HIDバルブと紫外線
HIDなどメタハラ系バルブは少なからず紫外線を発生する。
紫外線によってヘッドライトのアルミ蒸着によるミラー部分がはがれたり、プラスチック部分が曇ったりする。
そのため一般的なバルブ(バーナ)はUVカットが行われている。
バルブ自体は石英ガラスなど、耐熱ガラスで出来ている。
石英ガラスは紫外線領域を良く通すのに対して、通常の軟質ガラスは殆ど紫外線を通さない。
厚いガラスレンズを使うプロジェクタヘッドライトに高色温度バーナを装着すると極端に暗くなるのは、短波長領域の透過率が低いからだ。
デコワンボックスなどをはじめとして、10000Kとか20000Kとかのブルーライトを入れる北関東系ナンバー的趣味の方もいる。
この手の人はプロジェクタライトをプロ目などと呼ぶらしい。
ま、それはともかくとしてHIDバーナと紫外線の関係を測ってみる事にする。
紫外線量測定はTANITAの紫外線計を使う。
能書きによれば誤差は最大10%だそうだ。
表示単位はW/m2で、10W/m2は1μW/cm2になる。
実はこの紫外線計が壊れていて、モード切替が出来なくなっていた。
開けて調べてみると時計セット用のボタンが押されたままになっている風なレベルだ。
とりあえずプルダウンすれば直るのでそれを行ったが、バッテリ消耗が早いかも。
測定距離は10cmとした。
本来はもっと近づけて表示精度を上げるべきなのだが、熱でUV計が熱くなりすぎる。
点灯時には多くの紫外線が出る。
中国製の高色温度バルブでは25W/m2以上の紫外線量となった。
なおこの簡易測定器ではUVAとUVBが別々に測れる(センサが2個付いている)が、UVBはそれもゼロしか示さなかった。
計測はバルブ温度が上がって電流値が落ち着いた少し後に測っている。
点灯開始シーケンス中はかなりの紫外線良医なるためだ。
また35Wのノーマル時と約80Wでのオーバドライブ時のデータも取ってみた。
オーバドライブすれば当然ならが輝度は上がるが、色温度が下がるためか紫外線量は増えなかった。
|
35W
UVA
W/m2 |
80W
UVA
W/m2 |
レイブリック |
1 |
1 |
高色温度品 |
9 |
7 |
20000K品 |
2 |
2 |
6000K品1 |
10 |
8 |
6000K品2 |
8 |
9 |
6000K品3 |
3 |
4 |
分解能が足りなくてつまらない数字なのだが、いずれにしても相対評価でしかない。
なおメタハラの紫外線量測定はこちらでも行った経緯がある。
レイブリック以外は中国製のHIDキット付属バルブで、どれも例外なく「UVカットガラス使用」と謳われている。
高色温度品は、公称6000Kなのだが過去の実験では異常に色温度が高くて暗い品物だった。
VC