中国製HIDの中身


動作などのテストは別のページで紹介しているが、今回は中身を見てみる。
中身と言ってもそう複雑な回路ではないのと防水処理がなされているはずなので開けるのは面倒だ。
HIDバラストは完璧な防水で水中でも使用出来るみたいな能書きだ。
ならばと言う事で数時間水に浸け、水を拭き取らないまま数時間放置した。
ら、ネジが錆びた。

まあ能書きにも錆びないなどとは一言も書かれていない。
ネジは鉄に何かのメッキがされているようだが、でも錆びた。
その錆びたトルクスネジを外してみたら中身はこうなっていた。



部品面はシリコン風なものが充填されている。
しかし半田面は全面コートというわけではない。



周囲はコーティング剤で接着されている感じで、絶縁もかねてなのかフィルム(厚め)でカバーされている。
基板はどこにも止まっておらず、このシリコンで固定されている感じだ。
全面にシリコンを流さないのはコスト節約なのか。



と、なにやら腐食っぽい部分がある。
写真で白くなっているところは半田が粉を吹いたような感じだ。





これによって直ちに動作不良になるものでもないが、気分的にはよろしくない。
部品面のシリコンをむしり取ってみた。



トランスは昇圧用、緑の部品に銅箔が巻かれているのはイグナイタの部品、パルストランスか何かかな。
トランジスタかFETが4個並んでいるのはAC駆動回路だろうか。
手前のトランジスタかFETかはDC-DCの駆動用かも知れず、ここだけケースの隔離された部屋(放熱用?)に付いていた。
以下はPanasonicの資料からの抜粋である



イグナイタ部はトランジスタスイッチではなく岡谷のRSGシリーズのようなデバイスが使われている。

ケースには上限温度105℃と書かれている。
環境温度が105℃だと内部温度はもっと上がるはずだが、どうやらこれはケミコンに105℃用を使っているというアピールのようだ。
何しろ55Wと書かれているその意味はバルブへの電力が55Wなのではなく、入力電力のことなのだから。
ちなみにケミコンはちゃんと105℃品が使われていたが、メーカ不明なので105℃と書かれているだけかも知れない。
これが日本製などだったら信用も出来るのだが、アチラ製はねぇ。