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楽天の出資したASTの計画とは?


  • Posted by: F&F
  • 2020年3月 6日 12:06

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衛星通信サービスを行うとされるASTの計画とはどのようなものか。
ASTのホームページをみても詳細は書かれていなかった。

公にされているのは500km〜700kmの高度を周回する衛星を使うと言う事だけである。
多くの衛星を周回させているという点でGPSなどの位置情報衛星があるが、GPS衛星は高度約2万kmの所にある。
国際宇宙ステーションの高度が約400kmなので、この少し上を周回する事になる。

ASTによれば日本からは4個の衛星が見えるとある。
ちなみにソフトバンクが出資したOneWebは、高度1,200kmに648基の衛星を飛ばす計画だ。
以前の計算で、これでは日本上空に0.5個しか衛星が存在しない事になった。

日本上空に4個の以上衛星が見えている状態を作るには、地球上空に1,428基(計算が誤っていなければ)の衛星を存在させなければならない。
OneWebでも将来的には6000基の衛星が必要だとしている。
低軌道衛星の寿命は短い。
空気(1,000km上空での主成分はヘリウム)抵抗で落ちてきてしまうからで、寿命を長くするためには加速用の燃料を多く搭載しなければいけない。
国際宇宙ステーションは毎月約2.5kmほど高度が下がってしまう。
ASTの打ち上げた衛星は数年間地球を周回すると書かれていたので、仮に寿命を5年とする。
1年で(予備機も含めて)1,500基の衛星を打ち上げるためには、毎日4基を打ち上げていかなければいけない。

衛星自体は小型なので複数個を一度に打ち上げる事も不可能ではないが、それにしても打ち上げ頻度が高い。
仮(現実的)に月間平均10個の衛星を打ち上げると年間120基であり、1500基には永久に到達しない。
打ち上げ開始から5年後には600基が配置されるが、翌年には120基の衛星が寿命を迎えるからだ。

ペイロード20tのロケット打ち上げ費用が100億円前後かかるのに対して、小型衛星を低軌道に打ち上げる場合は5億円程度で済むという。
毎日数基のロケットを発射するビジネスとなれば、ロケット本体の価格も下がっては来るだろう。
仮に衛星代と打ち上げ費用の合計が3億円まで下がったとしても、年間1,000億円の投資が必要になる。
それに加えて運用費用も必要なので、不感地帯解消のためのコストとして凄く安いというわけではない。
勿論地球規模でのサービスが出来るのだが、一方で通信速度には限界がある。

衛星の高度を上げれば姿勢制御は楽になるが、距離が長いと言う事は遅延が大きい事なので通信速度が低下する。
また衛星辺りの"見える範囲"が広くなるのでトラフィックの問題が出る。

衛星と移動期間の空間伝搬損失は100dB〜150dBだと思う。
衛星側の受信機の実用感度が-120dBm、アンテナ利得が10dBだとすると送信側は-30dBm〜+20dBmの放射出力が必要になる。
これは、計算上では何とかなる範囲だ。

石川氏の記事で、楽天モバイルではなく落胆モバイルだと書かれていた。
ローミングエリアに於ける2GB規制に落胆したという。
2GBで2,980円は安くはない。
赤字を覚悟するのであれば10GB位まで許容しても良かったと思うが、楽天本体も赤字だからなぁ。
ただ2GBであったとしても無料で使える事を考えれば落胆とまでは言えない。
来年4月の時点で全国で使えるようになっていれば良い話だ。
無理だとは思うけど。

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