携帯電話用バイブレータ
携帯電話が今ほど普及していないときに流行ったシロモノである。
カバンの中に入れた携帯電話の着信をポケットに入れたバイブレータで関知するという仕掛け。
今では他人の電話にも反応してしまって困ることも多いのだろうが、これを頂いたのでさっそく解体してみることにした。

大きさはタバコの箱の半分程度で、単四電池1本で動作するようになっている。
内部的には高周波整流用ダイオードとブルブルのモータドライブ用トランジスタくらいかな?と思ったのだが、中を開けてみると意外に部品が多く使われている。
これだと部品代の合計で2〜3百円はかかっているのではないだろうか?
これが中身である。
基板は片面のベークで、反対側にはスイッチ2つとケミコン1個が乗っている。
白い線はアンテナコードで、基板の反対側にも線が張ってある。
回路的には予想は付くが、簡単な回路なので回路図を起こしてみた。

回路図を見ていただければ説明の必要もないだろう。
ダイオードでRF電圧を整流し、その差分をオペアンプで捉えてトランジスタを駆動する。
回路図中は普通のトランジスタとしているが、回路的に見ると抵抗内蔵トランジスタである可能性が高い。
ブルブルの時定数は10μFのケミコンが担当し、ケミコンのチャージ/ディスチャージ特性電圧をコンパレータでレベル変換してモータ駆動用ダーリントン構成のドライバに送る。
右側の四角い箱がブルブルのモータである。
コイツの感度は意外に高くて、この基板から30cm程離したSGに2cm程の線(アンテナの代わり)を付けて20dBm程度のパワーを与えると反応する。
アンテナ部に共振回路がないので、400MHzだろうが2GHzだろうが余り変わらぬ感度で反応する。
試しにPCに近づけたら..反応した。
 モニタに近づけたら..反応する。
 デジカメもうまく場所を選んで近づければ反応する。
アンテナ側に誘電体フィルタでも付ければ余計な周波数での反応は抑えられるだろうが、込み合った街中では他人の携帯電話に反応しちゃうから同じ事かな?