電子レンジ ゆで卵




ゆでたまごを食うのだ。
ゆでたまごを食うためには茹でなくてはいけない。
普通の人は鍋を使うだろう。
しかし、鍋で茹でるためには水が沸騰するまでの数分と、固ゆでになるための15分合わせて20分ほどの時間を要する。
もっと早くできないものか?そうだ!電子レンジを使ってみよう。
実は私がまだ幼少の頃、一度実験したことがある。
その日は電気屋さんが電子レンジなる物をウチに運んできたのだった。
電気屋さんは、アースやら何やらの作業を終えた後私にこう言った。
「ボーや、卵を入れちゃいけないよ..電子レンジで玉子は温められないからね」うーん、なぜ温められないのだろう?電気屋さんは、玉子が割れてしまうらしいから..とだけ言い残して帰っていった。
なぜ割れるのか?実験してみる価値があると、当時の私は判断した。
割れて、買ったばかりの電子レンジを汚してはいけない。
玉子を湯飲みの中に入れて「調理開始」!何分経ったろう..突然の大音響!!玉子が爆発したのだ。
湯飲みも木っ端微塵に吹き飛んでいる!!幸いにして電子レンジ本体に被害はなかったものの、電子レンジの庫内には玉子がまるで蒸着されたかのごとくヘバリついていたっけ。
そして今、ゆでたまご作りに再度挑戦するのだ。
チャレンジ無くして、Fast&Fastはあり得ないのだ!

同じ失敗を繰り返すのはアホのやること。
万一の爆発に備えて、タオルでくるんだ。
今回の実験の目玉は、「解凍モード」を使用することだ。
これは電子レンジのパワーを落とすと共に、電波照射もON−OFFを繰り返し行い冷凍食品が煮えてしまわないように解凍するモードだ。
これは、ゆでたまご作りにピッタリではないか!何分くらい電波照射を行うか?長過ぎれば爆発する可能性すら有る。
とりあえず1個目..9分。


表示部が見にくいが、「レンジ」と「生解凍」のインジケータが光っている。
この9分間は長かった。
爆発の恐怖に打ちふるえながら、電子レンジをのぞき込む姿を想像して欲しい。
思わず笑っちまったってかまわない..本人真剣そのものだ。


長い9分間の調理時間が終了した。
幸いにしてたまごは爆発していない。
茹だっているだろうか?調べるために、たまごをコマのように回転させてみる。
中身が固まっていれば、くるくる回るはずだ。
ちなみに、生たまごは回らない。
(各自実験してくれ)出来立てのたまごは発熱している。
電子レンジでの加熱だから、まさに発熱なのだ。
冷水で冷やす時間も惜しい。
早く剥いてみたい。


写真で分かるだろうか?上部1/3程、殻を剥いてある。
大成功じゃないか!
固ゆでたまごの出来上がりだ。
所要時間9分、水から茹でるよりはるかに短時間だ。
もしかしたら、9分は長過ぎるのかも知れない。
7分くらいでも固ゆでにはなりそうな気配なのだ。
そこで、次なる実験を思いついた。
温泉たまごは出来ないか?
内部からの発熱によって、黄身が先に固まってくれれば上等だ。
家庭で手軽にオンタマなんて、泣けてくるゼ!オンタマと塩鮭の切り身に味付け海苔でも有れば、気分はすっかり温泉宿。
しかし、うまくできるのだろうか?悩んでいても始まらない..調理時間を4分にセットして再度GO!

オンタマ完成の図見てくれ、モノホンそっくりに仕上がったオンタマを!半熟より少し固い程度の黄身と、触れば形が崩れそうな白身はまさにオンタマのそれ。
このオンタマと、オーブントースタで炊いたメシが有れば、朝食は完璧だ。
待てよ、オーブントースタでたまごは茹でられないのか...??

ご注意!
加熱しすぎるとたまごがバクハツします。
爆発しないからと言って安心して口に運んだとたん破裂することもあります。
加熱時間は短めに設定して様子を見て、それから本ゆで?と..気の長い人は順を追って実験された方がよいと思います。