ナンバーワン(5)

Tモバイルに関して、以前は欲しい欲しいとは言っていなかった。
言葉を濁したという風でもあり、まだわずかな期待がTモバイル買収にあったからなのか。

しかし今回はTモバイルが欲しかったと泣き言に変わった。
端末シナジー論に関しても「売れているのはiPhoneだけ」だからAndroid新規開発に魅力はないと。
一方でSBMでは「Androidは売れている」と矛盾したお話だ。
結局の所スプリントとSBMで使える端末は中途半端であり国内市場での魅力に欠けたという事だ。
iPhoneが売れているからFelicaなんか要らない、ワンセグなんか要らないと思ったのかも知れない。

一部で報道された帯域売却に関しては「余るような部分の電波があればそれを一部売却するということも売却する検討の選択肢として…」と否定はしていない。
ジャンクを買ってバラバラにして売り逃げるのは孫さんお得意の手法ではあるが、世間からの風当たりは強くなる。
しかしそんなことを言っていたのでは会社がもたない。
スプリント自体の売却に関しては言葉を濁した。
孫さんの性格からして少しでも希望があれば「回復の道筋は出来た」などと言うだろう。
つい数ヶ月前には「エリア改善は完了した」「SBM的手法で急速に改善した」と言っていたのだ。

端末やアクセサリ開発も拠点縮小でコスト削減第一の判断だ。
シナジーだ何だと言って生み出される利益よりも、目先のコストを考えなければならない厳しさがにじみ出る。
スプリントの黒字転換時期は未定、インドへの投資見返り時期も未定、だそうだ。

ニュースにもなったアリババの偽物問題。
良い部分に関してはアリババ、アリババ、アリババと叫んだが偽物問題に関しては「アリババに聞いてくれ」と切り捨てた。
今後のモバイル事業は宮内氏に任せる風であり、孫さん自身の興味は別の方に移っている風だ。

契約数の伸び悩みは「数合わせをすることだけはやめておこうという話になっています。」と語ったが、実際は数合わせに励んだけれどもどうにもならなかったが実体だ。
3.5GHz帯に関しての質問もあったが「都市部でやる」と言葉少なだった。