特派員 Mr.KKK が送るマフラー改造第1弾


マフラーが壊れたのだ.

家の車は買ってから既に9年!それもブルーバードの普通のやつ. SSSじゃないぞ.まーボロい.金をかける気もしない.
金もないけど.


調子に乗って走ってた.
段差を気合いでジャンプ.
『ふっ,サスが柔らかいから余裕さ』と言う暇もなくいきなり爆音 が聞こえた.
『俺をあおるってか!生意気な!よし!道を譲ってやる!』と言お うとしたが,後ろには誰もいない.
でも爆音はついて来る.

そう,マフラーの芯が抜けたのだ.
今時の車(9年前の車もね)は芯が溶接されているから 抜けるはずが無い.
にもかかわらず,我が家のブルバードは錆びて抜け落ちたのだ.
さすが9年もの.

音は耐久レーサー風.なかなか格好良い.
しかし,心地よい爆音サウンドに浸っている場合ではない.
車の見た目と音がつり合わない.オヤジカーにこの音!
9年前の普通のブルバードで耐久レースをする奴は絶対いない.
誰もマフラーを社外品に変えたとは思うはずがない.
マフラーが錆び落ちたのは明らかだ.ダサ過ぎる.
静かに走ってれば誰も目もくれないこの車も,これじゃ『ボロですよー』 って宣伝しながら走ってるみたいだ.
恥ずかしい. 一刻も早く修理せねば.

修理屋に聞いてみた.
『なに?中古部品使って2万円だと!ふざけるな』 とは言えなかったので丁寧にお断りした.
こんな車にそんなに金をかけたくない.ならば改造だ.


なんと運の良い事に手元にバイク用のマフラーがある. よし,これをつけてしまえ.多少形が違うが,そこは気合いと根性だ.

車のマフラーと比べると随分小さい. いや,随分なんてもんじゃない.
しかも400ccのバイクについてたマフラーだ. この車は1800cc.大丈夫か?
気合いでなんとかなるのか?
とりあえずつけてしまえ.多少の事はその時考える.
早速着手だ.


やり方は簡単だ.車のエキパイとマフラーの接合部を鉄のこで切り落とし, そこにこのバイク用のマフラーをはめれば良い.
よし,接合部を切ってしまえ.

そもそもノコギリは体重を少しかけながら切るから切りやすいのだ.
車の下からのぞき込みながら切るのはツライ.ツラすぎる.
でも改造のためなら労力を惜しまない.と最初は思った.
『やめりゃよかった』と心のそこから改心しはじめた頃にやっと切り 終わった.

ここまでくればあとは簡単!はめるだけだ.ん?んんん?
このエキパイかなり細いぞ.
バイクのマフラーの差し込み口より遥かに細い.
げ!このままじゃ,隙間が大きすぎて排気ガスが洩れてしまう.
試しにエンジンをかけて見よう.

おー!うるさい.切断前より遥かにうるさい.暴走族的うるささだ. 嫌いじゃないけど.
『しまった.やっぱりやめときゃ良かった』とは決して思わない.
思ってる場合じゃないのだ.とにかく直さないとうるさくて家に帰れない. 何とかせねば.

隙間を埋めりゃ良いのだ.よし,アルミ板を買って来てエキパイにまいて シール代わりにしよう.
しかし,車を動かせないから買いに行けないではないか!
うーん.まーいい.このまま買いに行ってしまえ.


とにかく隙間は埋まった.しかし,元もと大きいマフラーをつけるために 設計されてるから小さいマフラーはうまく取り付けができない.
なんかブラブラしてるけど,いいか.見なかった事にしよう.

排気量の差も大丈夫なようだ.
元もと11000rpmあたりで馬力ピークが来るようなバイクの マフラーだから,馬力ピークの異常に低いオヤジカーの排気ガス量と 変わり無いようだ.

400cc×11000rpm/1800cc=2444rpm
あれ?大丈夫じゃなさそうだな.やばいか?
そもそも,こんな単純な計算じゃダメな気がする....
とにかく大丈夫だったんだから,大丈夫なんじゃない?

Written by KKK