ドコモ用着うたフルを作る(3)
iモーションの作り方、着うたフルの作り方1と2は既に書いた通りだ。
その後ある方からメールを頂いた。
(本文要点のみ)> ご存じだと思いますがDCMMツールがあります。
> これを使った着フルのまとめサイトを(ページ)を作って
> 頂けないでしょうか?
> データの内容などではなく、ツールの使い方などをメイン
> として知識のない人でも着フルが作れるようにすることを
> 目標としたサイトです。
知識のない人に対して物事を説明するのはとても面倒なことだ。
私は分かっているので、どうしても分かっているつもりで書いてしまう。
すると分からない人には分からない書き方になってしまう。
だが、いわゆるまとめサイト的なものはあちこちに出来てくるだろうし、このページ自体も徐々に追加していく形で、あくまでも私に出来る範囲でやってみようと思った次第だ。
なおこれは2ちゃんねるの板から始まったプロジェクト?だと言うことで、私自身最初の頃は見ていたのだがその後見ていない間に(たぶん)スレッドが埋まって落ちてしまったと思われ、どういう話の流れで進んだのか今ひとつ理解できていない部分はある。
私は某ドコモ系掲示板で着うたフルの話題を見て、その後某氏から不完全(移動機でデータ取得が出来ない)3gpファイルを送っていただいた。
これを元に解析?みたいな事を行い、何とかミュージックフォルダに格納できる形にしたのだが、どうやら誤りもあるようだ。
この点DCMMというソフトは実に良く仕上がっていて、これを制作した561氏(と、呼ばれている)には敬意を表したい。
更にテストを繰り返して完成度を高めていくのに協力された2ちゃんねるの有志の方々の努力とパワーにも、まさに脱帽なのである。
2006年10月12日現在のスレッドは↓10月20日現在消滅の兆し。
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/chakumelo/1160404262/
この点、すなわち多くの人が協力して解析を進めたという点を十分ご理解いただきたい。
そして有志の皆様が危惧する、著作権法で保護された音楽データを無許可で配布するサイト運営などには使わないで欲しいと思う。
といってもそれら違法サイトの運営者には無視されるに決まっているが、このツールで作ったデータにはいくつかの特徴がありデータを見ればすぐにそれが分かるとだけ書いておこう。
そして、未知のデータを解析するほどのパワーを持った有志の皆さんが団結すれば、違法サイトを消滅に導くのはいとも簡単なことであるとも付け加えておく。
なお、質問その他に現時点では上記スレッドを使用したい。
当初の解析に伴う議論やその流れは技術論などを中心に行われていたようなのだが、やがて解析が進むに従っておかしな連中が増えて来るという、まさに2ちゃんねるチックな展開になったとされる。
しばらくぶりにスレッドを見てみると、その荒廃ぶりは一体何なんだ??と言う感じ。
DCMMを使いこなせない。
着うたフル対応携帯電話をお母さんに買って貰えない。
パソコンをお母さんに買って貰えない。
着うたフルが羨ましくて堪らない。
荒らすことで自己を主張したい。
著作権法違反サイトを運営しているがDCMMの仕様が気に入らない。
他人に迷惑をかけることが面白い。
2ちゃんねるで暴れる以外、誰にも相手にして貰えない。
などなどの理由からなのだろうが、携帯電話関連スレッドはそこで活動?している方々の年齢層が低いこともあって、非常に陰湿だったり粘着質だったりする書き込みが多いと思う。
もちろん現代の中高生の全てがそうだと言うつもりは毛頭無いわけだし、現に解析に協力している多くの人たちが存在する。
しかし現在は技術論とはほど遠い状態になっており、DCMM作者も対応には苦慮されているようだ。
DCMMは10月20日現在でも開発途上であり、作者の方をはじめとした様々な方がその確認や実験、デバッグなどに協力されている。
着うたフルの作り方その1
DCMM制作者の方が推奨する作り方である。
使用するツールはQuickTime
Pro(有償)とDCMMだ。
QuickTime(以下QT)には無償版も存在するが、データの書き出しが出来ないのでそれは使えない。
手順1.QTproでWAVファイルなどから3gpファイルを作成する。
2.[1]で出来た3gpファイルをDCMMに通す。
これだけである。
QTproで3gpファイルを作るための操作を以下に示す。
QTproを起動して、「ファイルを開く」で、着うたフルの元となるWA
ファイルを読み込む。
WAVファイル以外でも読み込めるが、説明上ここではWAVファイルとする。
CDやDVDからWAVファイルを作るツール或いはWAVファイルを編集するツールは別途必要になる。
次に「エクスポート」を選択してファイルを書き出す。
エクスポートを選択すると次の画面が現れる。
ファイルフォーマットは3GPPを選択し、次にオーディオフォーマットを指定する。
このバージョンではAAC-LCのみとなっているが、HE-AACが可能なバージョンがあるかも知れない。
なお128Kbps程度までデータレートを上げた場合、AAC-LCの方が高音質だとも言われているが定かではない。
データレートやサンプリングレートは各移動機によってその最大値が異なり、無闇にこれを上げるとケータイで鳴らせない音楽データが出来てしまう。
ドコモの着うたフルはN902iXの場合で最大容量が5Mバイトに制限されている。
従って一曲まるごと格納するには96Kbpsか128Kbpsを選ぶことになると思う。
ちなみに903iシリーズはiモーションファイル容量が10Mバイトに拡大されているので、もしかすると画像無しiモーションの方が高音質データを格納できるのかも知れない。
この設定が終了するとファイル名を指定してファイルを書き出す事となり、エンコードが終了すると3gpファイルが出来上がる。
この3gpファイルをそのままケータイにダウンロードすると、iモーションファイルとして認識される。
(バイナリ変更を行わなければ着信音設定は出来ない)このiモーションファイルを着うたフルとして認識させるようにデータを変更するためのソフトがDCMMだ。
ソフトを起動し、音源ファイル名を指定するとそれと同名のファイルがデフォルトで出力される。
音源を聞きながら変換作業を行おうとする場合、その音源ファイルへの書き戻しが出来なくなることがあるので注意すること。
元ファイルを残したいのであれば、手動で出力ファイル名を変更する必要がある。
ジャケット画像は240×270Dot程度のJpeg画像を指定して読み込む事が出来るが、圧縮率の低い(データサイズの大きい)ファイルではうまく行かない事があるようだ。
常識的なファイルサイズであれば問題はない。
一部バージョンの(Windowsの)ペイントなどで描き出したJpeg画像はフォーマットが崩れていることがあってうまく読み込めない(データが正しく作成されない)事がある。
出来上がったデータが不審であれば、まずは画像データを入れない状態でリトライしてみていただきたい。
その他、タイトルやコメント(日本語入力可能)を必要に応じて入力し、変換ボタンをクリックすれば着うたフルが出来上がる。
出来上がったデータはAirダウンロードしなければ移動機のミュージックフォルダには格納できない。
着うたフルの作り方その2
携帯動画変換君を使う方法によっても着うたフルを作成することが出来る。
しかしながら私はこのソフトを使ったことが無く、詳細な設定にも疎いことから説明は割愛させていただく。
なお、DCMMは基本的にQTproで作成したデータを変換するためのツールであり、それ以外のエンコード方法は推奨されていない。
従ってQTpro以外でエンコードした3gpファイルがDCMMによって着うたフルに出来なくても文句を言ってはいけない。
着うたフルの作り方その3
QTproは安価ではあるが有償だ。
2ちゃんねるの掲示板をみると、何が何でも無料で作りたい人がいるようだ。
高々3.5千円にも満たないQTproを買うのがなぜイヤなのかよく分からないし、もしかしたらApple嫌いなのかなとも思うのだが、一応無償版のソフトだけで作成する方法も紹介しておく。
もっともApple嫌いな人にとってはiTunesすら使いたくはないだろうが仕方がない。
繰り返しになるが、この方法で着うたフルが正常に作成できなくても、DCM
作者をはじめ誰もそれを担保してくれない。
皆様ご存じのiTunesを使用する。
これを使用するとCDから直接データが取り込める点で便利である。
iTunesでエンコードを行うと、拡張子がm4aになってデータが書き出される。
これをそのままDCMMに突っ込む。
出力ファイルの拡張子が入力ファイルと同じm4aになるので、ここを書き換えて3gpに変更する。
これで着うたフルが完成する。
繰り返しになるが、iTunesでのデータ作成をDCMM作者は推奨していない。
失敗しても誰にも文句を言えないのでそのつもりで。
データを携帯に転送する方法
出来上がった着うたフルはAirダウンロードしないと移動機のミュージックフォルダには格納できない。
従って何かしらのサーバにデータを格納した後、インターネット経由でそれをダウンロードしなければいけない。
最大ファイルサイズが5Mバイトにもなる訳で、それをアップロードできる所も限られてくる。
うるさいことを書くようだが、どこかのサイトに著作権法によって保護されたデータをアップロードすると、アップロードした時点で違法と見なされる。
アップロードしたデータを誰もダウンロードしていなくても、それを公開する意志が存在した時点でアウトなのだ。
またこれらの公開を幇助した(つまり、サイトの開設者)人も罪に問われる。
またコピーそれ自体が個人利用に限ったとしても駄目だとする向きもある。
が、iPodなどへの音楽データ格納は普通に行われており、これに準じた個人利用に限るデータのエンコードと携帯電話への格納に大きな問題は無いのではないかと思う。
DCMM作者のページにはこれをら回避(正確には回避できない)するための簡易HTTPサーバであるiMotion Serverが公開されている。
これは着うたフルなどの配信に特化したHTTPサーバソフトであり、自宅のPCを簡易的かつ一時的にHTTPサーバとして動作させ、着うたフルなどのダウンロード環境を提供するものである。
使用方法は同サイトに説明があるのでそれを見れば分かるはずだが、自宅サーバ(自宅のみならず)を立てた事がない人にとっては概念そのものが理解できないかも知れない。
HTTPサーバはHTTP(http://で始まる)プロトコルを処理するためのもので、このプロトコル(手順)によって移動機とPCが通信を行う。
iMotion Serverを稼働させられない環境とは、グローバルIPアドレスが割り当てられていない接続の場合だ。
具体的にはCATV事業者の一部や丸紅系マンションプロバイダなどがそれにあたり、この場合は諦めるしかない。
一般的なADSLやFTTHで接続されている場合で、プロバイダが特別なフィルタリングを行っていない場合にはiMotion Serverを稼働させることが出来る。
ごく一般的な接続として、ADSL(FTTH)→MODEM→ROUTER→PC という経路で接続されているのではないだろうか。
ここでROUTERのWAN側(インターネット側)はグローバルIPアドレスと言って携帯電話からアクセス可能なIPアドレスが振られている。
一方でルータのLAN側はローカルIPアドレス(192.168.x.xなど)が振られているので、PCにもそのLANアドレスが振られている。
こうなると、通常ではWAN側からLAN側を見ることが出来ないのでHTTPサーバは動作しない。
ここでポートマッピング/NAT/IPマスカレードなどを使用して、ルータの特定のポートがWAN側から見るとあたかもPCのように(ルータではなくそこにPCがあるかのごとく)見えるような設定を行う。
設定方法は各ルータによって異なるので画一的な説明は出来ないが、要点は以下の項目である。
1.グローバルIPアドレスは?(ここに携帯電話からアクセスする)2.ローカルアIPアドレスは?(ルータ設定に必要)グローバルIPアドレスに何が割り当てられているかはルータの設定画面で確認することも出来るが、例えばこのページにアクセスして「あなたのホストのIPアドレス」の項目を見ても良い。
ローカルIPアドレスに確認は、コマンドプロンプトからipconfigと入力すれば見ることが出来る。
この例ではPCのLANアドレスは192.168.1.101になっている。
従ってルータの設定は、80番ポートを192,168.1.101にフォワードするようにすれば良い。
NEC製のルータであれば以下のようになる。
この設定が完了したら、前述[1]で確認したグローバルIPアドレスへ携帯電話からアクセスする。
http://グローバルIPアドレスの数字/
これでiMotion Server(デフォルトではwwwフォルダ)に格納されているファイルの一覧が見えるはずだ。
なお携帯電話でのダウンロードが完了したら、iMotion Serverは即刻停止すべきである。
これは第三者のダウンロードを防ぐ意味からでもあり、セキュリティ上の問題からでもある。
iMotion Serverを使用せず、一般のISPなどのwwwサーバを利用することも出来る。
この場合は3gpファイルを音楽データであると認識させて送出するための設定が必要だ。
これには.htaccessの編集が必要になる。
またファイル名や再生条件などを指定した上でダウンロードさせる場合には、別途ドコモ仕様にてダウンロードさせる。
.htaccessで、既に以下の記述がなされている場合には特別な設定は不要ではないかと思う。
AddType audio/mpeg .mpg .mp2 .mp3
なお書式その他はApacheのバージョンによっても異なるので注意されたい。