APC 1500RM


APCのラックマウント型UPSである1500RMを導入したことはblogにも書いた。
http://www.fnf.jp/mt421/fnf-search.fcgi?IncludeBlogs=1&search=UPS%28
ネットワークインタフェースカードも取りつけたし、これにあわせてapcupsdも書き換えた。
この1500RMの状態表示を見てみると(そしてそれが正しいと仮定するならば)バッテリは既に数年使われていることになる。
SU1400の記事でも書いたようにAPCのUPSはバッテリがもたない。
SU1400は充電終止電圧を下げるように改造したのだが、1500RMは今の所改造ポイントが発見できていない。

1500RM導入によりSU1400で使っていたバッテリが不要になった。
このままUPSに入れておいてもやがて寿命を迎えるだけだろうし、だったら1500RMにつないでしまうか。
バッテリラインの太い線を延長してコネクタ(APCのバッテリ用コネクタはオスもメスもない)を取りつけ、そこにSU1400で使っていたバッテリを取りつけた。
このバッテリは約1.5年間SU1400で使っていたものだが、充電終止電圧を下げると共に筐体外にバッテリを出すことによって温度上昇を避けた。
従って希望的には「余り傷んでいない」と思いたい。

APCのUPSはバックアップ時間のキャリブレート機能がある。
バッテリの満充電状態からUPSを動作させ、バッテリ電圧の推移からバックアップ時間を構成するという機能だ。
これでバッテリの状態を測ってみようと思った。

まずは何もキャリブレートしていない状態での推定バックアップ時間を見ると、約130分となっている。
サーバやルータなどの負荷は合計で100W程度、力率を考えて(APCの予想力率)140VA程度ではないかと思われる。
ちなみにUPS自信の消費電力の20Wを加えた入力電力は、電力計による計測で117Wとなった。
APCのステータスによる負荷は約7%であり、1500Wの定格に対してだと100Wに換算できる。

APCの資料によれば70W(100VA)負荷時のバックアップ時間は163分、140W(200VA)負荷時で90分とある。
オリジナル状態でのバックアップ推定時間の表示は約130分だ。
キャリブレートすれば変化するのだろうか。



キャリブレーションモードにしてUPSをバッテリ動作させ、バックアップ残時間とバッテリ電圧をMRTGでグラフ化したのが下のものである。
一番上は内蔵バッテリ(12V9Ah×4)+外部バッテリ(SU1400に使用していた12V20Ah×2)で動作させたものだ。
キャリブレート前の推定バックアップ時間もキャリブレート後の推定バックアップ時間も差がない。
というか、そもそも計算によればバックアップ時間は300分を超えるはずなのにおかしい。





ならばと言うことで外部バッテリのみの接続にして再度テストを行った。
これが2番目のグラフなのだが、確かに内蔵バッテリを接続した時よりはバックアップ時間が減っている。
バックアップ時間の減少率も大きいしバッテリ電圧の降下速度も速いし、充電時間も短い。
しかし推定バックアップ時間は130分程度と全く変わっていない。

内蔵バッテリはかなり容量が低下しているらしい事が分かるが、一応内蔵バッテリのみでもキャリブレートしてみる。
外部バッテリ使用時にキャリブレーション終了までの時間は約100分だったが、内蔵バッテリではこれが約40分へと減少した。
ちなみに内蔵バッテリ+外部バッテリでのキャリブレーション終了までの時間は約150分である。
ならば内蔵バッテリのみだと50分なのかと言う事だが40分(一番下のグラフ)だった。
これはバッテリ総容量が多いほど放電負荷が軽くなるので持続時間は伸びるからだ。


バッテリ電流を計ってみると5.8A〜6.1Aあたりだった。
平均6AはこのUPSとしてはバッテリ負荷は軽い状態だと言える。
何しろ負荷率は7%なのだ。

バッテリ公称容量はおそらく20時間放電率であると思う。
20時間で20A、つまり0.05C放電で20Ahと言う事だ。
GSユアサのページでUPS用途のバッテリ特性を見ると、6A放電つまり0.3C放電時の容量は公称容量の8割程度ではないかと思う。



GSユアサでもAPC用途ではないバッテリは高率放電特性が悪いのだが、それでも公称容量の6割以下と言う事はないだろう。
秋月バッテリの詳細は不明だが、これも最低6割はあると思う。
だとすると外部バッテリである秋月で買った20Ahのバッテリの0.3C放電による容量は12Ah程度となり、6A放電で2時間のバックアップ時間は妥当だ。
ちなみにキャリブレーションモードにおいてはギリギリまでバッテリを使う設定ではなく、ある程度のところでキャリブレーションが終了するのでその終了までの時間が(計測の結果だと)90分なのだ。
おそらくギリギリまで使えばあと30分は保持できると思われ、ほぼ計算値通りと見ることができる。


バッテリ総容量を変えてキャリブレートしても、推定バックアップ時間が変わらないというのはどういうことだろうか。
UPSの設定の「外部バッテリを接続した」項目にチェックを入れないと、より長いバックアップ時間を計算してくれないのだろうか。
つまりは、あり得ない容量のバッテリが接続された状態とUPS側が判断している可能性がある。
確かに傷んだ内蔵バッテリのみでキャリブレーションするとバックアップ時間推定値は62分に減少する。

そこでUPSの設定を、外部バッテリ接続モードに変更してみた。
といっても傷んだ内蔵バッテリなので外部バッテリ(外部バッテリは内蔵バッテリより大容量)を接続した状態にはほど遠い。
しかしこの設定でバックアップ時間の推定値は180分となり、50分間だけ増えた。



MRTGでみたキャリブレートの様子がこれだ。
横軸は時間(経過時間)で縦軸がバックアップ推定時間である。
内蔵バッテリのみでキャリブレートするとバックアップ推定時間が40分程度となる。
そこで外部バッテリモードをEnableにすると(キャリブレートしなくても)推定バックアップ時間が140分程度まで延びる。
この状態でキャリブレートするもバックアップ時間はたいして伸びず、これは推定バックアップ時間と実際のバックアップ時間の乖離が激しく途中でキャリブレートシーケンスが終わってしまったための誤差ではないかと思われる。
そこで再度キャリブレートを行うと、今度はバックアップ時間が180分となった。
これにより言えることは、標準バッテリ以上の容量のバッテリ(社外品の大容量品なども含む)を使用する場合は、外部バッテリモードをEnableにしないと標準バッテリによる推定バックアップ時間の上限以上にはならない事になる。

ここで内蔵バッテリが寿命に近いと言う事は分かった訳で、交換の日も近いと思う。
従来の例からするとダメになったバッテリは内部ショートに近い状態になって過大な電流が流れ発熱する。
現状では外部バッテリを接続しているので内部バッテリを切り離してしまっても良いが、どうしようか。

バッテリサイズは約151×65×95mmであり、非純正バッテリは以下のものが流用出来る。
【秋月電子通商】
9Ah WP1236W 2,500円
8Ah WP8-12 2,450円
7.2Ah PXL12072 4,200円
※純正品の容量違い、純正品はPXL12090で9Ahと推測される。
PXLバッテリの期待寿命は6年だが、APCでの期待寿命は2.5年程度、充電電圧が高いためか?

【サウンドハウス】
9Ah UPSB9AH 1,500円
8Ah UPSB8AH 1,500円