嬬恋(2)

その物件は売り出されていたものでは無かったのだそうだ。
たまたま立ち寄ったその別荘地内でその物件を見つけ、別荘地の管理事務所で不動産屋を調べて連絡をしたという。

建物は比較的綺麗だったが敷地内には草も生えていて、余り使っていないような雰囲気だったそうだ。

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毎年別荘に来ていれば草を刈ったりすると思います。
でもその別荘の土地は荒れていて、玄関の辺りにも駐車スペースも草だらけでした。
もしかしたら売りに出されている物件かも知れないと、不動産屋に聞いてみました。
不動産屋には、まだ公開で売りには出ていないが売却価格その他を調整中だと言われましたので、詳細が決まったら教えて下さいと言いました。
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不動産屋から連絡が来たのはそれから約1ヶ月後、別荘は3年ほど放置状態だったそうだ。
オーナは現在の様子も見ていないし、家具なども置きっぱなしなので値付けに困っていた。
オーナから任された不動産屋が現況を調べて室内などの写真を撮り、一般的売却価格から家の中のものの処分費用や庭部分の除草その他のコストを引いた価格で値が決められた。
建物は築30年で10年ほど前に屋根は塗り直されているそうで、雨漏りなどはない。
湿気の関係で一部床下が腐っている部分があり、その補修費用が値引きされた。
その提示価格が「思った以上に安かった」という。