貸し倒れ引当金増額の意味

ソフトバンクは貸し倒れ引当金を増額するのだとか。
これは貸し倒れに備えた貯金みたいなものだが、今年度末で1千億円にも達しようとするその額に注目が集まった。

そもそもスーパーボーナスは債権流動化で金にしてしまう訳なので貸し倒れを担保する必要があるのかという疑問。
低金利というか高効率で金を動かすために不良債権はSBM側が処理するお約束なのだろうか。
それにしても1千億円は凄い。
7割以上が端末代だというのだが、これは150万加入に相当する数字だ。

雑記でも触れる予定ではあるが、孫さんは不正契約も純増のうちとしているから150万前後の契約が上積みされたのかも知れない。
今年1月から11月までの加入者増加数は、ドコモが約88万増、auが約132万増、SBMが約225万増だ。
しかし不正契約とおぼしき数字を減ずると純増数はドコモ以下になってしまう。
もしも不正契約が解約処理されているとすると解約率が低すぎてつじつまが合わない。

純増などの数字は誤魔化せても経営内容は決算書に出てしまうところがソフトバンクの辛いところなのだろう。
日経によれば今年度の営業利益は390億円前後になるだろうとのこと。
ドコモは7.8千億円を予想、KDDIは4.4千億円を見込む両社と比較するとまさに桁違いだ。
これでも設備投資などを相当ケチった結果で、純増確保のために大きく利益を失ってしまった。

不正契約のしやすさは振り込め詐欺御用達という事からも伺える。
経費節減を目指すのならば無料通話料のたっぷり付いたプランでお得度の高いドコモやauを選ぶはず。
振り込め詐欺犯としても高い通話料など払いたくないだろう。
って、最初から踏み倒しで払わないのかな。

いすれにしても仮名契約が簡単なSBMはこうした用途にも多く使われており、振り込め詐欺犯を捕まえたら持っていた携帯電話の7割がSBMだったそうだ。
たった18%台しかシェアがないのに振り込め詐欺犯所有率は7割だというのだからそこには明確な理由があるはず。
しかしSBMは指導を徹底しているのに理由が分からないなどと逃げている。

こうした契約、外国人による端末搾取目的の契約などが(貸し倒れ損の数字を予想する限りは)新規契約の大部分を占めると想像できる。
振り込め詐欺犯にしても何にしても、孫さんの言うように確かに純増には違いない。
問題はその後処理ではないだろうか。
孫さんは解約率低下を自慢する。
3Gだけに限ればこんなに低いのだよと言うが、残念ながら前回の決算時には3G解約率がほんの少し上がってしまった。
なので3Gに限ればの一言は無しというか、その件に触れないように通り過ぎた。
この流れで行けば「不正契約を覗いた解約率は…」なんて、又独自の基準が登場しそうである。

ARPUに関しても「割賦代金を上乗せすれば…」と独自基準を展開するのだが、そこから貸し倒れ分を引いたら悲しい数字になりそうだ。
勿論引かないけど。