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海水水槽:BPシステム


  • Posted by: F&F
  • 2019年2月 9日 11:09

BP(BacterioPlankton)システムが一般的だ。
昨日も書いたようにこれの走りはデニボールであり、その後も土壌細菌などに着目した野辺商会だ。

BPは排水処理などの分野ではある程度研究がされている。
魚の飼育は趣味分野であり日本ではマーケットが小さい。
欧州などではそれなりの規模があるので研究がされる。

私は水晶振動子関係の仕事をしていたことがあるのだが、アレは生産技術と物理学の世界だ。
水晶(人工水晶)の物性などの研究と、その研究結果を製品に活かす生産技術だ。
初期の頃は水晶振動子を刃物(ダイヤモンドカッターなど)で切り出して、工場の人間が砥石で磨いていた。
やがてそのカッターの刃は紙より薄くなり、回転していない状態では自重でふにゃりと曲がってしまうほどになる。
研磨も手作業ではなく自動研磨機が行うようになった。
機械化が進むことで水晶振動子の精度は極めて高くなった。
電気屋は水晶振動子の特性を評価し、発振回路は考えるが水晶振動子自体は物理屋さんの分野だと思う。

水槽や浄水技術は化学や生物学(微生物学)の分野である。
BPシステムとなれば相手は目に見えないバクテリアであり、それの研究になる。
有効なバクテリアだったとしても水槽内で短命では使えない。
更にそのバクテリアの餌として何を投入するか、その何かは他の生物に無害なのか。

VSVがある。
Vodka, Sugar, Vinegarを水槽に添加して微生物の活性化を狙う。
日本ではみりんが使われたりもする。
窒素源としてはペプトンやアミノ酸などが有用で、アミノ酸は多くの微生物に対して有効だ。
他に無機質分としてマグネシウムや鉄、マンガンやコバルトと言ったものも利用される。

だが水槽の世界でこれらの研究は盛んではない。
逆に有害細菌やウイルスの研究は盛んである。
水槽内で有効なバクテリアの推測は出来ても、それを実際に(培養なりを行って)水槽に投入する所までは行かない。
しかしこの10年ほどのBPシステムでは、徐々にそれらが確立されてきているとも言える。
デニボールから何が変わったのか、BICOMとどこが違うのかと言われると難しい所はあるが、電気の世界の1ヶ月分の進化が10年かかって行われたみたいには感じる。

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