ロボット

ソフトバンクの発表会はロボットだった。
SBMの演説会より孫さんの表情が生き生きして見えたのは気のせいだろうか。

何故今更ロボットなのかという話は別として、発表会でのロボットの挙動はシナリオによるものだった。
あそこまでの動作が出来たら大変なものだが、孫さん自身「会話がかみ合わない事もある」と従来技術の延長上にある事を否定していない。

しゃべってコンシェルやsiriに見られる音声認識と判断技術は、一昔前とは大違いだ。
しかしその機能を実体の中に埋め込んでどれだけの事が出来るのだろう。
日本家屋の"置物"としては十分に大きすぎるし、段差を乗り越えるのも苦手とあって完全バリアフリー住宅を要求してきそうだ。
質量28kgも、地震などで倒れてきたり移動してきたら危ない重さである。
ちなみに段差乗り越えは15mmまでだそうなので敷居をまたぐにも苦労する。

会話レベルであればソフトウエアのみで十分であり、ものを運んだり洗濯物を取り込んだりしてくれないと面白みがない。
孫さんは日本初を叫ぶのだが、私はAIBOを思い出さずには居られなかった。
発表会の期待が大きかったからか、市場には失望感が広がった。

バッテリはLi-ionの8直列で26.5V、容量30Ahというからかなりのものだ。
バッテリ容量の公称値は795Whであり、ホンダフィットの864Whやトヨタアクアの936Wh(但しNi-MH)に近い。

現状では録音された音声を選択的に再生する程度の機能だと思われる。
長文をしゃべらせれば視点がぼやけて不的確反応をカバー出来ると考えているのか。
主役を人間ではなくロボットにしてしまえば、ロボットは自分の発言に対する答えを予め用意出来る。

外に連れ出して荷物持ちくらいに使いたいところだが、段差許容度15mmではあちこちで引っかかりそうだ。
道交法上はどうなるんだろう？？

しかし実際にはこんなレベルなので読んで字のごとく話にならない。
https://www.youtube.com/watch?v=BTpkt2SN_Yw
例え話にならなくても美少女フィギュア風だったらきっと売れる。
自分でシナリオをプログラミング出来れば、声優を選べればもっと売れる。
いや、カイ君の犬型ロボットいやいや底面積も大きめなので掃除機能を付けた方が良いかな。

マルチメディアという言葉が巷にあふれた頃、マルチメディアとは何かがぼやけていた。
マルチメディアで何でも出来るは、何に使って良いのか分からないと同義だ。
ペッパー君が一体何の役に立つのか、現時点で分かっているのはソフトバンクショップでの呼び込み位だ。
だとすれば1950年に登場した"くいだおれ太郎"の現代版となる。