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電気柵用電圧計の回路図


  • Posted by: F&F
  • 2020年1月17日 11:11

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電気柵用電圧計の回路図はこれである。
細かいことを言えばオペアンプの正入力に抵抗を入れろとか、コンデンサの電荷をスイッチで抜いたら接点が可哀想だ、せめて100Ωくらい入れておけと言われるかも知れない。

入力の保護回路などに関しても同様である。
オペアンプの3番端子とGND間に5V(NUJ77902やTL062なら15V程度)のツェナーダイオードはあった方が良い。
対GNDと対VCCに逆方向にダイオードでも良い。
ESD保護用としてダイオードが内蔵されているデバイスもある。

+/-電源を使って全波整流を行えば、柵の電圧の極性にかかわらず表示が出来る。
高精度や高安定度・高信頼性が要求されるのであれば回路に工夫はするが、中華ディジタルパネルメータの精度程度と言う事でこの回路にした。
部品を極力少なくする事に注力した。

OpAMPは手持ちのNJU7043を使ったが、NJU77902でもTL062でも何でもCMOS版なら良い。
NJU77902だと電源電圧を20Vまで、TL062だと30Vまで上げられるので、006P×2個以上で使うと分圧器を1/1000にしても大丈夫だ。
TL062はオフセット電流が200pA、NJU77902/NJU7043は1pAなのでピークホールド的に使うにはNJUの方が良さそうだ。
バイポーラのオペアンプだと入力電流がμAオーダーに、J-FETのものでもnAオーダになるのでドリフトが問題になる。
NJU7043は最大電源電圧が7Vなので、分圧器は1/10000にしないと入力オーバーになってしまう。

中華ディジタルパネルメーターは手持ちのものを使った。
3線式なら何でも良い。
NJU7043では、入力線と電源線が一緒になった2線式は使えない。
NJU77902なら電流が流せるので、2線式でも動作するが柵電圧が低い時にはDPMの表示が消える。

R1からR10は分圧器で、抵抗を10本直列にしている。
これでも定格耐圧は2.5kVしかない。
(KOA 1/4Wカーボン抵抗の最高使用電圧250V、金被300V)
これが10kV耐圧なので、1本で済ますことが出来る。
ユニバーサル基板に回路を組む場合は、高電圧系は空中配線をしないと基板のランド間で放電する。

入力抵抗は10MΩなので10kVを測定すると1mAの電流が流れる。
電気柵用なので連続で電流は流れないが、消費電力は実に10Wにもなるのだ。
抵抗は1/4Wでも1/8Wでも良いのだが、ワット数の大きな抵抗の方が耐電圧が高い。

R1〜R10を10MΩにして、R11を10kΩにすれば電流は一桁下がる。
合成抵抗が100MΩにもなるので、配置配線や絶縁性は十分考慮しなければ誤差になる。
テフロン端子を使った空中配線が必要で、少し難易度が上がる。

ネオン管式検電器の制作記事などを見ると、結構小さな抵抗値を作られている。
こちらの回路では150kΩとネオン管7本の直列と見ることが出来る。
ネオン管が点灯しない状態では合成抵抗約350kΩだが、ネオン管が全部点灯すると(定電圧放電管なので)150kΩになる。
ここに10kVが加わると(10kV-(ネオン管の電圧80V×7))2/150kΩ=600Wもの電力を消費することになる。
デューティー1/1000でも600mWになる。
流れるピーク電流は67mAと大きいので電圧はドロップする。
抵抗値による分圧比は、ネオン管が点灯した状態のネオン管の両端電圧なども考慮されているように見えるが、これはネオン管の特性に依存する部分が出来ていることでもある。

C1はホールド用コンデンサで、時定数は十分長いので電解コンデンサでも良い。
容量は0.2μF〜1μFあたりであれば余り気にする必要は無い。
毎秒1回通電の電気柵であれば0.47μFで十分(NJU7043の場合)である。

C2はデカップリング用なので47μFでも33μFでも10μFでも良い。
電池は単三3本か4本が良いだろう。
手持ちのディジタルパネルメータは内部が5Vで動作しているようで、5.5V位から安定して動作した。
上でリンクしたパネルメーターは4Vから動作するとあるので、単三電池3本で動く。

電源スイッチを切るとC1のチャージを抜くようにしてある。
時定数が十分長いので、表示電圧が下がるには時間がかかるためだ。
トグルスイッチより、切り忘れのないモーメンタリーのプッシュスイッチを使うのが良い。

単三電池4本(6V)で動作させると、NJU7043なら出力電圧はほぼ6Vまで上がる。
分圧器が1/10000なので60kVまで測れる(表示は6.00V)事になる。
電気柵としての電圧下限である4kV時の表示は0.40になる。
R11を1KΩ(1/10000)と10kΩ(1/1000)に切り替えると、4kVを4.00と表示させることが出来る。
単純にスイッチで切り替えるとどちらの抵抗にも接続されない瞬間が出来るので、10kΩを接続しぱなしにしてそこに1.1kΩを並列接続する回路にすべきだ。

オペアンプにNJU77902を使用し、電源として006Pを2個直列(18V)で使うと分圧器は1/1000で15kV以上まで測れる。
ダイナミックレンジが広いのでR11を切り替えることなく分解能が上げられる。
15KVの時に15.0Vと表示し、4kVの時には4.00Vと表示する。
(パネルメータのレンジ切り替えの仕様により異なる&パネルメータの最大動作電圧に注意)

パネルメーターはLCD表示のもので4mA〜6mA、LED表示だと50mA〜100mAを消費する。
006Pで動作させるならばLCD表示のものでないと電池がすぐ無くなる。

HI端子は電気柵に接触させる電極なので高電圧に耐えられる端子を使用する。
アース端子は地面に突き刺すことの出来るアース棒的なものに接続する。
筐体は感電の危険のない、タカチのSW-T100Bなどプラスチック製にする。
単三電池で動作させるなら、電池ボックスが大きくなるので弁当箱的なTW11-5-22Bの方が良いかも。

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