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電気柵のパルスのピークホールド


  • Posted by: F&F
  • 2020年1月14日 11:14

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前回うまくいかなかった、電気柵の高圧パルスのピークホールドを再度試みる。
各波形を観測した。

前回と異なるのは平滑用コンデンサの容量を変えたことである。
波形を見ながら適度なリップルの現れる、0.22μFにした。
これでも3KHzに於けるインピーダンスは241Ωであり、分圧器の分圧比が狂う。
チャージした電荷が全く放電しないのであれば徐々に充電電流が減ってインピーダンスは上がるが、プローブを付けただけでノコギリ波状になる。
オシロの波形の整流後を見れば分かるとおり、リップルは大きい。
容量を増やせば電圧は低くなり、容量を減らすとリップルが大きくなる。
分圧器の抵抗が10MΩでプローブのインピーダンスも10MΩだ。
チャージ電流は1.5mAほど流れ込むがディスチャージ電流は1.5μAとなり、なのでのこぎり波になる。

1S1588のアノード側は水色の波形、カソード側すなわち整流後の波形はブルーだ。

次に電流容量の大きなER500に変えてみた。
5A定格のファストリカバリダイオードである。
波形は1S1588と余り変わらないが、マイナス側の波形値が大きいので逆電流が少ないことが分かる。

20SQ045は20A級のショットキーダイオードである。
Vfは低く約0.5Vだが、ショットキーは逆電流が流れるのでピークホールドがうまくいかない。
整流後波形は、パルスの位置では電圧がわずかに上がるがすぐに放電してしまう。
波形のマイナス側の電圧も、ダイオードの逆電流の影響を受けている。
逆電流はジャンクション温度25℃の時で100μA以上、同125℃では200mA以上流れる。
通常のシリコンダイオードに於ける逆電流は1μA以下である。

整流は出来たが、平滑を十分に行うためには分圧器のあとにボルテージフォロワでも入れないと駄目だなぁ。
OpAmpで整流回路を(ちゃんと)組むには負電源も要るしなぁ。
電気柵からプローブを外した時に平滑用コンデンサをディスチャージさせる仕組みも欲しくなる。
電気柵のパルスで1.5秒程度のワンショットを叩き、タイムアウトしたらコンデンサを放電させる。

電気柵チェッカーとしてはワンチップマイコン、PICなどで組んだ方が色々出来る。
出力のパルス幅、インターバル時間、ピーク電圧、リーク電流あたりが表示出来そうだ。
パルス幅を測るにはインプットキャプチャか何かが必要だが、タイマ付きのPICもあるだろう。

リモート監視を行うためには無線LANを使う手もあるが、その場合には各テスターが中継器も兼ねる必要がある。
総延長数キロメートルともなる田畑の柵では中継システム無しでの伝送は難しい。
各テスターに携帯電話やスマートフォンを接続し、移動体通信ネットワークを使うEFMOSというシステムもあるがランニングコストがかかる。
なので柵線自体を通信路とするシリアル通信で良いのではないだろうか。
マスター側から各テスターをポーリングしてデータを送らせれる。

高圧パルスの出る時間は分かっているので、それ以外の約1秒間を利用する。
電源も柵線に重畳して、6V位で動くようにすれば良い。
片方を地面のアースとするには、品質の高いアース設置が必要だ。
接地抵抗が500Ωあると10mA流すと5Vも電圧が下がるのでダメだ。
柵線を2本使うのが良いような気がする。

データ伝送は搬送波を使ってOFDM変調でもした方が良いが、簡単にやるには1kbps位の2線シリアルで。
ただ矩形波だと長距離伝送が難しくなる。
矩形波で数kmであれば電源の6Vを断続する仕組みで良い。

線が切れると通信が出来なくなるが、どこまで通信が出来ているかで切れているエリアを推測出来る。
ノードで電流を測ることによってリーク箇所の推定も出来る。
こういうもののシステムを考えるのは面白いが、最低のコストで最良の実装をとなると難しい。
現状ではノードあたり数万円のコストだが、これを1/10にする事は出来る筈だ。
電流計測とデータ送受信のために高電圧開閉リレーが必要だ。
リードスイッチタイプで18kVを切れるものがあるのだが高そうだな。

実験中に小雨が降ってきた。
小雨が降った+柵を少し延長した+蛍光灯を付けた状態で電圧は13.8kVだった。

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