過去の雑記置き場


福島問題(11/1)
マルチコプター(11/2)
周波数(11/3)
M氏の婚活(11/4)
ブリッジ(6)(11/5)
ブリッジ(7)(11/6)
備蓄(11/7)
備蓄(2)(11/8)
ラーメンライス(11/9)
ブリッジ(8)(11/10)
内外価格差(11/11)
顕微鏡(11/12)
興味(11/13)
標準(11/14)
マルチバンド(11/15)
周波数(11/16)
ユニバーサルカウンタ(11/17)
時間カウンタ(11/18)
NF(1)(11/19)
NF(2)(11/20)
ノイズソース(11/21)
ディジタル通信(1)(11/22)
ディジタル通信(2)(11/23)
周波数標準(11/24)
競争(11/25)
周波数標準(2)(11/26)
レクサス(11/27)
SIMロック(11/28)
まとめて(11/29)
電源ノイズ(11/30)


電源ノイズ(11/30)
◆ 古い機械などで謎のノイズが発生するなんて時に電源を見るとリップルが過大だったりする。
多くの場合は電解コンデンサの容量抜けなどが原因で、これを交換すると直る。転ばぬ先の杖で交換すればいいのだが、もっと酷い状態になると電源電圧が異常になったりして機器自体を破壊してしまう事もある。

◆ アンリツやアドバンテストの一部測定器はプログラムの情報などをRAMに持っている。何とも危険な感じなのだが古い測定器ではFlashメモリなどが使えない(存在しなかった)事やEEP-ROMは寿命や容量の点で駄目だったとかそんな感じなのだろう。これら機器でバックアップ電源が異常になるとプログラムが消えるので二度と起動しなくなる。

◆ 起動してもオプションライセンスがないよと言われてオプション機能が使えなくなったりするが既にメーカサポート終了のモデルだとゴミにしかならなくなってしまう。電源の機能と共にバックアップ電源がどうなっているのか、電池なのかコンデンサなのかなども(古い測定器では)気にしておいた方が良い。

◆ 電解コンデンサの寿命は温度である程度決まる。
アレニウスの法則が生きるので温度を10℃下げれば寿命は2倍になる。温度は電解コンデンサの自己発熱でも上昇し、電源部などはリップル電流が流れるので電解コンデンサは発熱する。リップル電流と寿命の関係などもメーカでは資料を出している。

◆ 意外なのはコンデンサに充放電を繰り返すと壊れるという話だ。充放電用コンデンサを除くと、定格電圧までの充電と0V迄の放電を数千回繰り返すと電解コンデンサは壊れるらしい。通常はDCバイアスが加わった状態かDC電圧がかかっていない部分で使うわけだが、例えばリレーなどのコイルにパラにコンデンサを入れて簡易的に遅延時間を確保しておくなどという使い方は電解コンデンサの寿命を短くする原因になる。

◆ 最近の電解コンデンサは寿命保障品というものがある。2000時間保障品だとか3000時間保障品などがそれだ。測定器などで1日平均8時間使い、コンデンサ周囲温度が50℃の場合の推定寿命は約10年となる。最近の測定器類は余り電解コンデンサは使われていないが、電源部は例外だ。そして電源部は発熱もあるしリップル電流も流れる。

◆ 手元のSGの使用時間を見ると2万時間を超えている。
なので電源部などの電解コンデンサは容量が減少していると思われるが、容量の余裕を持っているのかあるいは強制空冷によって温度が上がらないようにしているのか今の所壊れていない。
測定器類のMTBFを見るとだいたい5万時間位になっているのでそれなりの設計がされていると言う事なのだろう。

◆ 以前に見たアドバンテストのスペアナは電源リップルが多く信号にあたかもノイズが乗っているかのように表示されたのだが、内部温度が上がってくるに従ってその症状が収まった。コールドスタート時は内部消費電流が多いからリップルが出たとか、何かそんな風だったのかも知れない。
リップル電流で壊れるのはPCのマザーボードもそうだ。ここは低電圧大電流でしかも電流変化が大きく周囲温度も高いと来ているから電解コンデンサにとっては地獄のような場所なのである。


まとめて(11/29)
◆ 以前にも話題にした事のある「【限定】旧型機種〜一挙出品【バラ売り無し】」とされたヤフオク出品物、未だ売れていないようだ。
検索してみると最初に出品されたのは今年の1月だったようで様々なblogでも話題にされた。

◆ 出品当初は135万円の価格が付けられていたようなのだが、現在は100万円に値下げされている。135万円は高いと思うが100万円程度であれば妥当とも思える。
但し売れないと言う事は未だ高いと言う事なのだろう。安いとなれば業者が買うはずだからだ。
無線機の中古価格は不明だし状態にもよるだろうし、アマチュア無線人口の減少は相場を押し下げている可能性もある。

◆ ばら売りすればどんどん少なくなっていくのだろうが手間がかかる。リサイクル事業者も引き取ってはくれるだろうが二束三文だ。ただこれだけ売れない現状を見るとまとめて売るなら数量割引でみたいな事が必要なのだろう。それがいくらになるのかは出品者が決める事ではなく落札者が決めるのがオークションというものだ。

◆ 通常はこれだけ話題になれば欲しいと思う人の目にもとまるはずで、出品開始から半年を過ぎたら大幅値下げに踏み切っても良い。ちょっとずつ値下げをすると値下げ期待で待つ人が増えるとも言われているから難しい。

◆ 安値から出品して入札者が増えると、入札者同士が激しい入札合戦になり思いの外高額になる、なんて事もある。これはジャンクの測定器などにも言えて、ジャンクではないものが3万円で売られていてジャンクが1円スタートだったとする。
最初は1万円位の所で止まっていたその価格が、終了間際になって3万円を超えて上がっていくみたいな。

◆ 通販店で買うよりオークションの方が高いケースもあるが、オークションは安いはずだと思いオークションで買ってしまう人も居る。これも以前に書いたがLEDだとかHIDだとかの光り物を中心に安い価格と高い送料で稼ぐ業者が多い。落札価格を安くすればヤフー代が節約出来るので、その分は送料で稼ぐわけだ。これが何万円もするものだと駄目なのだが、安価なものは送料で稼げる。
Dell方式とでも言えば良いかな。

◆ シャックのリグまとめて100万円、新品購入価格はいくらなのだろう。余り最近のものは無いようなので数十万円なんて無線機は無いだろうが、平均して4万円としても400万円か。そう考えると中古で100万円は高いのかな。まあ物価が違うから一概には決められないし、今は売られていない人気の商品だったら定価を超える事もある。

◆ 出品者は関西のようなので東京の業者が買ったとすると送料が高い。トラック1台分になるので数万円は見る必要があるし置く場所も必要だ。業者が売るとなると仕入れ値の2倍以上は必要だろうし、オークションとなれば低額落札リスクもあるのでやはり難しいのかな。ばら売りすれば人気の商品から売れていく。残ったものは1円でも何でもというのが良いのかも知れない。

◆ 出品者は思い入れのある品を高く売りたいと思うのが常なのだが、その思い入れは出品者のものであり落札者には伝わらない。落札者はその品物に思い出も記憶も何もなく、単に物質として好むのか好まないかという話だ。もちろん、落札者がその品物をどうしても手に入れたい、何に買えても絶対欲しいと思えば値が上がる。こんなものが何でこんな値段に?なんて事もある。


SIMロック(11/28)
◆ SIMロック解除論が進行中ではあるがSIMロックを解除したとしてもSIMフリー機と同じになる訳ではない。この辺りにもメスを入れて欲しい所でSIMロックを解除すると事業者アプリを消せるようになるとか、設定自由度がSIMフリー機と同じようになるなどしないと自由度が少ない。

◆ APN問題などもその一つだし、SIMフリー機ならば 3Gオンリーで使えるドコモ回線もドコモのXi対応機は例えSIMロックを解除したとしても3GのSIMは受け付けてくれない。
もう一つはスマートフォンという機械の販売なりサポート責任がどこにあるのかだ。SIMフリー化してドコモ回線を離れるとソフトウエアアップデートが出来ないとか、不具合が生じた時にサポートが受けられないなどとなるのは問題だ。

◆ 利用者はドコモからその端末を買ったのだから販売責任はSIMフリーにしようが何をしようが残っている。ドコモはスマートフォンを買い換えると保障が切れると言っている。つまり買い換えた新しいスマートフォンは保証期間内の無償保証が受けられるが買い換えて使わなくなった側は駄目だという。(今も同じかどうかは確認していない)
◆ これも相当横暴な話で、日立の冷蔵庫を買ったら1台目は保障が付いているが2台目を買ったら1台目の保障はなくなりますよと言っているようなものである。
これも回線契約やローンと絡み合う販売方法が諸悪の根源である事は言うまでもなく、それを一般化させてしまったのはSBMなのだ。

◆ SIMロック解除に関する法整備というのであれば、こうした細部に至る所までを規定しないと事業者は何を言い出すか分からない。
SIMロック解除を阻止するのにポータブルSIMは有効だ。SIMロックを解除した所で移動機にSIMが入っていないのでは他事業者のSIMは使えない。ポータブルSIMは移動機ではないのでSIMロック解除の対象でないとすればドコモのやり放題になる。

◆ SIMロック解除への動きはSBMの反発によっていったん挫折した。孫さんは「800MHz帯が無いからSIMロックは解除しない」と言った。全く関係ない事でも屁理屈をこねまくるというみっともない姿だった。その後900MHz帯が割り当てられると言う事を変え、需要がないからSIMロックは解除しないとした。需要がないならSIMロック解除希望者が居ないだけなのでSIMロックの解除の手段を提供すればいいはずだが、SIMロックを解除するとSBMのビジネスモデルが崩れてしまうのだ。

◆ インセンティブ廃止論もSBMの妨害によってなきものとなり、それがApple税という形で今に続いている。
ただインセンティブの廃止は法規制したとしても駄目なのは諸外国の例を見ても明らかであり、特に法の網の目をみたいな事業者は何でもやってしまうだろう。

◆ 端末を事業者への納入価格より利用者に安く売れば、それは税法上は贈与と見なす事が出来る。但し事業者はその後の通信通話料で回収するからと言う名目でそれを逃れている。だが財務省は会計内容を唯一見る事が出来るのだから、端末決済と事業者としての本業の部分を分けて扱うような規制を行えば何とでも出来そうな気がする。

◆ 本来は事業者が端末を売らないようにすればいい事なのだが、まさか商売自体を規制するわけには行くまい。
例え違法なものであったとしても、それを所有している事自体が違法でない限りあるいは取り扱いに特別な資格や手続きが必要でない限り何でも売る事が出来る。


レクサス(11/27)
◆ イメージ戦略で試行錯誤のレクサス店なのだが、その効果はなかなか出てこないようだ。思えば1990年代における米国でのシェア獲得に気を良くしたトヨタが国内でもプレミアムブランドをと言う事で当時売れていたセルシオをレクサツ仕立てとして売り出した。
その後も既存車種にレクサス代を加算した、値ばかり高級車というか高価格車を発表した。

◆ しかし高級志向の富裕層はそんな天ぷら高級車にはなかなかなびいてくれなかった。むしろにわか高級を気取りたい層がレクサスエンブレムをこぞってトヨタ車に貼り付けるという現象になる。そんな日本の状況が伝染したというのでもないのだろうが米国における人気は一気に低下してしまった。

◆ それでも米国ではまだシェアが現れるポジションにいるが欧州でのシェアは1%以下だというのだから厳しい。
テストドライバが、トヨタのハンドリングは「素晴らしい」のではなく「良く作られている」と言った。トヨタの言う高級は「本当の」ものではなく「良く作られた」ものなのだろう。

◆ 豊田社長はBMWやメルセデスは高級車が原点でありトヨタとは違うと言った。高級車の定義が何かは曖昧なのだが高級車=真面目に作られた車とするならば全く的外れでは無いとも思う。しかしドイツにおけるBMWやベンツの存在は決して特殊でないのも又事実なのだ。

◆ トヨタが高級を手に入れたいのは、高級車は儲かるからだと言っている。でもこれも違うと思う。高級車が高く売れるのではなく、真面目に作ったら安くは出来なかったというのが本当ではないのか。
セルシオ発売の時にトヨタ自身も言っていたではないか「車を真面目に作ればこの価格になってしまう」と。その精神はレクサスには受け継がれていないようだ。

◆ トヨタはレクサス店の営業マンをセレブ教育によって作ろうとした。専用の教育施設を作り、およそそんな世界とは縁の無いであろうごく普通の従業員を高級仕立てにした。まさにレクサスブランドそのものの作り方を人間にも応用した訳だ。それから時が経ち、高級風なセールスマンも増えたのかと思うとそうでもないようで、夏過ぎに行われたレクサスパーティには「なかでも、ファッション誌が“御法度”とする革靴に白ソックスを合わせた出で立ちの社員の姿が印象的だった。」と産経新聞に書かれてしまっている。

◆ 世界の高級車ブランドに勝つと言ってレクサスブランドを立ち上げた豊田英二氏は、アチラの世界でどう思っているのだろう。高級車を作るために高級車ブランドを買収するのではなく、あくまでもトヨタが高級になるというのが豊田英二氏の希望だったようだ。
トヨタ社内に別の設計部隊を置く事は勿論可能なのだろうが、そこにコスト至上主義の血が流れている限り作られる車はトヨタのイメージを纏っている。

◆ デザイナが独創的なものを設計したとしても、それじゃあトヨタのラインで作れない、そんな設計をしていったいどれだけのコストがかかると思っているんだと言われれば引っ込めざるを得ない。結局そうしたが流れがトヨタ者と差別化出来ない原因になる。

◆ 改革やテコ入れはレクサス店ではなくトヨタの体質自身なのではないだろうか。LSなどは専用設計のパーツなども使っているのだから、全てのレクサス車に対してそういった精神を浸透させれば世間の見方も違ってくるだろう。もっともLS専用部品は社内では非常に評判の悪いものだそうだけど。


周波数標準(2)(11/26)
◆ 前回はCPUを使って制御した方が安定だと書いたが、これはノイズの面でも有利になる。
PLLのループによるノイズを遮断してDACの出力だけで制御した方が何かと安定に振りやすい。と言ってもADCやDACにドリフトがあればそれは直接周波数を揺らす。ただしループになっているのでドリフト分は吸収される。
じゃあ良いではないかと思うかも知れないが、制御周期以内にドリフトすると制御ごとに周波数がふらつく事になる。

◆ 比較周波数が高ければどんどん補正されていく(その代わりC/Nは悪くなる)のでドリフトは目立たなくなるが比較周波数が1Hzなのでそれなりに安定した発振器でないと都合が悪い。手元の周波数カウンタには温度範囲で±2.5ppmのTCXOが乗っているのだが、数分で数ミリHzのドリフトはある。安定度としてGPS基準同等のレベルを目指すとするとこれではちょっと駄目かも知れない。

◆ 手軽に実験するには普通のPLLにすることである。ただしGPSが捕捉出来なかったりノイズが乗ったりすれば周波数がずれてしまう。1PPSの安定性問題はblogで報告中だ。
メーカ製のGPS同期発振器を見てもPLL方式を使っているものと周波数ロックを使っているものがある。いずれにしても常に安定に動作させるためには正常状態の性能よりも、衛星捕捉失敗などの異常状態の処理が重要になる。PID制御ではないが安定領域に入ったら可変幅を小さくする制御は出来ないでもないし、その逆の仕組みでロック時間を早くしようとするデバイスもある。

◆ PLL用のICを使えば分周から何からワンチップで出来るのだがシリアルラインでコントロールデータを送り込まなければいけない。これだけにCPUを積むのもなんかもったいない感じ。かといって個別カウンタを並べると部品数が増える。FPGAならすぐなんだけどなぁ。

◆ なんて言っていても仕方がないのでカウンタと位相検波器を並べてやってみようか。基準発振器は安定度の高いものが欲しいのだが短期安定度±0.0002ppm/Dayだと2万円位して、だったら中古のルビジウムが買えるではないかという感じだ。
もっともルビジウムを制御するにはCPUが必要なのと、ルビジウムならGPSでいったん校正すればそれで良いではないかという話になる。

◆ 2〜3万円で買える高安定度発振器より手軽に安価に作れなければ意味がない。かといって裸の水晶ではどう考えても駄目である。普通精度の、つまり±2.5ppm前後のものでも単品で買うと結構高かったりする。量産価格なら60円位なのになんて言っても仕方がないか。

◆ この辺りが難しい所であり何でも使って一点ものを仕上げるのと、作ろうと思えばいつでも誰でも同じようなものが実現で出来るのとはちょっと違う。部品原価数千円で作れればメリットもあると思うのだが、それ以上かけるなら上に書いたように安定な発振器を買って来て1PPSで校正すれば済むとなってしまう。

◆ おそらくGPS基準のクロック源を作ろうとしている人たちも手軽に安く高精度を目指しているのではないだろうか。この辺りも考えながら安い発振器を高精度で動かす仕組みを考えなければならない。比較周波数を高くする?1PPSを位相器とEORで倍々にしていく… なんかエレガントじゃないんだなぁ。シフトレジスタでコピーを作って並べる手もあるが本質ではない気がする。


競争(11/25)
◆ 業績悪化のドコモ、通話完全定額でヘビーユーザが流れ込んだまでは良かったがヘビーユーザは支払額以上の通話を行うので収益率は悪化する。そしてそれをカバーするためにライトユーザにも定額制を押しつけようとしたが、それはドコモ離れにつながった。
これはごく当然な話で、ドコモ以外に選択肢がないのならば仕方ないと金を払うだろうが今はそうではない。嫌なら他の事業者に移れば良いだけだ。

◆ KDDIは従来プランも残しており、双方共にそこそこの加入率で良いバランスだと言っている。通話量が多い人は完全定額を選ぶのは勿論なのだが、その穴埋め的に従来プランで儲けていると見て良い。
ドコモよりもauの方が完全通話に対する原価は高いはずで、しかしそれでも大きなマイナスになっていない点をドコモはどう見るのか。
パケット定額から従量制に移行したように、通話完全定額が一体いつまで持つのだろうか。

◆ 加入者減に歯止めがかからないのはスプリントも同様だ。買収時の勢いはどこに行ったやらという感じで、その後も底を打ったとかとまるでADSLの時を思い出させるようなアナウンスが続いた。だが前回の公表時よりも更に加入者減少の速度が速くなるに至った原因はエリアの狭さだと言われている。

◆ 孫さんはSBMで培った手法で急速にエリアを改善したと語った。そう、SBMと同じように口先でエリアを拡大したが米国人にまやかしは通用しなかった。
エリア充実は出来たので加入者を増やすフェーズに入ると言っていたのに、今回の説明では宮川氏はエリア改善のスペシャリストだから米国に飛ばすと言った。
インフラコストと人員コストはもはや許容出来なくなり設備投資の縮小だけでは間に合わなくなった。
そこで人員削減に踏み切ると言う事で、それは今後も加入者増の見込みを見いだせない事の表れだ。

◆ 1兆円を豪語し言った事は必ずやるみたいに語っていた孫さんだが、それを下方修正した。下方修正したのだからSBMのインフラ投資の再開とかヤフー関連の設備投資再開をお願いしたい。ギリギリまでコストを削りに削っても1兆円が無理なのだから、数字に拘らずに必要な設備投資を行って欲しい。と言っても設備投資などすぐに再開出来るわけでもなく、しかし設備は刻一刻と古くなっていく。

◆ その設備投資はさらなる縮小を行うそうなので900MHz帯のLTEや取り残された1.5GHz帯などは当面日の目を見ない事になりそうだ。一時期は設備投資額を自慢していたが今や設備に回すカネも惜しい。
インドに対する投資もにおわせていた。インドってドコモが失敗したんだったっけ。ドコモが駄目でもソフトバンクが成功する可能性は大きいと思う。それはもう純民間と官僚的企業の違いだ。

◆ 以前から書いているようにドコモはもっと窮地に立たされなければ改善されない。およそ競争などとは縁のない人たちがウヨウヨしている企業だけに、民間の厳しさなど全く分かっていないはずだ。「使わせてやっている」的な考えがある以上利用者との乖離が広がっていく。
確かに信頼性や信頼感は高かったと言えるのだが、しかしドコモショップですら割引の代償に有料サイトへの加入を勧める現状がドコモ的であるとは言えない。
つまり悪い所を改善するのではなく、駄目な所を他社の真似をしてどんどん落ちていくのが今のドコモではないのか。


周波数標準(11/24)
◆ blogにも書いているとおりGPSからの1PPSを測る実験などをしている件に関して質問も頂いている。
周波数標準を作るにはどうしたらいいのかというものが多いのだが、方式として2つがある。
一つはPLLつまり位相をロックさせる手法で、これは出力の10MHzが1PPS信号と揃った位相になる。もう一つは周波数をロックするもので、これは1PPSと同期した信号にはならない。

◆ ハードロジックで組むのならPLLの方が簡単だ。
10MHzのOCVXCOなりVCTCXOなりの出力を分周して1Hzを作る。GPSモジュールからの1PPS信号のデューティは50%ではないので1PPS信号も1Hz信号も分周して0.5Hzにする。これを位相比較器に入力する。位相比較器はDフリップフロップとNANDゲートで構成出来る。出来合のPLL用ICの位相比較器だけを使っても良い。

◆ この出力でチャージポンプを動作させて、その出力をローパスフィルタに通した後に基準発振器の制御電圧にする。
ただし衛星捕捉が出来なくなると周波数が吹っ飛ぶ可能性がある。実験だけなら何でもありだが実用機として考えると衛星ロスト時の保護を考えなければならない。

◆ 周波数ロックを考える場合に周波数をディジタルカウントしたくなるわけだが、これでは限界がある。CPUを介在させてCPUの内部カウンタで1PPSの時間を計るとして、プリスケーラで1PPSを1/128にしたとしても0.001ppmの精度しか出せない。しかも1回の測定に128秒間かかる。

◆ GPSの1PPSでマイナス11乗位の精度が得られるとすれば基準を100MHzにしたとしても1,000秒に1回しか制御出来ない。また1000秒間に1秒でも1PPSパルスが出ないなどがあれば制御は不成立になる。
そう考えると位相比較器の出力をADCで読み込み、一定の処理をした後でDACで出力するのが良いのではないのか。

◆ ADCが十分高速ならばCPUでループフィルタを作る事が出来るがそうするとサンプリング間隔の問題も出てくる。なのでフィルタ自体はアナログ回路で構成して、その後の処理のみCPUで行うのが良いだろう。具体的にはループゲインの調整(初期状態の引き込み速度改善)と衛星ロスト時の処理(出力制御の停止)のみである。

◆ せっかくCPUを乗せるのだからGPSモジュールと通信して衛星数などを見ればいい。それを元に制御するかしないかなど決めれば良いはずだ。出力電圧の中心値なども分かるので初期状態でのロック制御はかなり速くなる。ADC/DACの分解能は通常入手出来る範囲で10〜16ビットだと思われるので、入出力の電圧範囲は適切に検討する必要がある。

◆ 作る事自体は余り難しくはないが作った機器をどうやって検証するのかは問題だ。少なくとも作った機器と同程度の安定度を持った発振器がないと動作を確認出来ない。セシウム原器が使える環境であればいいがルビジウムでは精度が足りなく、どちらがずれているのか判断出来ない。

◆ 短期安定度の比較、特に制御がかかった時とそうでない時とか制御後との周波数のふらつきを見るにしても相当安定な基準器がなければ判断出来ない。
短期安定度の点ではルビジウム発振器が使えるのだがそれが1台だけだとどちらが悪いのか分からないかも。


ディジタル通信(2)(11/23)
 フラクショナルPLLの登場でVCOが1つで済むようになった、良かったねで話は済まない。
今度はフラクショナルノイズとも呼ばれるスプリアス問題が出てくる。PLLメーカと連携しながら設計を行うのだが、これには結構苦しんだ。

◆ VCOが2個使いから1個に減ってVCO屋さんはきっと悲しんだに違いないが、やがてそのVCOが単品で売れなくなる時が来る。中国で爆発的に加入者を増やしたPHSは、スケールメリットを活かしてワンチップデバイスの開発が起きる事になる。
フラクショナルPLLもVCOもデバイスに内蔵されてしまうのだからVCO単品など無用になる。

◆ VCOやPLLばかりではなくLNAなどを含んだ無線部もワンチップ化された。
日本のPHS加入者数が300万だ400万だと言っている時に中国は1億加入に手が届きそうなレベルだったのである。まさに桁が違うとはこの事で、中国で開発された安価なデバイスによって国内の部品メーカは大打撃を受けたのだ。

◆ 今は会社自体が無くなってしまったSさんも、Kさんも中国向けのCS事業で大いに盛り上がったのではないだろうか。しかしそんな時代も長くは続かず中国でPHS廃止が決まる。様々な政治的な動きなどもあったようだが日本発の通信技術よりも中国で開発したものを使いましょうみたいな流れかな。これによって中国市場は終わりとなるが、それに代わって部品屋さんが目を付けたのがWiMAXだった。

◆ 折しもそれと同時進行するかのように次世代PHSの規格化も進んだのだが開発は難航した。無線機自体はOFDMAなので既存の技術ではあったが、制御などのロジックやファームウエアの開発は相当な苦労があった。そんな事もあってサービスインが遅れもしたのだが、結果的にはこの事がTD-LTE化に対してはメリットになった。

◆ 中国PHSの沈没と共に多くのメーカばかりか国内唯一のPHS事業者も憂いの時代に入ってしまう。
PHSはもうすぐ無くなりますからSBMに切り替えて下さいと、SBMの強烈な営業が続いた。勿論PHSが無くなるというのは嘘であり結果としてそのソフトバンク傘下になったのは皮肉である。

◆ PHSが無くなると2.1GHz帯の移動体通信用バンドを下に伸ばす事が出来る。PHSのすぐ上はauが使っているのでPHSバンドが解放されるとauはそこに浸食したくなるはずだ。まあそれを阻止するためにもソフトバンクは周波数を握っておきたいみたいな所だろう。

◆ PHSは携帯各社の通話定額にかなり利用者を取られてしまっている。今後もM2Mなどの世界では利用されていくのだろうが個人利用者の獲得は難しくなっている。ソフトバンクはPHS基地局は多すぎると言ってどんどん減らし、結果としてエリアの穴が増えてしまった。基地局は金がかかるから余計なものは要らないというのが孫さんの持論である。

◆ この点はSBMに関しても同じだし基地局のみではなくLTE化をなかなか行わないのも同じ考えではないかと思う。いずれにしてもPHSの世界は小さくなり続ける可能性がある。M2Mにしても代替方式を考え始める事業者も居るとの話を聞く。とっくに終わってしまったPDCとほぼ同じ時期にスタートしながら今も続いているのは立派ではあるが、やがては終演の時を迎えるのだろう。


ディジタル通信(1)(11/22)
 日本で民生用の本格的なディジタル通信が開始されたのはPHSとPDCである。ディジタルだから音が良いなんてNTTは当時宣伝していたが、音声圧縮方式やレートの関係で全然いい音ではなかった。
無線屋さんは音の方とは余り関係がないというか音声圧縮は専用デバイスがやってくれるのでいじる部分は少ない。

◆ 無線機の方はなかなか大変だった。位相方向にしか情報を持たないPSKは飽和増幅器は使えるのだが、飽和増幅器を通して振幅成分が失われてしまうとナイキストフィルタが効かなくなってしまう。かといってリニアに増幅しようとすればAGCなどが必要になり、AGCには必ず遅れがあるのでデータが壊れる部分が出てくる。

◆ ならば飽和増幅器に入る手前にナイキストフィルタを置けばいいと言う事になり、ベースバンドではなくIFフィルタにナイキスト特性を持たせたものが部品として出てきた。ただしセラミックフィルタなので特性の追い込みが出来ない。
ベースバンドフィルタならばアナログ回路で組んだとしてもきっちり特性が出せる。

◆ ナイキストフィルタがないとアイが開かないので復調エラーが増える。復調エラーはそのまま受信感度になるので感度が上がらない。
もう一つ感度が上がらない要因はVCOの位相ノイズだ。従来のアナログ無線機よりずっと安定なVCOが必要とされ、当初は誘電体共振器などを使ったものが多く見られた。

◆ ここでも問題があり、部品メーカはスタティックな状態でVCOの特性をテストする。しかし実際の無線機では送信部が動くので、その自分の送信波がVCOに回り込んで特性を悪化させてしまう。PDCやPHS開発がスタートした当時には様々なVCOメーカが特性を競っていた。セラミック屋さんは誘電体共振器を使い、基板屋さんは低損失基板上に共振回路を実装し、半導体屋さんは低雑音の発振用トランジスタを作った。

◆ しかしやがて主要メーカを除いて撤退が相次ぐことになる。主要メーカは従来の延長技術の中で特性を追い込み、誘電体共振器などコストのかかるものを使わずに立派な特性のものを開発したからだ。PHSは高速ハンドオーバやマルチスロット対応にするためにVCOを2個実装していた。スロット1とスロット2の通信周波数が異なる場合は10μs程度で周波数を切り替える必要がある。しかし整数型PLLではとてもではないが切り替えが間に合わない。
そこでスロット1用に周波数をセットしてあるVCO(PLL)とスロット2用のVCOをスイッチで切り替えて使ったわけだ。

◆ こうなると1台の機器にVCOが2個使われるのでVCO屋さんは喜んだに違いない。回路にしてもVCOを切り替えるためのSPDTスイッチは必要だし、スイッチだけではアイソレーションが取れないのでトランジスタやMMICも必要だ。だからと言って専用デバイスが登場するほどの市場規模でもなく、単品半導体が沢山使われた時期でもあった。
しかしそんな時代もやがて終焉を迎える。フラクショナルPLLの登場で周波数の切り替え時間を劇的に短くすることが可能になったからだ。

◆ 整数PLLでは比較周波数が制御周波数のステップサイズになる。例えば100KHzステップで周波数を変えようとすると比較周波数が100KHzなので10μSごとにしか周波数比較が行われない。例え10回の比較でロックしたとしても1mSの時間がかかる。フラクショナル方式では比較周波数をずっと高くできるのでロック時間もものすごく短くできる。


ノイズソース(11/21)
 NFの話の続きなのだが、NFを測るためにはノイズの発生源が必要だ。そしてそのノイズの発生源は、どれだけのノイズが出ているかを正確に知る必要がある。逆に言えば正確なノイズソースがあれば受信機でNFを測る事も出来る。

 ノイズソースというとダイオードに逆電圧をかける方法が一般的で、これは普通のダイオードやトランジスタのジャンクションを利用して作る事が出来る。
ノイズ発生専用ダイオードも市販されていて、メーカ製のノイズソースにはこれらが使われている。一般アマチュアでも入手は可能で、これを利用してノイズソースは作れるが問題は校正だ。

 感度の分かっている受信機、つまりはスペアナのようなものでノイズ電力を直接測る事も可能なのだがスペアナではレベル確度が余り良くない。
かといってパワーメータで測れるほどノイズ電力は多くはない。スペアナでもNF測定にはプリアンプが必要なのでアンプを何段も重ねた後でノイズ電力を測るようなスタイルになる。スペアナでのNF測定確度は±0.5dB以内に入るはずだ。
同じく受信機という点でネットワークアナライザを使ってもNFは測定できる。

 ノイズソースを使用しないNF測定法もある。アンプにはCW信号を入力してその出力を測るのだがその信号の検出に平均値検波とRMS(二乗平均)検波を行う事でノイス量を推定する。すなわち平均検波するとノイズは平均化されて信号電力だけが現れ、二乗平均すると信号電力+ノイズ電力が検波されるからだ。

 ノイズ発生量がノイス発生デバイスに流す電流値で決まる二極管がある。シルバニアの5722がそれで今でも入手可能なのだとか。これはプレート電流がそのままノイズ量として読めるので校正なしにNFを測る事が出来る。今では殆ど使われていないとは思うのだが、ずいぶん昔にこの5722でノイズ源を作った事がある。

 作ると言っても大げさなものでは無く、ヒータ電源とプレートに加えるB電圧を用意するだけだ。
ノイズ量の分かっているノイズソースがあれば、それを加えた時と加えない時の(受信機の)ノイズ量の差からNFを求める事が出来る。自作ノイズソースの場合は温度や電圧に対する安定度も知っておく必要がある。

 8970などのNFメータがあればノイズソースを校正できる。予めENR=15dBとか20dBに設定しておき、未知のノイズソースを接続してキャリブレートする。
この時のNFメータの表示はNF=0.00 Gain=0.00だ。
次にノイズソースとNFメータの間にアッテネータを入れる。例えば3dBのアッテネータを入れたとして、NFメータのゲインは実際のアッテネーション値である3.02dBを示したとしよう。この読み値とNF値が同じになるようにENR設定を変えれば、それがノイズソースのENRだ。

 8970はゲインやNFを0.01dB分解能(GP-IPでは0.001dB)で測れる(NF確度は<±0.1dB)のだから、これが一台あると何かと便利に使える。
現在は8972A/8973AになりNF測定確度は<±0.1dB/<±0.05dBである。
NFメータはYファクタ法により計算されている。

 ノイズソースはON/OFFを繰り返してNF測定をするのでON時とOFF時の出力インピーダンスの変化も誤差要因になる。なのでノイズ発生部の出力にはPADを入れておくべきだ。ノイズの発生量が多いのであれば10dB程度のアッテネータは入れられるだろう。


NF(2)(11/20)
◆ アマチュア無線家にとってSGやスペアナは欲しい測定器に違いないしSGで感度を測りながら受信機を調整することも出来る。しかしNFメータを使えばその表示を見ながらNF最低点にでもゲイン最高点にでも好きに調整出来る。
オシロを接続すれば横軸を周波数に取って縦軸をNFに表示することも出来る。

◆ 空間雑音の少なくなるUHF帯以上ではNFは非常に重要だ。LNAもミキサも、受信機を設計するに当たっては考慮しなければならない。
今はどうなのかよく分からないが、以前はゲインを上げればそれで良いみたいな風潮?があったのも事実だ。NFの悪いアンプを接続すると信号も強くなるがノイズの量も多くなるのでS/Nは悪化する方向にしか行かない。

◆ 某社の1.2GHz帯用のプリアンプを測ったことがある。カタログスペックは立派なのだが実測NFは2dBを超えていた。入出力には調整のトリマが付いていたので再調整するとゲインは多少下がったがNFは1.1dBまで下げることが出来た。これでもカタログ仕様には達しなかったのだが、これってゲイン最大点に調整されていたような気がする。

◆ 一般的にゲイン最大点とNF最小点はマッチング状態が異なり、NF最低点に調整すると入力のSWRも悪化する。調整にしてもゲイン最大を見た方がずっと楽なのでメーカは安易に調整したのだろうか。
NFのカタログデータは使われているFETのそれが書かれていただけなのかも知れない。
勿論信頼出来るメーカもあればそうでないメーカのものもある。

◆ 今の世の中自作派はかなり少なくなってしまったが、怪しげ製品を買うよりは自分で設計して組み立てた方が良いのではないかなと思った。アマチュア無線向け市場縮小の中では市販品も減っているし性能も微妙で価格が高い。確かにNFメータ中古でもさほど安くはないのだが、より感度の良い受信機を目指すのであれば必須と言えるものだ。まあ測定器として地味なこともあってあまり話題にもならないんだけど。

◆ 市場規模縮小にも関係しているのだろうが、アマチュア用のハイエンド無線機って70万円もするのか…確かに性能は立派だしディジタルIFになってはいるが、ちょっとした測定器が買えるほどの価格なのが凄い。測定器と無線機では用途も違うのだが、それにしても結構なお値段だ。アナログI/Q入力付きのディジタル変調対応SGならオールモードオールバンドの送信機が出来るのになぁ、なんて考えてしまう。

◆ 受信機はスペアナでというわけには行かない(そのままでは感度が悪い)が、メジャリングレシーバの方が安かったりして。双方をGPIBコントロールして、PCの画面上に無線機風のユーザインタフェースを描けば操作性も悪くはないかな、とか。と言ってもアマチュア用の無線機には測定器にはない様々な機能が搭載されているのだろう。ディジタルIFならばフィルタ帯域幅もノッチもノイズブランキングも何でも出来る。しかも部品代がかからないわけで、販売価格の多くは開発費の分なのかも。

◆ これが沢山売れるのならば開発費の償却も進むのだろうが、販売数量が限られる現状では致し方ないか。
中小のメーカも撤退が相次ぎ、有名どころにしても合併したり買収されたりしている。この先の市場がどうなっていくのかは分からないがマイナーな趣味となり、逆に自作派が増えたりして。


NF(1)(11/19)
◆ 受信機にしてもLNAにしてもNFは重要である。
NFはその増幅器の雑音の量を示していて、NF=0ならばノイズが出ないことになる。勿論ノイズのでない増幅器はあり得ないのでトランジスタの性能に応じてノイズが発生する。

◆ 最近のトランジスタ(FET)だと数GHzにおけるNFが0.3dB以下のものもあり、こうしたものを使うとその周波数帯の空間雑音以下のアンプを作ることも出来る。宇宙からの電波などを観測している分野ではLNAを冷却して雑音を減らすなどもしているが、トランジスタの性能向上で観測装置の感度も上がったに違いない。

◆ NFが良くてもそのアンプを何段も接続すると当然ノイズは増えてくる。NFの計算式はNをNFの値(dBではない)Gをアンプのゲイン(同)とすると総合雑音指数=N1+N2-1/G1+N3-1/G1*G2……となる。
N1は1段目のアンプのノイズ量、G1は1段目のアンプのゲインだ。
この式の通り初段のアンプのゲインとノイズ量が支配的になる。

◆ アンプの前に損失があるとすると、例えば同軸ケーブルのロスが3dBあったとするとNFは3dBより良くなることはあり得ない。またいくらNFの低いアンプでもゲインが少ないと後段のNFが効いてきてしまう。
プリアンプをアンテナ直下におくのはこのような理由からだ。

◆ 宇宙通信であればNFに特化したアンプも使うことが出来るが、実際の通信では大入力時の特性も検討しなければならない。山の中で使う分には問題ないが都会で使ったら他の通信によってアンプが飽和してしまったというのでは駄目だ。そして一般的には飽和レベルを大きくしようとするとNFは良く出来ない。
ちなみにスペアナは感度よりも飽和レベルを重視するのでLNAは付いておらず入力は直接ミキサで受ける。
ただ最近では用途に応じて使えるようにプリアンプを内蔵しスイッチで切り替えられるものも多い。

◆ NFはスペアナでも測ることが出来るが、正確に測るためにはNF測定器を使う事になる。NF測定器は受信機のようなものでノイズソースを接続した時のノイズ量の増加具合を測っている。アンプから発生するノイズがゼロならばノイズソースのノイズ量だけが測定されるが、アンプがノイズを発生している場合はそれが重畳される。これを測ることによってアンプのNFを表示する。

◆ スペアナでは簡易測定になるので正確な所までは見られないが測れないことはない。同じようにノイズ量の分かっているノイズソースがあれば実際の受信機でNFを測ることも出来る。計算でも求めることが出来て、それは受信機の感度を測ることだ。NFはS/Nとして見ることが出来るので受信感度を測ってNFを計算することが出来るのだが、その為には帯域フィルタの正確な通過帯域幅が必要だ。ノイズは広い周波数帯に均一に分布するのに対して信号は狭帯域なので、フィルタによって取り除かれるノイズの量が明確に出来ないと計算出来ない。

◆ 実際に感度からNFを計算することはなく、受信機の設計時に必要なNFを計算する場合に使う。音声受信機ではない場合はモデムにも感度の概念がある。理論感度と実際の感度が異なるのだがディジタルものなのでそうそう違わない。ちなみに遅延検波は前符号との比較で検波を行うので理論感度が悪化する。前符号が間違っていると複合しようとする符号も誤るからだ。モデムの感度試験にもノイズソースを使う。信号を弱くして感度を測るわけには行かないので信号とノイズを調合しながら感度を測っていく。


時間カウンタ(11/18)
 パルス幅やパルス間隔の測定に特化したカウンタがタイムインターバルカウンタと呼ばれるものだ。パルス関係などを扱う業種の方なら様々なモデルをご存じだと思う。測定方法は通常のカウンタの周期測定同様だと1GHzのクロックを使った場合の分解能は1nsになる。GaAsプリスケーラは10GHz以上でも動くがプリスケーラで分周するわけには行かないので1GHzで動くカウンタが必要になる。非同期カウンタならば2段目は入力周波数の半分の速度になるので楽になってくるが同期カウンタを使おうとすると全段が1GHzで動かなければならない。

 タイムインターバルカウンタでは(アジレントによると)別の手法を使って20psの分解能を実現したとある。SRSのタイムインターバルカウンタは分解能25psとなっているのでこの辺りが限界かも知れない。20psは光が6mm進む距離なのだからその時間を扱うのはかなり大変である。

 微少時間の測定はレーダなどの分野では重要で、10psの分解能があると1.5mmの距離が分かることになる。長い時間を高い分解能で計ることを考えると表示桁数も必要になり、15桁位の表示器を備えたものもある。

 GPSの1PPSはどの位1PPSなのだろうか。公称精度はマイナス11乗位だとされているがGPS受信機から出力される1PPSがどこまでの精度を持っているのかはよく分からない。それこそps単位で見ていけば内部遅延の一定性だとかパルスの立ち上がり時間だとか、そこに乗るノイズだって見えてくるはずだ。

 blogの方でも書いたGPSの実験ではマイナス10乗位の所までしか見ることが出来なかったというか、それ以上の分解能で見る機器もなければ基準もなかった。マイナス11乗を見るには10パルスの平均で見ていたのだから元々の測定精度としてはマイナス10乗しかない。
GPS受信モジュールもアンテナ一体型のごく普通のものであり時間計測を目的としたものではない。
なので測定精度を上げていった所で確度が上がるにも限界がある。

 blogの方でも書いたが分解能があるのと精度が保証出来るのとは別の問題だ。精度自体にしても絶対精度とカウントごとのばらつきなどの相対精度がある。
正確な時間や正確な周波数を得ようとすればそれなりの扱い方や技術が必要なのは言うまでもない。
勿論そうした様々なエラー要因を考えながら正確なシステムを作っていくことは面白みもあるのだが、その確度を測ろうとするとこれまた大変だ。

 重さや長さにしても1pgとか1pmを測れと言われたらさぞ大変だろう。それこそ素粒子を研究している人が地球の様々な振動に気を遣わなければいけないような、そんな世界なのではないだろうか。
かなり前になるのだが超高周波帯を使ったレーダの実験のためにその周波数帯での免許申請をしたことがあった。規格には高調波をはじめとするスプリアスが規定されているのだが、そのスプリアスを測る測定器がない。

 例えば60GHzの基本波は測定出来たとして、その2倍あるいは3倍高調波をどうやって確認するかと言う事だ。今でこそ最大変換速度100GHzなんてADCが実現出来ているが当時は夢のような話だったのだ。
まあCPUだって2GHzだ3GHzだで動く時代なのだから半導体デバイスの高速化も凄いものなのだが、先端技術に触れている人たちは常に測定に苦労している。


ユニバーサルカウンタ(11/17)
 周波数カウンタが単に周波数を測るだけのもの、最近ではその需要も減ったのでパワー計が一緒になっていたりと複合測定器みたいになっているが、基本的には周波数を測るものだ。
ユニバーサルカウンタはもう少し範囲が広くなり、複数チャネル間の周波数差や周波数比、電圧や位相などの測定機能の他に演算機能も持っている。

◆ 単純な機能の周波数カウンタでも周期測定が出来ればGPSからの1PPS信号のを精度良く観測出来る。周波数測定とは周波数カウンタのゲート時間内にどれだけの数のパルスが入ってくるかを数えるものだ。周期測定はその逆に入力信号の1サイクルの中に周波数カウンタの基準発振器のパルスがいくつ入るかを数える。

◆ 周波数カウンタの基準発振器が10MHzの場合は1パルスが100nsなので1PPSの信号が100ns分解能で測れることになり0.1ppmの台まで数字が出る。
最近のユニバーサルカウンタではその基準周波数が100MHzや1GHzのものもあるので1GHzのものだと0.001ppmが計れるというわけだ。HPのユニバーサルカウンタは比較的古いものでも100psの分解能があり、最高測定周波数が低いので中古でも人気が無く1万円前後で買える。ただし筐体サイズが大きい(重さはさほどではない)のが難点と言えば難点だ。私が入手した53131Aは小型だが500psまでの分解能しかない。53132Aは150ps分解能だが中古市場では余り見かけない。

◆ 100ps分解能だと0.0001ppmまで数字が出てくるので1PPS信号だけの出てくるGPS受信機さえあれば校正が出来る。他の10MHz発振器を校正するにはユニバーサルカウンタの基準クロックとしてその周波数を入れればいいし、勿論周波数カウンタ自体が正確に校正されたのであればそれが家庭内の標準になる。ただTCXOのトリマを回して調整するタイプは調整が微妙すぎてピタリ似合わせるのは至難の業だし、そもそもTCXOなのでドリフトもある。

◆ ユニバーサルカウンタは多機能を売りにするものなので高い周波数の測定は出来ない。プリスケーラ付きのものもあるがそれは周波数測定用であって演算等の対象にならない場合が多い。最高測定周波数の低いユニバーサルカウンタだが、外部にプリスケーラを付ければ高い周波数も測定出来る。
GaAsのプリスケーラだと10GHz辺りまで反応してくれて分周比1/64ならばユニバーサルカウンタの入力可能周波数まで落ちてくれる。秋月で見てみると12GHzの1/8プリスケーラが1,200円だからこれを2段接続すればいい。

◆ プリスケーラICの入力感度は-15dBm前後なので広帯域アンプを前置すれば普通に使える。特別な外付け部品も不要なので生基板の上に空中配線でもそこそこ行けるはずだ。但し周波数が高いので空中配線とはいってもそれなりの作り方は必須になる。
プリスケーラの分周比が1/10でなくてもユニバーサルカウンタの演算機能で周波数を64倍表示にすれば周波数が直読出来る。演算機能はユニバーサルカウンタのメーカやモデルによって異なる。

◆ 岩通のユニバーサルカウンタは最高入力周波数が230MHz、実力でも270MHz位までしかカウントしない。アジレントの方は225MHzが規格で、やっと300MHzがカウント出来る。同シリーズでプリスケーラ付きのモデルもあり、筐体は共通なのでその入力端子の穴はパネルに開けられている。メーカやモデルにもよるとは思うがこうした構造のものも多いのでユニバーサルカウンタ自体にプリスケーラを内蔵してしまう事も出来る。


周波数(11/16)
◆ blogで実験結果は書いたがGPSから受信した信号を元に周波数カウンタやSGの基準発振器を校正した。周波数カウンタはTCXOなので1ppm近くのずれがあったがSGの方は無視出来るほどの誤差だった。元々たいしてずれていないだろうと思っていたので校正云々でもなかったのだが、そのたいしたズレでないことが確認出来たというわけだ。

◆ TCXOは0℃〜50℃程度の温度変化で±0.5〜5ppm程度周波数が変化する。TCXOとは水晶振動子の温度特性の逆特性を回路で作って周波数補正を行う仕組みだ。水晶振動子の温度特性は水晶の結晶からの切り出し角度に依存する。現在では正確な角度での切り出しが出来るようになったので温度特性はほぼ一定となり、TCXO個別に回路側の補正カーブを作り直すようなことはしていない。
その為量産品のTCXOの価格は100円以下が当たり前になった。

◆ 実はこの温度補正用デバイスは汎用品があり、水晶メーカはこのICの特性に合わせた振動子を削り出せば良いだけなのだ。水晶振動子の温度特性に合わせて補正回路を調整するのではなく、補正用ICに合わせて水晶を作るので安く出来る。
自作派の中にはTCXOの水晶振動子を別の周波数のものに交換するなどの改造も見られるが、それでは水晶振動子の温度特性が異なるので特性が得られない。

◆ TCXOも出始めの頃は個別にその温度特性を測って逆特性を作っていたので、特性は良かったがやたら高価だった。現在でも高精度のTCXOは個別に補正する。TCXOはオーブンと違いスイッチオンですぐ使えるとかスタンバイ電流が不要なので便利なものだった。TCXOは測定器をはじめとして携帯電話やスマートフォンにも広く使われている。

◆ OCXOは水晶振動子をオーブンに入れて定温に保つ方式だ。TCXOが温度ドリフトを補正するのに対してOCXOはその温度自体を一定にする。最近ではATカットの他にSCカットの水晶振動子なども使われて特性が向上した。従来は大げさなオーブンと断熱材が使われていたが、最近のものは水晶発振モジュールと同じ位の大きさである。物理サイズが小さいので温度の安定時間も短く数分で規定精度に達する。

◆ 一般的に経年変化は、横軸を対数に取り縦軸を周波数偏差に取ると直線に近くなる。その為高価格水晶振動子式腕時計ではエージング後に周波数調整をして出荷している。
この点だけから見ると製造後年数の経ったOCXOは安定領域に入っていると言えるのだが、経年変化によるパッケージの劣化などはそれが周波数変化の引き金になる。

◆ 周波数カウンタなどを入手したアマチュア無線家諸氏は、その基準発振部を校正しようと苦労されている。
OCXOを買ってきた所でそれが絶対というわけではなく、じゃあ調整無しで確度の得られるものとなりルビジウムなどを買ったりする。企業などだとセシウム原器を持っている所も多く、それによって定期的に校正されたルビジウムなどで基準周波数を各測定器に入力している。セシウム原器をのまま使わないのは寿命の問題があるからだ。

◆ いずれにしてもいったん校正すればそうそうずれるものではないので投資効率が悪い。しかし校正屋さんに依頼すると数万円、だったら(アマチュア的には)基準を買った方がお得となる。ちなみにルビジウム発振器も経年変化を起こす。
そう考えるとGPSを受信して基準を作るのは手軽で安価だ。GPS同期の発振器まで作らなくても1PPS信号をカウンタで測ればそれで良い。
カウンタの話は又明日。


マルチバンド(11/15)
 移動体通信事業者用の割り当て周波数帯が増えると移動機の方も多バンド対応しなければならなくなる。
と言っても移動機の設計と言うよりは無線部デバイスの設計者が苦労するみたいな感じだ。
広帯域のアンプなりを作るのは難しくはないが消費電力と特性をバランスさせるのはシングルバンド用よりも難しい。

 2GHz帯であればCMOSでLNAも作れる時代ではあるがNFを求めるとGaAsになる。送信用デバイスもCMOSで作れるがゲインと効率の点でGaAsに及ばない。しかしCMOSは歩留まりが良いのでコストを下げることが出来る。またワンチップ化しやすいのでトランシーバチップとして製造する場合はCMOSの方がやりやすい。

 多バンド化で面倒なもう一つのデバイスがフィルタだ。
フィルタは帯域外からの妨害を遮断するために必要になるのだが、例えば700MHz/850MHz/900MHzと区切っていくのは面倒でもある。700MHz帯の通過フィルタは850MHz帯からの電波を遮断しなければならない。どうせマルチバンド対応だから700MHzから900MHzまで通しちゃえと言う事でも駄目ではないのだが、その場合は他のバンドからの電波によってLNAが飽和したり混変調歪みを出さないように設計しなければならない。これは消費電流に直接影響する。

 そうした中で世界中の主要バンドに対応しているiPhoneは凄いなと思う。ドコモなど自社への割り当てバンド対応機の発売時期だって先送りみたいな所があるのに、さすがに世界に大量に売るスマートフォンは凄いというか苦労しているというかを感じるのである。
多バンド対応ではアンテナの多バンドあるいは広帯域にする必要がある。

 従来型携帯電話でもいくつかのバンドに対応するために複数アンテナを並列にしたような構造のものなどが使われていた。アンテナは奇数倍の周波数であれば同調するのだが、ボディエフェクトとかハンドエフェクトなどを考えると狭帯域のアンテナは使えない。
メーカや設計によっても差があるだろうが2GHz帯用のアンテナの共振帯域幅は300MHz程度あるのではないだろうか。FDDの場合は送受信周波数が離れていることもあるのでそれもカバーしなければならない。

 異例に狭帯域なのがGPS用のパッチアンテナだ。これは1.5GHz帯に対して10MHz程度しか幅が取れない。そのため筐体設計などによっても共振周波数を調整する必要があり、最終的な全てのデザインが整った時点で再調整する場合もある。
スマートフォンなどの場合にパッチアンテナを使うことは殆ど無く、それはそのサイズが原因だ。パッチアンテナは円偏波が得られるのとZ軸側指向性になる事やゲインが稼げる点で有利なのだがサイズが多いい。高誘電体材料で小型化は出来ない訳ではないが特性が落ちる。だったら特性を我慢して小型のダイポール系の方が良いとも考えられる。

 他に2.4GHz帯のアンテナも必要なのだが感度に対する規定が緩いので幾分楽だと言える。これら無線機同士の干渉や感度低下などもあるのでフィルタは大変だ。
CAとなるとマルチバンドの同時通信が起きるので更に苦労は増える。例えば700MHz帯で20MHz幅の電波を出すと、高調波スプリアスは2倍の1.4GHz帯では40MHz幅になるし3倍の2.1GHz帯では60MHz幅になってしまう。高調波を阻止するフィルタを入れると、そのフィルタはバンドごとに必要になる。
どこを通過させてどこを阻止するのか、マルチバンド無線機の設計者のセンスが必要だ。


標準(11/14)
◆ 昨日の続きである。電圧にしても周波数にしても重さも長さにも標準がある。
ずっと前に水晶温度計に関わっていたことがあった。水晶温度計は温度変化が周波数変化になるので周波数カウンタで測ればいくらでも分解能が上がる。厳密にはリニアリティの問題もあるのだが、1℃で1kHz周波数が変化する水晶温度計を1Hz分解能の周波数カウンタで読めば0.001℃の分解能になるわけだ。

 ではこの温度計をどうやって校正するかという話になったのだが、当時認定されている温度計はアルコールか水銀かがガラス管に入れられたアレだったのである。それが二次標準なのだからそれに合わせなければならないのだが分解能が足りない。
温度範囲によってそのガラス製の温度計は何本にも分かれていて目盛は拡大されているのだが、それにしたって1ミリ℃なんてものを読むことは出来ない。

 当時はHPも水晶温度計を作っていたはずで、特許も出ていたかな。で、その温度計の方が精度も確度も保障されていたのでそれと比較したみたいな事があった。比較と言ったって並大抵ではなく、シリコンオイルの満たされたバスタブ位の恒温装置に温度計を突っ込む。シリコンオイルの量が少ないと温度変化が急激に起きてしまうので100リットルか200リットルか、その位の容量のオイルが満たされた装置だった。

 それにしても水晶温度計のドリフトなのか恒温槽の温度分布なのかがよく分からないみたいな苦労があった。
センサの分解能は限界まで上昇する。気圧センサにしたってアナログ気圧計の時代では想像できなかった位の精度と分解能が得られる。それこそセンチメートル単位で高度が測れる位の能力を持っている。

 スマートフォンなどにも内蔵されるものが増えると思われる気圧センサは5Pa位の分解能が得られているので高度変化50cmが分かる。EPSONの製品では水晶振動子式を応用して0.3Paの分解能があると謳われている。
気圧換算高度は気圧の方も変化するので高度が数メートル離れた場所の2点の気圧でも読まないといけない。

 気圧センサの構造自体は真空室とダイヤフラムで出来ているので従来技術の延長だ。だがそれらの精度を向上させたことによって高分解能が得られるようになった。EPSON製品では応力の検出に水晶振動子を使うようなことが書かれている。

 圧力の標準は重さの標準が使えるが、その圧力を検出する装置は大がかりだ。光波干渉計だとか何やらの大がかりな装置になる。これらで校正された二次標準が圧力センサメーカにはあるのだろう。
私は今の所絶対圧力にさほど興味はないのだが、例えば気象や気候あるいは農作物などの研究や管理をされている方だったら気圧計の精度がどの位のものなのかに関心を持つのかも知れない。

 重さと言えば、大抵の精密な秤には地域によるキャリブレート値が付いてくる。日本といえども国土は南北に長いので地球重力や遠心力による測定誤差が起きるためだ。電子秤の多くは地球重力をアテにして測定を行うため、それが狂うと測定値が違ってしまう。電子秤の高精度のものがどの位の分解能なのかは調べていないのだが、いわゆる分析用の電子秤だと100gの秤量に対して10μg位の分解能がある。
普通の?高精度型だと500g秤量で1mg分解能のものが数万円、安くなったものだ。


興味(11/13)
 リターンロスブリッジの話は何度も書いた。リターンロスブリッジが必要だから作ったというのではなく、作るとどんな性能になるのか興味があったから作っただけだ。完成させることが目的ではなく作ること自体をやってみたという話だ。

 blogの方に書いているGPS受信機も同様で、高精度な基準周波数が特に必要というわけではない。OCXO入りSGの周波数精度レベルで十分だし、通常はその精度も必要が無くてスペアナのTCXO精度で事足りる。
周波数を測るのは周波数カウンタのお仕事なのだが、大抵のスペアナやあるいはオシロスコープにも周波数カウンタ機能が内蔵される昨今では周波数カウンタの出番も少なくなった。

 一般的な周波数カウンタも単独機能ではなく電圧計やパワー計を内蔵したりする。ユニバーサルカウンタの方も同様で多機能化が進みが、これは従来から周波数比や各種演算機能や電圧測定機能なども有していた。
周波数カウンタはマイクロ波方向に進み、ユニバーサルカウンタはより高機能という感じだ。

 何事でもそうなのだが絶対値測定は難しい。長さにしても重さにしても1cmが本当に1cmなのか、1gが本当に1gなのかを検証するのは大変である。ただし普通に生活している中で1gが1.00001gであったとしてもそれは問題にはならない。でも、ふとそれが本当はどの位狂っているのだろうかと思い始めると何とか検証できないものかと考えたりする。

 ウチには何台かの測りがある。200gまでしか測れないキッチンスケールは千円位のものだ。同じく200gまでしか測れないがキッチンスケールの千倍の分解能を持った測りもあり、100gは100.000gと表示される。なのでこの精密秤を使ってキッチンスケールの誤差を読むことが出来る。
体重計の最小分解能は100gだったかな。でもこれは100kg以上まで測れる。12kg迄計れるディジタル秤は1g分解能なので10.000kgの重さでの校正はこれで出来る。

 こうして次々に校正していくと、その秤の最小単位位までは確認できるがリニアリティなどは確認しにくい。これを確認するには桁数の多い、つまりは分解能の高い秤が必要である。
電圧や電流も同様で1Vが本当に1Vなのかどうかは検証しにくい。ちょっとした電圧計だと8桁以上あるので1Vは1.0000000Vと100nV位の桁まで表示される。

 表示桁数が多いのとその桁数まで精度が保証されているかは又別の問題だ。電圧計は内部で基準電圧と入力電圧を比較しているから、その基準電圧の精度や温度特性が悪ければ桁数はあっても正確性には欠ける。
周波数カウンタも同じように桁数を増やすのはカウンタの段数だけの問題なのでいくらでも増やせるが、その基準となる発振器の精度が悪いと意味が無くなる。まあ相対値を読むという点では意味が全くなくなるわけでもないのだが、そういうことだ。

 で、その基準発振器がどの位狂っているのかを手軽に?確かめてみたくなってGPSから1PPS信号を取り出してみたと言うことだ。
ディジタルテスタが1台だけならその読み値が全てだが、2台のテスターで片方が1.002V、もう片方が1.009Vを示したとしよう。こうなるとどちらがより正確なのかを確認してみたくなるではないか。

 そういえば標準電池みたいなものがあって、なんかお墓みたいな格好をしていたような…現在はCJVS電圧標準が使われるのかな。これはジョセフソン効果を使ったもので、超伝導体に常伝導や絶縁膜を挟んだものに高周波を照射するような構造だ。まあ原子時計のように何がどうなるからこうなるという説明がシッカリできている標準と言う事になる。


顕微鏡(11/12)
◆ 以前に実体顕微鏡の話を書いたが今日は普通の顕微鏡のお話である。普通の顕微鏡なのだから単に顕微鏡と言えばこれを指すのだろう。
実体顕微鏡と違って安いものはいくらでも安いものがあるというのがこの世界で、いわゆる小学生の教材用みたいなタイプも沢山出回っている。

◆ 私も子供用に顕微鏡を買った事があった。一通りの教材用セットみたいになっているものでたいした値段ではなかったと思う。
その後顕微鏡に触れる機会などもないままだったのだが、少し前にオリンパスの顕微鏡を少しいじった。光を下から当てるための反射鏡と絞りとレンズ、安物には反射鏡しか付いていない。

◆ 他はごく普通の顕微鏡なのだが試料を乗せる台の部分がバーニア構造でX-Yに微調整可能になっている。対物レンズは10倍、40倍、100倍のものが付けられていた。接眼レンズは5倍、10倍、15倍とあるので最小は50倍から最大は1500倍まで拡大してみる事が出来る。
といっても1500倍はレンズの解像限界を超えるのかなと思ったりする。

◆ 以前にカメラのレンズの話でも触れたような気がするが、光学系はいくらでも拡大できるというわけではない。顕微鏡で見られるのは0.2μm辺りが限界とされている訳で、勿論レンズその他によってはそこまで見る事は出来ない。そもそも光の波長の可視限界があるので、それにも制限される。
0.2μm以下のものを見ると、何か物体があるか無いかの判断は出来るかもしれないが、それが何であるかを解像する能力は既に限界というわけだ。

◆ この顕微鏡の対物レンズを100倍にし、接眼レンズを5倍にセットする。この位の倍率までなら少しでこぼこのある物体も何とか見る事が出来る。例えばカッターナイフの刃に付いた加工の際の傷などだ。それでも深度が浅いので都度フォーカスを合わせ直しながら観察する事になる。
この倍率で見るべきものは金属の傷ではなく、もっともっと小さな細菌(1μmくらい)だろう。
ちなみにウイルスとなると1桁以上小さくなるので顕微鏡では見えないかも知れない。

◆ 10倍とか50倍で液晶を見るとRGBの画素が見える感じになるが、100倍あるいはそれ以上だとカラーフィルタのエッジや(見えるとすれば)透明電極や配線などが観察できる拡大率になる。
電気の部品の世界では0.1mmに近いようなものは殆ど扱わないが、生物屋さんや化学屋さんだと0.1mmに近いような大金ものは扱わないよと言う感じだったりして。

◆ 光学顕微鏡でも様々な工夫などをしてレンズ限界以上の微細なものを観察できるようにした仕組みもある。光学顕微鏡で見えないものを見る電子顕微鏡もあるのだが特性などが少々異なるので光学顕微鏡で見たいという要求もあるのだろう。
電子顕微鏡でも見える限界があり、0.1nmくらいがその限界なのだとか。光学顕微鏡とはまさに桁が違うというか1000倍ほどの分解能があるわけだ。

◆ 電子顕微鏡は大型で大げさなイメージもあるのだが卓上型の電子顕微鏡もある。数百ワットの消費電力で10nm程度の分解能がある。生物屋さんの世界ではこの程度の分解能があれば不満は少ないらしく、小型軽量(と言うほどでもないと思うが)の走査型電子顕微鏡は使いやすいのだとか。電子顕微鏡の原理などはこちらのサイトが分かりやすい。


内外価格差(11/11)
 日本の携帯電話良医金は高いと言って参入した企業があった。その企業は3事業者の中で最も少ない加入者数ながら最も多くの利益を出すと豪語する。
つまり、最もお客から沢山の金を取っていると言うわけだ。

 内外価格差云々という話であれば電気代と公務員給与はもっと下がって欲しい。食品類の価格も日本は高いと思う。スイスなどは外食すればお金はかかるが食材自体はそう高くはない。外食産業で安いと言えば牛丼屋とかうどん屋だろうか。これなら世界と競争できる。

 意外に高いのが宅配ピザで、宅配料が含まれているから仕方がないと言えばそうなのだが海外で食べるピザ価格の10倍位はすると思う。まあ粉ものは儲かると言う事で宅配ピザがブームだった頃にはピザ屋はかなり儲けたに違いない。が、景気低迷と共に割高なピザは売れ行きを鈍化させる事になる。宅配ピザチェーン店は安価なピザやクーポン配り、あるいは宅配ではなく持ち帰り価格を設定するなどした。

 宅配代が高いのは人件費がかかるからだ。人件費の高い日本は人々の収入が多いのかというとそうではない。いや収入は多いかも知れないが豊かではない。
欧州各国は日本人より豊かな暮らしをしていて、それは報酬が多いと言うよりも余暇が多いのだ。労働時間が少なくてもそこそこ暮らせる世界こそ豊かだと言えるのではないだろうか。

 人間が介在するサービスは高くそれ以外は安い、と言うと農作物だって人間が作っているのだから高いとなってしまう。確かに日本の農業はそうだ。生かさず殺さず行政が競争力を低下させ、大規模農業への移行を阻止した。結果として農業の効率化が遅れて競争力を失った。これは農業のみではなく、規制や補助金をバラ撒かれている各分野で同じ事が起こっている。

 個人経営の小規模農家が多ければ(おおざっぱに言えば)JAが儲かる。JAは農業の未来などは全く眼中になく利権の維持を一番に考える。大規模農業などが増えてきたらJAによる中間搾取が出来なくなってしまう。あたかも農家のためですよみたいな顔をしながら近代農業への道を閉ざしてしまった。結果として農作物を海外から空輸した方が安い状況になる。航空運賃をかけても安いのだから凄い。

 電気代が高いのは訳の分からない所に流れ出すカネが多すぎるからだ。それこそ○○電気保安協会を食わせる費用だってバカには出来ない。原発に関しての酷さも相当なものなのだが、それを暴こうとする側にはカネがばらまかれるので正義は忘れ去られる。
中国の賄賂社会を批判する人も多いが、日本だってたいして違わない。

 人件費が高い事に悩むのは航空業界だとか。人件費が高いばかりではなく人材自体も不足している。航空機メーカは少ない労力で飛ばせる飛行機の開発をするが、人材の不足は自ずと人件費を高騰させる。パイロットの人件費が高いのは給料のみではなくその管理や教育にも金がかかるからだ。一方で整備屋さんの方は飛行機の整備だからと言って特別給料が高いわけでもないそうだ。

 人件費をケチると高速バスの問題みたいな事が起きそうだし、この辺りは難しい問題だ。ちなみにタクシードライバーの取り分は売り上げの半分程度だとか。タクシーはドライバーは儲からず会社は儲かる構造らしい。


ブリッジ(8)(11/10)
 3GHzまで特性を求めるのはそこそこ大変だ。SWR=∞時とSWR=1時のレベル差30dBならば何と言う事はないが、全域で40dB取るのは苦労する。
前回までの実験では細い同軸ケーブルにフェライトビーズ5個を通したのだが300MHz辺りのカーブが盛り上がってしまっていた。
そこで同軸を少し長くしてフェライトイーズを6個にしてみた。だが手持ちのフェライトビーズは10個しか無いのでGND側のフェライトビーズが4個になった。これでは足りないかなと言う事で従来の実験に使ったフラットケーブル用のフェライトビーズを通してみた。

 この状態で3GHzまでの特性を見たが、1GHz以下の特性が良くなった分だけ高域が悪くなった。共振が出やすいのは線が長くなったからだろうか。
やはり3GHz辺りまで対応とするならフェライトビーズは5個位の方が良い感じがする。しかしせっかく作ったので1GHzまでの性能を出す事が出来ないかと調整してみた。

 調整と言っても回路や定数をいじるわけではなくフェライトビーズの位置を変えるとかGND側の線長を変えるなどの位置調整だ。3GHzまで対応させようとするとかなりクリチカルなのだが1GHz辺りまでならそうでもない。
と言っても線長を変えたりする度に半田付けが必要になるので面倒な感じがする。フェライトビーズの位置は竹籤で突っつきながら調整した。

 約1時間ほど頑張って得られた特性がこれである。1GHzまでではあるが45dB以上は取れている。800MHz辺りで共振のようなディップ点が見られる。1GHz以上は無視して調整したので1GHz以上はどんどん特性が悪化して3GHzではSWR=∞とSWR=1の差が15dB程度しか取れなくなった。

 リターンロスが30dBまで測れればSWR=1.07迄見られる訳なので最初に実験した3GHz版でも使えない事はないが、1GHz以下ならもう少し何とかなるかなとやってみたわけだ。1GHz版で下の方は20MHz辺りから明確に特性が悪化してくる。50MHz迄ならトランスタイプの方が簡単でレベル差も大きく取れるのでトランスタイプの方が良さそうだ。

 アンテナ調整という点で見ると共振点で必ずしもインピーダンスが50Ωになるとは限らない。リターンロスブリッジはリターンロスが見られるだけでインピーダンスが分かるわけではない。
ネットワークアナライザも最近はハンドヘルド型のものがある。携帯電話基地局をはじめとするフィールドでの使用を前提としたもので、デスクトップ型ほどの機能はないが簡易型と言うほどプアではない。

 おそらくは後10年位するとこれらの中古なども数多く出回ってくると思う。と言ってもアンテナは一度調整してしまえば狂うものでもない。仕事で使うとか自作を繰り返している人ならともかく、アンテナアナライザにしたって借りて済むものなら済ませたいみたいな所ではないだろうか。
測定器とは、それがなければならない時には絶対に必要だが使い終わると大きく重い不要物になってしまう。

 リターンロスブリッジは50Ω(ブリッジの抵抗値によってはそれ以外でも)との差を見るためのもので方向性結合器は反射電力をそのまま見るものだ。SWRが計算できるという点では同じなのだが測定原理は異なる。ブリッジで位相を見れば用途は広がる。手軽には高周波帯まで使えるログアンプなどを入れる手か。アナデバでもGHz帯まで使えるログアンプがいくつも製品化されている。


ラーメンライス(11/9)
◆ ラーメンをおかずに、いやラーメンスープをおかずにごはんを食べるとでも言ったらいいだろうか。関西方面ではたこ焼きをおかずにごはんを食べるみたいな話も聞いた事があるが、炭水化物同士だから同じようなものだ。

◆ ラーメンライスのライスは、少なくとも私は冷えているあるいは冷えかけたごはんが好きだ。ほかほかの温かいごはんだったら、生卵でも味付け海苔でもイクラでもお新香でも美味しく食べられる。ラーメンという温かいものと合わせるには冷えかけたごはんが良い感じなのだ。
そしてそれは、昔どこかの小さなラーメン屋で食べたあの味を思い出させるのである。

◆ blogでもちょっと書いた安い米、温かごはんの時にはその価格差なりの味だった。しかし冷やごはんの場合は(柔らかく炊けるので固くなりにくい事もあって)普通に食べる事が出来た。米の味が余りしないというか、いかにも安物チックな冷えたごはんがこれまた町の小さなラーメン屋を思い出させる。

◆ ラーメンライスにマッチするラーメンの味は何か。おかずとして考えると味の濃いものが良い。つまりは塩ラーメンよりも味噌ラーメンだ。
気の利いたラーメン屋の店主だったら、ラーメンライス注文時には味が濃いめのラーメンを作ってくれるのではないか。だが塩味だ味噌味だと言ってもあっさり風味のものもあれば脂っこいものもある。だから味だけで一概に決めつける事も出来ないし、スープベースによっても違ってくるのも又事実だ。

◆ 和風ラーメンと呼ばれるあっさり出汁のものもあるがごはんのおかずと考えればこってり風味で、しかも具が沢山乗っていた方がおかずとしての役割を正しく遂行してくれる。つまりラーメンスープをごはんのおかずにするのみならず、ラーメンに乗せられた具自体もおかずになってくれる。
店によっても異なるが味噌ラーメンには野菜炒め風だったりコーンやバターが乗っかってくる事もあるが、これもごはんとのマッチングが宜しい。

◆ そんなラーメンライスなのだが、ラーメンライスという名称をメニューに見る事は少なくなった。ラーメンとライスの組み合わせがラーメンライスだと認識していない人の場合、ラーメンライスと聞いてどんな食べ物を想像するだろうか。ラーメンどんぶりに麺とライスが一緒に入っているみたいな。
ラーメンライスは余り見かけなくなったが餃子ライスはみかける。

◆ 餃子だって周りの部分は炭水化物だからたこ焼きライスと同じではないかと思ったりする。しかも餃子とライスだけというのはさほどマッチングが良くないのではないのか。水分が少ないので何となくぼそっとする。
そこにラーメンが加わると、そのスープがあるので整合性が改善されると考えるのはどうだろう。
いや、これが野菜炒めライスであれば野菜のほどよい水分がおかずとしての役割を最大限に発揮する。

◆ 今日のお昼はラーメンライス、でも近くにはコンビニしかないという貴殿ならコンビニでさとうのご飯に代表されるパック入りを買っても良い。但しアイツは中途半端に加熱するときわめて美味しくない物体に変身してしまうので、規定に加熱した後に少し冷やしてから食べるのだ。麺の方はラーメンだけではなく、カレーうどんなども上手くマッチする。なお麺がのびやすいカップヌードル系は余りお勧めしない。ご飯を食べる時間だけ麺を食べ切る時間が長くなるので硬度低下が著しいからだ。


備蓄(2)(11/8)
◆ 昨日の話とはちょっと違うのだが、消費税増税前には多くの人が生活必需品などを買いだめした。と言っても半年分も買ったわけではないという人が多く、継続的な消費は行われる。
消費税率が上がった直後は買いだめした品物があるので家計の支出は抑制されていた。なので消費税が上がった事による家計の圧迫をさほど感じなかったという。

◆ それが実感となったのは夏以降であり、買いだめした商品が底をついた事で新たに買い物をした時に消費税が上がった事を感じるわけだ。消費税が上がった分だけ支出が余計になってしまうので、そこは消費を抑えるしかない。これが消費低迷の源になっている。

◆ もう一つは便乗値上げをはじめとする商品価格の上昇だ。某商店の価格は12.5%も値上げされた。おそらくは消費税率10%の時に据え置くつもりで上げたのかも知れない。それでも4月あるいは5月の客足はそれまでとあまり変わらなかったそうだ。しかし夏以降になって暇な日が増えたと言っている。メーカ製品ではないものは事実上の価格競争が起きないわけだが、同類他種品との価格差には注目される。

◆ その店にしても値上げ当時は固定客に支えられていたわけだが、その固定客自体の足が遠退くと厳しい状態になってしまう。
値上げオンパレードみたいになっていたからウチも上げちゃおうかなと考えたに違いないが、もしかすると今になってその考えが甘かった事に気づかされているかも知れない。

◆ これがメーカ品などであれば価格を下げるなり特価の札を付けるなどする事も出来ようが、いったん値上げしたオリジナル商品やサービス代を今になって下げるのは難しい。それこそマクドナルドのようにしょっちゅう価格を変えているみたいになってしまうし、店に行ってみなければ価格が分からないのでは商品もサービスも売れない。

◆ 財務省は何としてでも消費税を10%にしたい。しかしさすがにこの状況では予定通りの消費税アップは不可能ではないかとの見方も強くなってきている。消費税アップが実現できなければアベノミクス失敗、消費税を上げて景気が更に落ち込んでもアベノミクス失敗となる。
それを回避する最も良い方法は消費税アップの先送りだ。確かにアベノミクス失敗と言われる事に違いはないだろうが言い訳はしやすい。

◆ そもそも景気回復には減税が必要で、米国でもそうしている。
それを増税して景気も回復させようというのだから相当な無理がある。無理だからそんな事は出来ないと言うほどの無理さ加減かどうかは今後の経済が物語ってくれるだろうが、現実として諸費税アップ分以上の消費低迷が起きているのだから税収だって上がらない。そこの法人減税論もある訳で、財務省の猛反発が目に浮かぶ。

◆ 税収を増やすには景気を回復させる事が必要で、税率だけを上げれば消費が落ち込むので税収は増えない。それを繰り返していると経済破綻の国になる。米国不景気は徐々に回復してきているが、その道のりは長かった。さらに市場のカネを回収するあるいは税率を上げるという試練が待っている。ここで失敗すると経済状況は再び暗くなってしまう。

◆ 日本では不景気に加えて原発事故もあったりと、その後始末代も家計を圧迫している。市場の金を増やした所で末端にそれが行き渡らないのは米国を見ても明らかだ。金をいくら豊富に積んでもそれが有効に使われずにマネーゲームの対象になってしまう。


備蓄(11/7)
◆ 私は知らなかったのだがトイレットペーパーの備蓄が推奨されているのだとか。備蓄を推奨するのは経済産業省である。まあ消費税が再度上がるとなれば備蓄量は自然に増えそうだけどね。
何故トイレットペーパかというと、来たるべく東海地震によって製紙工場が被害を受けると全国的にトイレットペーパが不足するからなのだそうだ。
製紙工場の多くは東海地方に位置しているため、ここが駄目になると一気に紙が不足する。

◆ と言っても全世界で紙が不足するわけではないのだから輸入によってまかなえるはずだ。確かに価格上昇や買い占めなどは起きると思うのだが、ダメージを受けた工場の再開までにはいずれ紙はなくなってしまう。備蓄量にもよるのだが1年分のトイレットペーパを買いだめして、更にそれをしまっておくのも大変だ。

◆ 東日本震災で東北の工場が稼働できなくなり、産業界には歪みが生じた。その隙を狙ったサムスンが電子部品の売り込みを強化したのは記憶に新しい。
シェアの多くを握る企業で生産のトラブルが起きれば、場合によっては世界中の産業が影響を受ける。
一つの企業がシェアの大部分を握っている場合はそこに参入する事が難しいので独占状態が継続する。

◆ クアルコムのデバイス不足なんて事もあった。代替品のないデバイスの不足はどうしようもない。設計変更で対応できるレベルのものであればまだしも、それが不可能な場合はどうしようもない。
これは量産品を販売する側でも同じ事で、例えばiPhoneの輸入が出来ない状態に陥ったとしよう。Androidモデルを多く扱っていればそれを売って凌ぐ事が出来るが、そうでないと売るものが無くなってしまう。

◆ 多くの企業では製品ごとに使用部品やメーカなども異なる。これも、同じメーカの部品を使っているとその部品一つの供給ストップで全製品が影響を受けてしまうためだ。もちろん、全機種で使っているからストックも出来ると言えばそうなのだが部品は在庫しておくと半田付け性が悪くなってくるので不良率が増える。

◆ トイレットペーパも押し入れの奥などに入れておいたら水分を吸ってしまうかも知れない。元々吸湿性の良い素材なのだから結露が起きるような場所に置いておいたらカビが生えちゃったりして。最初に買ったものを使って最後に買ったものをそのまま保存すれば備蓄期間は短くできるが、そのたびに押し入れの奥から引っ張り出すのも面倒な気がする。

◆ これは備蓄食材にも言える事で、消費期限が来る前に消費して補充すればいいのだがそれが面倒だからと長期保存対応品の人気が高くなる。市場規模が大きくなれば湿気対応パッケージのトイレットペーパなんてものが出てくるかも知れないが、トイレットペーパーってかなり安価な部類なので、それこそ肌触りだとか香り付きだとかという以外の部分で付加価値を付けにくいのではないだろうか。

◆ 一方で製紙メーカもトイレットペーパなどの備蓄は行っているそうだ。所がメーカが在庫をするにはスペースも必要だし税金も取られる。じゃあ国が在庫するかとなると、あの塩問題のような事になってしまう。
そう考えると各家庭で分散備蓄が最も良いと言う事なのかも知れないが、ただでさえ満足ではない住宅事情の中でトイレットペーパに場所を占有させる人がどの位いるのだろう。


ブリッジ(7)(11/6)
 今回の試作は前回のものからそっくり作り直したが抵抗は1005サイズの100Ωの2パラと変わっていない。抵抗値の誤差は不明だが今時のものなので1%か5%程度ではないかと思う。もっとも40dB程度のバランスではさほど高精度の抵抗は必要ない。
ブリッジに使う抵抗は高周波特性の良好なものが望ましいが高周波用のチップ抵抗は抵抗値誤差が大きい。

◆ メーカ製のリターンロスブリッジ、最近ではネットワークアナライザを使うので余り見る事もないのだが、それらもコア位置などを調整した痕跡があったりリアクタンス分を打ち消そうとするのか微少容量が作られていたりする。メーカ製の場合も都度調整するものならば特性は出せるだろうが高価になる。量産するほどは売れないのだが、効率的に生産しようとすれば安定度というか製造ばらつきを押さえる工夫が必要になる。

◆ リターンロスブリッジを作りそして調整するためにはトラッキングゼネレータのついたスペアナかネットワークアナライザ、あるいはスペアナとSGが必要になる。
リターンロスブリッジを作ろうと言う位だからスペアナなり何なりの"見る側"の機械はあると思われる。
未知の周波数を観測するわけではなく自分で出した周波数だけ見られればいいのでスペアナのような選択性の受信機である必要はない。

◆ そこそこの周波数までであればワンチップのログアンプだとかレベルディテクタがあるので、発振器と組み合わせれば小型のリターンロス測定器が自作できる。
調整の方もこれらデバイスで行う事が出来るが、スペアナがあるならばSGの方をスペアナと同期スキャンさせる方が良い。スキャン方法はSG側の都合にもよるので、同期スキャンさせる事が出来ない場合はスペアナの方をピークホールド表示にしてSGをスキャンさせてもまあ見られない事はない。

◆ リターンロスブリッジをアンテナ調整に使うとすればスタンドアロンで簡単に使えるアンテナアナライザの方が機能的な気がする。アンテナアナライザはリアクタンス分を読めるものも多いが、アンテナとアンテナアナライザを同軸ケーブルで接続するとリアクタンス表示はアテに出来なくなる。ネットワークアナライザであればケーブル長を補正できるが、アンテナアナライザにそんな機能はあるのだろうか。

◆ 以前にも書いたが同軸線長がλ/4であればスミスチャート上を180度回る事になるので線長補正が出来ないと何を見ているのか分からなくなってしまう。
低い周波数であれば短い接続ケーブルの長さは無視できる程度ではあるが、短いケーブルで接続するとアンテナの近くに人間がいる事になるので影響を受ける。
ケーブル長を調整したり手計算で補正する事も出来るが、そのケーブルの電気長を正確に測るのはまた大変だ。

◆ ブリッジは作ったままの状態がそこそこの特性で、同軸を長くしたりいじっていたら特性が悪化してしまった。いったん特性が悪化すると、なかなか元に戻せなかったりする。たまたま作ったままの状態でそこそこの特性になったのだが、作った状態がヘロヘロだったらそこからいじくり回すのは結構帯へかも知れないと思った。

◆ 特性が悪化した状態ではブリッジに微少Cを入れたりすると特性が良くなった事もあり、リアクタンス成分のバランスが良くないのかなと思った。このような状態でブリッジを使うと、50Ω負荷の時にはSWR=∞の時とのレベル差が20dBしか無いのにアンテナを負荷とすると40dB位下がったりする。


ブリッジ(6)(11/5)
◆ 少し間が開いてしまったがリターンロスブリッジの追試を行った。前回は実装スペースに無理のあったフェライトビーズを使った方式なのだが、基板、と言っても単に生基板をGND板として使っただけなのだが、それを切り直して大きくした。

◆ 方式としては細めのテフロン同軸ケーブルにフェライトビーズを5個被せた物と、単線に同じく5個のフェライトビーズを被せた物を対GNDとして接続するタイプだ。GNDに接続するフェライトビーズを被せた線は同軸ケーブルの芯線側に接続する。
ブリッジ抵抗と同軸線の間は0.18mmのポリウレタン線で接続しているが、ここはツイスト線としていて気休めと位置の固定用に小さなフェライトコアを通した。

◆ この有無での特性差も確かめてみたが余り関係ない気がする。コアはDBMをバラして取り出したものだ。
コアの位置によってかなり特性が変わり、そこそこの特性が得られたのがこの位置である。
コアは4個に減らしてみたが特性は悪化した。むしろ5個よりも数が多い方がコア位置の調整が楽だと思われる。コアの位置はブリッジに近い側ほどクリチカルで、出力コネクタの近くは動かしても余り変化はない。

◆ GND側の方も同じくブリッジに近い側のコア位置に対して特性が大きく変化する。線の長さも何種類か作ってみたが写真位のものと位置がちょうど良かった。
厳密に言えばコアの中の線の位置でも特性は変化する。
コアが下の基板にくっついた方が良いのかどうかも微妙な所で線長の中でのコアの位置、線自体と基板の間隙などで特性は変わる。

◆ 使用周波数帯を1GHz以下とするのであればコアの位置はまた別のものとなり、SWR=∞の時とSWR=1の時のレベル差も50dB程度取れるし特性もフラットに出来る。
しかし3GHzまでバランスを測ろうとすると特性をフラットにする事はなかなか難しい。コアの位置によっては共振風のディップ点が出たりするのでそもそもコアの数が足りないとかコアと線の間にギャップがあるのがいけないとかの構造的な問題があるとも思われる。

◆ しかしこのタイプのブリッジを作ってみて同軸ケーブル長やコアの数、GND側の線の太さやコアの数、そしてGNDに接続するポイントを調整すればさらなる特性の向上は十分可能ではないかと思った。今回はコアも10個しか無かったのと1時間ほどいじったに過ぎないので特性を追い込むという所までには達していない。

◆ 特性的にはフラットを目指したのだが、その目的も達成半ばという感じ。もっとフラットにする事は出来るのだがバランスが悪化してしまう。画面は0-3GHzまでを観測していてセンターは1.5GHzである。水色の線がSWR=∞の時で0〜3GHzで±5dB程度に収まっている。黄色の線がSWR=1の時で1.5GHz付近で40dB取れているが300MHz付近では35dB程度まで悪化する。また3GHzでは25dB程度しか取れていない。

◆ 500MHz以下の特性を改善するにはコアとGND銅箔の隙間を調整すると共にコアに銅板を被せてシールドすると良くなる。銅板を近づけながら実験すると1.5GHz以下がほぼフラットに出来た。1GHz以下のみを重視するならコア位置を変えるのが手っ取り早いが、その代わり3GHzでは10dB程度しか取れなくなってしまう。
現状のコア、現状の配置でシールドその他の細工もない状態ではなかなか特性はフラットに出来なかった。


M氏の婚活(11/4)
◆ 婚活パーティに取材が来ていたという話を聞いた。TV番組ではなくニュースの時間の特集コーナみたいな所で紹介される映像は見た事があるが、そんな類かも知れない。
パーティ自体は撮影に関係なく進むそうで、その中に被写体として役者さんかエキストラみたいな人が混じるような感じだったという。

◆ パーティは撮り直しが出来ないので男性の役者も女性の役者も都度スタッフと打ち合わせをしながら録っているそうだ。放送される映像はあたかもそこに参加した人を追っている風なのだが、実際には台本通りに進行しているというわけだ。
全てが仕込みではないかも知れないが、少なくとも撮影の許可などもその人に対して取らなければならないので打ち合わせがある事は確かだ。

◆ 番組によってはその人の私生活部分にまでカメラを入れる場合があるので、仕込みでないと難しいのかなと思う。それが役者さんなのか一般人というかパーティ参加者の一人なのかは分からないが、打ち合わせをして撮影している次点でどちらも変わらない。

◆ パーティ屋の方も商売だしパーティ屋自体がサクラを混ぜ込む事だってあるのだから放送されて宣伝になる事を考えれば嫌とは言わない気がする。まあ参加者の方は自分が映ってしまうのではないかと不安に思う人がいるかもしれない。
だからと言って参加者全員をエキストラで揃えるには金がかかる。いくらアルバイト代の安いエキストラだとは言っても数が多いと負担が大きい。

◆ TV曲も最近では徹底したコストダウンを行う。従来は何人かのスタッフで録っていたものを一人で行うなど経費の節約をしている。
エキストラではなく役者を使えば更にコストが嵩み、なのでいかにも素人さんの風景を撮った的な番組が増えてくるのも致し方ない所だろう。

◆ スーパーマーケットの安売りに群がる人の映像だとか詰め放題で頑張る主婦風の人の画にしてもちゃんとスタッフを揃えて映像を作るらしい。まあ全てが作り物と言う事ではないのかも知れないが、スタッフを使わないと台詞にしても何にしてもスムーズに行かなかったり気の利いた事を言ってくれなかったりする。それで何度も録り直しをするのなら、最初からスタッフを準備した方が短時間で済む。

◆ 素人さんを使うにしても、ただそれを録っただけでは番組にはならないので、その番組の趣向に合わせた演技というか動きをして貰う。
若い人だとTwitterだとかで拡散してしまうが、中高年だとそういうケースも少ないので使いやすいのではないだろうか。婚活パーティに関しては、どちらかというと婚活中である事を隠す傾向にあるのでTV録画部隊が入っていたとしても外部に漏れにくい。

◆ そういった意味では番組作りもなかなか大変だと思う。
情報の伝達速度が速くなった現在では、それこそ24時間TVのマラソンにしても何にしても誤魔化しが利きにくくなってくる。走るコースを公表すれば遠藤に見物客が来るだろうし、そうなると中抜きが出来なくなってしまう。

◆ 以前に鉄腕ダッシュ(番組名)のソーラ軽自動車が太陽光とその充電だけで走っているにしては走行距離が伸びすぎる話を書いたが、まさにそうした誤魔化しが出来なくなってしまう。


周波数(11/3)
 OCXO(恒温槽入り基準発振器)の入った2台のESG-D、アジレントのSGの周波数を比較してみた。このSGの周波数短期安定度は±0.0005 ppm/dayである。
SGの出力周波数を3GHzにした時の2台の周波数誤差は約0.023ppmだった。3GHzにおける周波数の差は約70Hzという事になる。

 絶対周波数の測定が出来る環境にないのでどちらのSGがより正しいのかは判別できない。OCXOだから絶対安定というわけではなく数時間観測を続けると相対周波数差は0.4Hz程度変化した。これは約0.0001ppmに相当する。
周波数カウンタで測れば0.1Hzでも0.01Hz単位でも表示できるが周波数カウンタの基準もドリフトしているはずなので絶対精度は不明だ。校正された測定器でも校正から時間が経てば基準発振器は経年変化を起こす。

 今回は2台のSGの周波数差を見るので双方の信号を合成してビートを観測した。両方のSGの信号をミキシングし、それが位相差ゼロで安定していればミキサのIF出力はDCになる。位相差ゼロでも位相ノイズの分の雑音は出てくるのだが出力をLOGで見ているわけではないので気になるものではない。

 OCXOは発振回路自体に周波数補正をかけているわけではないのでノイズが少ない。TCXOの場合には必ず制御雑音が入るので信号純度が悪化する。基準発振器の信号純度が悪化すればSGの出力の信号純度も悪化する。なので周波数安定度よりも信号純度を重視してTCXOオプションを選ぶケースもあり、SGによっては仕様の雑音特性が基準発振器で異なっている場合がある。

 正確な周波数はルビジウムやセシウム基準器を使わないとよく分からない。アナログテレビ時代には3.579545MHzのカラーバースト信号から基準を作る、比較的安価な周波数源も売られていた。現在だとGPSにロックさせる基準周波数発振器もあるがビルの中などではアンテナを窓の近くに持って行くなど使い方に制限を受ける。
GPS衛星は高速で飛んでいるので周波数は下がって見えるしドップラによるシフトもある。

 ルビジウムやセシウムに関しては以前にも書いたが寿命があるので、それを基準に調整した二次標準を使う場合が多い。これにはOCXOなどが使用される。
正確な周波数を扱う必要のある企業だと、周波数関連測定器には全て一つの基準からクロックが供給されている。測定器の台数が多いとその分配機やら何やらで結構ごちゃごちゃする。が、全ての測定器の位相が揃うので測定には何かと都合が良い。

 アマチュア用の無線機でも今は基準にTCXOを使うのではないだろうか。周波数が低ければ絶対誤差周波数は小さくなるが、例えば1GHzで20ppmの誤差があれば20KHzの差になってしまうので隣のチャネルに近づいてしまう。一般的な水晶振動子は0℃〜50℃で20ppmかそれ以上の偏差があるのでコスト最優先でもない限り使えない。
以前にも書いたように周波数にしろ何にしろ絶対値を求めるのは容易ではない。Hz単位の精度で良ければ以前にあったような短波帯のJJYなどが使えたのかも。
そこでGPS基準で周波数を測ってみるというお話はblogの方に書いている。

 SDRなどで周波数分解能を上げてみると業務局などでも周波数がそこそこずれているのが分かる。勿論基準内には入っているのだが、これがTCXOなどの誤差というわけだ。ディジタル変調だと誤差を見にくいというか、見る機械さえあれば正確に誤差を判定できるのだが普通はそうではない。アナログ変調信号ならば無変調時のキャリア周波数を測ればすぐ分かる。


マルチコプター(11/2)
◆ ヘリコプターやマルチコプターのコプターって何だ?そもそもヘリコプターの語源は何なのか。と調べてみるとらせん+翼のherixとpteronから来ている説が有力のようだ。綴りの正確性はよく分からないがherixがhericだったり、pteronではなくopterと書かれているものもある。

◆ 何となくヘリ・コプターな訳なのだが、実際にはヘリコ+プターの方が正しいのかも知れない。まあ今となってはヘリ+コプターなのだからそれで良いとも言えて、ヘリポートとは言うけれどヘリコポートとは言わない。
マルチコプターがマルチ+コプターなので、コプターは語源であるpteronが変化した部分、つまり回転翼を示している。

◆ 空撮用マルチコプターはラジコンなので電波が届かなくなると操縦できなくなる。プロの空撮屋などは高出力の送信機(当然電波法には違反している)を使うそうなのだが、2.4GHz帯を使う事が多いので、その周波数でパワーを出せば操縦不能となる。
マルチコプターには様々なセンサが付いていて、操縦波が届かなくなるとホームポジションに帰還する制御が働く。

◆ センサはGPSを基本とするが、気圧センサや画像センサなどを使って帰還を目指す。ここで偽のGPS信号を入れると本来とは違った場所に帰還してしまう恐れがある。画像も制御に使うのだが、多くは移動速度などを計測するための補助的なものであり移動経路の画像をそっくり覚えているわけではない。
従って多くの場合は操縦波とGPSの妨害のみでマルチコプターは風に流されていく事になる。

◆ その状態でも静止制御が働けばGセンサを元にしてその場に留まろうとするかも知れないが、この辺りは制御部の作りによるものなので何とも言えない。
物理的に打ち落とすならば矢にビニール紐でもくくりつけて撃ち放てば落ちるかも知れない。電波の妨害はそうではなくマルチコプターごと誘拐する方法である。
制御を乗っ取る事は難しいだろう。固有のIDや暗号化が行われていると考えられるし制御のコード自体も独自かも知れない。

◆ その点通常のラジコン、特にFM変調を使ったものであれば簡単に制御を乗っ取る事ができる。FMは弱肉強食なので強い電波を出せば弱い電波はブロックされる。2.4GHz帯を使ったものだとIDの概念があると思うが、それ以外のラジコン周波数帯を使ったものなら乗っ取りは簡単だ。

◆ マルチコプターは自重が比較的重いので墜落すると危ない。
安全性と信頼性がホビーレベルの機体よりも高くできているとは言っても、だって実機だって墜落するではないか。
墜落事故や故障などは結構起きているらしいのだが、TV局自身が使っている装置だけに事故や故障の報道は殆どされないのが現状だ。ただ今後マルチコプター空撮が更に一般的になってくると安全性のために何らかの規制が行われるかも知れない。

◆ 撮影機材を乗せたマルチコプターの質量が20kg以上にもなると言われるので、それが降ってきたら大事故になる。また有名観光地などで空撮を試みたいと思う人や団体や企業もあるだろうが、その観光地の観光用の建造物などにぶつかって破壊する事だってあると思うし、学校の運動会にマルチコプターを持ち込む父兄が増えてくれば空中衝突の危険性も高まる。そしてこういった輩は規制した所で「他の人もやっている」「少しなら良いと思った」とくだらない言い訳をする人種でもある。


福島問題(11/1)
◆ 原発事故被害に関しては余り報道されなくなってきているが、現場は色々と大変なようだ。事故当初から懸念されていた小児甲状腺がんの疑いのある児童は100人を超えている。手術を受けた人もおそらくは今の時期だと100人に達しているのではないだろうか。手術を受けた子供達の中の甲状腺ガン率は98%だとのデータがある。
公表では「〜疑い」などとしているが、その疑いの率が98%なのだから疑いなどとは言えない。

◆ 甲状腺ガンの発生率は地域によってばらつきがあるが発生率の高い地域では人口比で0.3%を超える。ガンの発生率は時間が経つごとに増加していて2013年末には県内人口比0.027%だったものが半年後には0.035%になった。この比率は人口比なので小児人口比だともっと大きな数になる。

◆ こうした事が大きなニュースになると原発再稼働にも問題が出てくる。まき散らされた放射性物質の除去も余り進んでいない。人手が足りないとか予算が足りないとかと言い訳をしているが、その予算を流用してしまったのは自分たちの仲間の公務員ではないか。その公務員の給与も一時期減らされていたがさっさと元に戻された。

◆ ガン治療に当たる医師は子供の体に手術痕が残る事を気にしている。勿論命を助けるための傷だから仕方はないのだが原発事故がなければ、あるいは避難が早ければ回避できた傷かも知れない。山側に方にしても盆地は相当な期間線量が高かった。
山から風が吹けば山に堆積した放射性物質が町にやってくる。

◆ 計算してみたわけではないが予算の流用がなければ相当な人数を避難させる事が出来たのではないだろうか。勿論今更避難させた所で今後のガン発生率が低下するとは考えにくい。被害者が賠償を求めても結局それは国民が払う事になるので、公務員の知った事ではない。時が経てば誰が責任を取るわけでもなく全国民がそれをかぶるだけだ。

◆ これは健康保険や年金流用にしても同じで、金は使った方が勝ちという訳だ。責任を追及した所で罪のなすりつけ合戦しかできないのだから、全公務員に平等に責任を取って貰うのが良い。ある企業でもそのグループの中の一人でもミスをすれば全員がペナルティを受けるシステムになっている。こうする事でお互いにカバーしあってミスをしなくなるわけだ。

◆ その全く逆なのがソフトバンクグループであり、自分が目立つために他人の失敗をカバーしない。それが利用者に不便を与えようが、そうする事でその担当者や担当部署が失脚する事を狙う。他人を蹴落とす事で自分が目立つ事が出世への近道というその社風に戸惑いを感じたというのが、傘下になってしまった企業の従業員だ。特にある程度のポジションになると露骨な争いが起きると言い、それに嫌気が差して退職した人も居る。

◆ 孫さん的には優秀な人材だけが集結すればいいと考えているのかも知れないし、個人競争によって個人が成長するのも事実だとは思う。しかし成長の手段に利用者の不便性が使われるのは正しくはない。公務員的最右翼も困ったものだが、ソフトバンク的最左翼も焦点がぼけている感じがする。まあソフトバンクの場合は民間企業なので、嫌なら使うな、嫌なら製品を買うなと言う話ではある。これがドコモのような巨大組織となれば社会的影響が無視できないが、幸いにしてSBMにしても大手に続く存在でしかない。