光るアンテナを自作する


秋葉原などに行くとLED付きのアンテナや、アンテナに付けるモノを売っている。
結構良い値段だ。
別のページでも紹介しているが、原理は単純。
送信電波を検波して、LEDを光らせているだけだ。
もっとハイパワーの送信機なら、家庭用蛍光灯に近づけただけで蛍光灯は点灯するはず。


簡単なものなので、ちょいと作ってみた。
デジカメでは色が良く出ないが、赤と緑が分かるかな?

ちゃんと光ってるでしょ!勿論無電源だ。
PDCやアナログ携帯なら問題なく光る。
アンテナから1cm程度離しても、暗くはなるが光っている。
残念ながらPHSでは光らなかった。
これに関してはそのうち対策を考える。
PHSの場合は、PDCの1/10の(スロット内平均)出力だから無電源では厳しいかもしれない。
おまけに、アンテナ的外観では有っても内部で配線されていないモノもある。
釣りの時に使う「浮き」用電池でも使えば出来るかも知れない。


さて、実際に作った物がこれらだ。
方式は二つ。
集中定数回路でPDCの周波数に共振させたモノと、分布定数回路(アンテナ)で高周波を拾うタイプ。
分布定数の方は、アンテナにかなり接近させないと十分光らない。
メリットは小型であることか。
LEDも大型/小型/チップと色々作ってみた。
高輝度LEDってヤツは、やっぱり明るい。
検波用ダイオードも数種類使ってみたが、どれも似たようなものであった。


この中で、線の付いていない2つが集中定数回路のモノだ。
他は線をアンテナとして使っている。
線の長さは、共振させるに越したことはないが結構短くても点灯する。


このままじゃ格好悪いから、ボールペンのキャップやアクリルパイプの中に納めることをお勧めする。
いらないアンテナがあったら、先を加工して内蔵することも可能かな?セロハンテープでパイプを作って、エポキシ接着剤と一緒に流し込んで固まったらセロテープを剥がす。
すると、筒状の光アンテナ完成だ!エポキシに色を付けたかったら、ペンキや絵の具を混ぜればよい。
強度は低下するが接着に使うわけではないから良いと思うよ。
デコボコは、サンドペーパで仕上げれば市販品に負けないデキになるはず。
みんなもガンバってくれ!

自作する人のために、回路図を書いてみた。




一番上は最も簡単で確実なタイプ。
アンテナはループ状でもコイル状でもかまわない。
携帯のアンテナのさきっぽ(太い部分)に2回ほど巻けば十分光る。
ショットキダイオードは入手できるモノなら何でも良い。
1SS16/1SS27....ただし、電源整流量のヤツはダメだよ。
高周波ミキサ用とか,小信号用のものにしてくれ。
LEDも自分の好みで選ぶ。
高輝度タイプがお勧めだ。


二番目は、倍電圧整流してPHSのパワーでも光るタイプだ。
ただし、アース(グランドプレーン)が必要なのが欠点か。
グランドプレーンの面積だが、2平方cm程度は必要だと思われる。
倍電圧整流するために、コンデンサ/ショットキダイオードとも2個必要だ。


三番目は、L/Cで共振させるタイプ。
チップコイルを使えば、非常に小さくできる。
ちなみに、下の写真は3.2mm×1.6mmのチップコイルを使ったモノ。
更に小さな、1.6mm×0.8mmのコイルもあるからお試しあれ。


これで、チップコイルの裏にチップコンデンサとチップダイオード、LEDが組んである。
アンテナタイプと比較すると、光り方は弱いものの小ささが魅力だね。
共振周波数の計算式程度はご存じだろうが、4.7nHのコイルと7pFのコンデンサを使用すると、860MHzあたりに来るはずだ。
(浮遊容量含む)この場合のコンデンサは、チップが良い。
リード付きの場合は、このリードを使って共振させるようにする。
チップコイル+リード付きコンデンサでは、コンデンサのリードが持つインダクタンスが無視できなくて、チップコイルの意味が無くなってしまう。


各回路の100pFのコンデンサは、平滑用(&カップリング)だ。
周波数が高いから小容量で十分なのだ。
大は小かねるだろう..と、余りデカイ容量のコンデンサはお勧めできない。
高周波特性が重要だからだ。
800MHzを超える周波数では、電解コンやフィルムコンは全く役に立たない。
セラミックコンデンサでも自己共振やら何やら有るから、100pF程度にしてくれ。
ショットキダイオードは、数種類実験した結果余り差は見られなかった。
1SS16でも1SS27でも好きなものでよい。
(繰り返すが、高周波用に限る)

LEDってヤツは、加える電圧が2V程度までは電流が流れない(光らない)従って、光らせるためには2.5V程度の電圧が必要になるわけだ。
電流は..1mA程度流すと光っていることが確認できる。
数mA〜20mA(品種による)で、最大輝度に達するはずだ。
本来なら、電流制限用の抵抗を入れるべきかも知れないが..まあ良いとしよう。
PHSなど小電力で光らせるには、LEDに予めバイアスをかける手もある。
「1」の回路を例に取ると、LEDと直列に1.5Vの電池を入れるわけだ。
「2」の回路のグランドプレーンがイヤな人は「電池付き」に挑戦してみるベシ。


LEDの代わりに、アナログメータを付ければバッチリ振れるぞ。
これならPHSでも大丈夫だ。
ただ、近くで強力な電波(違法CBとか)を出されるとメータが壊れるかもね。