鹿児島で古いベンツを見る



例年通り、今年も鹿児島行きの季節がやってきた。
今回は日程などの関係もあって航空機を利用する。
航空運賃は大人2名と子供で往復15万円弱,当然の事ながら陸路を行くよりはコストがかかる。
その反面移動時間はかなり短縮されるはずだった。
が、当日の鹿児島は天候不良。
朝9時過ぎに家を出て、羽田で遅い朝食を..食っていたら鹿児島行き延発のアナウンスが流れる。
強風と雨で欠航するかも知れないと言うのだ。
結局30分ほどの遅れで羽田を飛び立つことになった623便だが、鹿児島に着陸できない場合は大阪か福岡に引き返すらしい。
途中四国上空あたりから揺れが感じられるようになったが、機内サービスが一時中断した程度で鹿児島上空に到達した。
高度が下がることと減速をGで感じながら着陸を待っていると、機長からのアナウンスが入る。
「天候不良で着陸許可が出ていない,しばらく国分上空を旋回する」とのこと。
10分ほどが経過して再度着陸のアナウンスが流れる。
が、これも失敗。
追い風が強いために着陸できないと言うわけだ。
そして再度上空に戻って旋回待機,時間の方は到着予定から20分も過ぎている。
やっぱり福岡に戻されるのかなあ..と思い始めた頃、再々度の着陸アナウンスが入る,が、空港は宮崎に変更された。
宮崎空港から受け入れOKの連絡が出次第、そちらに向かうと言うことだ。
航空機の速度で鹿児島−宮崎は10分程度だとか。
宮崎着陸が決まると、宮崎からの移動手段などあわただしく説明が入る。
詳しくは空港に下りてみないと分からないとのことだが、ビジネスマンは客室乗務員に列車の時刻表を要求していた。
着陸は15時頃,離陸が12時頃だったから、まっすぐ飛んでいれば沖縄あたりまで行けたかも知れない。
宮崎は小雨が降っていたがほぼ無風,気温は高く蒸し暑い。
空港を出ると、消して手際がよいとはいえない誘導でチャータバスに乗り込むことになるが、何せ搭乗客が500人近いのである,何台ものバスを待つ間に疲れてしまった。
バスでの移動時間は90分,鹿児島に近づくに従って風雨は強さを増し、バスのウインドゥを叩く雨音は台風を思わせる。
空港に到着すると、その風雨のすごさは大変なもので関東地方では台風の時以外では経験できないだろう。
何しろバスを降りて2mほどの距離にある屋根付きの通路に入るまでにずぶ濡れだ。
結局この日の欠航便は5本だったらしい。
我々が宮崎に下りた頃の15時頃には着陸できた機もあったと言うから、まあ運が悪いと言うことだ。
空港を出て妻の実家に向かう頃には17時近くになっていた。
途中も大雨で車の速度は上がらず、早く着くはずの航空機利用のメリットはどこかに行ってしまった。


実家に着くと、去年まであったパジェロが古いベンツに変わっていた。
あのディーゼルパジェロはアクセルを開けたとたんものすごい量のディーゼルスモークで煙幕を張る。
おそらくディーゼルに乗っている人に自覚はないと思うのだが、ふだんディーゼルの後ろを走ってイヤな思いをしている身にとっては罪悪感が強い。
実家は山の上の方にあるので、ウグイスの声も聞こえる自然をPIMとNOxで汚すことになるのだ。
それに変わったベンツ,初年度登録は昭和52年となっている。
実に20年も前の車なのだ。


エンジンはV8の4500ccで、アイドリングが若干不安定だ。
そのほかの部分にヤレは少なく、とても20年ものとは思えない感じだ。
特にドアの取り付けやサスペンション系がシッカリしているのは意外なほど。
年代なりに痛んでいる箇所を探すと..アイドリング時に不整脈がある。
/デフから少し音が出ているが、これは新車で買った日産のフェアレディーZと同程度のもの。
日産では「こんなものですよ」と言っていた。
/ステアリング中央付近の遊びが大きい。
/デフのマウントがヘタっているのか?急にトルクをかけるとコツンと音がすることがある。
逆に古い割にはシッカリしているところは..不正路を走ってもミシリとも言わない剛性感/ドア下部など錆びやすい部分が予想に反して腐っていない。
/ちゃんとエアコンが効く/ATはシフトスケジュールも正確,って感じ。
乗っていて不満なのはアイドル時の不整脈だ。
せっかくのV8なんだから、もう少し安定に回ってほしい。
もっとも後席に乗っていれば気がつくものでもないのだが。
そこでボンネットを開けてみることにした。


何とも古めかしいが、古いエンジンルームってスッキリしていた訳ね。
エアコン配管には、余熱(余冷?)を利用したガソリンクーラが..って事はKジェトロのメカニカルインジェクションか。
昭和52年当時と言えば国産車は排ガス規制で牙を抜かれ、走るのが精一杯という時代だったはずだ。
アナログ式の電気制御式燃料噴射装置が一般化したのもこのころだ。
インジェクション車はキャブ車よりパワーがありますよ,って宣伝していたっけ。
そのくせ、レスポンスなどはキャブの方が良かった時代だ。
触媒やらサーマルリアクタやらを取り付けて、排ガスがきれいになった代わりにパワーと燃費は失われていた。
このベンツにもエアポンプが付いているところを見ると触媒付きなのかな?エアクリーナを外すとKジェトロのメータリングユニットとフューエルディストリビュータが見える。


アイドリング時にミクスチャをいじってみると、燃料が濃い側にずれている。
そこでこれを調整しようと思ったのだが、調整ねじは極限まで薄い方向に回されているではないか。
おそらくメータリングユニット内部の磨耗で燃料が出過ぎているのかも知れない。
それにしても、このミクスチャ調整は不審だ。
試しに点火時期を少々進ませてみると、高負荷時にノッキングが聞こえる。
これは高負荷時に燃料が薄くなっていることを示しているのではないだろうか?いずれにしてもメータリングユニットのオーバホールは必要だ,が、ボッシュはオーバホールキットを国内では販売していない。
年式から考えれば、程度の良さそうな中古パーツを手に入れて取り替えてしまいたいところ。
おっと、鹿児島レポートが車のページになっちゃう。
この古いベンツで海に出かけた。
霧島(きりしま・地名)から阿久根(あくね・地名)までは2時間弱だ。
途中の山道をとばせばもっと早くつけるのだが..長時間乗って気が付いたこと,それはシートのヘタリだ。
どうも左側(ドア側)が下がっているようだ。


海は穏やか,人も少ない。
海岸の人口密度で言うと、湘南の1%以下って所か?砂浜には打ち上げられた流木?やゴミが目立つ。
浮きに使うのだろうか、発泡スチロールの破片やジュースの空き缶,花火の残骸などが砂浜を汚している。
ひなびた海岸ではあるが、ちゃんと海の家なんてのがある。
大人4百円で屋根付きスペースが貸してもらえて、シャワーや更衣室(小屋?)もあるのだ。
でも、その更衣室料金節約のためか?海岸と道路の間の雑木林みたいな木陰で着替えている女子高生らしき2人組を発見。
一応タオルで隠してはいましたけどね。


去年来たときとの違い,それはPHSサービスエリアの拡大だった。
町役場がある商店街の通りから霧島神宮駅周辺まで、ほとんど不自由なくPHSが使える。
おそらく高出力型のCSが2カ所くらいにあるのではないだろうか?そのほかにも、ゴルフ場周辺やその客用のホテル・温泉街でも使える。
霧島神宮周辺でも使える。
ちょっと離れた何かの施設(レストランなどがある)でも使える。
今後サービスエリアの拡大が行われるのか?ちょっと不安な面もあるが、cdma One 対策?でDoCoMo (になるNTTp)は力を入れるのかも知れない。
帰りは好天に恵まれ、鹿児島空港から宮崎沖へ向かう機内から地上の様子がよく見える。


まだ高度が上がりきっていないからか、写真にも撮れるほどだ。
この後、四国あたりまで行くと地上の様子は見づらくなる。
羽田にはほぼ定刻に着陸した。
その時には曇天だったのだが、夕方には雷雨と大雨で会社近くの道路(アンダーパス)は冠水していた。
通行止めになったその道路、何故か取り残された車が一台水に浸かっている...