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スカイウエイブ(15)


  • Posted by: F&F
  • 2011年10月 3日 11:02

様々な作業はそこそこ順調に進んでいる。
中古車なので気を遣っていじる感じでもなく、その点はかなり気が楽だ。

壊れそうな、って、どこが壊れそうなのかはよく分からないが一通り整備したらどこかに出かけたいとは思う。
ま、一番の心配は自分でいじった所が壊れる事だ。
エンジン組の話は別ページに書いた通りで、マグネトカバーのガスケットを付ければ一応完成となる。
http://www.fnf.jp/j4363.htm
この中古エンジンはミッションオイルも交換(汚れは常識的だった)したし、多少のスラッジが見られたエンジンオイルは抜いた後洗浄して綺麗にした。

バラす時も組む時もクランクのTマークの位置で上死点を出す。
クランク720度で1回爆発なのだから、セット位置は2箇所にある事になる。
単気筒だからどちらで組んでも良いのかなぁ。
排気中にも点火しているのかな。

私はバラす時にTマークにクランクを合わせて、カムチェーンとスプロケットにマーキングした。
余談だが油性のカラーマーカーは洗浄液などで落ちやすいのだが、自動車の補修用塗料は強力で良いなぁ。
洗浄剤や油分にも耐えてばっちりである。

組む時にはそのチェーンのマークを合わせる。
クランクの360度に対してチェーンは長いので、チェーンに付けた合わせ位置とTマークが両方合致するのは一カ所しかない。
だからこれでたぶん合っていると思う。
Tマークに合わせた時に、カムのシャフトの水平位置ラインも正しい状態になっている。
ハンドクランキングしてもバルブとピストンが干渉したりはしない。

手でクランクを回していて思ったのだが、バルブオーバラップが少ないというか無いというか…
カムの山の形も結構激しくて、最初に開けたエンジンはカムにキズもあったので削れてるのか?と思ったほどなのだが二度目に開けたエンジンも同じだった。
このエンジンはシリンダも傷んでいなかったので、ハンドホーニングマシンの出る幕はなくなった。

小型単車の良い所は、エンジンでも何でも部屋で整備できる点にある。
夏の暑い時でも、凍える冬の日でも、人間の環境に優しい室内でゴソゴソいじれる。
車だとなかなかそうはいかない。
冷暖房付きのスペースでもあれば話は別だが、整備工場だって冷房完備の所は少ないのだ。

OPTION誌などで最高速トライアルが全盛の頃、RSヤマモトさんのガレージというか工場にお邪魔した事がある。
ターボ関係の、コンプレッサ効率の考え方などを教えて頂いた。
当時やっとタービン回転数などを気にしながらセッティングする事が、一部チューナで行われはじめた時期である。
勘と経験を頼りにエンジンを仕上げていくチューナと、計測器などを使いながらそれを行うチューナが速さを競っていた。

綺麗な広いスペースは冷暖房完備で、凄いなぁと思った。
町の整備工場よりも狭いゴチャゴチャしたスペースでチューニングを行う所が多かったし、雨宮さんの旧工場だってスペースはあったが車屋さんそのもの的な雰囲気だったのである。
しかしヤマモトさんの所はメーカのラインの一部のように整頓されていて綺麗だった。

その山本 豊史社長は今年の四月に亡くなった。
Zを駆って谷田部を走り抜けたチューナが一人消えた事になる。
私の記憶の中には朝靄に煙る谷田部のコースの中に一人立ってZを見つめる、若かりし頃のヤマモトさんの姿が今も鮮明にある。

   

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