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GPS基準クロック(4)


  • Posted by: F&F
  • 2014年11月 5日 11:07

GPS受信モジュールによっては10KHzや40KHz出力のものもある。
これらを使えば良いではないかと思われるかも知れないが、所詮内部で周波数を上げているだけだ。

製品によっては長期安定度は1PPSと同様になるものの、短時間的には1Hzごとの揺らぎが出るなどしている。
平均化するならば1PPSを分周していった方が良いだろう。
測定時間が長くなるのが難点ではあるが、カウンタIC一つで16分周すると200MHzとの比較で0.0003ppmまで分解能が上がる。
ちなみにGPS自体の確度はマイナス11乗位なので0.00001ppm(0.01ppb,以下単位はppmを使う)辺りだ。
じゃあ16分周を2段つなげて256分周まで行けるのではないかと思うわけだが、測定時間が5分近くになる。
そもそも普通のOCXOの短期安定度が0.0001ppm程度しかない。
これは測っているうちに周波数がずれる可能性を示しているので意味が無くなる。

1GHzの測定において1Hzの精度を得ようとするのが0.001ppmだ。
雑記に書いたように2台のOCXO付きESG-Dの周波数比較を行ったが、十分安定した状態で同一周波数に合わせた後の数時間で3GHzにおいて数mHzドリフトした。
周囲温度も電圧も安定している状態の規格値が0.0005ppm/24時間なのでこんなものだろう。
OCXOといえども周囲温度の影響は受けるし、測定器内部の電源が安定化されているとは言っても商用電源電圧の影響も受ける。
その電源自体にも温度特性があるし経時変化もあるのだから仕方がない。

メーカ製のルビジウム発振器にしても0℃-50℃の温度範囲で0.00001ppm前後の周波数変動がある。
よく使われるFE-5680A発振モジュール自体の短期安定度は0.00002ppmである。

ルビジウムというとどうしてもオーディオマニアにつながってしまう。
http://oji.blog.so-net.ne.jp/2014-05-06
http://psk31.cocolog-nifty.com/digitalmode/2010/01/ocxo-vs-ocxo-1a.html
http://news.goo.ne.jp/article/dime/trend/dime-2144558.html
ルビジウムは10MHzで発振しているわけではなく約6.8GHzを吸収しているに過ぎない。
なので普通は10MHzなりの原発の水晶振動子があり、これをPLLで制御している。

ルビジウムの音が云々と言っているのは、単にルビジウムで周波数安定度を増したVCOの音なのだ。
おそらくルビジウムをドライブしているのは誘電体の自励発信器か何かで、それによって制御されているのは水晶振動子による発振器だ。
ちなみに位相ノイズだけからすればPLL制御されているものよりも単体の方が良いのでOCXO単体が最もSSBノイズが少ない。

   

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