夏も終わり(1)

来週は9月である。
春に開始予定の900MHz帯LTEサービスが夏に延期されたが、その夏は訪れなかった。

これは大方の予想通りであり、地上げが上手く行かなかったことに加えてインフラ整備が出来ていないからだ。
以前にも書いたがSBMはソフトウエアの入れ替えでCDMAからLTEへの変更は容易だとした。
これは間違いではないが、実際にはCDMAとLTEを共存させる必要があるのでハードウエアの追加がいる。

マルチチャネル・マルチプロトコルのBTSもあるが、SBMは簡易局的ものが多いのでそれは余り使われていない。
無線機を2台あるいはそれ以上にするとコンバイナ・デバイダが必要になる。
単に無線機を付けただけではアンテナが共用出来ない。
コンバイナ・デバイダは理論損失があるので効率が低下する。

LTE化を考えた上での設備導入を行っていれば良かったのだろうが、900MHz帯割り当ての時点でLTE化にかける金は無かったのだろう。
1.5GHz帯に関しても同様だが、やはりあの時点でLTE化は当分先になると読んでいた風に思える。
HSPA+やDCの導入もその考えからだったのだろう。
これらを用いる事で安価にCDMA方式の延命が図れると読んだようだが、実際にはLTE化によって時代が変わってしまった。

1.5GHz帯のLTE転用はさほど難しくはない。
WiFiのバックボーン位にしか使われていないので、それこそ一斉入れ替えも不可能ではない。
ただし設備が財産であるという面がそれを難しくしている。
償却年数を延ばして財産の目減りを不正でいるので、償却が済む前にそれらを廃棄するわけには行かない。