過去の雑記置き場


SDR改造(7/1)
料金プラン(7/2)
TX-88D(7/3)
発振器(7/4)
修理(7/5)
オイル(7/6)
クーラー(7/7)
専用機(7/8)
信号純度(7/9)
高嶺の花(7/10)
無線機(7/11)
SG(7/12)
周波数標準(7/13)
周波数標準(2)(7/14)
SG(2)(7/15)
SG(3)(7/16)
電解コンデンサ(7/17)
人(1)(7/18)
人(2)(7/19)
人(3)(7/20)
ソリッドステート(7/21)
ETC(7/22)
バリコン(7/23)
減衰器(7/24)
原発事故被害(7/25)
ディップメータ(7/26)
オシロ(7/27)
波形解析(7/28)
東京ハイパワー(7/29)
運転(7/30)
温泉の素(7/31)


温泉の素(7/31)
◆ 古くはバスクリンに始まり、今では様々な温泉の素が市販されている。と言っても完全に温泉を再現したものではなく、pHや硫黄分などはコントロールされている。これらはバスタブや風呂釜に影響を与える場合があると言う事で温泉を完全に再現する事が出来ない。
業務用の温泉の素みたいなものもあって、これは必要な成分を必要なだけ配合してオリジナルで作って貰える。最近では濾過器を通して失われる成分を温泉の素で補給する所もある。

◆ 温泉だけではなくジュースもビタミンCなどを補充している。
過熱や濃縮(濃縮還元ジュースの場合)などで壊れてしまうビタミンCをあとで足す訳だ。
温泉の素と同じとは言わないが、ミネラル水も合成されている。
もしかしたら以前の雑記で書いたかも知れないが、精製水に必要成分を混ぜればミネラル水が出来るではないかと。これを商売としてやっているのが株式会社ナック、クリクラの方がなじみがあるかも知れない宅配水だ。

◆ クリクラの工場では水道水や井戸水をコットンフィルタなどで1μm内外の不純物を取り除き、その後RO(逆浸透膜)でさらに純度を上げる。ROのあとでさらにフィルタを通すらしいのだが、ROでは取り除けない物質を選択的に取り去るのかも知れない。その後CaやMgを溶かした上で紫外線殺菌すると書かれている。元となる水は綺麗に出来上がっていると思うので工場内で混入する可能性のある雑菌などを取り去る目的だろうか。

◆ こうして1リットル約100円の水が出来上がる。○○の綺麗な水と言っても最近では不純物の混入が増えたと言われるし、福島原発の影響も懸念される。天然水の方がコストが安いのかどうかと言うのは微妙な所だそうで、こうした中での水商売は精製水がメインと言う事になるのか。
精製水と言えば高度浄水を行う東京都の金町浄水所では500mlペットボトル入りの水を100円で販売しているが、クリクラ並みに12リットルのボトルに入れたらクリクラより安く販売出来そうだ。

◆ 脂肪インジェクションの牛肉で霜降り風だとか、マグロの赤身に油を混ぜて作るネギトロの素も結果が良ければいいじゃないか商品だ。口当たりや味が価格とバランスしていれば天然ものには拘らないという訳である。一時期はイミテーション商品も多く開発されたのだが、たとえばイクラやキャビアなどは本物の方が安いとか本物と偽の味の違いが少しあるなどで市場規模が小さくなったのだとか。カニかまも然りで、たしかに出来の良いカニかまもあるのだが… かにとは違うなと分かってしまう。

◆ 養殖ものか天然物かの話とは少し違うし、遺伝子組み換え野菜とも違うのだが本物というか元々存在しているものと作られたものの差は限りなく小さくなってくる。それこそ本物の天然水には取り除ききれない不純物があるが、合成天然水(名前が変だな)は理想的な成分配合になっている、みたいな。
と言う所で思い出すのが中国や韓国の偽物だ。今やオリジナルよりも高品質で作れると豪語する偽物製造工場は本物を超えているとも言える。

◆ 温泉の話に戻そう。源泉掛け流しに人気があるように、温泉はその成分よりも雰囲気みたいな所があるかも知れない。以前に書いた事があるが本物の温泉水をローリで運んでくる日帰り温泉である万葉の湯はみなとみらい地区にある。だが規制強化に伴い消毒を強化したために塩素臭くて気分が悪くなるほどだった。最近では非塩素系の殺菌方法を使う所も増えてきているが、消毒などによって温泉成分は徐々に薄くなる。
万葉の湯では毎日湯河原から温泉水を運んでいると能書きには書かれているのだが、その濃度が実際どの程度になっているのかはよく分からない。


運転(7/30)
◆ 脱法薬物摂取による事故が相次いだ。他人を巻き込む事故あり、単独事故ありだがいずれも大きな事件になっている。
脱法薬物によって正常な判断が出来ないのに、何故運転をするのかと言えば正常な判断が出来ないからだ。
これは飲酒運転と同じで、誰しも酒を飲んで運転しようなどとは思っていないはずだが酒を飲んでしまうとその判断が狂う。
そもそも酒を飲みに行くのに車に乗るのが間違っているが、飲んだら代行で帰ろうと思っていたかも知れない。しかしいざ飲んでしまうとこの位なら大丈夫だから自分で運転して帰ろうとなる。

◆ 罰則の厳格化などによって飲酒運転は減っているとはいえ、ゼロにはなっていない。高速道路での飲酒運転の実体は分かっていないのだろうが、高速道路は飲酒検問もないし人も歩いていないから大丈夫だと言っていた人間が居る。報道番組なのでヤラセかも知れないがトラックドライバがカップ酒を飲みながらサービスエリアを出ていく画像が映し出された事もあった。
大手運送会社などでは運行管理や教育なども含めて管理されているはずだが、それらに属さない個人などでは気も緩んでしまう。
そんな人は高速道路に乗る前にコンビニで酒を買い込むなども決して忘れない。

◆ 北海道では海岸で酒を飲んでいた男性が買い物の為に車を運転し、4人をはねて3人が死亡する事故を起こした。脱法薬物が騒がれてはいるが重大事故になる危険性は飲酒運転も同じなのだ。
居酒屋チェーン店だったか焼き肉店だったか、酒を提供する時に車や自転車で来店していないかどうかを確認する所があった。
当然ながら飲む人は車や自転車で来ていませんよという訳で、しかし会計の時には駐車券を差し出したりしている。
店側としても無用なトラブルを避けるためか、特に何も言わずに駐車券を処理している。

◆ 飲酒検問はたまに見かける事もあり、車が止められていたりするのは検査に引っかかったドライバーだろう。大事故にならなければ問題視されにくいのだが、飲酒運転の車は(時間帯などによっては)0.1%位の比率で居るのではないだろうか。
脱法薬物に関しても同様で事故にならなければ発覚しにくいが、その実体は不明だ。それこそ職業ドライバは業務前に飲酒検査は行われるが薬物検査は行われない。

◆ 飲酒検知器付きの車もあったと思うが機械を誤魔化すのは難しくはない。飲酒前の呼気を袋に貯めておくなどすれば何とでもなりそうだ。チェックを厳しくすれば利便性に問題が出るしコストもかかってしまうので、結局は個々人の判断を正しくさせる以外に有効な手段はない。

◆ 大きな事故につながる危険性が少ないから問題にはなりにくいが、歩きスマホにしても河川敷でクラブを振り回すゴルファーにしても立ち入り禁止場所で釣りをする人にしても、何かが起きると自分一人の問題ではなくなってしまう。
そしてこれらの人が言うのは、みんながやっているからだとか少しくらいだから良いと思った、だ。

◆ と言っても完全に法を守って生きていく事など出来るはずもない訳だから難しい。じゃああの法律は破っても良いがこれは駄目なのかみたいな話になるし、そもそも捕まらなければ罪には問われないので、捕まったヤツは運が悪いと言われる。
この辺りが取り締まりの難しさなのだが、安易に考えて効果が高いのは厳罰化だろう。厳罰化は有効なのだが懲役刑以外だと(免許を失効させると)無免許運転を始める。もっとも無免許運転がバレないように安全運転を心がけるみたいな話もあって、大型自動二輪免許を取る(取れる)つもりで大型バイクを買ってしまった知人は免許取得に失敗し、模範的運転で捕まらないように凌いだと言っていた。


東京ハイパワー(7/29)
◆ 東京ハイパワーは既に無くなってしまっているのだ。倒産の時には話題になったらしいのだが、私は全く知らなかった。倒産は昨年のクリスマスだったそうだ。
アマチュア無線関係のアンプの他に半導体製造(スパッタリング?)関係も手がけていて年商は20億円弱だったとか。
負債額は4億円で、あの北村弁護士が破産管財人だった。

◆ 海外では分からないが日本ではアマチュア無線関係市場は縮小している。わざわざ無線など使わなくても世界中と話も出来れば携帯電話もある世界で、わざわざ大きなアンテナを立てる意味がどこにあるのかとなる。
趣味なんて生活に必須なものでもないし、流行廃りもある。
若者が車に乗らなくなったとか、CDが売れなくなったのと同じようにアマチュア無線人口は減ったと、その程度の事なのだ。

◆ アマチュア無線ようの無線機は、過去にはNECやPanasonicも作っていた。日本電業(現富士通ワイヤレスシステムズ)もアマチュア用無線機を作っていた。しかし市場の縮小で撤退が相次いだ。STANDARDブランドのスタンダード工業?は後に日本マランツになり、さらにSTANDARDブランドの通信機部門が八重洲無線に買収された。
八重洲無線と言えばトリオ(現ケンウッド)と共に多くのアマチュア無線機器を発売していた。

◆ トリオはアマチュア無線用のトランシーバや簡易な測定器類も作っていた。アマチュア無線用のトランシーバの組み立てキットがケンクラフトブランドで発売されていた時期があった。トリオは米国でその商標が使えなかったためにケンウッドの名を使っていて、その組み立てキット部門?がケンクラフトだったのかも。この組み立てキットは無線機だけではなくオーディオアンプなどでもあった。

◆ 組み立てキットと言っても基板は完成しているのではないかと思うので、いわゆるPCの組み立て的な感じだろう。全部がコネクタ接続ではないので半田付けは必要だったが、特別技術が無ければ組み立てられないようなシロモノでもなかった。
春日無線→トリオ→ケンウッドは、現在ではJVCケンウッドとなっている。JVCは松下傘下だった日本ビクターである。
松下は最も家庭用ビデオを売っているが最も画質が悪いと言われていた。それがビクターの買収で一転したとも言われた。日産が富士重工の株を取得して4WD車を増やしたようなものだ。ちなみに日産が富士重工業の株を手放し、今はトヨタがそれを持ちハチロクが世に登場したわけだ。

◆ 東京ハイパワーが無くなりリニアアンプなどの入手先が減った事になる。中国製が安価に売られているようだが、その品質はまさしく中国のそれでありマトモに動作するものの方が少ないらしい。
ようするにダミーウエイト入りのモバイルバッテリ同様で、カタログだけには良い事が書かれているが実際には駄目みたいなもの。
どこかの通信事業者もエリアマップはべったり塗られているが実際のエリアはスカスカだ。そもそもエリアマップが塗られている注釈を見ると"●●年●月以降"のエリアだと書かれている。つまり1年後なのか5年後なのか分からないが、そのうちエリアになりますよというマップだ。
ちなみにドコモやauは○月予定のように具体的な予定を出している。

◆ HFのリニアアンプは周波数が低いので自作は出来るだろうが、パーツの入手に苦労するかも知れない。自分で基板を起こさなければならないVHF帯以上は基板を作成するという所に敷居がある。100Wを超えるような出力のものだと難しい部分もあるが、それ以下であれば自作出来ないわけでもないが手軽に買ってくれば済むという感じではなくなってしまう。


波形解析(7/28)
◆ 昨日のオシロの話でPCで波形解析を行うソフトを試してみようかと思った。テクトロにサイトに行くとNational Instruments LabVIEW SignalExpressTektronix Editionの試用版がダウンロード出来るとある。SignalExpressは様々な波形解析や波形生成が出来るNI製のソフトだ。
テクトロのサイトには30日間試用版とあるが実際には7日だったかな。

◆ 早速ダウンロードするのだがテクトロは何でもかんでも登録が必要だ。マニュアル一つダウンロードするにも登録が必要で、せっかく登録したらFileNotFoundとか。
まあいい、とりあえず登録してダウンロードするのだが遅い。
15分ほどかかってダウンロードし、さらに15分ほどかかって展開し、その後また時間をかけてインストールだ。インストール後にはPCの再起動も必要だと言われる。

◆ 苦労してと言うか苦労はしていないが時間をかけてインストールしたSignalExpressは、その画面とメニューを見てワクワクしてしまうエンジニアも居る事だろう。だがオシロと接続しようとしたらメニューが出ない。これって有料版でないといけないのかなぁ。マニュアルとバージョンが違うからいけないのか、とにかく接続が出来なかった。接続が出来れば波形を取り込んで様々な解析が出来るソフトなのに、残念だ。ちなみにインストールにかかったのと同じくらいの時間がアンインストールにもかかる。

◆ そうそう、ソフトを起動するとNIにユーザ登録しろと出る。何でもかまわないのでそれっぽい事を入力すればいいのだが、そこでメールアドレスをa@a.comとしたら既に使われていますだって。
みんな考える事は同じなのか。
データ取り込みは専用ソフトが必要だと思うがPCで画面を見るだけならばオシロに搭載されているHTTPサーバにアクセスすればいい。もちろんリアルタイムで見る事は出来ないが、画面のコピーならばこれで事足りる。

◆ この波形はCH1が50MHzにFSKとAM変調を同時にかけたもの、CH2はPRBSで変調をかけているそのデータのエッジだ。データのエッジで位相がひっくり返っているのが分かると思う。振幅が一定だと面白さに欠けるのでAM変調も同時にかけた。ごく単純な変調なので位相が急激に変化しているが通常はガウシャンやらナイキストやらのフィルタをかけるのでこうした急な変化は起きない。急な変化は高い周波数成分を持っているので帯域が広がってしまう。雨の日の運転と同様に急の付く変化は帯域の無駄なのだ。

◆ あえてこの変調方式を選択したのは、GMSKなどでは変化点が緩やかになるのでサンプルとして面白くないと思ったからである。コンスタレーションを見るのであれば点が沢山並ぶ64QAMとかが良いかなという感じだ。QAMは振幅方向にデータがあるのでフェージングのある移動体通信には向かないとされていたが、データレートが早くなった事でフェージング速度との差が出来て制御が楽になった。とは言ってもAGCその他の処理は様々な検討が必要になる。
64QAMでも難しいのに256QAMとなるとさらに難易度は増す。難易度が増すというのは制御が難しいという話ばかりではなくデータエラーが増える事にもつながる。

◆ すると64QAMで冗長部を少なくした方が得なのか、それとも256QAMで誤り訂正符号などをどっさり入れた方が得なのかの議論になる。理論速度では256QAMの方が速いのは当たり前なのだが、実速度を考えると何とも微妙なのである。
データ速度が速くなると理論感度も落ちるので、同じ場所でもS/Nは悪くなる。条件が凄く良ければ速いけれど、弱電界ではQAMよりPSKの方がエラーが少なくなるのは当然だ。


オシロ(7/27)
◆ オシロスコープも簡単に手に入るようになった。新品でも安いものもあるし中古を探せば好きな仕様のものが手に入る。
ずいぶん昔の話になるが、当時ディジタルオシロはものすごく高額の海外製しかなかった時代だ。ディジタルオシロと言うよりもメモリレコーダみたいな呼び方だった。
私は使った事がなかったが残像蛍光体のブラウン管を使った光学的ストレージオシロなんてものもあった。

◆ 同じ事はスペアナにも言えて、狭いフィルタを通すとスキャンを遅くしなければならないので通常の残光のブラウン管では波形が観測出来ない。P7と呼ばれる高残像ブラウン管もあったが輝度が低いとか残光特性が不要な場合に不便だとかであまりエレガントなものではなかった。
HP(現アジレント)の高価なスペアナは可変残光のブラウン管が使われていた。残像時間を最小から無限にまでコントロール出来て便利だった。

◆ しかし残光ブラウン管ではブラウン管に映っている部分しか観測が出来ない。ディジタルストレージオシロならばメモリの長さ分だけ波形が取れるので、シリアル信号の解析などには必須だった。
ただメモリも高額な時代であり、1kバイト増やすのに何十万円とかの価格だった。
ディジタルストレージオシロは帯域が狭く、せいぜい1MspsとかでGHzではない。これはADCの帯域が狭かったためだ。ビデオ信号をメモリに蓄積する機械を作った事があるのだが、その時に使った8BitのADCの帯域が10MHz位あって凄いなと思った。ADCはフラッシュ型、つまり内部にコンパレータが256個並んだタイプだった。ADCには大きなヒートシンクが付いていた。

◆ そんな時代に400MHzの帯域を持つオシロが導入された。100MHzだって凄いなと思った時代に400MHzである。使いにくかったのは入力インピーダンスが50Ω固定だった事。たぶんハイインピーダンスのアクティブプローブなども用意されていたとは思うのだが、現場にはなかった。日立製だったかなぁ、そのオシロは。
さっそくSGと接続してみると100MHzの信号が見えるぞみたいな、今では考えられないような周波数ではあったが感激したものだ。

◆ 低価格オシロの出始めというとメグロ(たぶん)の100MHzの2CHオシロが数十万円台で買えたと思う。これも使った事があるのだが、何度か修理に出している。低価格故のと言う事もあるのだろうが信頼性という面では決して褒められたものではなかった。
その後に使ったのはHPのディジタルオシロで、ADCは1Msps程度ではなかったかと記憶している。ただし入力帯域だけは100MHzくらいあって、アンダーサンプリングを繰り返して波形を作っていくような仕組みだった。

◆ なので単発パルスなどは低い周波数でしか見られないのだが、繰り返し波形であれば100MHzの帯域のオシロとして使えた。HPのオシロは操作性が独特で使いにくかった。と言うよりも岩通やテクトロに慣れていたからと言う事もあるのだと思う。だがその後HPのオシロも操作性を一般的オシロのように変更して製品化されている。
ディジタルオシロの帯域がどのくらいまで行っているかというと、アジレントで66GHz版が2年ほど前に発売されている。お値段は約5.5千万円だ。
テクトロはサンプリングスコープであれば80GHzまで、通常のオシロだと33GHz版があり、サンプリング速度は100GSpsだ。

◆ テクトロの安いモデル、TDS2000シリーズは10万円くらいで買える。
テクトロの安いモデル〜中価格帯のものは画面解像度が低いのでちょっと見づらい。メモリは長いのだから表示だけの問題ではあるが、高解像度全盛の昨今にあってVGA解像度はちょっと。たぶんデータを外にはき出させてPCで描画させるくらいの事は出来るのではないかとは思う。
テクトロなどだと安いモデルでもサンプリング速度はそれなりにある。しかしほんとに安い中国製などはサンプリング速度が観測帯域の2.5倍くらいしかない。


ディップメータ(7/26)
◆ 元々は真空管を使ったグリッドディップメータと呼ばれたものだ。この単球式の機械は共振回路の共振周波数を測定するためのものである。今だったらネットワークアナライザで見る所なのだが、グリッドディップメータが制作されたのは1920年代だったそうだ。
ディップメータは単球のコルピッツ発振回路でありアナログ電流計はこの真空管のグリッドに接続されている。グリッド電流はこの真空管によるコルピッツ発振回路の発振強度を示す。

◆ 発振回路は交換式のコイルとバリコンで構成されていて、広い周波数の発振が可能だ。この発振回路のコイルはケースの外に出ていて、このコイルに被測定共振回路を結合させて周波数ダイアルをぐるぐる回す。もしもどこかで共振していれば、発振回路のパワーが被測定物に吸収されてグリッド電流が小さくなる。すなわちディップが起きるわけだ。

◆ 真空管からトランジスタの時代になると、発振回路がトランジスタで構成される事にはなったがベース(エミッタ)ディップメータだとかゲートディップメータとはあまり呼ばれなかったと思う。トランジスタやFETではベースやゲート電流を検出するのではなく、発振出力をダイオードで検波してメータを振らせるような仕組みの方が検出感度が高く、ベースやゲート(ソース)電流を測っているものではないのでこの名称にならなかったのかもしれない。
ディジタル回路が安価になり、ワンチップの周波数カウンタが登場した頃には発振周波数を周波数カウンタで直接観測するようなディップメータも登場した。

◆ ディップメータは共振回路の共振周波数を測定するもので、自作の無線機に使うコイルとコンデンサを測ったりアンテナの共振周波数を測るのに使われる。
私も中学生の頃はディップメータが欲しかったが、とてもではないが小遣いで買えるようなシロモノではなかった。なので自分で巻いたコイルの共振周波数を測った事はない。ちうか、装置全体として動くようにするので必然的に共振するものは共振するという感じだ。

◆ 0.68μHのコイルと15pFのコンデンサで約50MHzに共振する。
これ一つ覚えておけば後は暗算で共振周波数が分かる。CとLの積がルートの中に入っているのでコイルの値もコンデンサの値も2倍にすれば共振周波数は半分位なる。正確に求めるのは電卓で計算すればいい話だが、だいたいこの位かなみたいな計算くらいは頭の中で出来た方が良い。
XCやXLを知っておく事も暗算というか、頭の中にスミスチャートを描いた時には重要になる。

◆ ディップメータを使って共振周波数を測るのは、ディップメータ以外に既知の周波数を発振する機械がなかったからだ。ディップメータは自励の発振器なので周波数が正確というわけではないが、まあアマチュア的にはそれでもワイドバンドの発振器と言う事で重宝されたのではないかと思う。
私が9R-59D(ゼネラルカバーの受信機)で発振回路の周波数を読んでいたようなものである。

◆ なので周波数カウンタってヤツは画期的測定器だった。アマチュア用としては当時のクラニシが発売していた。基準発振器はポジスタによる簡易的オーブンに入っていた。ポジスタはサーミスと後は逆の特性で温度が上がると抵抗値が上がる。なので単に電流を流すとある温度で平衡に達する。クラニシのカウンタは後にトランジスタそのものを発熱体とした回路に変わっていたかも。

◆ 一般的な水晶振動子でも温度を一定にすれば周波数は一定になるが、OCXO用の水晶振動子は、そのオーブンの温度あたりで温度対周波数変位が小さくなるように設計されている。温度を上げるのでサーマルショックに強いガラス管封入の水晶振動子も使われる。


原発事故被害(7/25)
 いっこうに復興の進まない福島、訳の分からない所にも復興予算が割り当てられてホクホクの連中、今後まだ先まで増税が続く国民と、復興特例をさっさと切り上げてしまった公務員。災害バブルだと喜ぶ財務省や利権を得られる各省庁、処理を遅らせるほど儲けが増える東京電力と、国民と官僚では向いている方向が全く違う。

 事故から3年が経過して甲状腺ガンの発生率が高まったというニュース、一方では特段注意をするような割合ではないとする人もある。甲状腺ガンをどこまでの範囲で認識するかという問題があって、再検査を要するレベルを危険とカウントするのかあるいは明らかなガンと認定されたものだけをカウントするのかなど。ちなみにその数字としては254,280人を検査して甲状腺がんと、がんの疑いがある人は75人だったそうだ。

 この数字が大きいのか否かだが、全国的な平均値としてはこの数十分の1以下だというのだからガンの発生率としてはきわめて大きなものになる。
放射性ヨウ素自体は既に消滅している(供給され続けていない限り)のだが、ガン患者は今後も増える可能性がある。しかし国や東電はこう言うだろう「原発事故と甲状腺ガンの因果関係は明確ではない」と。東電は過去にも裁判で「放射性物質に東電マークは付いていない」みたいな事を言っている。放射性物質が東電のものである証拠はないと言っている訳だ。

 甲状腺ガンは福島の人たちだけの話ではない。茨城や千葉にだって、あるいは東京や神奈川にも放射性物質は降ってきた。一般災害であれば例え大きな被害が出たとしても、それが継続して被害を拡大する事は少ない。しかし放射線事故は復旧にも時間がかかるしその間被害も出続ける。他の公害による健康被害同様に何年もあるいは何十年間も病気と闘わなければならない場合もある。
同じような災害があったとして、二度と原発事故が起きないと言えるのだろうか。福島原発よりも、現在稼働している原発は安全性が高いのだろうか。

 少なくとも今の電力会社の体制では安全に原発の運用は出来ないと思う。今後電力などの自由化が進んで世の中自体が変わっていけばいいが原発が利権を製造する炉である以上は何も変わらなかったりして。公務員天国、役人天国、天下り天国である以上は安全性よりもカネになってしまうのは致し方ない。
携帯電話税が話に上っているが、携帯電話税の半分は災害復興費用に充てますなんて言い出すかも知れない。しかし言い出すだけで、実際にはおよそ関係のない所にカネは消えていく。カネが消えた後で、次からはよく調べますねと言っておしまいだ。

 以前にも書いたのだがこうした目的外利用や、国交省の利用予測のような天気予報より当たらない予測に対して罰則規定を設けるべきだ。
使ってしまったカネなんだから知らないもんね〜と役人は言うわけだが、そこは公務員全体で責任を取って頂く。何しろ1割の給与削減で兆円単位の金が生まれるのだから、たいていの事は保障して頂ける。
勿論そんな規定で不正流用などが減る事はない。不正流用で儲かるのは自分、罰せられるのは全部となれば儲かる方が一極集中で金額が大きくなる。さらに、自分は罰せられるだけで損をすると思う連中が、どんどんと不正流用に荷担するだろう。

 何しろ地下鉄勤務者に地下手当を出したら、一般勤務者には地上手当を出せと言う連中だ。婚姻者に家族手当を出せば独身者には独身手当を出す。だったら手当をやめれば良いではないかと普通は考えるが、こうした手当で実質給料を水増ししていくのが公務員ってヤツだ。
警察にしたって犯人が刃物を持っていれば手当が付くが、振り込め詐欺犯では手当も付かないから逮捕に意欲もわかない。


減衰器(7/24)
◆ 減衰器、アッテネータである。アッテネータは信号を減衰させるものだ。アッテネータが10dBの減衰量を持っていると、そこを通過した信号は10dB小さくなる。反射がある場合を考えてみると、進行波はアッテネータを1回しか通らないので10dBの減衰だが反射波は進行波が1回アッテネータを通り、反射波が再びアッテネータを通って戻ってくるので20dBの減衰になる。

◆ 身近な所で分かりやすいのはLEDや蛍光表示管の数字や文字表示器に付けられているスモークフィルタだ。何も付けない状態よりもフィルタを付けた方がコントラストが上がって見やすくなる。ただし真っ暗闇で見ている場合はスモークフィルタの分だけ暗くなるだけだ。
明るい所で表示器を見た場合、表示器が発する光も勿論見えるのだが外光が表示器を照らしたその反射光も見ている。これがコントラストを低下させる。

◆ そこに3dBの減衰量を持つアクリル板を取り付けたとする。表示器の発する光は3dB減衰するが、外光によって表示器が照らされるのは6dB減衰する。表示器に当たる外光自体が3dB減衰し、表示器が外光で照らされた光が目に入ってくるまでに3dB減衰する。
信号は片道だが反射は往復で効くのだ。
なので反射型液晶板の場合はスモークフィルタを付けてもコントラストは上がらない。

◆ 50Ωで設計された回路があるとする。周辺デバイスとの50Ωで接続されていれば良好な特性になるが、50Ωからずれると特性が保障されないとする。当然周辺回路は50Ωで設計はするが、全ての場合でピタリ50Ωになるとは限らない。そこで50Ωで設計された回路と周辺部品を接続するその中間にアッテネータを入れる。こうすることでインピーダンスの変動による反射を抑える事が出来る。アッテネータを入れると信号も減衰させてしまうのだが、それよりもインピーダンス整合性の方が重要ならばアッテネータを入れる。

◆ インピーダンスに敏感というわけでもないのだがDBMなどは50Ωからずれると特性が保障されない。なので3dB程度のアッテネータを入れたりもするのだが信号も減衰してしまう。受信機以外であれば多少信号が小さくなってもまた増幅すればいい程度の話だが、受信機の場合は後で増幅するというわけに行かない(ノイズも一緒に増幅されるだけ)ので考えどころだ。

◆ 扱う周波数のレンジが狭ければ50Ωに設計するのはさほど難しくはないが、例えば100MHzから1GHzまで50.0Ωにしろと言われると困る。少しでもL成分があれば周波数が上がるに従ってXLが増えていく。少しでもCがあれば周波数が上がるに従ってXCが減っていく。なので50Ωにピタリと入れておく事は意外に難しい。

◆ アッテネータは信号を減衰させるためにも勿論使われる。SGなどだと出力端子の直前に耐入力の大きなアッテネータが入っている。こうしておく事でSGに信号を突っ込んでしまってもステップアッテネータを焼かずに済む。SGの場合はアッテネータの分だけ出力レベルを上げておけばいいので楽だ。スペアナの場合はアッテネータを入れるとその分だけ直接感度が低下するので難しい。これはNFの計算式を見れば分かるとおり、オーバオールのNFは初段のロスで決まってしまう。そこに10dBのアッテネータを入れればNFは必ず10dB以上の値になる。

◆ SGやスペアナの入力にアッテネータを入れておくと、それらの入力VSWRを下げられるのは反射を減らせるからだ。
今でもあるのかどうか不明だが同軸構造のヒューズがあった。これもSGやスペアナを高入力から守るためのもので、+20dBm位で切れるように出来ている。でもヒューズが切れるにはかなり時間が必要なわけで、それより先に機器が壊れるんじゃないのかなぁ。まあ抵抗体で受けていれば抵抗が焼けるまでには時間がかかるので守られるとは思うけど。


バリコン(7/23)
 バリコンはバリアブルコンデンサの略だろう。可変容量のコンデンサである。電子チューニングが一般的になった今、バリコンを使うのは高圧や高出力回路の一部になった。可変抵抗器でさえ半導体に置き換えられる昨今において、メカニカルなパーツはどんどん姿を消していく。メカニカル部品より電子回路で構成した方が小さく安く信頼性が高いというのが普通になったからだ。

 一般的なバリコンは回転軸に対して静電容量が直線的に変化する。コンデンサの容量は電極板の距離とその面積に比例するからだ。普通はこれで良いのだが、バリコンの容量によって共振周波数を変えるような場合にはちょっと困る。何が困るかと言えば軸の回転角度と周波数が単純比例しなくなってしまうからだ。
共振周波数は2・π・√(1/L・C)で、Cが√の中に入っているので容量変化と周波数変化が直線にならない。

 コンデンサの容量を変えると共にコイルのインダクタンスも変えれば直線になるから、コイルにコアでも突っ込んでいくメカを作れば何とかなりそうだ。
あるいはバリコンの回転軸に対する容量変化を直線ではなくしてしまえばいい。と言う事で作られたのが周波数直線型バリコンと呼ばれるものだ。実際の写真を見つけたのでこちらの記事の中程をご覧頂きたい。軸が変心していて羽の形も三角っぽくなっている。こうする事によって回転軸に対する(共振回路の)周波数をリニアに出来る。

 リニアにして何が良いのかと言えばバーニアなどでの周波数直読性が良くなる。ノギスは直線で出来ているからバーニアで0.1mm台が直読できるが、これがリニアでなかったらそれが出来ない。
バリコンが容量直線である場合は軸の角度の動きを(変心したプーリーなどで)直線ではなくする事も出来る。昔のラジオなどの、バリコンの軸を糸でドライブするような仕組みの場合は糸がかかっているプーリを真円では無くす事で可能になったと思う。

 軸の回転角と特性の変化が非直線なのはバリコンばかりではなく可変抵抗器にもある。この可変抵抗器ってヤツも最近は出番が減ってきてしまった。
主にオーディオ系では可変抵抗器の軸の回転角度と音量がリニアに変化するような特性が求められる。音量と言っても計測される音量ではなく人間が感じる音量だ。回転角に対する抵抗値変化が対数みたいになっているのかな。AudioTypeとも呼ばれてAカーブ特性の可変抵抗器だ。

 一般の可変抵抗器は軸の回転角と抵抗値変化が直線のBカーブ、それにAカーブの逆特性になるCカーブ、Aカーブよりさらに非直線性を増やしたDカーブ、オーディオのバランス調整に使われるタイプなどの特性を持ったものがある。これも電子制御の音量調整が一般化した現在では殆ど使われる事もなくなった。
物理的接触を伴う可変抵抗器は雑音発生の原因にもなるし寿命も長くはない。可変ゲインアンプとロータリエンコーダならばノイズの問題も寿命の問題もクリア出来るのだ。

 バリキャップなどを使ってCVOを作ると、バリキャップへの印可電圧と周波数変化が直線にはならない。これをアナログレベルで解決するにはオペアンプなどでリニアライザを作る。回路的にはコンパレータと可変ゲインのアンプが並んだようなもので、折れ線近似になる。
精度を上げようとすれば多段の折れ線近似回路が必要になるから、今時であればCPUとテーブルで行うか、CPUを使いたくなければADC→ROMの変換テーブル→DACという構成になるだろう。CPUを使いたくない用途というのは、その回路をICに内蔵する時だとかノイズその他での誤動作(CPU暴走など)を嫌う場合だ。


ETC(7/22)
◆ ETCゲートバーの開くタイミングを遅くしたかと思ったら、今度はバー廃止の議論だとか。そもそもETC開発の際には高速で通過してもデータの送受信が正しく行われる必要があるとして米国方式ではなく独自に開発したのだ。様々な理由を付けないとカネの流れに差し障るという大問題はあったわけで、バーの速度の変更にしても何だかんだとカネが流れる。

◆ あのバーの開くタイミングを遅くする議論は何だったのか。
事故防止だとか何とか言っていたかな。そもそも速度を変更させるから事故が起きやすい。バード無くしてそのまま通過させれば良いのだ。
今はバーの開くタイミングが遅いのだが、これでバーを無くすとどうなるのか。訳の分からないドライバーがバーがあるものだと思って速度を落としたり一時停止したりすると、その後ろから走ってくる車に追突される恐れがある。

◆ 今だってバーが開いているにもかかわらず一時停止するドライバーが居るのだから、こうやって度々システムを変更すれば混乱が広がるだけだ。
なので最初からバーなど付けなければ良かったのだ。不正通行車は居るだろうが、前後からカメラで撮るなりすれば何とでもなったはずだ。高速道路会社への賠償のみではなく、道交法で処罰が出来るようにしておけば警察が捕まえてくれる。

◆ 首都高速などではETC装着者率がかなり高いが第三京浜を走る車の多くはETCを取り付けていない。景気低迷もあって有料道路を使う車が減った論もあるし、車の使用頻度が低いからETCは要らないと考える人も多いのだとか。確かにカネを払うために何かを買わなければならないのだから損な感じはする。高速道路の利用率が高ければ割引で元が取れるのだろうが、たまの休みにどこかに出かける程度の車だと取り付ける事も面倒だになってしまいそうだ。

◆ 以前にも書いた事があるが車やバイクへのETC車載器取り付けを義務づけてその費用を高速道路会社が出したとしても、料金所の廃止や料金徴収員の人件費を考えれば十分に得になる。これは道路会社が国営の頃でなければ出来なかった事なのかも知れないが、インフラ整備とはそういうものではないだろうか。まあそうなるとETC団体のと利権の問題が出てくるわけで、このあたりはVICSと同じようなものなのだ。

◆ ETCゲートのバーを無くす事で渋滞の緩和を行いたいとするのだが渋滞の先頭が料金所とは限らない。低燃費車の一部モデルは(以前にYoutubeをリンクしたが)0-100km/h加速に20秒もかかる。勿論全開でだ。パワーモードに切り替えれば普通の車並みの加速をするが、ノーマルモードでは相当遅くなる。とすれば上り坂などでの速度減少も普通の車よりはずっと大きいはずだし、燃費命の人ならば速度が落ちてもアクセスは踏み増さない。

◆ しかし今後もガソリン価格が上昇するとすれば自動車保有台数も年間走行距離も減少すると思われる。ガソリンスタンドの店員さんによれば、レギュラーガソリンがあと10円、つまり170円半ばになると車の利用を控える人がかなり増えるのではないかという。
車を使っていた人が原付に乗るようになり、やがて自転車になると。
これは前回のガソリン価格高騰の時がそうだったからだ。人口減少もそれに拍車をかけるし車に乗らない層が増える事でも交通量は減少の方向なのではないだろうか。交通量が減少すると収益率が悪化するので料金値上げとなり、今度は高速道路利用率が減少する恐れもある。
まさにアクアラインの失敗と同じ事だ。それでも高速道路高速道路と言う連中が多いので総延長距離は伸びる。


ソリッドステート(7/21)
◆ アナログからディジタルへ。と言うよりもソリッドステート化といった方が現代の流れを表しているのかも知れない。TV受像器の表示器が液晶パネルとなり、蛍光管もLEDへと姿を変える。ビデオレコーダもDVDやテープ記録ではなくメモリ記録型が増える。可動物は高価で固体なら組み立ても安い。

◆ アナログの針式メータなど、見かける事も少なくなった。
今やディジタルパネルメータの方が安価な時代だ。
自動車にディジタルメータが流行った頃、もしかしたらそれはアナログメータよりも高額だったかも知れない。しかしトヨタは、将来は価格が逆転して安価な車は全てディジタルメータになるなんて言っていた。
しかしトヨタのその予想は当たってはいない。当時トヨタはディジタルの数字表示速度計の方がアナログメータを見るよりも早く速度値を認識出来ると言った。しかしに数字を認識するのと速度を知るのはまた別で、結局の所アナログ速度計の方が見やすい事が分かってしまった。

◆ 今でもディジタル速度計の車はあるとは思うが少数派だろう。
液晶パネルにアナログメータ風のものを表示させるものがあるように、正確に読み取る事が必要な用途と視認性が第一の用途は違うのである。
ディジタル表示であれば精度を上げるには桁数を増やせばいい。アナログメータで精度を上げるには、その機構の精度が無限に良かったとしても大きさを増やす以外にはない。
バーグラフ表示なども視認性を考えれば数字よりも良いと思われるからであり、レベルインジケータなどがその例だ。

◆ ディジタルスピードメータも慣れてしまえば特に不便ではないのだが、ディジタル速度計の出始めのような物珍しさや未来感は既に消え失せてしまった。
アナログメータもメータの指針をステッピングモータでドライブするものが増えてきていて、これなどは水晶振動子を原発に使った針式腕時計の流れみたいなものだ。腕時計にしても液晶に数字を出した方が安いに決まっているのだが、あえて指針をくっつける。車にしてもアナログメータの方が視認性が良いと分かっていてもコストがそれを許さない場合もある。

◆ ラジケータというものがある。アナログメータの簡易的なものの意味で使われるが、そもそもは日立がラジオに付けたのが始まりだったらしい。真空管式ラジオのマジックアイに相当するインジケータをトランジスタラジオに付けたいと考えた日立は、小さなメータを取り付けた。たぶんラジオ+インジケータからの造語か何かだったと思うのだが、その後この小さな簡易メータがラジケータと呼ばれる事になる。

◆ 今ならチューニングの度合いを1つのLEDの明るさで表現するとかバーグラフを付けるとかになるのだろうが、LED無き時代には小型メータが適切だった。まさか白熱電球をドライブするわけにも行かなかったのだろう。
ディジタルメータにバーグラフ表示の付いているものもある。
時間と共に値が変化する情報を可視化する場合には、その数値の正確さよりも変化の度合いが見られた方が都合が良いからだ。

◆ 今でもラジケータを探せば購入する事は出来るが、ラジケータという名称自体が忘れ去られたものなのだとか。パーツ屋に行ってラジケータはありますかと聞いても、何それ?とラジケータという名前自体が消えようとしている。現在も出入手出来るのだからどこかしらで作られているのだろうが、それが製品に使われる事など希なのだろう。メータを振らせるためには電力も必要だし、視覚情報量に対してラジケータのサイズは大きすぎる。しかも可動部は故障の可能性も大きい。今やラジケータは高級品になってしまったのかも知れない。


人(3)(7/20)
◆ 彼は工場の近くに、結婚を機に戸建てを買った。ローンが払えるかなと心配もあったようだが工場は順調だった。
やがて二人目の子供が生まれたんだったかな、その頃はすっかり疎遠になりたまに電話で話す程度だった。2人目も男の子だったかな、女の子が欲しいなんて言っていたっけ。

◆ 最近では私がスクータのエンジンをバラす時に、彼にアドバイスを貰った事を覚えている。私としてはエンジンいじりは初の出来事だったので分からない事が沢山あった。
逆の事もあった。ECU不調を直すのにどうしたらいいのか、どこを調べるべきなのかと聞かれる事もあった。彼はエンジンいじりが本職なのだが電気系に全く疎いと言う訳でもなく、パーツを買ってきてはECUの修理などもしていた。

◆ 昨年の夏が過ぎた頃、共通の知人が電話をしてきた。彼が病気で工場を閉鎖したという。私には直接話しはして来なかったので私もあえて連絡はしなかった。
私がスカイウエイブのエンジンで電話した1年くらい後だから昨年の春過ぎに、胃の調子が悪いと病院に行った所余命半年を宣告されたというのだ。工場が忙しかった事もあるのだろうが、検診に出かけた時には既に手遅れだったという。
知人によれば、元々痩せていた彼はさらに痩せてしまいまるで別人のようだったという。

◆ 私は少なからずショックを受けた。特にその時点で交流があったわけではないのだが、一時代を共有した相手だったからだ。彼は私には連絡してこなかった。彼らしいなと思った。私は何度か工場を見に行った。ひっそりと片付けられて建物だけになった彼の城がそこにあった。
人生の多くの時間をそこで過ごし、彼の生きてきた時を見つめてきた工場だった。コンクリートに残ったオイルの跡が、静かに降る雨のしずくをはじいていた。

◆ 忘れもしない今年の2月28日に彼の夢を見た。何かあったのではないかと夜中に飛び起き、朝まで寝付く事は出来なかった。しかし知人からも連絡はないし、単なる夢だったんだろうなと思った。
連絡したい気持ちはあった。訪ねて行きたい気持ちもあったのだが、自分の弱った姿など見せたくないのかなとも思った。
そういえば彼は携帯電話を持っていなかったっけ。いや、私の知る頃の彼は持っていなかったのだ。そもそも工場から出ないから携帯電話など不要だと言っていたっけ。

◆ 春先にも何度か工場を見に行った。ひっそりと静まっていた。片付けられていた。看板も付けられたままだった。
昨年の秋以降殆ど食事が取れない状態で、抗がん剤治療も行っていたそうだ。多くの時間は自宅で過ごせたらしいし、彼自身も死を覚悟するというのはおかしな言い方なのかも知れないが、十分冷静に先の事を考えていたようだと聞く。

◆ 彼が亡くなったと聞いたのは先月末だった。余命宣告から約1年、寿命を告げられた彼はその時間をどう生きたのだろうか。愛する奥様や子供を残して、あるいは築き上げた工場を閉鎖して先に逝く事はきっと無念だっただろう。でも最期の時間を忙しい仕事から解放され、家族と一緒に過ごせた事は悪くはなかったはずだ。

◆ 痛みや苦しみも少なくはなかったと思うけれど、頑張ったと思う。子供や奥様を残して旅立つ事はきっと病気の痛みにも増す苦痛だっただろう。
これまでの様々な思いが頭を駆け巡っただろう。でも頑張ったんだよ、彼は。神様がそろそろ時間だよと言うまで一生懸命生きたんだ。
私に知らせずにひっそりと旅立つのも彼らしいなと思った。でも私は病気の話を聞いてから、ずっと気にしていたんだよ。何度も工場を見に行き家の近くまで行ったんだよ。今だって私の頭の中には工場で頑張っている姿が、彼女(奥様)をデートに誘う言葉に困っている姿が、つい昨日の事のように思い出されるんだ。
いつかまた、夢の中にでも出てきてくれ。


人(2)(7/19)
 やがてチューニンググブーム自体が少々下火になる。そのショップにも客が増えたのだが、オーナはショップをやめてその土地を他に貸すと言い出す。どうやらその方が儲かると思ったようだ。元々自動車に対しての興味などはないので儲かる方に舵を切るのが小金持ちというものだ。
当然彼も居場所が無くなるし、そもそも作業が途中のお客さんの車はどうなるのか。なんて事は小金持ちには関係がない。

◆ 彼は再び独立の道を模索する事になる。チューニングショップは騒音も出すので町中の物件というわけにはいかない。なので少し離れた場所の貸地に工場を建てる事を考えた。
しかし通常の店舗などとは違うし倉庫でもなく、自動車の修理工場の物件などは皆無だった。土地だけを借りてプレハブでも建てようかとも言っていたのだが、天井高が必要なので簡易なプレハブというわけにも行かない。
彼は地元の不動産屋を、それこそしらみつぶしのように歩き回って貸し地のオーナにたどり着いた。土地の貸し主は10年以内の解約で違約金を取るという契約で、貸し主負担で工場を建てて貸してくれるという。建物の償却代があるので家賃は割高だったのかも知れないが、彼はそこを本拠地とする事に決めた。

◆ 広さはたぶん20坪くらい、敷地は60坪くらいではなかったかと思うが、山の中みたいな所だったので車を止めるスペースはそこそこ取れた。客も増えてきてチューニング待ちの車が何台も工場の前に止まっていた。
彼の他に若いメカニックが一人いて、元々客も付いていたのであまり苦労なくスタートできたと言えるし、最盛期にはもう一人若い人を使っていたように記憶している。
商売は上手く行っていたが、しかし彼的には10年間は継続しないと違約金を取られると、そのことが負担になっていた様子だ。

◆ 夏は馬鹿みたいに暑く、冬はストーブの近くにいても寒い工場で彼は仕事をしていた。中古で買ってきたというエアコンプレッサの稼働率が仕事の忙しさを物語っているようだった。
いじるエンジンは7MGなどが多かったが、チューニング度合いが上がってくるとエアフロメータが邪魔になる。そこでDジェトロ化出来ないかと相談があり、そんな機械を作った事もあった。

◆ カルマン渦式エアフロメータをシミュレートしなければいけないので吸入管負圧と回転数を積算して、その値を周波数にして出力する必要があった。出来るだけイニシャルコストをかけたくないというのでCPUは使わず、アナログ演算のみで回路を作った。が、温度ドリフトが結構あってセッティングに苦労したようだった。

◆ 週末の夜には私もよく遊びに行き、来たお客さんは軽いメンテやオイル交換をしていた。決して大儲けではなかったが順調に客も増えていた。
女っ気など全くなかった彼は車の純正部品(だったかな)商社の電話に出る女性を好きになった。なかなか声の素敵な女性である。
彼はその女性にアタックを繰り返し、デートにこぎ着けた。
デートにどうやって誘ったらいいかなとか、どこに行けばいいかなとか不安と期待に胸躍らせていた頃だったのだ。

◆ その頃は私も仕事が忙しくなったり、自動車関係から少し離れたりで疎遠になったのだが、彼はその女性を射止め結婚した。やがて子供が出来、ウチの上の子と同じような歳だったので一緒に遊ばせる事もあった。奥様は工場の事務などを手伝い、殺風景だった工場の隣にプレハブの事務所も出来て貫禄も付いた。彼は工場で黙々と作業を続け、奥様は電話対応や事務仕事などをこなす。
事務所が出来た事でお客さんのスペースも出来、お茶だって出されるようになったのだ。


人(1)(7/18)
◆ 彼と出会ったのはもうずいぶん昔になる。当時私は某チューニングショップの製品開発みたいな仕事を受注していた。
若者はこぞって速い車を求め、さらにその車を速くするためにお金を使っていた。そのショップはヘビーなチューニングを行うと言うよりは、下品にならない程度のライトチューニングを行っていた。

◆ 当初はトヨタ車用の燃料供給装置などを、後に日産のROMいじりも行ったが、16進数などを理解して貰うのに苦労した。でも結局は16進数が分からなかった訳で、仕方がないので10進数で燃料や点火マップを書き換えるソフトを作った。

◆ そこに一人のメカニックが入ってきた。元々は自動車メーカでレース用のエンジンなどをいじっていた人だそうだ。歳は私より少し若かった。彼はどちらかというと質実剛健なエンジンいじりをモットーとしている感じで、アクセサリや部品取り付けなどがメインだったそのショップとは趣が違っていた。
彼は大手にいた事もあり、給料から何からがどんぶり勘定なそのショップの運営にも不満を漏らしていたのだが、個人ショップなんて大同小異だったと思う。

◆ やがて彼は独立を意識し始めるのだが、そんな時に新たなショップを始めたいという人間が現れた。まさしく雨後の竹の子のごとくそんなショップが増えている時期であり、その新たなショップを始めたいとする人も自動車には全く興味のない、しかしやれば儲かると踏んだ地元の小金持ちだった。
彼はそこのチーフメカニックとして工場を任される事になった。
そこでは宣伝もかねて7MGエンジン搭載車の最高速マシンを作り上げる事になった。

◆ 7MG搭載車で最高速を出すのは難しい。当時人気のソアラやスープラでチャレンジしたい気持ちはどのショップにもあったとは思うが、ギア比が変えられないので大径タイヤを付けてレブリミッタを解除するしかない。だがトヨタのECUは独自の(本当は某メーカのコピー)CPUを使っていたので改造が難しい。
そこで外付け装置でレブリミッタを解除する事にした。理屈としてはノーマルECUの動作を監視しておいて、レブリミッタがかかってノーマルECUの燃料噴射が止まった瞬間から外付け装置が燃料を噴射するというもの。

◆ これは16bitのワンチップCPUを使い、アセンブラでプログラムは書いた。そのCPUを選択した理由はハードウエアタイマが多く乗っていたためで、これでインジェクタの噴射時間を決めたりインプットキャプチャで回転数を取り込んだりした。基本的にはDジェトロで制御したのだがノーマルECUとのつなぎ目がスムーズに行かないとエンジンにダメージを与えてしまう。フルスロットルの時だけならば(燃料噴射時間が長いので)まだ良いのだが、空ぶかしなどだとあらが目立つのである。それでもテストや測定を繰り返しながら煮詰めていった。当時まだ価格が高かったディジタルストレージオシロも、その瞬間を観測するためには必要だった。

◆ インジェクタは少し吐出量の多いものに交換した。想定されるエンジン出力から必要なガソリンの量を計算し、最大出力発生時にそのインジェクタが9割くらいの稼働率になるようにした。アイドリング時に燃料を絞るのはノーマルECUへの信号を誤魔化せばいいのだが、ノーマルのエアフロメータはカルマン渦式なのでF/V→V/F処理で行った。
こうすると各補正が過剰に効いてしまうのだが仕方がない。サブインジェクタを付ける手もあるが機械加工が大変だ。
その後彼の作ったスープラは320km/hを超えたんだったかな。他のショップが何年もチャレンジし続けてこの速度を達成したの比較するとかなりのハイペースだった。
続く…


電解コンデンサ(7/17)
◆ 電解コンデンサには寿命がある。液ものなので液漏れや蒸発などで容量低下が起きる。これはNi-MH電池などでも同様で使用による特性劣化と経年変化による劣化が起きる。
非水系のLi-ion電池が長期保存に耐えるのに対してNi-MHバッテリは駄目だ。電解コンデンサも同様に時間経過と共に容量が減少する。なので最近の回路設計では電源部などやむを得ない場所以外への電解コンデンサの使用は控えるのが普通だ。

◆ 電解コンデンサの代用となるのはタンタルが従来は多かったが、タンタルコンデンサはショートモードで破壊が起きるので危険だ。耐電圧の問題もあり、某メーカ製のロジックライン用パスコンの耐圧は15Vと表示されていた。最近では大容量の積層セラミックコンデンサが増えてきている。しかしこれも使用上の注意点があり、それはDCを加えると容量が減少してしまう事だ。コンデンサに交流を加えた時の"鳴き"も問題になる事がある。

◆ 自動車用ECUにも電解コンデンサが使用されていてトヨタ車の一部だと電解コンデンサによるタイミング回路が形成されている。電源部などだと容量に余裕を持たせた設計が出来るが、タイミング回路だとそうも行かないので容量変化で特性が狂ってしまう。自動車は夏場の高音の晒されるので高温対応型の電解コンデンサが使われるのだが、それでも10年を過ぎる頃から劣化が顕著になってくる。これはNi-MH電池も同様だが、電池はさらに寿命が短い。

◆ 測定器などにも電解コンデンサは使われている。先日中を見たローデシュワルツのSGは、殆どはタンタルコンデンサだったが電源の平滑用コンデンサなどは電解だった。小容量のものを分散配置するなどにはなっていたが、それだって時が経てば容量は抜ける。
国産の測定器だとコストの関係もあるのだろうが、電解コンデンサの使用率が高い。アンリツやアドバンテストのSGでPLLのロックが外れるトラブル、画面が点灯しないなどはPLLのローパスの電解コンデンサ不良や電源部の電解コンデンサ不良が多い。電源部の電解コンデンサが不良化すると電源電圧が異常を示して他の回路も道連れにする事がある。
測定器によっては電源電圧以上で電源をカットする仕組みのものもあるのだが、その制御をしている回路の電源が異常だと困る。

◆ 古いオーディオ機器には電解コンデンサも使われていればマイカコンデンサも使われている。マイカコンデンサは雲母を誘電体として使用したもので高周波特性や温度特性に優れるので昔は多く使われていた。
これの破壊原因は湿気で、パッケージから湿気が入って壊れる。壊れるモードがショートになる事もある。マイカコンデンサと似た名前のマイラコンデンサはデュポンの商標だ。材質としてはポリエステル系の物質が使われている。これの高級版としてシルバードマイカなんて名称のものもあった。

◆ 今や殆ど使われないスチロールコンデンサも石油化学物質を誘電体としたもので、それと金属泊をぐるぐる巻いた構造である。巻物なのでL成分が存在して高周波には使えないのだが、温度傾斜が一定である事や経年変化が少ない事で、容量の正確性を求める回路にはよく使われていた。誘電正接が小さい特徴もあり共振回路の構成部品として好まれる傾向があった。電解コンデンサ以外は非液系なので湿気の混入などの他は寿命に影響する環境度合いが低い。

◆ 長寿命を誇るLED照明器具にも当初は電解コンデンサが使われていたのだが、LEDの寿命よりもコンデンサの寿命の方が短いとあって、最近では積層セラミックコンデンサ化が進んでいる。ただし容量の問題があるのでコストは上昇気味なのだとか。照明器具というと非常照明があり、これの電池の寿命も問題になる。使っていないのだから寿命は来ないのだろうと考えがちだが、古い製品のバッテリはニカド電池の場合が多く、5年目あたりから容量減少が顕著となり10年くらいで使えなくなってしまう。


SG(3)(7/16)
◆ バッファアンプは3段構成なので、まずは最終段からテストを始める。これまで同様にVccを切断してベースとコレクタをCで接続してみる。と、93.75MHz以下のレベルが10dB近く上昇した。どうやらこのトランジスタが壊れているようだ。半導体が壊れる事など少ないと思うのだが可能性はゼロではない。普通のバイポーラトランジスタで回路的には電流帰還になっているから普通は壊れないというか壊れるような設計はされていないはずだ。

◆ SMTのトランジスタの品番を調べるのは至難の業だが、このマイクロディスク型トランジスタには品番が印刷されている。BFQ34Tを調べているとシーメンスのRF小信号用トランジスタである事が分かった。このクラスのトランジスタであれば特性は似たようなものだとは思うが、少々Pcが大きい。ftは4GHz,90mA流した時に800MHz帯で+22dBmも出せる事になっている。

◆ トランジスタが入手可能かと調べてみるが、既に廃盤になっている。海外では在庫を持っているパーツ屋もあるのだが購入が面倒だし納期がかかる。代替品番を探してみるとBFG35がそれに相当する。これは現行品なのでRSコンポーネンツやDigiKeyを探してみると在庫があった。納期の早い所を調べるとChip1Stopで、価格もDigiKeyの3/1以下だ。ごく普通のトランジスタなのでトランジスタ代より送料の方が高くなるが仕方がない。

◆ 国産のトランジスタで代用しても良いのだが、その品番を探すのも面倒だし最近はSMTになっているし、そもそも入手性が良くない。NECにしてもディスクリート部品からは撤退傾向で、今や海外製品の方がよく使われるし製品の供給安定性も高い。
ディスクリート回路なので似た特性のデバイスの方が安心できるし、メーカが代替品と言っているのだからそれを使おう。
代替品とは言っても形状はBFG34Tとは異なっている。まあ600MHzあたりの周波数なので実装に気をつければ使えない事はない。

◆ トランジスタは注文翌日には発送され、翌々日には手に入った。これを交換してレベルを確認すると93.75MHz以下も正常に出力されている。いったんリセットした後でキャリブレーションを行いエラーが出ない事を確認する。が、今度は別のエラーが出ているではないか。何なんだこれは… 修理中に壊した部分はないと思うのだがどうしたのだろう。
VCOの一つがロックできないとエラーは言っていて、測定してみると周波数が2MHz近くずれているではないか。

◆ マザーボードから基板をいったん抜いたので触不良などがないかを調べる。そもそもPLL関係のユニットには手を出していないし、トランジスタを変えたからと言ってエラーが出るとは考えにくい。それに修理した部分はミキサ周りなのだからVCOのアンロックとは関係がない。
と言ってもタイミング的にはいじくり壊したとなるわけで、これはいったんトランジスタを外して確認してみたいといけないかな。

◆ なんだかどっと疲れが出た感じがする。と言っていても始まらないのでもう一度ユニットを抜こうかと同軸ケーブルを見ていたら、何と差し込むコネクタの位置を間違えていた。ケーブルからの信号が正しくないのでPLLのループが構成されずにエラーが出たわけだ。
そのコネクタを差し直し、各コネクタをスパナで締めて完成だ。
SMAコネクタは本当はトルクレンチで締めるのだが、この狭い空間にトルクレンチは突っ込む事が出来なかった。

◆ せっかく開けたのでファンなどに付着した埃も取り払い、ユニットを固定するねじを正規に締めて修理完了となった。一応しばらくの間電源を入れて様子を見たが異常にはならなかった。ケースを開けたままで通電しておくとエアフローの関係からか結構ユニットが温まった。


SG(2)(7/15)
◆ 正常動作している風に思われたローデのSGなのだが、何となくいじくり回していたらエラーが出た。
周波数を100MHz以下にするとALCエラーが出る。確認してみると93.75MHz以下になるとALCエラーが出るのだ。ALCエラーとは自動レベル調整装置が効かないというエラー(ERROR110)である。スペアナで確認してみると93.75MHz以下になると出力レベルが20dBほど落ちてしまう。

◆ アッテネータやその周辺の不具合ならば周波数依存性は少ないはずなので、おそらくはそれ以外の部分の故障だろう。調べてみたいが回路図は当然としてブロック図すらない。でもとりあえず開けてみようか。
内部はマザーボードに各種基板が挿入されているスタイルだった。
各ボードは金属ケースに覆われているが、アルミのブロックというものではない。とりあえずは出力コネクタから逆に信号を追ってみる事にする。何しろまずは信号を追わないと、どのコネクタが何なのかも分からない。

◆ 出力コネクタはアッテネータ系が入っていると思われるアルミブロックに入っていて、そこからマザーボード上の基板にセミリジッドケーブルで接続されている。
このユニットを外し、沢山のねじで固定された金属蓋を外すと同軸リレーと基板上に実装された銀メッキのケースに接続され、そこでRF信号と思われるラインはユニットを出ている。
そこでそのレベルを確認してみると、ステップアッテネータを通らない信号が見えていた。当然93.75MHz以下になるとレベルが落ちる。

◆ その先を追うと別のユニットに接続されているので、今度はそこを調べる。このユニットはアナログ部分とディジタル回路が乗っている。
ここは3GHzまでの信号を作り出すユニットの模様だ。この元となるVCOの出力をミキシングダウンしたり逓倍したりして3GHzまでを作り出しているようだ。当該93.75MHz以下は600MHzのローカルとVCO出力をミキシングして作り出している。ミキシングするのでスプリアスが出るのだが、これを良く抑えているなと思う。
ミキサはMCLのDBMでローカルレベルは+17dBmだ。ローカルは別のユニットか生成していて、そのレベルを見ると+10dBmだった。

◆ ミキサユニットではDBMの手前にバッファがあるので、そこでローカルレベルを+17dBm付近まで増幅しているのだろう。といってもプロービング出来るわけではないのでレベルの確認が出来ない。もしこのアンプが壊れていればミキサのローカルレベルが減少して変換損失が過大になるだろう。デバイスが壊れていれば増幅どころか損失元になる。これを確認するためにデバイスのVccを切り離して入出力間をCでバイパスしてみた。ら、93.75MHz以下の信号レベルがさらに落ちた。と言う事はバッファは正常に動作していそうだ。

◆ ミキサも壊れる事はあると思うのだがパッシブ部品なのでその可能性は低い。ミキサの出力はトランジスタで増幅された後にSPDTスイッチに入っている。このトランジスタがいけないのかな?そう思い、バッファの場合と同じようにしてテストすると、これもレベルが落ちた。
トランジスタの場合は入出力インピーダンスも関係するのでこれで全てが分かるわけではないのだが、とりあえずは動作していると判断した。

◆ こうなると今度はミキサの入力である。ミキサの入力は93.75MHz以上の信号そのものなのだが、ここに何段かのバッファがある。バッファはアイソレーションを稼ぐためでもあり、ミキシングダウン時に元の信号が出力されないようにしている。スイッチのアイソレーションは40dB程度しか取れないと思われるのでバッファ自体の電源を落とすなどしてアイソレーションを稼ぐ。
ボードのエクステンションでもあれば電源を入れてチェックが出来るのだが、線を引っ張り出すのも面倒だしどうしようかなぁ。
続く…


周波数標準(2)(7/14)
◆ 昨日の続きである。周波数の絶対確度とジッタ(いわゆるC/NやSSBノイズの事だと思われる)を扱った記事や製品もあるのだがどうも正しく理解できていないように思われる。ルビジウムやセシウムはGHz帯で発振する(発振ではなくて吸収なんだけど)から、それをPLLにかけるから音が悪い説などもある。
業者ではTCXOを重厚長大な銅のケースに入れて30万円で売っていたりとか、良い商売だなと思う。

◆ セシウム商売にしても電磁波の影響を受けやすいから厚さ10mm以上の銅ケースに入れないと駄目だとかで、そのケースが何万円もしていたりする。
再生のみではなく録音の方もセシウムやルビジウムが謳い文句になる。当然それは評価されて「透き通るようなボーカル」だとか「まるで違った響き」「前面に出てくる、ホールの一等地で聞いたような」なんて賛辞が並んでいる。

◆ CDプレーヤのクロック源としてはジッタという言葉が良く出てくる事も見えてきた。オシロなどを使ってそれを測っていたり、高分解能で計測するために高価なオシロを導入したりしている。しかし時間軸で見えるほどのジッタは相当なものだ。だがオーディオマニアの世界ではそれを周波数軸や位相軸で見るという所までは行っていない。まあ時間軸で観測できるほどのジッタだったら音にも影響があるなとも思う。

◆ ジッタの話はPLLの話でもありルビジウムの出力周波数をCDのクロック周波数に変換する部分の話でもある。固定周波数なのだから普通であればVCTCXOなどとPLLを組み合わせるのだろうが、自励の(ロジックの)リングオシレータか何かを元にしていたりして、確かに周波数としてはルビジウムにロックされたものになるがC/Nは相当悪いと思う。それでも音が良くなった、さすがルビジウムだとなるのはオカルト領域でしかない。
ルビジウムよりもセシウムが良いという話も多いわけで、その言葉だけで音が改善されるなら福島原発あたりにCDを持って行けばきっといい音になる。

◆ オーディオ周波数帯を扱うマニアと無線周波数帯をいじる人では視点が異なるのは当然としても、クロックの重要性を説く記事を見てもSSBノイズに関しては全く触れられていないというか理解していない感じだ。ちなみにルビジウムの低ノイズ型で-140dBc/Hz程度なので低雑音TCXOよりもだいぶ悪い。というかこの程度のC/Nは低雑音型のSGでも実現できている。
なのでSSBノイズ云々の話ではなく絶対精度そのものを語っている訳だ。

◆ 一定の周波数が録音されているテスト用のCDを再生して、そのスペクトルをFFTアナライザで見ればC/Nは分かるはず。周波数確度も同時に計測できるのだが、そんなテストをしている人は居るのだろうか。
セシウムは少し寿命は長いがルビジウムは短命だ。なので普通はそれらで校正された二次標準を使い、決められた時間ごとに再校正をするのが一般的だ。SGにしろ何にしろルビジウムを積んだ機械は一般的ではなく、正確な周波数計測を必要とする用途では外部から標準周波数を入れて使う。

◆ 私がこんな話を書いてもオーディオマニアとはかみ合わないに違いない。見ている世界が違うというか、計測や理論以上の何かをオーディオマニアは求めているからだ。これは自動車の燃費節約グッズと似たような感じで、それこそバッテリとパラにコンデンサを付けたら燃費が良くなったとか、そのコンデンサ容量によってベストなエンジン回転数に違いが出るなどと言う事が、さも当たり前のように語られる。
一時期流行ったアーシングも然りであり、知らない世界の事は何でも信じてしまうというかそもそもその分野の知識がないのだから信じるしかないのだろう。


周波数標準(7/13)
◆ SGの話で周波数を正確に合わせるのは意外に面倒というか、周波数標準がそこらには転がっていないというような事を書いた。GPSを使うとかルビジウムを使うとかが手っ取り早い方法になるが、手っ取り早いと言ったってそれなりにコストもかかる。ちなみにSGとスペアナの周波数差は0.5ppmほどあった。

◆ と言うような事を調べていたらCD(コンパクトディスク)の再生用クロックの基準にルビジウムやセシウムを使うという記事が目にとまった。あんなものを高精度化して何が起こるのか興味があり調べてみると、クロック基準を変える事で「驚くような音質が得られる」とか「低音の響きが全く違う」あるいは「透き通るような高音の抜けはルビジウムでなければ得られない」などと評されている。

◆ ルビジウムばかりではない。TCXOに変えたら音がまるで違ってきた。±1ppmのTCXOに比較すると±0.2ppmのTCXOはハッキリと音質の向上が分かるなどとも書かれている。
そもそも周波数の正確さは音程のシフト(再生速度)だけに影響するもので、音質に影響はない。以前に書いた440Hzを441Hzにするという話とも少し関係するかも知れないが、440Hzを1Hz上げると言う事は2273ppmも狂わせる話であり基準発振器の周波数精度とは桁が3つくらい違う。
周波数の正確さの他に周波数標準のC/N(SSBノイズ)の話もあるわけだが、これは周波数軸の話ではなく時間軸の話だ。たしかにC/Nの良い基準クロックを使えばノイズは減少する。これは事実だ。

◆ ではTCXOのC/Nが良いのかというとこれは否である。TCXOは温度補償という制御が加わっているので、その制御の分だけC/Nは悪化する。最近のディジタル通信と高周波数の利用ではこのC/Nが問題になるのでSSBノイズを減らしたTCXOも存在しているし謳い文句にもなっているくらいだ。なのでC/Nを気にしていると考えるならばTCXOで音が良くなったというのは納得が出来ない。C/Nが悪い方が音が良いというのであれば別なのだが、一体何だろう。

◆ オーディオマニアの世界でも周波数自体の短期安定度とC/Nの違いくらいは認識されていて良さそうな気がするのだが、この基準発振器論では周波数安定度でもなければC/Nでもなく、単に周波数の絶対精度のみが語られている感じを受けた。
TXCOよりOCXOが良くて、ルビジウムはさらに良くてセシウムともなれば鳥肌が立つほどの音質になるというのだ。

◆ 以前にも書いた事があるが「電源コードで音が変わる論」も存在している。では屋内配線やアンペアブレーカ、変電所までの配線、柱上トランスの種類やメーカ、変電所の設備や発電所でも音が変わるのだろうか。今日は水力発電が多めに混ざっている音だなとか、今日は火力が3割の音がするとか、最近ウチの周りが地下送電になったから音の深みが増したんだよねなんて。

◆ CDに関しては読み取り時のエラーが云々とかサーボが動くと電源にノイズが乗るとかの話もあるが、それはそれで計測可能な事象ではないかと思うし計測が可能であれば改善も可能だ。
測定器に現れない何かを感じる論を頭から否定はしないのだが、何故そうなるのか、何がそう感じさせるのかの論理的説明が見えてこない。

◆ 周波数標準にしてもマイナス6乗の精度とマイナス12乗の精度で「驚くほど音が変わる」と言われても、その話を聞いた私の方が驚くという以外にはない。マイナス6乗というと1MHzに対して1Hzの誤差である。可聴周波数対の中心が例え1KHzだとしても1ppmの誤差は1mHzでしかない。しかも短期安定度でもC/Nでもなく周波数の絶対精度を論じているのだから1.000000KHzの音と1.000001kHzの音の違いを言っている。セシウムとなればさらにゼロが6個加わるので1.000000000000kHzの世界なのだ。


SG(7/12)
◆ ローデのSGのチェックを頼まれた。電源を入れるとエラーが出るという。以前にも書いたがローデの製品はアジレントの製品のような信頼性には達していない。
性能の良いモデルが多いのだが故障もあるし、故障すると厄介なのだ。アジレントの製品も量産化とコストダウンの影響で以前ほどの信頼性が無くなったという人も居る。口の悪い人に言わせれば年間のサポート契約を取る為だみたいな事も言う。

◆ サポート契約に入っていれば多くの修理や調整は低額で済むが、そうでないと基本料金だけで数十万円になる。
サポート契約は高額ではあるが、その金額からはみ出す事も少ない定額制みたいな感じでもある。故障すると言う事はドリフトだってあるのではないかと思いたくもなる。正常状態から一気に故障状態に遷移する事もあるが、徐々に特性が狂ってきて故障モードになる事だってあるだろう。この、徐々に特性が狂っている時が嫌だ。

◆ ローデのSGに話を戻そう。電源を入れると確かにERRORの表示は出るのだが、OVEN COLDの表示も出ている。このSGはオプションでOCXO(恒温槽に入った基準発振器)が付けられていて、これが定常温度に達するまではこのエラーが出るようだ。
30分ほどそのまま放置するとエラー表示はなくなった。一通りのチェックを始めるが、様々な機能が付いていて面白い。

◆ 仕事で使うのは専用の測定器が多く、汎用のSGを使うとしてもCWくらいしか使わない。このSGはAM/FM・PM変調に加えてディジタル変調もかかる。アナログ/ディジタル変調は直交変調器があれば済む話なので、あとはディジタル処理になる。
GMSKにしてもPSKやFSKも、変調信号を作り出す部分のロジックがあれば良い。ただPBRSは符号速度が速いからなのかハードウエアオプションが必要となり、このSGにはそれも実装されていた。

◆ この手のディジタル変調対応モデルは代表的な仕様の標準的な変調方式がオプションでサポートされる。PDCだとかW-CDMAだとかがプリセットされているというわけだ。ディジタル変調は方式も多種になるしビットレートやナイキストフィルタの傾斜にしても沢山の種類がある。それをプログラマブルにしてあるSGもあるが、いちいちセットしていくのは相当大変なのだ。
相当大変なのはSG側ではなく変調解析の方も同様で、スペアナの多くに搭載されるディジタル解析機能なども、正しく設定しなければ当たり前ながら変調解析などは出来ない。

◆ 変調解析でコンスタレーションを表示するにはそこそこのCPUパワーというか画面書き換え速度が必要になる。が、測定器の描画性能はあまり高くなかったのでデータをPCで拾って描画させた方がよほど速いなんて事があった。今ではそのあたりも考慮された設計になっていると思う。描画速度はオシロでも同様で、昔のディジタルオシロは描画速度が遅くて一瞬の波形を逃してしまうなんてことも。
高速アナログオシロの場合は、そもそもその速度で走引描画するのだから遅いなんて事はない。
それを人間の目で見つけられるのかどうかという問題はあるけれど。

◆ ローデのSGはチェックできる範囲では異常は見られなかった。せっかくSGがあるのでSDRドングルの周波数でも校正してみようか。
OCXOではあるが、それの校正値も入れられるようになっている。
OCXOの短期安定度は0.05ppm以下だと思うが経年変化はある。高温を維持するので常温で使うよりも経年変化が起きやすいし、電源のON-OFFごとにサーマルショックを与えているようなものだ。これを校正するにはルビジウムでもないと駄目だなぁ。ルビジウムはマイナス11乗くらいの精度があるが、それをGPSで校正するなんて機械もある。
GPSはドップラモあるし高速移動体なので時間が遅く進んでもいるので計算がいるのだろう。
あ、あれ??エラーが出た…


無線機(7/11)
◆ ドレークやコリンズ、それらメーカの無線機を使った事はなかったのだがHF帯などで活躍されている方には人気の機械だった。ドレークは日本に総代理店があったのだが、その日本代理店が日本国内メーカに作らせた受信機(だったかな)があったそうだ。このあたりの事情を私は全く知らないのだが、もしかすると私よりもう少し年上の方ならば事情をご存じかも知れない。

◆ ドレークやコリンズの無線機は国産のそれよりも高価だったと思われ、なので使っている人も少なかったのではないのかと思う。そこでドレークという名前を付けた国産機を作らせたのが上に書いたもので、ドレークの許可を得ていたのか現在の中国のようにコピーにもならないコピーをして銘板だけ付けてしまったのかは不明だ。
海外メーカの無線機には神話みたいなものがあったりして、ドレークだからだとかコリンズだからねみたいな事が言われたしそれらを崇拝する人たちがいたのも事実だ。

◆ 以前にも書いた事があるがアンリツのスペアナを使っていた時に、ノイズの量を測りたいからフィルタの正確な通過帯域幅を教えて欲しいとメーカに電話をした。メーカのエンジニアは「回路はHPさんと同じですからそちらに聞いて下さい」と、ごく普通に答えた。当時の測定器は回路が公開されていてその回路を真似して作る事も勿論可能だった。もっとも回路図があったからと言ってHPの測定器自体がコピーできるわけではない。

◆ そんな時代、いやもっと以前だったので日本の無線技術よりも海外メーカのモデルの方が色々な面で進んでいたとも考えられる。使う側の技術も然りであり経験的に知っている事とその技術的裏付けが希薄だった。測定器すらアマチュアの手には入らない時代でもあったし、当時の多くの設計手法は144MHz帯に於いてもYパラメータ主体だった。
Sパラメータを使った所で完全無調整でPAなどの入出力回路が出来るわけではないがYパラメータではさらに精度が下がる。

◆ トランジスタのパラメタは動作状態によっても異なるし、入力つまりベース側の回路を変えればコレクタ側のマッチングも変わる。なのでシミュレーションも行う必要があるし、入出力のマッチング回路をダイナミックに変えながらテストを行う手法もある。アマチュア的にはトリマを付けて調整してしまうとなるし、実際パワーモジュール出現以前の150MHzや450MHz帯の業務用無線機には調整箇所が山のようにあったのだ。
だからこそタクシー無線機を改造してアマチュア用にするなどが出来た訳で、調整箇所のない現在の無線機で大きく周波数を動かすのは難しい。

◆ ドレークやコリンズあるいは国産でも、古い無線機を好んで使っている方もいる。最近のディジタル化された無線機は自分でいじる事が難しいが、余計な(というのは語弊があるが)機能のないシンプルな回路であれば自分で調整なり修理しながら使えるというわけだ。
もちろんその、何がシンプルかは世代によっても異なると思う。EP-ROMが乗っていれば書き換えできると思う人も居れば、紫外線でROMを消す?そんな事出来ないでしょと言う世代だっているはずだ。

◆ 真空管は入手は難しいが手に入らない事もない。トランジスタの方は、特に昔のゲルマニウムトランジスタは入手不可能だ。代替品があればいいが特性も何もかも違うので、オリジナル定数のままトランジスタを変えて動くとは限らない。オリジナルに拘るのかという問題もあるし、だったら新しい無線機を買えば良いではないかと、確かにそれはそうなのだ。でもまあ自分の手の届く範囲のものを直しながら、いじりながら使うというのも楽しみだと思う。これは無線機だけではなく車やバイクでも同じだ。


高嶺の花(7/10)
◆ 測定器などの事を書いているが、測定器ってヤツは民生用の機器ではないので高額だ。片手で持てる測定器が自動車より高額な事は珍しくはないし、安い戸建てが買えてしまうくらいの値段が付いたものだってある。
ディジタル化などによって、それでも以前よりは安くなったと思う。特に表示器周りなど、あるいはメモリ容量に依存する機能などは凄く価格が下がった。

◆ それでも豊富に測定器があるのは以前は国営の某社の研究所くらいで、民間企業では必要以上のものは揃えない。
企業として中古の測定器を購入するケースはあまり無いと思う。校正や修理の問題もあるのでたいていは新品か新古みたいな測定器メーカが持っているデモ機などを入手する。新古品は新品より安いほかに即納である点が有り難い。日本にあまり出回っていない測定器などは本国手配になるので納期がかかる場合があるのだが、新古品はその製品がそこにあるので即納だ。

◆ ただデモ機と言う事なのでフルオプションになっている場合もある。車で言う所の試乗車みたいなものだ。でもお買い得なのでデモ機などを買う場合もある。
アマチュアだと中古やジャンクを直して使うなどもアリで、その測定器の新品価格が800万円もしたものが、製造中止から20年たった今なら20万円で買える、みたいなものだ。まさに当時は高嶺の花だった測定器が20万円を出しさえすれば手中に収める事が出来るのである。

◆ 耐用年数からしてたとえは適当ではないのだが、ブームの頃は中古車も高く、新車は300万円以上もしたワンボックスカーが今なら程度の良い中古が20万円で買えるみたいなものだ。勿論価格が下がるのは需要が低下しているからなのだが、欲しい人に取ってみれば破格で憧れのモデルに乗れる。好きな人にとっては所有する事自体を喜びと感じるように、測定器マニアな人は色々な測定器を買ってきては悦に入っている。

◆ 工具にしても同じではないだろうか。一流と言われるメーカの工具を徐々に揃えていく。最初は使用頻度の高いものから、そして一通りの工具が揃うと使用頻度は高くはないがあれば便利な事もある工具を買い始める。工具や計測器は何かをする為に必要なもので、宝飾品と少し違う。工具や計測器は(例えば)宝飾品を作る為のものだからだ。

◆ 測定器や工具は何かを作り出す為のものなので、それを使ってお金を稼ぎ出す事が出来る。ただアマチュアの場合はそれでお金を稼ぎ出す事はあまり無いと思う。まあ自分で作ったものを売るなどすれば良いが、それは仕事としてという感じかも知れない。
測定器は長さや重さをはじめとして様々な量を知る事が出来るので、自分が思い込んでいた勘違いや誤った認識を打ち砕いてくれる。

◆ それでも「俺は間違っていない、測定器が間違っているのだ」なんて言い張る人は居るかも。「俺の思い通りの値を示さないのはアンチな測定器だ」とか。でも普通の人は測定器の指示値を信じるし、それが信じられる値を示すように定期的に校正される。校正を行う為にはその測定器よりももっと精度の高い測定器が必要になる。その、もっと高い精度を持った測定器は常用測定器と言うよりは、校正の為だけに使う測定器なのだ。高精度な測定器や基準器を正しく動作させる為に恒温室などにそれらが置かれている。

◆ 測定器が安価にオークションなどに出てくるのは、それを使用していた事業所などが安価に放出するからだ。たとえばW-CDMAの測定には使えるがLTE投資に対応していないから要らないとか、耐用年数を超えたから廃棄するなどで、その放出台数がそこそこあるので需給の関係で価格が上がらなくなる。


信号純度(7/9)
◆ オーディオ帯でも無線周波数帯でも、その特定の周波数の信号だけを出すのは難しい。何にでもノイズが乗るように、例えば10MHzの信号だけを出したいとしてもそれに位相的あるいは振幅雑音が重畳されて信号純度が下がる。
2GHzの無線機があったとする。その2GHz帯を作る為の基準信号が2MHzだったとしよう。この基準の2MHzから2GHzという千倍の周波数を作り出すので2MHzの原発に乗ったノイズは千倍になって(単純計算ではない場合もあるがここでは便宜上)2GHzのキャリアを汚す。TCXOでもローノイズ型と謳われるものがあるように、高い周波数を扱うようになるとこうした問題も気になってくるのだ。

◆ 水晶振動子などQの高い発振器でも信号純度が問題になる位なのでPLL方式のSGとなるとさらに信号純度が悪くなる。PLLはループなので固有の雑音が避けられない。もちろんPLLのノイズだけではなく元となる発振器自体のノイズもある。
ここで困るのが隣接チャネル妨害特性などを測る場合だ。受信機が(例えば)10chを受信しているとしよう。そこに11chで信号が入ってくると10chの受信に影響が出る。この影響度合いを測定するのが隣接チャネル妨害特性や3信号(混変調)特性だ。

◆ 隣接チャネル妨害特性は帯域フィルタの特性を測っているようなものなのだが、隣接チャネルの信号の純度が悪いとするとフィルタが凄く良く出来ていたとしても妨害を受けてしまう。つまり妨害波の帯域が広がっていて、妨害波のチャネルのみではなく信号波のチャネルにもエネルギをバラ撒いている事になるからだ。なので隣接チャネル妨害特性を測定するには信号純度の高いSGを用いないと数値が悪く計測される。
信号純度の高いSGとして語られる事の多い、今は既に製造されていないがアンリツのMS3633Aがあった。200KHzオフセットで140dBc/Hz〜145dBc/Hzは立派な数値だった。

◆ おそらく当時のローデシュワルツ製が125dBc/Hz程度、HPはそのレベルには到達していなかったと思う。アンリツは(その当時で)一番C/Nが良いと売っていた気がする。通信機などで厳しい規格にぎりぎり入るか入らないかと言う時に、このMS3633Aを使うと楽にクリア出来るくらいの違いがあった。ただ当時のアンリツ測定器の常でプッシュスイッチ類がやたらチャタリングを起こして周波数やレベルのエントリにも苦労した記憶がある。100MHzに設定したいのに"1"を押したとたん1111と入ってしまったり。

◆ アマチュアレベルで隣接チャネル妨害特性を測る事はまず無いとは思うが3信号特性は測るかも知れない。3信号特性を測るには信号波用のSGの他に2台のSGが必要になる。妨害波用の2台のSGで混変調歪みを発生させて、そのスプリアスの位置の信号波がどれだけ妨害されるかを測定する。これは多チャネルの無線機で、近くに他の通信をしている無線機があった場合に妨害を受けるかどうかというテストだ。
移動体通信ではPHSやPDCのようなFDMAの時代には必ず測定された。

◆ 規格が厳しくなるに従って、このように測定器にも性能が求められる。
10cmを測るのならば竹の物差しでも良いが、10.000cmを測れと言われると簡単にはいかない。10cmを測るのも10.000cmを測るのも長さ測定器という点では同じだが、精度と確度が大きく異なる。このあたりを知らずに0.1cmの分解能しかない測定器を使っていながら、計算上で発生した数字をそのまま書いて3.456789123cmですみたいに報告書に書く人が意外に多い。確かに計算上は(割り切れなかったりして)小数点以下の数字が並ぶのだが、そもそも元の数値の正確さというものがあるのだから、どうしても小数点以下の数字を並べたいのならば3.456789123cm±0.1cmとすべきだ。


専用機(7/8)
◆ 専用航空機の事ではなく専用測定器だ。ヤフオクなどでも安価に出ている事の多い専用機、高周波系のものに目を当てるとトランシーバテスタとか端末試験器などと呼ばれたり分類されているものがある。開発用と言うよりもラインやサービスで使われるもの、もう少し汎用性があって開発に使われるものなどがある。

◆ アマチュアが欲しがるSGとスペアナ機能では、少し年代の古いものだと送信機テスタがスペアナ機能を持っている。例えばアンリツのMS8604AはPHS(ごく初期のものはPHPとなっている)やPDCの送信部をテストする為のものだ。現在の3G移動機などのテスタがFFTアナライザで占有帯域幅や隣接チャネル漏洩電力を測るのに対してMS8604Aはスキャン型のスペアナで測っている。(測定項目によってはFFTも使えたはず)つまりベースはスペアナでその設定を制御しながらデータを取得する訳だ。

◆ この反対もあってスペアナに専用のソフトを入れて、その無線規格の必要なデータを半自動取得するというもの。こちらは完全なスペアナに自動実行ソフトを入れるので汎用性は高い。送信機テスタは、勿論スペアナとしても使えるがMS8604Aは感度と分解能で不満が出ると思う。感度が悪いのは入力にATTが標準で入っている為で、これがあるので最大入力電力が40dBmになっていたかな。このアッテネータ部分は接続を変えると切り離せるので、そうすれば少し感度が上がる。

◆ 他にベースバンドを入力してEVMを測るなども出来る。まあ専用機なので一般の人がその機能を使う事はまず無いだろう。PDCやPHSを使っている人でMS8604Aに当該規格の測定項目があれば、それを測ってみる事は出来る。製造開始されたのは20年以上前のものだと思うので故障品もある。パワーオンから立ち上がる時にエラーが出たりキャリブレーションが効かなかったりする。

◆ SGの方はMS8604Aとペアで使われていたMG3670がある。これもPHSやPDCの信号生成の可能なSG、つまりディジタル変調機能の付いたものだ。ディジタル変調とCWのみでAM/FMは無かったかな、ちょっと覚えていない。I/Q変調器が内蔵されているので外部から信号を供給すればAMでもPMでも変調する事が出来る。もちろんSSBだって出せる。なので使い方次第では面白いかも知れない。落札価格も1万円以下なのでSGとしては安い。難点は古い機械なのでやたら重いのと故障品がやたら多い事だ。

◆ アンリツのMTxxxxはトランシーバテスタというか送受信のテストが一度に出来る。開発向けとしては使いやすいのだが汎用測定は苦手だ。この時代になるとスペクトラム解析はFFTになっているので広帯域をスキャンして観測が出来ない。送信機テスタとしてならば規格に入っているか否かをテストすればいいので、たとえば0-8GHzまでのフルスキャン機能などは要らない。その代わりプロトコル機能が乗っているものもあるので、設定を行えば(移動機側も)MTxxxxに対して位置登録させる事も出来る。

◆ 初期の携帯電話の仕事をしていた頃、いわゆるミニコンベースの疑似基地局があったのだが、疑似基地局と言っても無線リンクが可能なシステムだったのでその某社の前の道路を通る車の自動車電話機が、その試験用疑似基地局に位置登録を試みてくるなんて事もあった。こうしたトランシーバテストシステムを使うと色々な事が分かるのだが、色々分かる為には一通りの規格を覚えなければならないので大変だ。規格自体はARIBからダウンロードが可能なはずなので、読みたいと思ったらその規格をダウンロードすればいい。

◆ と言うわけでスペアナとSGが欲しいならば、MS8604とMG3670で代用できる。何を測定したいのかによっても変わっては来るのだが、コストパフォーマンスは極めて高い。アナログトランシーバテスト用の機器もある。HPにもあるがSINAD感度や消費電流、送信出力などが測れる。これはSGとスペアナ、その他のものをセットにしたMTxxxxのアナログ無線機版と言った所。
ただしヤフオクものは正常動作品がかなり少ないと思うし修理も難しい。


クーラー(7/7)
◆ クーラーが活躍する季節である。その昔、知人の部屋に行ったらスポットクーラみたいな、でも業務用のそれではなく家庭用のクーラがあった。
クーラ本体は室内に置かれていて高温の排出空気を太いパイプのようなもので屋外に出していた。除湿した水はタンクに溜まるようになっていて、それが満タンになるとクーラが自動停止する。
そのタンクが小さかったのか、頻繁に止まっていたような記憶がある。

◆ 窓用エアコンは、当時はGEかどこかのスリムなものを使っていた。音がうるさい割に風量は少なくて冷えは悪かったが、無いよりはよほどマシという感じ。アパート住まいの時にもコイツは活躍してくれたのだが、何しろ6畳の部屋を十分冷やす事が出来なかったので夏場は床に近い所に寝そべってすごした。

◆ それから時が経ち、鹿児島の家に窓用クーラを付けた時には結露水はコンデンサに吹きかけて蒸発させてしまう方式になっていた。湿度が高いとドレンが溢れるのだろうが、通常使用時に水は出ない。これは一石二鳥というか余計な配管が無くて良いなと思ったものだ。
窓用エアコンは効率もあまり高くはないのと生産量が少ないのか割高である。今だとハイアールなどが安価に出していてそこそこ人気があるのだとか。国内メーカでもハイアールのOEMやODM品を出している。

◆ ハイアールの窓用クーラは、冷えは良いが音がうるさいと言われる。まあ窓用クーラはコンプレッサも何も一体型なのに加えて剛性の低い取り付け方法になるので仕方ないと言えばそうだ。その代わりに設置が簡単だし移動だって楽に出来る。
冷暖房機能を持ったものは多くはないが、ひっくり返しに付ければ加温&加湿器になったりして。

◆ 低燃費車が増えたからなのか暑い日に窓全開で首にタオルを巻いて運転している人を見かける。冬場にはコートを着て運転している人も居るが、そもそも車って快適性を求めて乗るものではないのかな。確かに低燃費車となるとクーラが食うパワーも燃費に響くのだとは思う。そこまでして燃料節約するものなのか、したくなるものなのか、私には分からなかったりする。

◆ 勿論何を求めようが乗る人の勝手なのだが、だったらクーラ自体をオプション設定すると車重軽減に貢献してくれそうだ。
エアコンのコンプレッサや、電動駆動ならばなおさらの事重いはずで、それに価格だって安くできる。
まあ都市部の渋滞の中を走る機会が多いと、今は良くても真夏は厳しいかな。

◆ スクータで走っているとよく分かるが、ちょっと木々が多い所などは気温が下がっている。葉からの蒸発熱だとか土があるからとかの様々な理由があるのだろうが、結構温度が違うのだ。家の周りに木々を植えるスペースのある住宅は多くはないと思うが、木々の威力は偉大だなと思う瞬間でもある。
今は少し下火だがゴーヤカーテンが流行った夏があった。ゴーヤで涼しくなるのかなと思ったものだが、しかし木々で涼しくなるのだからゴーヤも効き目があるかも知れないと思う。

◆ ビルの屋上で木々を育てる試みもあるが、大規模に行えば都市化による気温の上昇を抑制出来る効果もあるのだろう。と言っても落ち葉公害だとか何だとかと別の問題も起きる。木々があれば虫も集まるだろうしそれを食べる鳥も来る。各地で鳥害がある訳で、鳥が集まれば鳴き声もうるさいし糞害も起きてしまう。
それ以外でも強風で枝などが飛ばないかとか、そう考えると都市部に緑を増やすのは容易な事ではないかも。公園などにしても管理費がかかるからという理由で自治体は嫌う。


オイル(7/6)
◆ ガソリンスタンドでは未だに3,000kmごとのオイル交換を勧めているのだろうか。自動車メーカはオイル交換サイクルを長くというか常識的に設定しているが、オイル自体の性能向上もあって1万kmとか2万kmが交換サイクルとなっているモデルもある。また走行キロ数ではなくセンシングでオイルの劣化を判断するモデルもあるのだが、何を測っているのか何を測ればオイルの寿命が分かるのか今ひとつ不思議だったりもする。

◆ 私は以前は5,000kmくらいでオイルを交換していたのだが、車にあまり乗らなくなってからは夏と冬に交換する感じになり、さらに車に乗らなくなるとオイルを交換する時期すら見逃してしまう、みたいな。何しろ乗らない時期には車検までに数百kmしか距離計が進まないなんて事もあった。
今はまた少しは車に乗るようになったのだが、年間走行距離は2千kmとか3千km程度だと思う。

◆ シグナスはオイルフィルタが付いておらず2千kmごとのオイル交換が指定されている。この距離であればオイル交換までにオイルが減って無くなってしまうなんて事もないが、走行距離が増すに従ってオイル消費量が増えると思うので少し注意した方が良いかも。
スカイウエイブは6千kmごとのオイル交換が指定されているが、高回転を維持して走る高速道路などの利用距離が長いとオイルが減る。

◆ これはオイル上がりや下がりという問題ではなく飛沫の分離キャパシティが小さい為にクランクケースが息をする時に一緒に排出されてしまうらしい。なのでたまにチェックして補充している。あ、そういえばオイルのストックが減っているんだった。シグナスは約1リットル、スカイウエイブは約2リットルが入る。スカイウエイブのオイルフィルタのストックも無かったかな。オイルと一緒に買っておかなくては。

◆ 工具や部品を注文する時に、あと少しで送料無料の購入額になるというような時にオイルやフィルタを買っている。オイルやフィルタならば無駄になると言う事もない。なのでオイルの銘柄はマチマチだったりする。従来はシェブロンシュプリームを使っていたしまだストックがある。これは約1リットル入りと言う事もあってスクータ用には使いやすい。値段が安いのも魅力だったのだが最近はそうでもない感じがする。

◆ 車の方はカストロールとか、その時々によって銘柄を変えている。
これまでは自分でオイル交換していたのだが、何しろオイル交換頻度が下がっているのでオイルを買ったついでに(交換無料なので)作業して貰うという感じになっている。車に関しては以前にも書いたとおり、現状では走行キロ数あたりの税金がバカに出来ないくらいの額になっている。沢山走る人であればそれなりだと思えるのだろうが、何とも馬鹿らしい感じだ。と言いながらも未だに車を所有しているのだから文句も言えないけど。

◆ ガソリンを入れると割引券をくれたりするのだが、その割引券の有効期限内に再給油が出来ないので面白くない。スクータは給油すると言ったって5リットルとか6リットルの世界なので2円割引券で12円しか違わないのか、みたいな。ガソリン価格は高値安定というか上昇傾向で、距離を走るのならば低燃費車への興味もわき出たかも知れない… かな。現状では2ヶ月か3ヶ月に1度給油すればいい方なのでもっと燃費の悪い車でも全然気にならないかも。スクータの方は給油量自体が少ないのでこれもあまり気にはならない。シグナスはウエイトローラを重くして、街乗りでも40km/l近く走るので経済的だ。ちなみにノーマル時は遠乗りして40km/l弱といった感じだった。


修理(7/5)
◆ 以前にレンズの修理の話を書いた。その後は安価で状態の良さそうな、しかもフレキ修理で直りそうなレンズを見つけていないので修理はしていない。レンズの玉を清掃するなどはやりたくないが、電気部分の修理で直ればお得みたいな感じだ。

◆ オークションを見ると様々な不動品が出品されている。私のいじれそうな測定器類を見るとSGやスペアナなどのジャンクもある。アドバンテストやアンリツの古めの測定器はYIGのロック外れが多い。調整の出来るものならばドライバ1本で修理が可能だ。アンリツのものなどはPLLのループ系が壊れているものもあり、これは修理に手間取る。

◆ ローデシュワルツのSGはHP(現アジレント)のものよりも性能の良いものが多い。C/N(信号純度)や変調時の内部歪みが少ない。C/Nに関してはアンリツのものも捨てがたい。というかHPのSGのC/Nが悪いといった方が良いかもしれない。以前にHPとローデシュワルツのSGで競合した時に、HPの営業がローデにはかなわないと言っていた。
そんなローデのSGなのだが信頼性という点でアジレントにはかなわない。修理も国内で行えない事が多いので時間がかかる。

◆ 仕事で使う測定器となればメーカ修理に出すのが当たり前なのだが、そうではなく修理してみたい、その測定器が使いたいわけではなく直ったら嬉しいなみたいな変態性修理マニア、とまでは言わないが回路図も何も無しに直してみるのは面白いではないか。
駄目なら駄目で諦めればいいわけで、まあそれにしてはジャンク測定器の価格が少々高いのときわめて重いのが難点ではある。
世のジャンク測定器屋の中にはニコイチでもないのだろうが、ジャンク測定器から使えるユニットを集めて直すなんて所もある。

◆ スペアナでもSGでも意外に壊れるというか壊してしまうのがアッテネータ部分だ。ハイパワーの機器をそのまま接続してアッテネータを焼いてしまうのだ。下手をするとアッテネータだけではなくDBMも巻き添えにしてしまう。アドバンテストやアンリツの古いスペアナなどは汎用部品が使われている事も多く、ミキサはR&Kでアッテネータの切り替えはテレダインのリレーとか。抵抗体というかPADも入手できないことはないが同じサイズのものは絶望的かも知れない。適当な抵抗体を付けると周波数特性が悪くなる。

◆ このあたりを適当に直してしまうと測定器としての精度や確度が失われてしまうので測定器としての性能を大きく失う事になる。
逆に電源部だとかロジック部などは代替部品を使っても測定器としての精度には影響しないので直しやすい。
カメラのレンズも電気部分ならば切った貼ったで何とかなるがレンズそのものの傷やコーティング剥がれは修正が難しいのと同じだ。

◆ 古い測定器は重い。ちょっと大型のSGや2段重ねのスペアナやネットワークアナライザとなると40kg以上にもなる。細めの女性の体重ほどなのだから移動するのも大変だ。なので安く売られているみたいな所もあるのだが、ここまでの重さとなると直してみたい気も半減してしまう。中身の多くは軽合金のケースなので直らなかったら重さで売ってしまう、なんてことも出来そうだ。
安くて軽いジャンクの"オモチャ"でも手に入れば直してみたい所ではあるが、そうした"オモチャ"はみんなが狙っているのか意外に値が上がったりする。

◆ スペアナやSGは人気商品だが移動体通信機のテスタは安い。移動体通信機のテストに特化しているので汎用測定器としては使いにくいのだが、スペアナや変調解析、SGやエラーレートテスタが一体になっているので考え方によってはお得なシロモノだ。
そうそうテクトロニクスのスペアナも安くて1.8GHzまでのモデルが3万円くらいで買える。(テクトロもスペアナを作っていた時代がある)だが訳の分からぬトラブルが多いのであまりお勧めしない。


発振器(7/4)
 SG、SSGは信号発生器あるいは標準信号発生器と呼ばれるものだ。PLLによる制御が一般的になる前はフリーランニングの発振器でSGは構成されていた。YIGなどを使ったものもあれば普通のL/Cによる共振回路のものもあった。
フリーランニングなので周波数は時々刻々と変化してしまう。なので先日書いたような水晶振動子の周波数合成式のシンセサイザもあった。

◆ アマチュア無線用としてはVFOと呼ばれ、これも今では多くのものがPLL方式になっているが、それまではフリーランニングの発振器だった。
なので経時変化や温度による影響を受けないように回路を作る。Qの高い共振回路にすればいいのだが、所詮L/Cなので限界はある。
コイルは銅線で出来ているので温度が上がれば線長がのびる。あるいはトランジスタの特性が変わる。それを補償するために温度傾斜が規定されたコンデンサがあり、それを組み合わせる。

◆ ではPLL方式ならば不安定でも良いかと言えばそうでもない。PLL方式にするためには発振回路にバリキャップを使うのでQが低くなりやすい。周波数変動はPLLによって押さえ込めるが、C/Nの問題が出てくる。そもそもPLLは帰還なのでC/Nが悪くなる事は避けにくい。発振器の周波数が高い方にずれれば、それを検出してPLL回路は周波数が下がるように制御を行う。周波数が下がりすぎると今度はそれを補正しようとするので細かな震えが起きやすい。これがC/Nを悪化させる。

◆ 発振回路のQが低いという事は外部の影響も受けやすくなる。ダイレクト方式ではVCOの周波数が無線機の送信周波数になるので、送信波がVCOに回り込んで影響を与える。C/Nの悪化は位相変調では特に問題で、変調波のS/Nが悪くなる。FM送受信機などでもC/Nの悪化は問題があり、無音状態なのにノイズが聞こえるなどする。PLL式の発振器を持ったワイドバンドレシーバは局発が多い事もあってC/Nが悪くなり強信号のFMを受信していても、無音状態が無音にならずサーっと音が聞こえる。

◆ VCOも最近ではLSIに組み込まれるようになった。一昔前のLSI内蔵発振器はロジック用にしか使えないほどの信号純度だったのだが、発振回路や方式あるいはQの高いコイルを内蔵するなどの改良で今や立派な発振器が内蔵出来る。トランジスタそのものも発振動作に適する特性のものが開発されるなど、ディジタル通信が一般的になればそれに合わせてデバイスも進化するのだ。

◆ ADF4351などは少々の外付け部品だけで35MHzから4.4GHzまで連続的に発振させる事が出来る。VCO自体は2.2GHzから4.4GHzが発振レンジなのだが、デバイス内の分周器によって低い周波数を出力させる事が出来る。これと広帯域アンプと直交変調器があればVHF帯からSHF帯までのオールモード送信機が作れてしまう。直交変調器の後の広帯域アンプの入出力を逆にすると直交変調器が直交復調器になり(パッシブならば)オールモード受信機になる。

◆ ADF4351は発振器なのだが1GHz程度まで出力の出来るDDS/DACもある。これだと変調まで出来るのでワンチップで送信機が出来てしまう。若干スプリアスが出るので注意は必要だが、アマチュアが使う分には問題はないだろう。
PLLにしてもフラクショナルならば基準クロックを高くできるのでロックも早いし分解能も確保出来る。フラクショナルノイズの問題もデバイスの進化で年々良くなっていると思う。

◆ PLLの設計はフィルタが要になるが、これもシミュレーションによってかなりの部分まで解析出来る。PLLメーカはそのデバイスに合わせたシミュレーションツールを提供している場合もあり、それに従って設計を行えばほぼその通りの特性が得られる。


TX-88D(7/3)
◆ 以前にblogに書いたが、アマチュア無線用のトランシーバTX-88Dはトリオ(現ケンウッド)の管球式の送信機だ。3.5MHz帯から50MHz帯までをカバーするAM送信機であり、おそらくはSSB時代になる以前かあるいはCW用として使われたものだと思う。
水晶発振式でVFOは別売り、発振は6AQ5で逓倍とバッファが12BY7A、ファイナルがS2001(6146)の構成だ。

◆ TX-88Dは完成品の他に組み立てキットもあったようなのだが私がずっと昔に入手したのは完成品の中古だった気がする。
なぜTX-88Dだったかというと、これを50MHzのブースタとして使うためだった。当時たぶんTR-1100あたりを使っていて、その出力をTX-88Dに入れて使う。変調器もTX-88Dのものを使ったと思う。
管球のプレート変調はトランジスタのコレクタ変調よりも歪みが少なく綺麗な音だった。

◆ TX-88DのAFアンプは6AV6→1/26AQ8→1/2 6AQ8→6BQ5プッシュプルの構成で送信部よりも増幅段数が多かった。
取説によると「我が国初のオールバンド送信機TX-88Aを基礎にし、さらに新しい技術、新しいデザインを取り入れています」とある。TX-88Aは見た事がないのだが、さらにそのベースとなったTX-88もあった。

◆ TX-88Dとペアになっていた9R-59Dも所有していた事がある。
これはゼネラルカバレッジの受信機で、BFOも付いていたのでSSBも復調する事が出来た。ただ狭帯域のフィルタは付いていなかったと思う。私がこれらを所有していた頃はHF帯でAMなどは使われていなかった。

◆ 私自身真空管に関する知識はあまり持ち合わせておらず、TX-88Dにしてもプレート電圧を上げてパワーを上げる程度の改造がせいぜいだった。エキサイタとなったTR-1100の出力はS2001のグリッドに入れたり、その手前の12BY7Aのカソードから突っ込んだ事もあったかな。カソード入力にするとインピーダンスが低いのでカソードとGND間に50Ωの抵抗を入れてそこに直接つなぐみたいな事も出来た。

◆ その後真空管に触れたのは4X150、襟巻き付きのセラミック管でブースタを作ったくらいだ。当時からQSOと言うよりはいじくり回す方が好きだった。と言っても測定器などは持っているはずもなく、たった1台のテスターと出力にしても通過型のSWR計がせいぜいだった。終端型電力計が欲しかったが買えなかったのだ。
4X150は初期のものはガラスチューブでプレート損失150W、その後4CX250B同様になったと思う。

◆ 50MHz帯が混んでくると430MHz帯に移る事になる。430MHz帯のトランシーバも市販されていたとは思うが、金がないのでタクシー機を改造して使った。ジャンクのタクシー機は何台か入手したが、当時430MHz帯で十分な増幅度の得られるトランジスタもなく、145MHz帯で増幅した後にバラクタダイオードで逓倍する方式だった。これは145MHz帯の出力をダイオードで歪ませて、その3倍高調波のみをフィルタで取り出すというもの。当然ながら効率も悪い。

◆ タクシー機の次はTS600にトランスバータを内蔵したんだったかな。この頃になるとパワーモジュールも入手出来るようになり、430MHz帯の送信機もかなり作るのが楽になった。この頃を最後にして徐々に無線から離れたのは、その頃横浜に引っ越した事もあった。生まれた土地である(現在の)西東京市とはだいぶ距離があり、50MHz帯でも430MHz帯でも当時の仲間とつなぐのは結構大変だった覚えがある。まあ、それでハイパワー化に走ったというのもあるんだけど。

◆ 50MHz帯ではたぶん150Wとか200W、430MHz帯でも100W位は出せていたと思う。送信出力を上げても相手の信号が受信出来なければまさに話にならないので、ローノイズのトランジスタを探してきてはLNAも作った。430MHz帯を使っていた末期にはGaAsのFETも入手可能になった。


料金プラン(7/2)
◆ 各社の料金プランが出そろった。SBMはまだ未定の所もあるが、その位混乱しているのだろう。SBMはドコモのマネをしながら細部で集金力を上げた。auも価格体系は同様なのだが見た目を変えた。
各社横並びになってドコモの思惑通りとなった。通話定額を実施した場合はシェアが大きいほど損失が少なくなる。
つまりドコモが最もダメージが少なく、SBMが最大だ。SBMの実加入者数は公称加入者数の半分程度だと思われるのでこの料金プランには頭が痛いに違いない。

◆ ドコモの思惑その2はWiFiである。そもそもWiFiにトラフィックを逃がさなければならなくなったのはSBMだった。圏外対策のために中継器を乱立させ、セル半径を広げてしまった。
ドコモがマルチセクタを、auがスモールセル化を進める中でSBMにはオムニ局が多い。おそらく電波利用効率を見るとSBMは他社の1/4程度はないかと推測できる。実質加入者数が少ないのはトラフィックを増やさない要因ではあるが、それでも混雑はある。そこで金をかけずに混雑緩和として動画サイトの帯域制限や画像圧縮などを積極的に行っている。

◆ そしてWiFiだ。通信事業者が免許された帯域以外の電波を使うとは何事かと言いたいが、WiFiは電波利用料がかからないからどんどん増やすとSBMは言う。繁華街などでは混雑のために接続が出来ないほどのAPをバラ撒いてWiFiだWiFiだと宣伝した。
しかもそのバックボーンに1.5GHz帯を使うという、きわめてもったいない事をしている。SBM的には使い道のない1.5GHz帯を遊ばせておくよりマシくらいなつもりかも知れないが、各社が免許を受けた全てのバンドでLTEサービスを開始しているのに対して、SBMは2.1GHz帯だけしかLTEで使っていない。電波利用効率が悪い上にシングルバンドでしかLTEサービスを提供していないのだからWiFiと叫ぶのも無理はない。

◆ 新料金体系ではパケット使用量に応じて課金される。全然「放題」ではない。のでドコモはパケット部分にホーダイの名称を入れなかったのだろう。金になるパケットをWiFiに逃がすなど以ての外なプランが出来上がると、WiFiを使え使えと言っている事業者ほど収益を捨てている事になる。しかもSBMは1.5GHz帯をタダで使わせている事になるのだからもったいない話だ。
つまり通話定額部分はシェアで有利に展開し、パケット部分は移動体通信ネットワークの整備率で儲ける料金体系なのである。

◆ ではSBMがWiFiスポットを減らせるかと言えばそうは行かない。WiFiに逃がしていたトラフィックが2.1GHz帯や(旧)EMの1.7GHz帯に流れてきてしまうからだ。だからと言って2.1GHz帯のマイクロセル化にも金がかかるし、マルチセクタ化はもっと金がかかる。オムニ局は無線機が1組で良いが、6セクタ局なら6組必要だしアンテナも6本いる。アンテナを多数設置するには鉄塔の受風面積や強度の計算も必要だ。900MHz帯となれば波長が長くアンテナも大きい上に、マルチセクタ構成の場合はアンテナ間距離も離さなければいけない。

◆ こう考えるとドコモの新料金プランはSBMを狙い撃ちしているかのような構成になっている。あたかもそれが普通だよと言いたげな、何事も無かったようにさらりと発表したプランだが、実は移動体通信ネットワークの弱い事業者には追従できない罠が潜んでいたというわけだ。ドコモにしてもauにしてもパケット代を稼ぐためには無料のWiFiを縮小していく事が必要になる。そうでなくてもLTEを使ってWiFiを巻き取ろうという仕様案も出てきているのが現状なのだ。VoLTEやCA化も金になるLTE化を推し進める上で重要な付加価値になる。LTEは金がかかるから(今は)やらないといってW-CDMA化を行ったSBMの900MHz帯と1.5GHz帯は、今になってお荷物化が鮮明になった。


SDR改造(7/1)
◆ DVB-T+DAB+FMは意外に人気が高いようで改造記事なども多くある。誰もが最初に手を付けるのは放熱だ。RFチップと電源のレギュレータは発熱が激しく、これらに装着する専用のヒートシンクキットも売られている。
他にも大型のヒートシンクを付けたり、クーリングファンを付けて使っている方も居る。
デバイス表面温度を測ってみると45℃程度なのでヒートシンクを付けなければ使えないという事はないが、安定性や多少でもNFを下げるためにはデバイス温度を下げた方が良い。
ケースを外した状態だと室温+10℃位で安定するが、簡単にはケースに丸穴を開けて単四電池を接着しておけばいいだろう。

◆ 放熱改造の他としては基準発振器の安定化がある。TCXOを配布している方も居たりして、放熱器もそうなのだが使っている方が多い事を表しているようだ。水晶振動子は28.8MHzが発振周波数で、この周波数帯の水晶振動子はATカットである。ATカットの水晶振動子は3次カーブの温度特性を示すが、通常は室温あたりで温度に対する周波数変位が少なくなるようになっている。従ってDVB-T+DAB+FMの温度では温度変化に対しての周波数変動が大きくなっていると思われる。

◆ 10ppmの変動でも1GHzに於いては10KHzになるので狭帯域信号の受信やディジタル信号の復調には問題が出る。TCXOは水晶振動子の温度帯周波数の変化を逆特性の電子回路によって補償する仕組みだ。ちなみにATカット水晶振動子の温度特性はカット角度に依存し、その角度は約37度である。ATカット水晶振動子は厚み滑り振動でその発振周波数は厚みに依存し、厚さ1mmあたり約1.6MHzだ。周波数は厚みで決まるが、目的周波数まで厚みだけで管理する事は出来ない。なので微調整は水晶振動子に蒸着する金属膜の厚さで調整する。水晶振動子に金属電極を蒸着するとその分だけ重くなるので共振周波数が下がる。

◆ 水晶振動子はQの高い直列共振回路に見える。水晶振動子を挟む電極間のCが水晶振動子の直列共振回路に並列に接続されたような等価回路だ。直列共振した時のインピーダンスがCIと呼ばれるもので、重い水晶=周波数が低く厚みのある水晶振動子はこれが大きくなる。発振させた時に水晶振動子に加わる電力も安定度を左右し、特に小型の水晶振動子では水晶振動子自体の消費する電力を規定しなければならない。

◆ すっかり水晶の話になってしまったが、要するに水晶振動子はQの高い発振器ではあるけれど絶対的なものではないという事だ。
SDRのダイナミックレンジに起因するIMは問題だが、これはプリセレクタでも付けなければ解決しない。ではIMが起きているか否かのチェックだが、アンテナ入力をATTで落としてみるのが早い。
10dBのアッテネータを入れてスプリアスと思われる信号レベルが10dB以上落ちたとするならば、それは混変調歪みだ。

◆ RFチップとADCの間を切り離してRFチップの裸特性というかダイナミックレンジを測ってみたい気もする。
仕様を見るとNF<3.5dB、IIP3は-7.5〜+35dBm(RFGainによる)となっている。なおLNAの後にRFフィルタの外付けコイルがあるのだが、これはハイパスを構成しているという事なのだろうか。またIF出力にはローパスを付ける事になっている。仕様上の受信周波数レンジは42MHz〜1002MHzだ。
ダイレクトコンバージョン受信機に受信下限周波数が存在するのは、コンバージョンせずにすっぽ抜けてくる信号と干渉するからだ。なのでごく低い周波数から受信可能とするためには、いったん最高受信周波数以上のIFに上げた後にダイレクトコンバージョン受信機に入れる必要がある。
HF帯を受信するにはアンテナを直接ADCに入れてしまう手もあるのだが、アップコンバータを使った方が良い。局発とDBMとLNA(空間雑音が多い周波数帯なのでさほどNFに拘らなくても良い)、アンテナ端子にはLPFとIF端子にHPFを入れるだけだ。