過去の雑記置き場
VC
ディーゼルは悪者なのか?(9/1)
◆ かつて日本でも同じ事があった。国はメーカとの癒着があるので排ガスの強化に消極的だった。昭和51年(だったかな)規制の時点でもトヨタは排ガス規制強化に猛反対をした。トヨタが反対すれば排ガス規制強化は行われないだろうと思っていたのか?トヨタは低公害エンジンの開発を行わなかった。しかし排ガス規制の強化は行われ、トヨタはホンダや日産の技術を買わざるを得なくなったのだった。
◆ ディーゼル排ガス規制強化に国は消極的だった。業界団体が票と金をくれるわけだから、自民党がその業界の反対している事を推進するには抵抗がある。しかしそうした抵抗のなかった当時の石原都知事は東京都での独自排ガス規制強化に踏み切ったのだった。これによって高公害ディーゼル車は都内に入れなくなった。
◆ これと同じような事がイタリアでも行われようとしている。かつては燃費が良いから地球環境に優しいのだと言われて大量のディーゼルエンジン搭載車が販売された。しかし実際にはNOxやPM問題が深刻化し、すると政府はディーゼルエンジンは高公害だと意見を変えた。
◆ 日本でも最近は古い車に乗り続ける人が増えたが、海外では10年以上前の車に乗り続けるのは当たり前である。イタリアでは20年前の車を使っている人が自動車所有者の1/4にも達すると言われる。そんな現状でありながらも2011年以前に製造されたディーゼルエンジン搭載車が特定の都市を走れなくなる。
◆ 完全に通行が禁止されるのではなく、大気汚染の激しい期間の(主に)日中には通行が出来ず、通行した場合には罰則が科される。これはイタリアがと言うよりもEU規制に準じた策だとのことだ。散々ディーゼルは良いよと言っておいて、今更何事かと言っても欧州議会は聞く耳は持たない。
◆ イタリアには200万台規模の高公害ディーゼルエンジン搭載車、とは言ってもユーロ5規制車なので黒煙モクモクと言う事はないはずだが、そうした車が存在していると言われる。こうした車の所有者はいずれにしても車を買い換えるか、あるいは規制時間の通行を諦めるかの選択になりそうだ。
◆ こうした段階的な規制や年ごとの規制はイギリスやフランスでも過去に行われた。地域によって規制の内容は異なると思うのだが、Tチャージと称される科料を払えば車を使っても良いよ、みたいな規制もあった。別にお金を払ったからと言って排ガスが綺麗になるわけではないのだが、代替促進策という事だろう。
◆ ディーゼルエンジンの場合はPMフィルタで黒煙を集塵するのだが、それを燃やす事が必要になる。燃やさないとフィルタが詰まってしまうからで、しかし燃やせば炭酸ガスが排出される。これを以てしてもディーゼルエンジンが効率的なのか?いささか疑問だ。
◆ 欧州の排ガス規制強化に合わせて日本でも排ガス規制が強化されれば、ディーゼルエンジン搭載車は更に減少するだろう。結局の所日本でもディーゼル車優遇があったから売れたわけで、そうでなかったらこれほどまでにディーセルエンジン搭載乗用車は増えていなかったはずだ。
◆ また日本の場合は税金の関係でガソリンよりも軽油の方が安い。元値としては軽油の方が高いのだが、このあたりも業界団体との癒着的政策という事なのかな。
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