KENT添加剤の塩化物濃度を測る


BSなどが一般化するに従って海水交換頻度は低下し、その分を微量元素添加で補おうとする飼育方法が一般的になってきた。
ここで気になるのは添加剤の内容成分だ。
KENTの添加剤は内容成分非公開なので、一体何が入っているのか分からない。
もっともこの内容物に関しては企業秘密的な所もあるので、公開しない事が悪だとは言い切れない。
そこでホリバのイオンメータを使用してこれら添加剤の塩化物イオンとナトリウムイオン量を測定してみた。
現在の水槽は総水量が600リットル近いもので、海水交換は不定期にしかもかなりの低頻度で少量しか行っていない。
添加剤で最も大量に入れているのはマグネシウムのTECH・Mであり、他にTECH・Iやストロンチウム&モリブデン、鉄・マンガンが主なものである。
まずは水槽水のイオン濃度を測定してみた。
塩化物イオン濃度 ナトリウムイオン濃度
海水 19g/l 10.5g/l
水槽水 21g/l 8.2g/l
水槽水は塩化物イオン濃度が高くナトリウムイオン濃度が低い。
この理由は添加剤のイオン濃度測定で明らかになった。
塩化物イオン濃度 ナトリウムイオン濃度
TECH・M 700g/l !! 36g/l
TECH・I 620mg/l 6.3g/l
Fe・Mn 19.9g/l 42mg/l
Sr・Mo 16.6g/l 1.33g/l
上表を見てどう思われるだろうか。
TECH・Mには700g/lの塩化物イオンが含まれているのだ。
(後日再測定のつもり)Mg濃度は上がりにくい傾向があるので、これを私の場合には約10ml/Dayで添加している。
1ヶ月の添加量は300mlになり、230gの塩化物イオン相当量が水槽内に蓄積されていく。
いくら水槽容量が500リットルだと言っても、塩化物イオンの増加量は気になるレベルに違いない。
ただしナトリウムイオンも含有されているので、そのまま塩化物として残るのではなくナトリウムイオン量とのバランスは考慮しなければいけない。
さて、この塩化物イオンとナトリウムイオンを天然海水レベルに戻すにはどうすればいいか。
ナトリウムイオンを水槽内に投入して水で希釈すれば、少なくとも塩化物イオン量とナトリウムイオン量はバランスする。
(ただし、希釈するのだから他の成分は薄くなる)現時点で塩化物イオンは2g/l過多である。
つまり水槽内には1Kgの塩化物イオンが多すぎる状態であると言える。
ナトリウムイオンは2g/l少ない。
なので1KgのNa+を入れればいい。
ちなみにナトリウムの分子量は22.99である。
炭酸水素ナトリウムを入れるにしても、結構な量になるな。
炭酸水素ナトリウムの分子量は84.006なので、3.6Kgを入れればいいと言う事か?(自信なし)では、換水でこれを補正しようとしたらどうなるか。
100%換水が出来れば一発で元に戻るが、50%換水を繰り返すと考えても頭が痛い。
50%換水では最初の1回の換水で1g/lは補正されるが、次の換水では0.5g/lしか変わらなくなる。
私の場合、カルシウム補給はカルシウムリアクタを使用している。
しかし塩化カルシウムでこれを行っている場合は、更に塩化物イオン蓄積量が増えていくはずだ。
水酸化○○を使用すれば(水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム)良いわけだが、残念ながらこれらは水に対する溶解率が低い。
塩化○○は水に良く溶けるので、市販の液体カルシウム添加剤はこれが多い。
これらによって塩化物イオンが増え続ける事に違いはなく、換水を行うかナトリウムイオンを添加するか(水酸化ナトリウムはpHが高いのでカルクワッサと同じようにリン酸中和効果があるが、急激に入れると一気にカルシウム沈殿が起きる)の必要性を感じる。