バッテリは回復するのか


このUPSのバッテリを交換したのは5年以上前だった。
APC製と違ってバッテリに優しいOMRON製ではあったが、さすがに5年の月日が変えたものは彼のまなざしと私のこの髪、は、竹内まりやさんだったか。
いや、あれは2年か。
まあとにかく5年という月日は長いもので、鉛バッテリ内部では何かが起こっているのだろう。
まずはDC的なテストをしてみる。
15Vほどを印加すると40mA程度の充電電流が流れて、当然端子電圧は15Vになる。
充電器を外しても解放電圧は13V程度であるが、12V/3Wの電球を接続したら端子電圧は5V程度にまで下がってしまった。
内部抵抗がものすごく高くなっているわけだ。
もしもこれのように内部の電解液が抜けてしまっていれば助からないと思うが、サルフェーションであれば何とかなるかも知れない。
サルフェーションは鉛バッテリの宿命でもあり、これを落とすことによって機能を回復させた再生バッテリも売られている。
サルフェーションを取り除く方法はいくつかあるようだが、特別な薬品なども使わずに非分解で行くとなればパルス印加法だろう。
パルス印加がどのようなものであるかはこちらをご覧頂きたいが、このパルス印加機が結構な価格で売られていたりする。
一体どの程度のパルスを印加すればいいのか?色々調べてみると余計分からなくなってきた。
繰り返し周波数は1kHzあたりが良いというものから、いやいや10kHzが良いのだというものなど色々なのである。
色々だと言うことは何でも良いという事かも知れない。
まずはTrのスイッチング速度などのこともあるので、周波数10kH
の信号でデューティー1%のパルスを作ってみることにする。
クロックは普通の発信器を使う。

これをクロック源としてデータゼネレータを駆動し、デューティー1%の正パルスを作る。

データゼネレータの出力はロジックレベルなので、抵抗を介して2SD1416(パワーダーリントンTr)のベースに接続する。
2SD14116のエミッタはGND、コレクタはバッテリのマイナス端子へ。
バッテリのプラス端子は電源に接続する。
電源電圧は50Vにしようとおもうが、まずは少し下げてパワーオン。

上が2SD1416のコレクタ波形、下がベース(データゼネレータの出力)波形だ。
コレクタ波形の上昇が遅いのは電源の電圧ドロップが原因だ。
50Vを加えたときの電流が、電源のリミットである300mA以上なので電圧降下が起きる。
それが徐々に回復しているところが観測されているわけだ。

TrのON部分を拡大するとこんな感じ。
このときの電源電圧は50Vなので、TrがOFFした直後のバッテリ電圧は高く見えるのは電源電圧がドロップしているからだが、約1000μFの電界コンを入れたのでかなり改善された。
瞬間的な電流はコンデンサがまかなってくれるというわけである。
この状態ではパルス幅は100μS(10KHz)で繰り返し周波数が10mSだが、もっと繰り返し周波数が高く出来そうなので色々いじってみる。
周波数を高くした方がコンデンサの効きも良くなるわけで有り難い。

電流は平均電流で70mA弱になっている。
デューティから計算すると7Aのピーク電流かと言うことになるが、電源の容量からして300mA程度しか流せない。
で、最初は電圧ドロップの波形が観測されたわけだ。
そこで電源の出力端子に1000μFの電解コンデンサを入れ、瞬間的にはそこそこ電流が流せる状態になったと思う。
何しろコンデンサを電源の端子に接触させるとバチバチ火花が飛ぶくらいなのだ。

これでは繰り返し周波数が100Hzでしかないので、徐々にパルス幅を短くしていく。
ディーティも1/500として電流を押さえることにした。
バッテリの定格容量は8Ahなのだが、長時間パルス印加をすることを考えると平均70mAは大きいのかなと思ったわけだ。
結局Trのスイッチング時間などを考慮してこの程度とした。

ONパルスが10μS(ダーリントンTrなのでこの辺りが限界)でデューティーが1/500といったところ。
電源に接続したコンデンサを外すと電源電圧のドロップが顕著になる。
コンデンサには火花が散るほどの電流が流れている。
コンデンサが暖まるかなと思ったが、今のところは大丈夫そうだ。
デューティーを1/500に設定したときの電源の平均電流は約20mA、と言うことはピーク電流は10Aも流れていることになるのか。
と言うことで、Trのエミッタに0.1Ωの抵抗を入れてオシロで観測してみる。

青い方が電流センスで5A/Div.になるからピーク電流は約10Aだ。
当然この電流は電源に並列接続されたコンデンサから供給されている。
パルス幅が短いので電圧ドロップも許容範囲と言えそうだ。
一体どの程度の期間パルスを加え続ける必要があるのか分からないが、これでしばらく様子を見ようと思う。