ソフトバンクの有利子負債は18兆円

10年でドコモを抜くと宣言してVodafoneを買った頃の借金額は1.75兆円ほどだった。
あの頃は未だ孫さんは移動体通信事業に興味があった。

孫さんの志は高かったが現実は厳しかった。
ドコモを抜くどころか結局は最下位のままという結末になる。
それでもEMを吸収したりWILLCOMを買い取ったりと、必死に加入者を集めたのだ。

しかし今は売り上げ的にもSVFの割合の方が多い。
順調に増えているのは加入者数ではなく借金額だ。
確か昨年は16兆円くらいではなかったっけ？
それが今年の9月末では18兆円になったのだそうだ。
東京都の一般会計予算が7兆円くらいではなかったっけ。

ウィーワークへの投資失敗で巨額損失を出しているが、みずほ銀行も後には引けないと言うことで3千億円を追加融資するのだとか。
3千億円くらいではどうにもならないのではないのか？一桁足りないんじゃないの？
ソフトバンクはウィーワークへの追加支援を行うそうだ。
今度こそ、今度は当ててやるとギャンブルにカネを突っ込む人のように見える。
まあ孫さんのやることだから勝算があるか、或いは勝算があると見せかけて売り抜けてしまうのだろう。

スプリント事業は完全なる失敗だ。
ソフトバンクが買収後にTモバイルに抜かれて4位に転落、合併工作もうまくいかずに負債が膨らむ。
それでも設備投資を削り、人員を削減するなどして利益を稼ぎ出し始めた。
そこに合併話が再び浮上したので、やっと稼ぎ出せた利益分もやがては連結対象から外れる。

ARMも調子が良くない。
調子が良くないと言うよりも、高値買いしてしまったのだ。
何か派手なことをやらなければならないという、孫さんに焦りがあったのか？
ここで人員削減や設備投資の縮小を行えば、開発型企業であるARMの未来を削ぐことになる。
ARMはどこに売られていくのだろうか？

孫さん自身が言っていた、会社が古くなると言う話。
経営者が古くなれば会社も古くなる、新たらしい経営者を迎えて鮮度を維持する必要があると。
その為に大金をはたいて連れてきた人間も、結局は追い出す羽目になる。
孫さんは類い希な才能の持ち主だけに、何故アイツは俺と同じ事が出来ないのかとイライラするのだろう。
それは長嶋茂雄氏にしても同じだ。
ただ、どんなに素晴らしい才能の持ち主であれ歳を取る。
体力も思考力も若い時のようには行かなくなる。
孫さんも、自分のカンの衰えを実感しているのかも知れない。