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24Vの電源トランスでアーク溶接は出来るか?


  • Posted by: F&F
  • 2019年10月 6日 13:07

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家庭用交流アーク溶接機の中身は、写真のようにトランスと空冷用のファンである。
トランスは無負荷時電圧が36Vで定格負荷(40A)時の電圧が22Vとなっている。

電圧降下が大きいのは、そうした特性を持たせる為に鉄心にギャップを作ったトランスが使われている為だ。
負荷が増大するに従って電圧が下がれば定電流っぽくなる。
本来はこの電流調整の為に鉄心のギャップ調整などがあるようだが、家庭用の簡易溶接機にはなくギャップは一定だ。

最近はインバータータイプが主流である。
インバーター直流溶接機は電流制御と、アーク安定用にか出力側にインダクタンスが入っている。
インバーター溶接機は電圧・電流制御範囲が大きいので安定したアークで綺麗に溶接が出来る。

では普通のトランスで溶接は出来ないものか?
と言うことで24V/25Aのトランスを持ち出した。
溶棒は低電圧用というものを使う。

まずは家庭用溶接機で試してみる。
インバータ溶接機には遠く及ばないが比較的アークは起きやすく、いったんアークが起きれば安定して溶接し続けることが出来る。
電流調整がないので1mmの鉄板などすぐに穴が開いてしまう。
メッキ鋼板は導電性の問題かアークが続きにくいが、メッキを剥がした鉄板なら綺麗に溶接が出来る。

24Vのトランスで試すと、家庭用溶接機に比較すると最初のアークが少し起きにくい。
これは無負荷電圧が低いからか。
しかしこれもアークが起きればそのまま溶接を続けることが出来る。
24V/25Aのトランスで、家庭用交流溶接機(22V/40A)と同程度の能力だ。
24V出力のトランスはパチンコ台の電源用として中古が多く出回っている。
1.5kVAのトランスなら60A以上の出力電流が取れる。

リーケージトランスではないので溶棒が母材に張り付いてしまうと溶棒が溶け出す。
家庭用溶接機の場合は電流が減少するので溶棒は赤熱もしない。
ここが最も異なる点である。

では一般のトランスを擬似的にでも定電流出力にする事は出来ないのか?
最初に思いつくのはニクロム線などの発熱体を使う方法だ。
ニクロム線や白熱電球のフィラメントなどは温度が上がると抵抗が増える。
そこでトランスに直列にこれらを入れると、電流が余り流れていない時には発熱体の抵抗が低い。
電流が多く流れると発熱体の抵抗が増えて電流が抑制される。
単なる抵抗ではV/I特性が直線になるだけなので、効果は低いと思う。

トランスの鉄心を切ってギャップを付けてしまうという荒技も可能かも知れない。



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