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感度はどの位落ちるのか


  • Posted by: F&F
  • 2009年1月26日 17:09

W-CDMAの下りはQPSK変調、HSDPAになるとこれが16QAMになりHSPA+では64QAMまで使用できることになっている。
では変調方式を変えると感度はどの程度変わるのだろうか。

理論感度は確かに存在するのだが、固定通信ではないので理論感度どおりにはならない。
実際の運用においては多値変調ほど環境変化に厳しくなると言っていいだろう。
特にQAM系は振幅方向にもデータが乗るのでフェージングなどがあればエラーレートに響くことになる。
おおよその値ではあるが、例えば非HSDPAのQPSKから16QAMにしたとすると感度は6dB以上は悪化するはずだ。
これが64QAMとなると10dB以上の悪化率になる。

10dB悪化したものを元に戻そうとすれば基地局の出力レベルを上げるしかない。
例えば従来20Wの出力だったものを200Wにすれば10dB上がることになる。
ただしCDMAなので出力をむやみにあげれば周辺への影響が問題になるし、そもそもそんな高出力局は建てられない。
結局の所マイクロセル化によってS/N比を確保しなければいけないことになる。

SBMは予算の関係からLTEへの移行を遅らせHSPA+で場を凌ぐと言っているが、基地局密度が上がっていない&中継局が沢山ある環境で多値変調をうまく使うことは非常に難しい。
またバックオフが違うので送信設備もHSPA+用にするか、或いは既存のPAの変更をしないで使おうとすれば送信出力を下げる必要がある。
S/N確保のためにパワーは欲しい、しかしPAのリニアリティの都合上パワーを下げなければならないとなるとマクロセル展開のSBMにとっては厳しいことになるわけだ。

ではLTEの場合はどうかというと、OFDMなので更にバックオフが必要であり(一般的には)高額なPAが必要となる。
LTE用のPAでHSDPAやHSPA+を増幅することは出来るが、HSPA+用にLTEを通したら歪む。
そう考えるとHSDPA→HSPA+→LTEへと設備を変更していくのは2重の投資となる可能性が高い。
幸い?にしてSBMはvodafone時代の古い基地局が沢山残っているので、そのHSDPA化出来ない設備の入れ替え時にHSPA+を見込んだ設備にしておくことは勿論可能だ。

   

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