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  • Posted by: F&F
  • 2011年7月23日 12:00

WTPでドコモが広帯域リニアアンプを出したとか。
これは一体何なんだという質問があった。

線形増幅器も既存のものだし、広帯域アンプもいくらでもあるではないかと。

ドコモ的には帰還系のプリディストーションが売りなのではないだろうか。
線形増幅器と言っても完全な線形ではなく必ず歪みが発生する。
極端なことを言えばケーブルでもコネクタでも歪みは発生する。
歪みの発生を少なくしようと思ったら、目的出力に対して十分余裕のあるアンプを使うなどすればいいが電力の無駄が増える。
特にQAMやOFDMといったPAPRの大きな変調方式では、巨大なピーク電力に合わせてPAを設計しなければならない。

そこで考える。
PAで歪みが発生するのなら、その歪みの逆特性の信号を入れてやればいいのではないか。
そうすれば、歪んだ事で目的の信号に戻るはずだ。
これがプリディストーションの考え方で、ロジック処理によるものをディジタル・プリ・ディストーション(DPD)などと呼ぶ。

WiMAX基地局などでは、モノによってはDPDが使われている。

WiMAXも30MHz幅なので狭帯域とは言えないが、ここでドコモの言う広帯域とは複数のバンドを含むという意味だ。
周波数帯が変わると歪みの発生も変化する。
従って広帯域でDPDを上手く動作させるのは難しい。
ここをクリアしましたという事ではないだろうか。

と言ってもこれがそのまま基地局に使われるわけではなく、現状ではシングルバンドアンプを並べた方がコスト的にも信頼静的にもお得だと思う。
例えば1.5GHz帯で15MHz幅×40W、1.7GHz帯で15MHz幅×40W、2GHz帯で20MHz幅×40Wを出そうとすると合計電力は400Wにもなる。
どうせアンテナで又分離しなければならないわけだし、そう考えると何がお得かは難しい。

ではナノセルみたいな小出力局はというと、今度はDPDの為の仕組みがコストと消費電力を増大させる。

   

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