミリ波帯に於いては、このパッシブレピータ的なメタフェース反射板が使われる。これは入射角に対して再輻射角を任意に出来ることで、反射板の設置場所と基地局の位置関係の自由度が増す。

◆ さらにはこのメタフェース反射板をアクティブ制御する、RIS(部分機能としててLIS(Large Intelligent Surface),IRS(Intelligent Reflecting Surface)もある。RISでは反射方向の最適化やビーム半値角の制御、反射と透過の切り替えなどをアクティブに行う。

◆ ドコモはAGCと共同で透明なメタサーフェスレンズを開発した。反射や透過の制御、反射方向やビーム角の制御により、周辺移動機への最適な信号伝送を目指すという。

◆ ただし所詮反射板なのでアクティブレピータとは事なり、反射にしても透過にしても損失が発生する。基地局のアンテナから輻射され、移動機以外の場所に拡散していく電波をかき集めて再輻射と言えばそそうなのだが、それには広い面積(体積)のアンテナが必要になる。

◆ 従って現状では極限られた範囲での利用が想定されるのみなのだが、技術が確立されて安価になれば、Wi-Fiの不感帯解消などにも使える。ビル内で柱の陰や廊下を曲がった所なども、反射板で対応が出来れば有効性はある。

◆ ドコモとAGCの開発したものでは、透過損失が1dB程度、反射損失が10dB程度とされる。思う方向に反射させ、意図せぬ方向には電波吸収体を用いて減衰させるなどの技術開発も行われている。現状では効率的な電波吸収シートは周波数依存性が高く、特定の周波数のみ吸収するような感じだ。

◆ 屋内などで電界強度が高いにもかかわらず信号のエラーレートが高い場合、壁面に電波吸収シートを貼ることにより改善される場合がある。Wi-Fiの電波漏洩などでも同様で、集合住宅やホテルなど狭い場所に多くのAPが設置されるケースでは、それらの干渉によって通信状態が悪化する。こうした場所でも壁紙型の電波吸収体の需要は大きくなってくるだろう。


廃バッテリーの行方(1/15)
◆ 日本では世界に類を見ないほど多くのハイブリッド車が販売されている。トヨタは新型プリウスにおいてもNi-MHバッテリー搭載車を加えるなどしているが、トヨタによればLi-ionもNi-MHもコストに大きな差はないという。

◆ コストに差がないのであれば性能の高いリチウム系バッテリーを使えばいい話なのだが、Ni-MHバッテリーのリサイクル処理も関係しているらしい。ただNi-MHバッテリーの回収率自体が2割程度しかないという報告があった。

◆ トヨタはNi-MHバッテリーの処理工場があるからリサイクルが可能だとしていたが、当初は金属材料(ステンレスなど)の原料として使っていた。近年になってより高度な分類(分別)が可能になり、廃材からNi-MHバッテリーを作る事が可能になっている。

◆ しかし実際にはコストの面であまりお得とは言えず、リサイクルに要するエネルギが過大だとも言われる。今後Ni-MHバッテリーの廃材が加速度的に増えてくる現状において、どれだけの処理が可能なのかを問題視する向きもある。

◆ Ni-MHバッテリーを高度処理することで9割以上の材料のリサイクルが可能になるそうで、未だ実験段階ながらNi-MHバッテリーの再生産を効率的に行う技術の開発も行われている。ただ現状ではコストの関係もあり、廃NI-MHバッテリーは低質金属材料として使われることが多いそうだ。

◆ トヨタでは回収したバッテリーを検査した上で、別の用途に使う事も行っている。日産もLi-ionバッテリーを選別して組み直し、EV用として再販するなどをしている。これは金属材料にリサイクルするよりも低コストで使い回すことが出来る。

◆ Li-ionバッテリーもリサイクル性が良いとは言えず、更には前処理(完全放電させるなど)の手間があり、燃やしてしまうと炉が傷むなど面倒な部分がある。

◆ リチウム自体の回収はコスト的に困難で、こちらも溶かして低質金属にする方法が多い。低質金属を更に精製すればバッテリーの原料になり得るが、コスト的に見合わないそうだ。

◆ 特に自動車用のNi-MHやLi-ionバッテリーは解体コストが必要なこと、放電させなければいけないこと、リチウム系バッテリーも電極材料による違いによって一律のリサイクルが難しいことなど、リサイクルという面に関しては前途多難と言っても良いだろう。

◆ 現状では炉で加熱して低質金属を抽出した後、コンクリートやアスファルトなどに混ぜて燃えかすを使い切ってしまう。低質金属はコバルトやニッケルとして再利用は出来るが、純度が低い(純度を上げるにはコストがかかる)事から、電池材料としての再利用は難しいと判断されている。

◆ 高度リサイクルではバッテリーの残電圧を管理する(極板物質のリサイクル室に影響する)必要があるため、完全放電させたバッテリーを再充電して、リサイクルに適した状態にしてから次の工程に進むのだとか。また電解液の吸引と電極の洗浄、電解液の有害物質の除去など、リサイクル率を上げるほどにコストがかかってくる。


鉄塔は高い(1/14)
◆ 孫さんは携帯電話基地局の鉄塔を建てるコストが高いと言っていたっけ。当初は電柱型のシングルセクタ基地局など、最もコストのかからない方式でエリアを拡大した。加入者数が少なかったこともあり、マルチセクタにする必要も余りなかったのだ。

◆ 今の楽天と同じくマクロセル構成を採っていたが、鉄塔型基地局がないことを以てスモールセルだとか言い始めた時期もあった。

◆ 都市部の整備が一段落してルーラルエリアとなると、更に人口密度が低いのでセル半径を大きくしたくなる。しかしそれには高い場所にアンテナを設置する必要があり、鉄塔を建設する必要があった。それまでの電柱型に比較するととんでもない建設費がかかり、それを孫さんは嫌がった。

◆ 鉄塔をいくつか建てると、ソフトバンクはこんなに高い鉄塔を建てたんだぞと決算演説会で語り始めた。800MHz帯をメインにしていたKDDIは、もっと大きな鉄塔を持っていたのでソフトバンクの鉄塔を自慢されてもなぁという感じではあったが、孫さんにしてみれば一大決心だったのだろう。

◆ ソフトバンクの後を追おうとしている楽天も、地方では鉄塔を使い始めた。といっても自ら建てるものばかりではなく、既存の鉄塔を間借りする共同利用計画に基づいたアンテナの設置(JTOWER)もある。

◆ これにしても金のない楽天故に、鉄塔を1つ建てるにも(主に金銭的な)苦労がある。取り付けるアンテナやその耐風速などによっても異なるが、鉄塔建設には数千万円の費用が必要になる。

◆ ドコモやKDDIは1万箇所位に鉄塔があると言われるので、楽天が同じ事を行おうとすれば建設費だけで数千億円が必要になる。更にはそこに設置する設備や電力線、通信線、メンテナンスコストを考えれば、現在の楽天に手を出せるシロモノではない。

◆ そうは言っても圏外は減らさなければいけないし、ローミング費用は嵩むし、あるいは高架を通る新幹線や高速道路のエリア化には、高架橋以上の高さの位置へのアンテナ設置が必要だ。

◆ 山の中に鉄塔を建てようとすれば、送電線鉄塔の工事と同じようにヘリコプターで資材を運ぶなど更にコストがかかる。鉄塔だけではなく、そこに引く電力線や通信線、メンテナンスコストもかかる。

◆ このあたりは山の中なので鉄塔型基地局が多く、特にKDDIは高さ30m級だと思われる鉄塔がいくつかある。ドコモはKDDI鉄塔よりは少しスリムなものを建てている。ソフトバンク基地局は余り見かけない(だから圏外)が、少しな離れた所に行くとコンクリート柱かパンザーマストかの基地局がある。楽天モバイルの基地局はパンザーマストに付いている。

◆ 修善寺駅あたりは山の谷間みたいな地形なので、楽天モバイルもそのうち鉄塔を建てるのではないだろうか。現状では(エリアマップはべったり塗られているが)車で走っていると結構穴がある。建物だとか道路橋の影になる部分は電界強度が弱くなってしまう。


CAD(1/13)
◆ いわゆるCADのソフトというかシステムはMS-DOSの時代からあった。当初は専用のシステム上で動いていたり、あるいはワークステーションで動作したりした。それらのソフトがMS-DOS上で動作するように変更されたり、或いはMS-DOSで動作するプログラムが作られた。

◆ MS-DOS上でグラフィカルなソフトを動かすので、ビデオカード毎に別のドライバを読み込むなどする必要があった。当時のCADソフトは紙に鉛筆で書く作業を、画面にマウスで書く作業に置き換えただけみたいなものが多かった。

◆ それでも書き直しが簡単だとか、ラバーバンド(どこかの線なり交点を引っ張ると、それに伴いそれらに接続されている線などが変形する機能)が使えたりした。

◆ 次に機能として出てきたのは、機械CADであれば書いた図面から自動的に寸法線を入れる機能や、寸法を書くとその長さの線を書いてくれる機能だ。電気CADでは出力同士の接続のチェックや入力同士、或いは無接続ピンのチェックが出来るようになった。

◆ 電気系のCADでは配線図からネットリストを作り、それを元に回路シミュレーションも出来る。勿論ネットリストがあるので基板設計も可能になり、その基板の設計データをCADに戻すことで、配線遅延などを含めたシミュレーションも出来る。

◆ 機械CADでは3次元で既存の物体をスキャンし、そこから2次元の図面を作ることが出来る。寸法精度などは人間が書き加える必要があるし、その物体をどこで分割するかとか、どこを可動にするかなども指定が必要だ。

◆ ここから2次元の、いわゆる加工用の図面が起こされ、それらを組み合わせた時の図面や、場合によっては組み立て図が作られる。当然これらは従来な人間の手作業で行われていたわけで、CADによる省力化は相当なものだと言える。

◆ 電気系のCADでも機械系のCADでも、設計図面があるのだから部品の抽出も出来る。部品のライブラリを整備するのは相当大変ではあるが、それによって回路図を書けば基板まで出来る状態になる。

◆ 電気系の筐体設計では熱分布だとか内部の温度のシミュレーションも出来る。熱の計算は結構面倒で、流体まで考えるとなると電気屋さんには荷が重い。しかしCADがあれば、そうした熱対策の部分まで機械が計算してくれる。

◆ 最初の頃は単なるお絵かきソフト程度の機能だったCADも、今は設計になくてはならないものになっている。機械系のCADでは板厚と折り曲げの関係(ベンダーで曲げられるか、機械加工が必要になるか)やクリアランスの問題、材質と熱膨張など、ある程度のシミュレーション的機能を持ったものもある。

◆ 電気系のCADで回路図シミュレーションが出来るものはあるが、電気回路の場合は入力信号と出力波形の確認が要る。そのため機械CADのようなチェックレベルでは済まず、シミュレーションパターンを作るという手間がかかる。更には実行速度が遅いので、シミュレーション時間も問題になってくる。


静岡県とリニア問題(1/12)
◆ 川勝知事が又変な事を言い始めている。リニア開通後の話なのだが、東海等新幹線の静岡県内停車列車数を増やせという。リニアの駅がないのだから、その分は東海道新幹線で穴埋めして貰おうじゃないか、みたいに聞こえる。以前には静岡空港駅を新設してくれとも言っていた。

◆ 川勝知事は現在のダイヤ構成を、リニア開業後はこう変えたら良いと自ら運行表を作ってみたりした。川勝知事は勘違いの激しい老人で、まるで自分が全権を握っているかのような事をはじめてしまう。

◆ 運行ダイヤはJRが決めるものであり、それに対して要望を出すのは自由だが、JRに対して指示する事は出来ない。どうしてもやりたいなら、JR東海の社長にでもなってくれと言う話だ。

◆ JR東海の社長兼総理大臣にでもなれば、自分の好きなように出来る。しかし県知事の立場で他の民間企業を好き勝手にする事は出来ない。総理には書簡を送るとしているが、これが聞き入れられなかったら又悪口を言うだろうな。

◆ 肝心の水の問題は、現在山梨県内のダムに送っている水の一部をカットする事で、大井川の水量を変えない事がギリギリだが計算上は成り立つ。しかしこうなると反対理由がなくなるものだから、絶対水量の話ではなく地下水の全量戻しの話だと言い始めた。

◆ ここまで来ると反対のための反対に他ならないわけで、大井川水域の市町とも意見が食い違ってきている。そもそも何故川勝知事はリニアが気に入らないのだろう。県内に駅が出来ないから?
◆ 東海道新幹線の駅は沢山あるわけだし東名高速も新東名も通っているし、それで良いじゃないかと思うんだけど。東海道新幹線だって決して停車本数が少ないわけではなく、熱海にも止まるし三島に止まる電車もある。逆に静岡県内に停車する電車の本数を増やしたら、静岡県民の利便性は上がるかも知れないが、他のエリアに行く人は不便になる。

◆ 東海道新幹線が静岡専用だというのなら好き勝手にすれば良いが、自分の都合だけを押し通したって良い事はない。新幹線問題は京都も文句を言っていたっけ。名古屋や大阪には止まるのに京都に止まらないのはおかしいと。

◆ 新幹線だって各駅停車があるのだから、それで良いと思う。三島は小さな駅なのだが、それでも2時間に1本はひかりが停車する。ひかりで新横浜まで行くと所要時間は26分しかかからない。

◆ 静岡駅だと1時間に1本以上はひかりが停車し、東京までは61分で到着する。それでも静岡市長は、もっと停車本数が増えれば嬉しいと言っている。確かに利便性は上がると思うが、1つの駅に停車させる事による遅延は停車時間だけではなく、むしろ加減速時間の方が多いのだ。

◆ こうした様々な事情だとか乗降客数などを考えてダイヤが編成されている。そこに県知事が口出しをするという理由が分からない。頭を下げてお願いするのならいくらやっていただいてもかまわないが、川勝知事がJRに頭を下げるなんて事は無いんだろうな。


加入者集めは大変(1/11)
◆ 昨年から今年にかけてもDIAMOND誌が楽天モバイルの厳しさを何度か取り上げていて、三木谷氏が従業員に加入者5名の獲得ノルマを課している事にも触れていた。

◆ これは楽天モバイルの関係従業員のみではなく全社員だが、外国人従業員は日本での知り合いが少ないであろうと言う事で、加入者集めの人数に手加減が加えられているとの事だ。

◆ この辺りはソフトバンクも同じ事をやっていたわけで、全従業員が訪問販売係にされるという地獄が待っている。家族や親戚を加入させる、家族や親戚に名前を借りて代金は自分で払うなど、生命保険屋と変わらない。

◆ 私は博士号を持って入社し技術部に配属されたんです、なんて言っても聞いて貰えない。技術部員である前に楽天の従業員だろと言われるだけだ。

◆ この従業員による訪問販売作戦は昨年から言われていたそうで、正月休みを利用して営業をしてくるようにとのお達しだったとか。しかし思うように加入者が集まらず、三木谷氏は激怒した。さらなる身内営業強化のために、1人あたりの加入上限を10回線に引き上げた。他社はTCAの自主規制により5回線までとしている。

◆ 大赤字からの脱却には2〜3千万加入が必要だとみられている。単期で黒字化しただけでは、これまでの投資やそれに伴う借金を返せない。月間10万加入増を続けたとしても2千万契約を増やすには8年以上かかる。

◆ 最低限他社に追いつく程度のエリア整備に1〜2兆円は必要だと見られている訳だが、資金難故に設備投資の先送りなどを進めているそうだ。

◆ 結局の所事業の立ち上げ時にいくら金を持っているかが勝負になり、カネがあればエリア整備にしろ何にしろ短期間に構築が出来る。商売にならないと言われ、先発企業が諦めたり、或いは規模を縮小した衛星コンスタレーションを見事に築いてしまったイーロンマスクのように。

◆ 金策に関しては社債の発行や、株を担保にした借金などを行うも、まさに焼け石に水だ。DIAMOND誌は、事業者としてはタブーと言われる禁断の作戦(設備投資抑制とローミングカット)に出たと報じた。

◆ 700MHz帯の獲得がいつになるのかは未だ分からないが、700MHz帯を獲得すればそれを活かすために基地局を作っていかなければいけない。現状のコンクリート柱に700MHz帯のアンテナを付ける事も可能だが、それではエリアが中々増えない。

◆ かといって鉄塔を建てるには金がかかりすぎる。かつて孫さんが鉄塔は(価格が)高すぎる、ルーラルエリアはやらないと怒り散らした。そうは言っても建てざるを得ないわけで、建てれば建てたでそれを自慢のネタにしたという歴史がある。

◆ 楽天も必要に迫られて鉄塔を建て始めてはいるが、コストの問題は頭が痛いだろう。ソフトバンクも3G時代の基地局はコンクリート柱にオムニアンテナを付ける程度でやっていたわけで、当初は楽天もソフトバンク方式になるかな。


集合住宅とEV問題(1/10)
◆ 都内ではガソリン車からEVに変えたいという人が一定数居るそうだ。余り車に乗らない、でも買い物などの時には車があった方が便利などで、主に年間走行距離が3千km程度の利用者が該当するのだとか。

◆ ここで問題になるのが充電設備で、多くの集合住宅には充電設備がない。充電設備がない以上どこかに充電しに行く必要があるのだが、それはあまりにも面倒だ。テスラなどは乗らなくてもバッテリー残量は減るので、余り車を使わない人だバッテリー上がりになってしまう。

◆ マンションの駐車場に充電設備を設けるのは意外に難しいそうで、そもそもマンション自体の(電線を通す)配管設計などによっては電力線を引き込むことが出来ない。

◆ 急速充電を諦めるとして20kWの出力だとしても100軒(100台)分の充電設備となれば2MWの電力が必要になる。住居用の電力が500kVA位だろうから、余剰分で何とかなるという話ではない。100世帯くらいのマンションでは6.6kVを受電していると思うが、6.6kVでは2MWまでしか許容できないと思うので、20kVの受電設備が必要になる。

◆ こうなると受電設備を変更し、配管と配線を変更しとなるのだが、古い建物だとそうした変更が考慮されていないので変電機器や受電機器を置く場所がなくなる。また配線が通らないために露出配管を追加するなど、見栄え的にも悪くなってしまう。

◆ ここでガソリン車派とEV派の対立が起きる。金をかけてEV対応にすべきなのかどうか、車を持たない世帯やEVに興味のない世帯は当然反対する。一方でEVに乗りたい世帯はどうしても充電設備が欲しくなる。

◆ アパートなどの屋外駐車場ならば充電施設が作りやすい事、住民の車がない時には(時間貸し的に)充電スポットとして金が稼げる可能性もあり、難易度は下がる。しかしマンションの地下駐車場や、立体駐車場(多層式のもの)は現状では難しいと言われる。

◆ 現状でEV所有者の9割は戸建てに済む人だそうだ。マンションによっては敷地内に充電器を置いているところはあるが、1回に30分しか使えないとなると"満タン"には出来ない。これでは航続距離が短く実用的ではない。

◆ 政府は2030年までに充電スポットを3万箇所に増やすと言っているが、1箇所で10台が同時充電できたとしても30万台分でしかない。EVが100km走行毎に充電にやってくると考えたら、足りないのではないのか。

◆ もしかしたら2030年頃には30分の充電で500km走れるようになっているかも知れないが、その為には500kW出力くらいの充電器が必要だ。これが10台分だと5MWなのだから、特高20kVで300Aくらいの電流になる。

◆ 現時点でも言われているが、充電器の独占問題がある。充電は30分で切れるが、自動車の持ち主は車を置いたままどこかに行ってしまい戻ってこない。そのため他の車が充電器を使えない。これは30分以上止めておいたら駐車料金的な課金をする以外にないだろう。色々なシーンを考えると、日本に於けるEVの未来は暗いと思う。


各社解約率(1/9)
◆ 時期毎に変動はあるが、平均的解約率はあまり変動せず、平均的解約者数は各社とも似たような数字だ。解約者数が同じような数字になるので、解約率は加入者数の最も多いドコモが最も少なくなる。

◆ ドコモは過去には長期利用者優遇なども行ってきたので、安定ユーザが多いと推測される。安価な小容量プランがないなど今後利用者が減少する要因はあるものの、ドコモがその対策を行わないと言う事は、現状で解約率が極端に上がることはないだろうと思っているわけだ。

◆ 解約率が1%前後なのはソフトバンクで、解約率の高さは無理な顧客獲得の反動だと言われた。しかし今は余り無茶な顧客獲得作戦を展開するわけにも行かず、その意味では無理に獲得した顧客の解約は一巡したとみられる。

◆ しかしなおも解約率が高いとなると、事業者として本質的部分の魅力に欠けるとしか言いようがない。実際ソフトバンク本体は純減を続けていて、それをYモバイルが支えている。もはやソフトバンクに他社と同じだけの金を払う魅力はないと言うことなのか。

◆ このあたりは山も多いので、ソフトバンクはすぐに圏外になる。エリアマップの塗りつぶしは他社より広範囲にわたるが、実際に使える場所は限られている。地方部や山間部ではそもそもソフトバンクを使う人が少なく、使う人が少ないのでエリア整備もされない。

◆ エリアに関してはワイモバイルも同様なのだが、安いから仕方がないと思う人も居る。だったらOCNモバイルの方が良いのではないかと思うのだが、ワイモバイル契約者の平均年齢は高く、他社への契約変更は面倒だからこれでいいと諦める傾向だ。

◆ ヤフー検索などの世代が中高年以上と言う事もあり、若い人が持つワイモバイルのイメージと高齢者が持つそれでは少し違うのかも知れない。いずれにしても現在のソフトバンクを牽引する存在であり重要な位置づけになる。

◆ ahamoやpovoという廉価プランは順調だとし、ahamoは十分な契約者数に達している。ただし速度面などでの不満は少なくない。ドコモ本体に比較すると混雑時間帯で速度が落ちるなどしていて、昼や夕方ではドコモ本体の半分程度の100Mbps台に落ちるというレポートもある。

◆ それでもLINEMOの2倍くらいの速度は出ているのだが、例えばpovoはアベレージの速度はさほど速くはないがau本体とあまり変わらない。LINEMOは遅いけれどこれもソフトバンク本体と変わらない。しかしドコモはドコモ本体より遅く、これがahamoは遅いと言われる原因なのか?
◆ LINEMOは遅いという評価は少ないが、圏外が多いと言われる。これはソフトバンクを知らない人がLINEMOで契約し、思った以上に使えなくて困るといった感じだ。ソフトバンクを知っている人であればソフトバンク本体と同じだなで済むのだが、他社から移ってきた人だと戸惑うことになる。

◆ 楽天モバイルの解約率は安定していないが、エリアの狭さはいかんともしがたいところであり、解約率を下げるのは難しそうだ。


2SC372(1/8)
◆ 2SC372は東芝がかつて製造していたシリコンエピタキシャルプレーナ型トランジスタだ。2SC372が多く使われていたが、これは2SC370から2SC374までのシリーズになっていた。2SC370〜2SC374の違いはhfeで、2SC370の最小20から2SC374の最大1000まであった。

◆ また同型番でもサフィックスにアルファベットを付け、例えば2SC372でも-Oはhfeが70〜140、-Yは120〜240という具合だ。当時は製造上のばらつきが大きく、hfeによる選別でいくつもの製品に分かれたわけだ。

◆ トランジション周波数は80MHz〜200MHz(当時のデータシートではMc(メガサイクル))で、高周波用とは謳われているが、IF周波数帯で使われる感じだった。

◆ 2SC372がいつ頃まで使われていたのかは定かではないのだが、私がディスクリート回路を設計するようになった時には既に過去のデバイスだった。2SC372に代わって使われていたのが2SC1815で、2SC372と似たような特性だ。hfeのばらつきにより、4種類のサフィックスコードが付けられていた。

◆ 2SC1815も生産はされていないが、中国製のものがある。特性が同じなのかどうかは不明、レポートによるとノイズが大きいとかトランジション周波数が高い(低いではない)との話がある。

◆ 足つきの部品からチップ部品へと切り替わる際に、ガラス封止ダイオードの製造中止も度々アナウンスされていた。小信号用スイッチングダイオードの1S954とか2S1885あたりがそれで、チップダイオードへの設計変更案内みたいなものが来ていた。

◆ ただ実際には消滅することなく、というよりも互換性を持ったガラス封止ダイオードが登場することによって、設計変更せずに製造を継続できた製品の多かった。表面実装デバイスが増えてきた頃は、半導体部品のみならず電解コンデンサでも何でも表面実装品になっていった。

◆ 2SC1815はセカンドデバイス(東芝が正式に許諾したかどうかは不明)が存在し、それ以前にもピン配置の異なる2SC1815が存在していた。2SC1815が使われている回路に於いて、何が何でも2SC1815でなければならない事は少ないとは思うが、相当数が生産されたトランジスタだけに古い機械の修理などでの需要はそれなりにあるわけだ。

◆ 昔のラジオなどを分解すると2SB56が使われている。2SB56は金属パッケージに入った東芝製のゲルマニウムトランジスタだ。ラジオのスピーカ用アンプには2SB56のプッシュプル構成の回路が使われ、出力のインピーダンス変換のために出力トランスが使われていた。

◆ トランジスタの品番は、2SAは高周波用、2SBは低周波用PNPトランジスタ、2SCは高周波用、2SDは低周波用のNPNトランジスタとして分類される。

◆ 元々はJIS C 7012:1982として規定されたが、1983年からはJEITAのED-4001Aの規定に基づくものとされている。ただ最近ではJEITA品番を取らずに、メーカの独自品番のままのデバイスも少なくはない。これは一般販売(いわゆる外販)が少なくなったことにもよると思う。


SmartHome(1/7)
◆ SmartHome先進国と言えば中国だろう。欧米で普及が始まったが、圧倒的な普及率と販売数で中国が世界一になる。

◆ 以前に日本のIoT家電に関して書いたが、インターネットに接続出来るとカタログに謳う為に接続するみたいな、実際に何が有用なのかがよく分からない家電が多いのが日本だ。インターネットに接続するとレシピがダウンロードできますと言ったって、そんなものはスマートフォンでもPCでも出来るよねで終わってしまう。

◆ さらには各社独自の規格なので、トータル的制御がうまく出来ない。アプリなどの品質も良いとは言えず、使いにくい・分かりにくい・広告が多いなど、使う側を見ていない。

◆ 欧米では制御規格などの統一化に向けて米Connectivity Standards Alliance(CSA)が、スマートホームの通信規格Matterの仕様1.0版を公開した。CSAに加盟することで世界共通のプロトコルによる製品を販売することが出来る。

◆ AmazonやGoogle、AppleやSamsungなど、多くの著名な企業がプロモータとして名を連ねている。日本企業は一部家電メーカなどがパーティシパントとして登録されている。パーティシパントは登録料が安いとか、あくまでも独自仕様で行きたい的な背景があるのではないのか。

◆ CSAに加盟することにより、ホームオートメーション製品は共通の制御が可能になり、スマートスピーカなどでの制御も共通化される。これは使う側にとっては便利なことなのだが、あくまでもオリジナリティに拘るという日本企業のおかしなプライドは、CSAスタンダードを嫌うのだろうか。

◆ 大手企業が独自路線を捨てきれないのに対して、日本の新興メーカなどはCSA準拠を謳うところも出てきている。元々は中国製品のOEMやODMになるものだが、既存の音声アシスタントでの対応が保証されるCSA準拠の文字は、使う側に安心感を提供する。

◆ こうした日本の大企業病はプラスメッセージの失敗同様だ。プラスメッセージ利用者が○○万人みたいな事も言われているが、プラスメッセージとしてではなくSMSのスタンダードアプリとして使われているに過ぎない。5G対応スマートフォンを購入したら強制的に5G契約にさせられるのと同じだ。

◆ 日本企業が未だに考える鎖国主義みたいな、独自規格を貫いた日本の携帯電話のような囲い込みを夢見ているとしか思えない。勿論日本の力が強く、時代の先端を走っているような時代であればそれで良かったのかも知れない。

◆ PDCの頃に、海外事業者がPDCの導入を検討したいと日本に来たことがあり、英語版の仕様はないのかと言われた。しかしドコモは、知りたければ日本語を勉強して出直せと追い払った。

◆ このあたりの反省というか見直しというかで後に英語版が出来るわけだし、その甲斐と言えるのかどうかは分からないが、PHSはいくつかのアジア諸国でサービスが実現した。それでも一部事業者や一部メーカは制御方式の独自性を盾に(その制御方法の実装に)高い値段をふっかけるとか、まあ色々やっていたけど。


公園を廃止させた人間(1/6)
◆ 長野県の公園で遊ぶ子供の声がうるさいと1人の住民がクレームを入れ、結果として公園が廃止されることになったとのニュースが昨年あった。これに対しては賛否あるとは思うし、幼稚園や保育園の建設反対運動が起きている地域もある。

◆ 確かに多くの子供が遊べば騒音源にはなり得る。以前に学校の近く、とは言っても300m位離れていたところに住んでいたことがあった。普段は特に音がうるさいとは感じなかったのだが、運動会などイベントのある時は酷かった。

◆ 窓を閉めていたとしても容赦なく音が入ってくる大音量で、アナウンスや音楽が流される。これが朝から夕方まで続くのだ。どこかに出かけてしまおうとしたところで、道路には運動会を見に来た父兄の違法駐車車両がぎっしりで、片側通行に近いことが起きて大渋滞である。

◆ そんな迷惑な時期が今年も来たな、秋が来たなと思うのか、徹底抗戦の構えになるのかは住民の気持ち次第である。学校側が配慮すれば済むことでも、違法駐車は父兄の責任であり学校は関係がないという。スピーカからの音は必要なものであり、騒音ではないという。

◆ 違法駐車に対する通報は多いようで、パトカーが回ってくる。パトカーが来ると車は拡散するが、パトカーが去れば又元の場所に駐車する。切符を切ればいい話なのだが、何せ台数が多いのとパトカーが来たよと学校側がアナウンスするので一斉に逃げてしまう。

◆ こうした状況が想定されるとすれば、学校や幼稚案の建設に反対する気持ちは分からなくもない。ただ事前にそうした状況が起きないように、もしも起きたら直ちに対策を講じるようにと確約が得られれば、反対する理由はなくなる。

◆ 長野県の公園の場合は、住民が公園の近くに移り住んだわけではなく、公園が後から出来たそうだ。更にこの公園は児童センターが使っている事で、多くの子供達の遊び場になったそうだ。

◆ 児童センター側は様々な対策を講じたと言うが、一人の老人からの苦情はその後も続いたそうだ。騒音問題がその1軒だけであれば、防音工事で解決は出来たと思われる。もっとも老人は騒音だけではなく、庭にボールが入ってきたことも気に入らなかったようだ。

◆ まあ文句を言う側も解決策に応じないみたいな部分があったとも考えられる。また普通は大規模な施設なり公園が出来る時には住民説明会などが行われ、懸念事項などに関して話し合われるのが普通だが、老人は「(公園が)突然作られた」とする。

◆ 公園で子供のボール遊びを禁止し、老人がゲートボール場に使うなんて話もある。結局声の大きい方に従う以外になくなるみたいな、老人パワーに押される子供は可哀想だとも言える。

◆ 少子化対策云々という話があるのだが、高齢化した住民達の居る高齢化住宅地は子供の侵入を拒否する空気に満ちている。子育て環境の難しさは、こうした地域の空気も影響する。住宅の取得にしてもアパートに住むにしても、子育てに適する住環境かどうかを判断できる何かが欲しい。


物流効率化(1/5)
◆ トラックによる輸送量は増えているがトラック運行台数はさほど増えていない。これは物流の効率化の現れで、配送先や時間とトラックのサイズなどの最適化によるものだそうだ。

◆ 端的に言えばバラバラに運んでいたものをまとめて輸送する訳で、運送業者の輸送量増大が効率化に寄与しているとも言える。

◆ ヤマト運輸の創業者は、例え利益が少なくても大量輸送を目指すべきだとした。しかし一時期Amazonの配送量が増大した時に、値上げを行い結果として配送量を少なくした。しかしそれは失敗であったと気づかせられることとなり、再び元の路線に戻ることとなった。

◆ 物流とはスケールメリットが出やすい分野であり、結果としてそれが経営改善に寄与する。更には荷物の仕分けなどの効率化による人件費の削減など、時代と共に物流は変化している。

◆ ヨドバシカメラは配送センタにフランス企業のロボットを導入する。こうした自動化では日本の企業が優れていたわけだが、何故フランスのExotecなのか。

◆ ヨドバシカメラによれば国内外の自動ピッキングシステムを検討したそうだが、受注から出荷まで1時間でこなせるシステムがなかったそうだ。ExotecのSkypodは自律走行ロボットが自らラックに登って荷物をピッキングする事で、専用のレールなどを用意する必要がなく、運用効率が高いという。

◆ ピッキングシステムによってはラックを上下するもので荷物を取り出し、それを左右に動くコンテナに載せ替えて運ぶものが多い。これだとコンテナ数を増やすことが難しい(干渉が起きる)のと、積み替えに時間を要する。

◆ Skypodは中国の物流拠点による仕分けロボットのように、それぞれが自立して動作する。ラックから取り出した発送物は、そのロボットが出荷場所まで運ぶ。その為積み替えの時間も不要だし専用のレールも不要になる。

◆ 従来は運搬トレイやコンテナをバッテリーで動作させるなど、殆ど行われなかった。充電やバッテリー寿命によるメンテナンスを嫌ったためだ。しかしLi-ionバッテリーの登場と低価格化により、自律走行型のものが実用化された。

◆ Skypodの導入はユニクロに続いて2社目だそうだ。各ロボットは遠隔監視されていて、障害発生時にもリモートで問題が解決できるそうだ。Exotec社は2015年の操業と歴史は浅いが、日本法人も持っている。ExotecのRomain MoulinCEOは「我々と(日本人は)働き方が似ている」とした。

◆ 日本では高額所得者優遇・大企業優遇が安倍政権時代に行われ、中小企業などの多くは消滅した。これによっていわゆる新興メーカの進出も阻害されることとなり、ユニークな製品の開発力が十分に活かされない地代が続いた。

◆ 大手企業はリスクを回避する方向となり、新規開発に対する予算を縮小した。新規開発の縮小は社内に於けるノウハウの蓄積を妨げることとなり、受託開発に於けるスピードとコストでも競争力が低下した。


ポイント付与率減少(1/4)
◆ 楽天MasterカードはAmazonでの買い物で得られる楽天ポイントを従来の1/5にする。Amazon以外での買い物に対しては今のところ従来通りとなっている。

◆ 大赤字の楽天故にポイント改悪もやむ無しという所だろうが、visaやJCBは今のところは従来通りだ。Amazonで買うなら楽天で買ってくれと言うことだろうが、だったらAmazonカードか他のクレジットカードを使うだろう。

◆ ポイント改悪で楽天ショップでの買い物が増えるのか、それとも単に取扱高が減るだけなのか。まあ三木谷さんは自信家なので、楽天市場に人が戻ってくると思っているかな。或いはMasterカードを持っている人は、もう一枚visa版を作れと言う事か。

◆ 楽天カードはノーマルカードとゴールドカードがあるのだが、ゴールドカードのポイント付与率は既に1/2にされている。また公共料金の支払時に得られるポイントも1/5に減らされている。もはや楽天のゴールドカードを持つ意味はないというか、そもそも普通の人はゴールドカードは持たないかも。

◆ 楽天証券の改悪もあったし、楽天の保険がポイントアップ対象外になったし、楽天銀行でもポイントアップ率が1/2に減らされている。楽天証券は投信残高に対してポイントが付与されていたものが廃止、2千万円の残高があると1度だけ500ポイントが貰えるだけになった。それ以外にも細かな変更でポイント付与率や、ポイント加算率が減少している。

◆ こうした隙を突くのがPayPayポイントで、崩れかける楽天経済圏を乗っ取る勢いである。楽天にしても改悪して客が減るのは怖いだろうが、何しろ金がないのだから仕方がない。楽天カードの入会特典にしても楽天銀行と証券のマネーブリッジにしても、いわば金をばらまいて客を集めた。

◆ これはソフトバンクがiPhoneにキャッシュバックを付けて客を集めたのと同じだ。しかしカネで集めた客は、カネが貰えなくなれば去って行く。これはソフトバンクが証明している。実際楽天証券も解約が増えたらしいが、三木谷さんに言わせれば"ポイントだけ持っていく客"となるのか。

◆ 楽天カードの入会特典は5千ポイントから8千ポイントの付与で、今のところは従来通りだ。楽天カードはカードの2枚持ちを勧めている位なので、既に加入者は飽和しているのだろう。2枚持ちにメリットがない事は以前にも書いたとおりだが、千ポイントだか2千ポイントが貰えるので2枚目を契約する人が多い。

◆ これによる楽天のメリットは契約者数のかさ上げだ。携帯電話契約数と同じく、契約者数の純増こそが勢いであると投資家は思う。もはやその内容はどうでも良く、数が大きくなっていれば良い的な感じだ。

◆ 全ての契約者に2枚を持たせるというわけにはいかないだろうが、ソフトバンクの2回線目ゼロ円と同じでかさ上げ効果は大きい。ただし契約数に対する利用額は半分まで減ってしまう。このあたりは利用額計算を契約枚数ではなく、契約者数とすることで誤魔化せる。


売れる事は何でもやる(1/3)
◆ トヨタのGR戦略はカローラにも及ぶ。かつて日産がワンボックスカーにまでGTエンブレムを付けたのと同様、トヨタはGRエンブレム を売っていく。500万円を超える価格のカローラは304馬力を絞り出すエンジンを搭載する。

◆ このあたりはかつてのホンダのような感じで、シビルミニマムカーとしてのシビックが時代を経る毎に変貌し、ハイパワーエンジンを搭載したようなものだ。ホンダは一時期ワンボックス専業メーカみたいな感じだったが、ワンボックスブームの終焉をいち早く嗅ぎつけ方向転換した。

◆ インテグラの再来もその一つなのか、1.5リッターターボで200馬力、2リッターモデルは300馬力を発生すると言い、これには6MTの組み合わせもあるそうだ。トヨタはEVに仮想シフトスイッチを付け、トルクカーブと排気音(電子音)でそれっぽさを演出する仕組みを公開した。実際にはEVなのでトランスミッションは搭載されていない。

◆ ワンボックスカーブームの終焉によってコンパクトカーが売れ始めた。コンパクトカーに乗れば、なぜあんな無駄な空間を背負って走っていたのだとなる。しかしコンパクトカーが全盛になれば、今度はもっと軽快に走りたいと思う人が増えてくる。

◆ そんなところを上手く突いたのがヤリスだったのだろうし、GRエンブレムの力だったのだろう。こうした方向性は、少なくともトヨタの若返りには寄与していると思う。将来的にGRアルファードやGRハイエースが登場するかどうかは別として。

◆ プリウスもこの路線に乗せたと言って良い。ただトヨタの社長は、プリウスはもう売れないのだからタクシー専用車にしてしまえとの発言があったとか。一世を風靡したプリウスだったが、2019年あたりから雲行きが怪しくなってくる。

◆ 危険な車として認識され始めたのか、或いは単に飽きられただけなのか、急激に販売台数を減らした。海外でも事情は同じなのだが、販売台数の減少は日本より早い時期に訪れた。海外の動画などを観てもプリウスの危険性を指摘するものがあり、プリウスミサイルは国際語となっていったのである。

◆ それでも操作性を変えなかった設計者は、プリウスは売れるはずだ、何故売れない、プリウスを買わないヤツは馬鹿だ、プリウスが悪いわけではなく買わない奴らの頭がおかしいと、もしかしたら叫び続けていたかも。

◆ いずれにしても新型プリウスでは悪名高きシフトに表示機能を付け、何と!コストがかかるとか、フロアマットが敷きにくいとか言っていたトヨタが、オルガン式アクセルペダルを持ってきたのだ。やはりミサイルの代名詞はダテではなかったと言う事だ。

◆ 視認性の悪いセンターメータも廃したし、ハイブリッド車だけれどEVに近いんだよと言うアピールか、bz4xのデザインとクラウンを混ぜたようなスタイルにし、これは中々評判が良いようだ。アンビエントライトも付けたから、後付けのLEDテープは要らないよと。現行モデルでは後付けパーツ群でGR化が果たせるのかな、GRプリウスは先代で終わり?新型プリウスのコンセプトは「一目惚れするデザイン」「虜にさせる走り」だそうだ。


おせち料理(1/2)
◆ 今は出来合いのおせち料理セットを買うのが当たり前のようになっている。おせち料理セットが売られはじめた頃には、それを買う事に罪悪感を覚えた主婦も多かったという。

◆ しかし実際問題として核家族化による世帯人口の減少は、少量多品種を作らなければならない正月料理の制作の手間を増大させる。いまでこそ少しだけの部材だとか、特定の料理を作る詰め合わせみたいな売られ方もしているが、それにしたって豆を20粒だけ煮るなんて事は出来ない。

◆ そこに登場したおせち料理は人気となり、年々売り上げは増加している。おせち料理のセットではなく単品販売もあり、100円ローソンの売る100円おせちの売り上げが2020年度で2億円だそうだ。なおおせち料理セットは楽天市場で30億円ほどの売り上げとなっている。

◆ 一時期は豪華なおせち料理セットに人気が集まり、年に一度だからとデラックスなものを買う人が多かったそうだ。しかし市場が落ち着いてくると、余り食べないものだとか子供が好まないものを避けるようになり、セットではなく単品の出来合の品物を買い求める人も増えたという。

◆ おせち料理を用意する人の約4割はセットのものを買うと言い、残りが自分で素材から作る或いは出来合のものや作ったものを盛り付けるとなっている。

◆ おせちを食べない人、食べない世代も増えていて、アンケート回答者の1/4はおせちを食べないと回答していた。一人暮らしや夫婦2人の場合はおせちを食べない率が上がる。これは自分の食べたいものを食べるとか、買ったり用意したりするのが面倒、市販のおせち料理は予約が必要など面倒、どんな料理が来るのか広告写真と同じなのかどうかが不安、などの理由だ。

◆ 予約と言えば、早い所だと9月頃から予約を取り始めている。早期予約でお得みたいな宣伝をしているのだが、素材の仕入れはもっと後になるはずだ。すると予約時の想定素材原価率と、製造時に於ける原価率に違いが出る。このリスクを埋める儲けがなければいけない。

◆ おせち料理は毎年売れ残りが出るので、それが安売りされる。クリスマスケーキが25日に投げ売りされるようなものだ。また通販サイトなどでは、売れ残りと称しているが、いわゆる安売り用のものも販売される。これはセール用の洋服を仕入れるファッションショップと同じで、定価の高いものを安売りしているのではなく安売りに耐えるものを安く売っているだけだ。楽天などで【在庫処分50%OFF】などと謳われているものがあるが、ではアナタはその商品が半額になっていない、つまりそこに示される価格の2倍で売られていたのを知っているだろうか?
◆ いくつか見てみたが販売開始が12月31日の17時になっているものもあり、発送日は「入荷次第」と書かれていた。これは売れ残ったのではなく仕入れて売っている事になる。そもそも予約販売が基本なので、量販店以外での売れ残りは余りないはずだ。


明けましておめでとうございます(1/1)
◆ 今年は令和5年になるのか。和暦はあまり使わないので、令和にしても平成にしても、何年と言われても直感的に分からなかったりする。役所などでは相変わらず和暦なのだが、一部の書類に関しては西暦での記入が許されるものもある。許されるものがあるのだが、日本人は和暦でかけとか言われた事も。

◆ 今年は色々増税などが行われるはずだ。年金の支払い停止年齢も上がるのかな。そのうち年金は生きている限りずっと払えとなったりして。サラリーマンでも定年退職後は国民年金に強制加入、年金を払い続けるという悪夢が待っている。

◆ 気にしている人は少ないかも知れないが所得控除額が変更されている。所得控除額が減った分だけ今は基礎控除が増額されているので、今の所は増税になっていない。ただし年収が850万円を超えるとか、給与所得以外に収入がある場合は別だ。基礎控除の増額は見直されて、結局増税だ。

◆ 消費税増税論は「今後の高齢化の進展に合わせて、遅れることなく、消費税率の引き上げについて考えていく必要がある」との事なのだが、実際には高額所得者の所得税減税と法人関連税の減税分を埋めるだけであって、福祉関連には殆ど使われていない。

◆ 増税の時期は「22年から議論を始めて、23年末の税制改革大綱でまとめ、24年1月から始まる国会で可決、同年10月ごろに実施」論があるそうだ。相続税やエコカー減税改正は4月頃、道路利用税や炭素税、所得控除の見直し、配偶者控除の見直し、たばこ税の値上げも審議(実施は来年?)されるらしい。自動車関係では距離課税やEVモータ出力税が検討される。

◆ コロナで相当な金をばらまいてしまったわけだし、安倍政権時代は100兆円くらい(コロナだけではなく外交予算が大きい)くらい使ってしまった。コロナ感染より苦しい増税が待っていると思えば、子供を作る人が減るのも当たり前で、人口減が加速する。

◆ 以前に楽天カードがタッチ決済に舵を切った話を書いたが、クレジットカードのRF ID内蔵化は思ったよりも早く進んでいる。ただし決済側(店)の端末のリプレイスは進んでおらず、タッチ決済は使えませんと表示しているところもある。

◆ 2019年頃からコード決済が減り始めたのが中国で、一つの理由としてセキュリティの甘さがある。決済用のQRコードを印字した偽の請求書などで、多くの人が被害に遭ったという。今後日本でもこうした問題が起きれば、コード決済の未来は明るくなくなる。

◆ 電車の乗車をクレジットカードで行う試みも行われているし、マイナンバーカードのクレジットカード化やSuica化も検討されている。こうした事って国が主導すべきなのだろうか。いや、マイナンバー関連で儲かる企業がせっせと自民党に献金している現状を見ると、ディジタル化ディジタル化と言いながら、関連企業に落とし中根を自民党が吸い上げているだけだ。

◆ 多少便利になるかなと思うのは運転免許証の更新が自宅で出来るみたいな事なのだが、視力や聴力検査はどうするんだろう。