インクジェットプリンタ(6/11)
◆ インクジェットプリンタというとカシオのタイピュータがあった。私が現物を見たのは発売された1971年よりも相当後だったと思うのだが、音もなく印字するプリンタに驚いたものだった。古かったからなのかそういう仕様なのかは分からないが、印字品質は余り良くなくて拡大してみるとインクが飛び散った跡が分かった。
◆ タイピュータはインクを静電偏向するんだったかな。紙とインクヘッドは少し距離があって、そこをインクが飛んでいく(飛んでいるインクは勿論見えない)方式だったと思う。当時プロッタはあったと思うのだが、それの非接触版というか、しかも印字が結構早くて未来感たっぷりだった。
◆ ただ業務用として使うには印字速度が遅いとか、印字品質が悪いとか言われていたようで主流はラインプリンタだったのかも。ラインプリンタも最初の頃は文字ごとのハンマーがあったのだが、HPのものはドットインパクト方式だった。中身を見たわけではないのだが、あれって一行分ドットが並んでいたのかな。
◆ 家庭用のインクジェットプリンタは偏向方式ではなく、まさにインクを吹き出すものだ。偏向しないのでドット密度の分だけノズルが必要になる。エプソンはピエゾ方式を開発し、現在もピエゾ方式を使っていると思う。ピエゾ圧電素子でインクを押し出す方式は、吐出量などが安定しているそうだがノズルが詰まりやすい。圧電素子の力が弱いので、ノズルが詰まるとそれを破壊出来なくなってしまう。
◆ キヤノンや他のメーカは加熱方式を使う。インクを加熱すると体積が増えて(或いは沸騰的な状態になってマイクロバブルが発生し)インクをぴゅっと飛ばす。これもプリントヘッドの詰まりは生ずるのだが、圧力が強いために少々の詰まりなら吹き飛ばす事が出来る。
◆ インクの詰まりに強ければヘッドクリーニングに要するインク量が減少し、経済的になる。エプソンはインクの詰まりを防止する為、ヘッドの詰まりが起きないように洗浄用にインクを使ってしまう。現状では加熱方式が多いのだが、インクを加熱してしまうために熱に強いインクでないとシステムが成立しない。
◆ 加熱方式はピエゾ方式に比較すると電力消費量が多いとか、加温体(ヒータ)の寿命が短いなどの欠点がある。キヤノンのプリンタのインクがヘッド一体型になっているのも、大容量タンクプリンタのヘッドが交換可能なのも、寿命の問題があるからなのかも知れない。一方でエプソン製はヘッドとインクタンクが別体になっているのでヘッドの交換がユーザレベルでは出来ないものが多い。
◆ 個人的にはエプソンプリンタのインク詰まりが致命的だと思う訳で、エプソンプリンタこそヘッドを交換出来た方が良いのではないかと思う。エプソンでもプリンタのヘッド部分が交換出来るタイプがあるが、ヘッドはそこそこ高額だ。ピエゾタイプや最近ではMEMSのものもあるとかで、加熱方式よりも高速なインク吐出が可能になっているそうだ。
◆ しばらく前からだが、エプソンのプリンタのヘッドを洗浄する溶剤みたいなものが売られている。インクの代わりのこの溶剤を入れてプリントを繰り返す事により、固まったインクを溶かしてヘッドの詰まりを解消しようというもの。私はヘッドをアルコールで洗った事があるが、これでは内部の詰まりは解消出来ない。ただし表面に付着したインクのカスは取れるので、印字品質は向上した。

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