カセットテープ

今や見かけることも少なくなったカセットテープ、SONYのウォークマンはヒット商品になった。
ずいぶん昔の、出始めの頃の小型カセットテープレコーダを分解する機会があった。

電気回路自体は普通のベーク片面基板に乗っていたが、ノイズ対策やら何やらでシールドありパスコンの追加ありと凄い。
メカ部も、これが安価に作れたから後に登場するビデオデッキで回転ヘッドにテープを巻き付けることが出来たのかなと思う。
1つのモータからベルトでドライブされるプーリ、さらにクラッチなどを使って巻き戻しや早送りをするのはたいしたものだ。
おそらく今だったら3モータのダイレクトドライブの方が安価に出来るのではないだろうか。

それは組み立てのコストだ。
人件費が安かった頃は複雑なメカの組み立ても安価に行えた。
メカ部にしろケースにしろ、細かなネジとその本数は現在の設計ではあり得ないほどだ。

いや、iPhoneは20年以上前のウォークマン以上だった。
AppleがSONYの物作りを参考にしたのかどうかは定かではないが、同じテイストを見る感じがする。
しかし組み立て性ではSONYの方が遙かに良く出来ている。
どちらが極限を追求しているかは判断が難しいが、どちらもその時点で妥協を廃したデザインであったことに間違いはない。

技術の進歩もある。
接着や素材、あるいは加工技術の差が見栄えにも影響している。
見える所にネジがあるのか無いのか、ネジを隠すことが出来るのかという問題だ。

続く…