過去の雑記置き場
VC
リニア工事と水涸れ問題(3/2)
◆ 2024年に問題化した岐阜県の地下水位低下問題は未だに解決の目処が立っていない。この件は過去にも書いているのだが、リニア新幹線のトンエル工事で地下水位が下がり、井戸がれや地盤沈下が起きている。
◆ JRは当初はトンネル工事による地下水の流出はないとしていた。周辺は花崗岩に覆われていて地下水は花崗岩で遮断されていると考えたそうだ。しかし実際には花崗岩は一つの固まりではなく、枝分かれするように亀裂が入って地下水が通っていた。
◆ そこを掘削したので地下水がトンネル内に流れ込んだ。ここで工事を中止すれば被害は少なかったのだが、JRによると"軟弱地盤のため工事を中止するとトンネルが崩壊する恐れがある"として工事を続行した。この時点で花崗岩盤説はどこかに行ってしまい、軟弱地盤化している事が分かったわけだ。
◆ 工事が進むと急激に湧水量が増え、付近の井戸涸れや地盤沈下が顕著になった。それから約3ヶ月してJRは住民への説明を行った。詳しい調査には金がかかるので調査は行わない事、水は代替井戸などで何とかするから他の件に関しては我慢して欲しいというような事だった。
◆ JRはトンネル周囲への防水剤やコンクリートの注入を検討したようだが、成功率が低い事や大量の湧水でトンネルが壊れる恐れがあるとして中止した。もしも湧水が減少すると、本来流れるべき湧水が他の場所に集中してトンネル内に流れ込む恐れがある。また湧水を減少させると地下水位が上昇し、トンネルにかかる圧力が上がる。いずれもトンネルを守る為には住民に泣いて貰うしかないと言う事だ。
◆ 岐阜県環境影響評価審査会がJRに対して地下水位の回復はどう考えているのかと質問したのに対して、静岡県の大井川の例のように地下水をくみ上げて元に戻す事や地下に遮水壁を接地する案もあったと言うが、いずれも技術的難易度が高く現実的ではないとされたという。
◆ 住民は「JRは一時金を渡して済ませようとしているが、事の本質の解決にはならない」として反発している。井戸涸れは現在も何も変わっていない状態で、地下水位は工事前より60m程下がっているそうだ。岐阜県環境影響評価審査会は、地下水位が下がるのは早いが回復には相当な時間がかかるという。おそらく工事が中止されたと仮定しても、地下水位回復までには10年単位の時間がかかるのだとか。
◆ 地盤沈下は10cmほどで現在はさほど変化していないそうだ。変化の激しいところでは1ヶ月で平均1cmほど地盤が下がったという。これは地下水位が安定したので地盤沈下が収まったと見られ、工事が再開されれば又地盤は低下する可能性がある。JRは当然ながら工事を中止するとは言っていない。工事が中止されて地下水位が上がると地盤も上がる(浮く)可能性がある。
◆ リニア工事に関してはコースありき、ルートありきで地盤調査などは工事の可能性を最大化するようにデータがメイクされたのではないだろうか。地下水位や地下水量などは調査で分かる訳なので、当然トンネル工事前には湧水が多いであろう事は分かっていたと思う。しかしそれを言ってしまうと工事に反対されるので、問題が発覚するまでは問題がない事にして掘ってしまおう的な、乱暴な工事だったのではないのかな。作業員の犠牲も厭わないみたいな昭和の工事の延長線みたいな。
電力利用効率を上げていく(3/1)
◆ UPSに関して何度か書いているが、UPS自身も当然電力を消費している。ウチではUPSを増設していった関係で複数台のUPSを使っているのだが、電力利用効率としては余り良くない。500VAのUPSの内部消費電力が20Wだったとして、では1.5kVAのUPSが60W食うかというとそんな事はない。同じような方式であれば内部消費電力も同等になる。
◆ UPSの内部消費電力は仕様に明示されている事が多いが、家庭用のUPSでは書かれていないものもある。業務用だとUPSの消費電力も計算に入れた電源設計や熱設計が必要なので、仕様に無いと困ってしまう。APCでは同じ品番のUPSでも家庭用向けの仕様には書かれておらず、事業所用の仕様書には書かれているみたいなものもある。
◆ サーバや電源類は発熱するので、サーバルームの冷房は結構大変だ。最近は大型計算機は液冷になっているので部屋全体の空調は楽になったが、空冷時代は冷房電力が相当必要だった。携帯電話基地局も今は自然空冷で動作するシステムが増えたが、PDCの頃は相当な熱を発生していた。
◆ 冷房と言えばエアコンの2027年問題と言われ、効率の低いエアコンの販売が制限される。家電店などでは2027年になると安価なエアコンがなくなるので早く買い換えましょうと煽る。買い換えないと法律に違反して、最大100万円以下の反則金を取られると嘘を書く通販店もある。罰金が科されるのは基準に適さないエアコンを製造販売したメーカであって、それを使用する個人ではない。
◆ 2027年になると高効率エアコンがお得ですと言って売り始めるに違いない。今までよりこれだけ効率が上がって、これだけ電気代が節約出来るのに、価格は今までと余り変わりませんと。まあ実際には付加価値分の値上げはあると思うのだが、販売店や怪しげサイトが書くように価格が3倍とか4倍になる理由はない。
◆ 効率化を低コストで行うには制御の見直しだ。基準はAPF(Annual Performance Factor)、通年電気消費量なので、制御の見直しで効率化が出来る。これは製造コストは余り変わらないが開発費がかかる。制御以外ではコンプレッサやインバータの効率化だとか、熱交換器の最適化がある。これには製造コストや部材コストが絡むのでコストに影響する。
◆ ではそのコストが2倍にも3倍にもなるのかと言えばそれは又別に話だ。高価格帯のエアコンは付加機能があるから価格が高くなるわけで、逆に高く売るためには付加機能が必要になる。効率が良いだけでは消費者が買ってくれないのは、効率改善分の電気代で高価格エアコンが買えないからだ。
◆ 10年前のエアコンと今のエアコンでは年間の電気代が1万円違いますと言われたところで、その高効率エアコンが20万円したのでは得にならない。このあたり、ハイブリッド車で燃費が良いと喜んでいる人と、電気代を計算する主婦の感覚の違いだ。勿論ハイブリッド車にしてもエアコンにしても付加機能だとか目新しさだとかがあるので、ランニングコストが全てではないよと言って売ろうとするわけで、車にしてもエアコンにしても買い換え時期に合致すればそれを選べば良い。
◆ ただ無理に買い換える事もないし、ましてや2027年以前に急いで買い換えましょうというセールストークに乗る必要もない。価格競争が起きて高効率エアコンの値段も安定してくる筈なのと、より高性能化が進む事になる。
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