過去の雑記置き場
VC
タイヤ脱落事故(6/24)
◆ 大型トラックのホイールナットが逆ネジでなくなってから、タイヤ脱落事故が増えたそうだ。センターナット方式ならともかく、ホイールナットが何故緩むのか?ハブ側とホイール間に隙間があり、わずかに動く状態だとナットに力は加わる。ホイールは外側に行くに従って周速度が大きくなるので、ハブとホイール間の摩擦でネジは緩もうとしたり締まろうとしたりするのかな。
◆ トラックのホイールナットを見てみると、テーパー状になったものもある。他には座面が可動になったものとか、メーカや仕様や対象ホイールによっても違うのか。テーパになっていればハブとホイールは動きにくいと思うのだが、ガタによる動きではなく荷重などによる変形だとすれば防ぎきれない。
◆ ナットの緩み防止と言うより脱落防止というか緩みの検出用?のプラスチック製のものが売られていて、これを付けている車両も見たことがある。能書き的には緩みの検出、バネ構造による緩みの防止、熱による変形で過熱検出となっている。ネジが緩めばプラスチックがねじれるので目視で分かる。ただプラスチックのテンションでは、緩みの防止効果は余り期待が出来ない。
◆ ロック可能なナットが使えれば良いが、コスト的に厳しいのかな。トラックのホイールナットは乗用車用と比較したらかなり安いものだった。まあナットだからそんな値段でしょうと言われればそうなのだが、じゃあ乗用車用は何であんなに高いのか。
◆ 乗用車でもタイヤ脱落事故はあるが、それはホイールナットの締め忘れだとか過激なスペーサの使用など、本来の状態ではない。以前にも書いたがジムニーでシミーが起きるとホイールボルトが緩むので、これには注意が必要だ。
◆ すぐに緩んで外れてしまうほどの危険性はないが、明らかに増し締めが出来るのだから緩んだことになる。振動でネジが緩むのかという話は、エンジン式のラジコンを見れば分かる。エンジンの振動が凄いので、ネジがみんなはずれてしまう。嫌気性ネジロックを塗っても外れるのだから、振動って凄いんだなと思った。
◆ 草レースをやっているチームの車のエンジンが不調になってピットインした。メカニックがチェックするも症状が再現せず、しかしコースに戻ると不調が出る。結局レースはリタイヤしたのだが、その後チェックするとネジの緩みでエンジンとフレーム間のボンディングワイヤが外れ、要するにアースが浮いた状態になっていたとのこと。主要なネジはワイヤーロックなどをしていたそうだが、まさかアースが浮くとは、と言っていた。
◆ ミニは緩み防止のナットが使われている部分がある。余り力の加わらないところは樹脂入りナットみたいなもので、力の加わる部分はボルトを締め付ける方向のバネ材がくっついたような、エイリアンの卵の上面的スリットが入った、なんて書いても意味が分からないか、まあ緩み止めなのである。
◆ トラックのホイールナットが外れるのは左後輪が多いそうなので、振動が原因とは考えにくい。振動が原因なら両側同じように緩む。上に書いたようにガタがあるとナットは回ろうとするが、左タイヤなのだからタイヤが先行する、つまりバックした時とかブレーキがかかった時に緩もうとする方向に力がかかりそうだ。左折時に緩む説もあるのは、そういう事なのかな。
オイルの話の続き(6/23)
◆ 耐摩耗特性などは様々なサイトで実験されているのだが、チムケンテスターを使うにしても実験方法によって結果が異なったりと一定しない。例えば常温でテストするのか?とか100℃程度に温めたオイルを使うのかなど。テストの判断事態も摩耗量で判断するのか?摩耗面積で判断するのか?極圧性能で判断するのかでも違ってくる。
◆ テストによってはMobil1が良かったり、LIQUIMOLYが良かったり、MOTULが良かったり、Shell HELIXあるいはRevanolが良かったりする。耐摩耗性テストでCastrolは余り上位には食い込めない。同一条件(常温)でのテスト結果があったのでグラフにしてみた。同じオイルを2度測ったものがあって、結構再現性が良いなと思った。
◆ グラフは直接的数値だと説明が必要になるのでトヨタ純正オイルで正規化した。オイルの粘度は全て5W-30である。なおオイルによっては仕向地によって仕様の異なる(品番は同一)ものがあり、良好な方のデータを採用した。一部オイルメーカでは日本向けは本国仕様と異なると言っているので、日本仕様がこれと同一になるかどうかは不明だ。
◆ グラフは左に行くほどチムケンテストでのピース摩耗が少ないことになる。値が0.5ならば、トヨタ純正オイルによるピース摩耗量の半分という事だ。テストが数年前にものなので、現在販売されているオイルは成分が異なっている(環境規制などで)可能性もある。
◆ 摩耗特性と摩擦係数は又異なる訳で、摩耗特性がトヨタ純正オイルの2倍だったとしても、実際に問題になることはないだろう。動画でフォード(だったかな)の小型車をシャーシダイナモ上で50万マイル(約80万km)走らせてテストしたものがあった。2台の車それぞれに鉱物油と全合成油を入れてテストするというもの。オイルは双方とも1万マイルごとに定期交換される。
◆ 鉱物油と合成油で摩耗には殆ど差はなかったが、スラッジやオイル焼けは合成油の方が少なかった。シリンダはごく一部でクロスハッチがなくなっていた。走行条件はアイドリングから通常走行を模したもの的な表現だった。合成油の方が目に見えて摩耗が少ないという結果にでもなれば話題性があったかも知れない。
◆ チムケンテストは数分で金属が削れるような極圧下のテストなので、これがエンジンに当てはまるかと言えば違う。でも加速試験になるのではないかと言われれば、否定できないところもある。実際の所チムケンテストしか出来ないのだから、それで善し悪しを判断するというのも仕方ないところではある。
◆ 実際に粘度の違うオイルでテストをすると、高粘度オイルほどテストピースの摩耗が少ない。モリブデンなどを添加すると摩耗が少なくなる。しかし成分不明な添加剤を入れても、チムケンテストでは成績が向上しない場合がある。
◆ 普通のオイル、つまりエンジン用の市販オイルを使う限り10万kmや20万kmで摩耗度合いに差が出ることは少ないだろう。50万マイルのテストでスラッジには明確な差があったので、そうした面での性能差は大きいはずだ。テストはターボチャージャ付きエンジンで行われたが、オイルに起因するトラブルはなかったそうだ。
◆ スラッジに関して合成油は未だ大丈夫だったそうだが、コンベンショナルなオイルを使った方はピストンリングの固着が見られたそうだ。スラッジの蓄積によって固着が起きると、オイル上がりの原因にもなってスラッジの蓄積が更に増える。
加速と騒音(6/22)
◆ 日産のセレナe-Powerとホンダのワンボックス(ステップワゴンだったかな?)e:HEVの試乗比較みたいなものがあった。いずれもフル加速するとエンジンはほぼ定速回転でフル発電状態になる。0-100km加速はセレナが11秒弱でステップワゴンが9秒強と結構差があった。
◆ 動力性能はセレナが72kWのエンジンと120kWのモータを積んでいる。ステップワゴンは107kWのエンジンと135kWのモータだ。ホンダがモータ出力の約8割の出力のエンジンなのに対して、セレナは6割と小さい。フル加速時にはバッテリからも電力が供給されるが、エンジン出力も重要という事だ。
◆ このエンジン出力の違いなのか、ステップワゴンは加速時の騒音は結構大きい。定速でグワーッとうなりっぱなしみたいな感じで、セレナの静かさとは違う。通常走行時にはエンジンはフルパワーでは回らないので静かなのかも知れないし、あえて音を大きくした方がそれっぽい雰囲気が出るとか?
◆ 0-100km/hが10秒というと、少し速い軽自動車くらいになる。現行プリウスが7.5秒くらい、先代プリウスやアクアが9.5秒くらいだ。0-100km/hが10秒くらいなら加速は普通、10秒を超えると遅く感じる。ジムニーは車重があるので15秒くらい、ミニが8秒くらい(トランスミッション仕様によって0.5秒くらい違うらしい)だ。
◆ ジムニーでも高速は走れるが、追い越しは結構大変だった。90km/hで走っているトラックを追い越すにも時間がかかるし、追い越したところで100km/hで走ろうとすると(JB23はロックアップがないので)エンジン回転数は5千回転くらいになる。なのでおとなしくトラックの後ろを走っていた方が良い。
◆ ジムニーの最高速度を試したことはないが、135km/h前後は出るらしい。セレナが145km/h前後、ステップワゴンは170km/h前後まで出るとか。ジムニーでも120km/h制限区間を走る事は出来るが、エンジンの回転数的に結構可哀想だ。もう一段ギアがあれば120km/h巡航もする気になるんだけど。
◆ 新東名の3車線区間は、トラックは追い越しレーンには出てはいけないことになっている。しかし夜中などは3車線をトラックが塞いで団子状態になる。トラックが道を空けても、その後ろにいた乗用車がゆっくり追い越し車線を走行していれば、部分渋滞は続く。ただ感覚的には100km/h区間より120km/h区間の方が、追い越し車線をゆっくり走行する車が少ないように感じる。
◆ 120km/h制限ではなく130km/hにしたら、もしかすると追い越し車線を走行する車が減るかも。速度差が大きいと自分の遅さを認識できるのではないだろうか。渋滞の列に車が突っ込む事故は後を絶たないが、多くは追い越し車線側で起きるという。右側走行を信条としている人は安全に気を配る意識も低いのか。
◆ 追突される事故は自分が注意していても起きるので、注意すると言っても難しい。トラックに激突されたら即死する場合もある。トラックの自動ブレーキは2013年以降に装着が義務づけられたが、スイッチを切っているドライバーが多いとのこと。理由は自動ブレーキが作動すると荷崩れがおきるからだそうだ。
◆ 今年からは自動ブレーキの制動基準を、従来の20km/hから70km/hに引き上げられる。同時に自動ブレーキの機能解除が出来ないようにしてほしいものである。
エンジンオイルを買った(6/21)
◆ エンジンオイルはMOTUL8100を使っている。昨年はポート清掃とか燃料添加剤の実験をしたし走行距離も伸びたので、何度かオイル交換をした。今年は2月だったかな?オイルを換えた。1回のオイル量が4.5リットルくらいなので、4回換えると残りわずかとなる。現在の残量がどのくらいか?測ったわけではないが、あと1回分くらいだと思う。
◆ 次回のオイル交換で足りなくなると困るので、20リットル缶を買った。別の銘柄でも良いのだが、今のところ特別使ってみたいと思うオイルがない。認証オイルだと価格的にも似たような感じだがFUCHSは少し高めかな。
◆ スクータに入れている鉱物油も残りが5リットルくらいになった。殆ど乗らないとは言っても年に1回は交換しないと。交換しても排出されるのは新油みたいな感じなのだが、吸湿もしているだろうし。CLSの時も年間走行距離が1,000km以下が何年か続いたりしたので、オイルはさほど汚れなかった。
◆ 汚れはエンジンオイルが余りかからない場所に溜まる。例えばカム周りはオイルが行き渡るので余り汚れないが、そのオイルが飛び散って飛沫がくっつくカムカバーは汚れる。オイルが供給されていて汚れるのはピストンかな。排ガスの吹き抜けもあるし温度も上がるので、スラッジがつきやすい。
◆ スラッジがつくと言っても堆積するわけではないので害はないが、ピストンの裏側などは結構オイル焼けする。焦げ付き性の良いオイルを使うとか、清浄作用の強いオイルを使えばマシになるとは思う。高温でスラッジ発生の少ないオイルはSUNOCO SVELTで、いくつかのテストを見た中では一番良かった。
◆ 清浄作用が強いのはCastrolEDGEだが、ディーラ向けのオイル(名称は同じだったと思う)は更に性能が高い。ただ一般には販売されていないので入手性が良くない(入手できないわけではない)。
◆ 軽自動車や小排気量エンジンのターボ車はオイルにとって結構過酷なので、ターボ付きエンジン搭載の軽自動車こそ良いオイルを入れてあげた方が良い。最近の軽自動車は化学合成オイルが指定されているので、メーカの指定オイルを使っていれば問題はない。軽自動車だから安いオイルで、交換も2年に1回でいいやみたいな乗り方だとトラブルが起きる。
◆ ターボ付き軽自動車だとターボチャージャの軸受けの焼き付きだとか、オイルリターンパイプの詰まり(スラッジによるもの)が起きて、ターボチャージャ交換となると結構お金がかかる。
◆ 鉱物油の時代にはワイドレンジのオイルは焦げ付き性が悪いと言われていた。例えば20W-40よりも10W-50の方が焦げ付き性が悪い。これはワイドレンジにするための添加成分が、他の性能を圧迫するからだ。粘度変化特性が良好なトヨタGRオイルも、焦げ付き性が余り良くない。だからなのか、銘柄によってはターボ付き車両への使用が推奨されていない。
◆ GRオイルは良く出来ていると思う。交換サイクルが短めに指定されているなどはあるのだが、摩擦低減作用や粘度変化などの特性がチューニングされている。GRヤリスとかGRカローラ搭載のエンジンはチューニングレベルが高く、結構ちゃんと作られているというのは言い方がおかしいが、値段なりの手間がかけられている。そのエンジンに使えるEnduranceシリーズは考えられて作られているのだろう。
カムシャフトは2本必要なのか?(6/20)
◆ 今のエンジンは多くが2本のカムシャフトと4つのバルブを備えている。カムを2本にしたのは動弁系を軽くしたいからで、カムが直接バルブステムを押す構造ならロッカーアームの質量や慣性質量が不要になる。これによって高回転まで追従できるようになり、エンジン出力を上げることが出来る。
◆ しかしカムが直接バルブステムを押すように(実際にはタペットがある)すると、バルブクリアランスの調整が面倒になる。ロッカーアームがあればクリアランス調整機構を設けることが出来るが、カムがバルブを直接押している構造では、ステムの実質的な長さを変えて(シムを入れて)バルブクリアランスを調整しなければいけない。ジムニーのエンジンはこのタイプだった。
◆ バルブクリアランスの管理は製造工程を複雑にするので、コストが上がってしまう。そこで油圧ラッシュアジャスタ(HLA)が使われるようになる。ラッシュアジャスタの使い方というか配置にも色々あるのだが、当初はバルブステム上部(タペット一体型など)に小型のラッシュアジャスタを入れる構造のものが多かったと思う。この方式は慣性質量を最小に出来る反面、実質的にバルブの傘からカムの位置までが長くなってしまい、エンジンの全高が増える。エンジンによってラッシュアジャスタの大きさは異なるが、タペット一体型で2cm〜3cm位だ。
◆ そこでラッシュアジャスタとバルブを並べるように配置して、ロッカーアームを使う方法が増えた。ロッカーアームを使うんだったらシングルカムでも同じじゃないの?となるのだが、この方式が使われ始めた頃にはバルブタイミング可変機構も使われていた。
◆ シングルカムでバルブタイミング可変機構を使うと、インテークのバルブタイミングも、エキゾーストのバルブタイミングも一緒に変わってしまって都合が悪い。なのでカムが2本必要になるという、高回転高出力の実現とは別の目的というか必然性のためにカムが2本必要になったわけだ。
◆ 高回転域に関しては市販車のエンジンの回転数範囲であれば(バルブスプリングの共振などの管理が可能になったこともあって)ロッカーアームの質量はさほど問題にならなくなった。VTECなど3このカム山からの力を受けるロッカーアームが使われているわけで、それでも高回転までちゃんと回せる。
◆ ロッカーアームを使うのならラッシュアジャスタを使わずに調整機構を設ければ良いとなるのだが、長期にわたってメンテナンスを不要にするとか製造工程での管理よりも部品代の方が安いとか、色々あるのだろう。
◆ エンジンは運転時間が長くなるとバルブクリアランスが変化するのだが、そう大きく変わるわけではない。バルブクリアランスが広がる方向としてはカム山やタペットやシムの摩耗があり、狭まる方向としてはバルブシートやバルブの傘部分の摩耗がある。これらの摩耗度合いが相互に打ち消しあえば、バルブクリアランスは余り変化しないことになる。
◆ バルブクリアランスを狭くすると、実質的な作用角が大きくなり、リフト量が増えるのでエンジン出力は上がる方向だ。しかしクリアランスを詰めすぎると、冷間時にバルブが閉まり切らなくなるので不調になる。バルブクリアランスが拡大した場合はこの逆だし、タペットノイズが大きくなる。
生と死の境目(2)(6/19)
◆ 医学というか医療上は心臓が動いていれば人は生きている。意識があってもなくても心臓が動いていれば生きている。残された人々の中では記憶の中で生きている。その人間が失われてしまったとしても、記憶の中で生き続ける。
◆ 人工呼吸器なり人工心肺なり、或いは他の人工的な生命維持が行われている状態は、医療的には生きている状態だ。でもそれらを外せば心臓が止まって死んでしまう。そしてその判断は家族に委ねられることになる。今目の前に居る一人の人間の心臓を動かし続けるのか、それとも止めてしまうかの判断だ。
◆ いくら話し合っていたとしても、人の命を左右する決断は難しい。ここで血縁者であるのか否かで判断が揺れるわけだ。私は相手が誰であったとしても無理な延命治療は望まない。延命治療は借金みたいなもので、借金に借金を繰り返し、借金を返すために金を借りるような状態に陥っているなら、その人に金を貸しても何のメリットにもならない。しかし金を貸すことでその人が立ち直れるのであれば、それは前向きな借金になる。
◆ 治療が行われて回復の見込みがあるのであれば、更に患者が若い人であるのならなおさら延命治療という借金も許されると思う。しかし高齢であり回復の見込みに乏しいとなれば、今まで生きてくれてありがとうと見送るのも不道徳とは言い切れない。
◆ 私自身が死にそうになったときも延命治療は望まない。心筋梗塞などで心臓が止まったら、とりあえず心臓マッサージをして、それでダメならそのままで良い。心筋梗塞の発作の場合は心臓マッサージで心臓が動き出すことがあり、そうなれば血流量も確保できる。
◆ ただダメな場合は蘇生が難しくなるし、内臓や脳に障害が残る場合がある。心臓の手術を受けたときにドクターが言っていたが、救急搬送されて来た心臓障害の人の生存率は5割に満たないそうだ。例え心臓の状態が戻っても障害の残る可能性が大きいという。発作が起きた時点で本人の意識は無くなっているので、後は何が起きているかなどは分からない。
◆ 20年くらい前になるがある方のご主人が脳梗塞か何かで倒れた。2年くらい生き続けていたと思うのだが、意識が戻ることは無かった。長期治療となると家族にとっては精神的にも金銭的にも負担が大きくなり、その方が亡くなったときに家族が喜んだというのは言い方がおかしいが、病人本人も楽になり、家族も解放され、たぶんそれをみんなが望んでいたんじゃないかなという事だった。
◆ 独居老人でもないが一人で亡くなる方は今後増えていくだろう。兄弟やこどもが居ればいいが必ずしもそうとは言えない。独身の方も居るし子供の居ない方も居る。子供や親戚が居たとしても、最後に残されたのが自分の場合もある。その場合は延命を望んでいなかったとしても、ギリギリまで治療が行われることになるのかな。
◆ 自分の命の行方を自分で決められれば良いのだろうが、発作だとか事故の場合にはすぐに意識を失ってしまうこともある。それに若い頃は延命治療は望まないと言っていた人でも、その場になったら死にたくないと思うかも知れない。臓器提供カードではないけれど、病状に応じてこうした治療を望む、或いは望まないみたいなカードが必要かも。
生と死の境目(1)(6/18)
◆ 私の母親は何年か前に亡くなったわけだが、父親は人工呼吸器でも何でも良いから生かし続けて欲しいと言った。私は無理な延命は望まないと言ったわけだが、それは自分の母親のことだからなのかなと考えさせられることがあった。
◆ 個人の命は自分自身のものであり他の誰のものでもないわけだが、母親という一人の命をつなぐのか諦めるのかという判断は、血縁者とそうでない人では違うような気がする。自分のものというのは表現が正しくはないのだが、たぶん自分が判断すれば母親は納得してくれるだろうみたいな思いというか、それは奢りなのかも知れないけれどそんな風に思う。
◆ 例えば自分の妻が死にそうなときにどう考えるかというと、婚姻関係というのは他人が一緒に居るという事なので、親子関係とはちょっと違う。確かに一緒に居る時間が最も長い相手という事にはなるのだが、生かすか生かさないかを決めろと言われたときにどう思うのだろう。
◆ 親戚が救急搬送された。救急車は自分で呼んだそうなのだが、搬送時には意識が無かったそうだ。搬送された大学病院で検査をすると、冠動脈狭窄による心筋梗塞だった。高齢という事もあり手当をするかどうかの判断が身内に求められたのだが、その人が病院に駆けつけるまでの時間的余裕はないという。
◆ ステント手術すれば少なくとも心臓を動かし続ける事は出来るが、合併症その他で危険は避けられないと言われたそうだ。それでも治療をしてくださいとしかその場では言えないわけで、ステントを2回に分けて入れたそうで心臓の状態は良くなった。
◆ しかし低血流量の状態が続いたために腎臓はほぼ機能しなくなり、人工呼吸器を使っても血中酸素濃度が中々上がらない状態に陥る。また、これは既知のことではあったが肺など何カ所かに癌の転移があった。ICUに入って数日ほど、状態は余り変わらないように見えたが徐々に各臓器の機能は低下していたそうだ。
◆ 腎臓が機能していないので透析(かな)が行われるのだが、それでも余り長くは保たない状態になったという。経口摂取が出来ないので栄養状態も徐々に悪化し、胃瘻を行うも全身状態としては悪化の方向になる。
◆ この方は元気なときから家族と話し合っていて、無理な延命治療は望まないと言っていたそうだ。ただ何が無理な延命治療なのか?現在の状態がそれなのか?回復して意識が戻ることがあるのか、様々な機械につながれた状態を患者は望んでいるのだろうかと考える。
◆ 救急搬送から1週間が経過し透析的な治療を継続するかどうかの判断を求められたという。治療を行わなければやがて死ぬことになるが、治療をしたとしても余り長くは保たないだろうというのがドクターの判断だ。家族の方は治療を望まないことをドクターに伝えた。
◆ 個人的に思うのは例え5分でも3分でも、家族とコミニュケーションが取れる時間があったら良いのにと。言いたいことや聞きたいことが山ほどあったのだろうに、それを誰にも伝えられずに命の炎を消すことになる。
◆ 勿論本人的には血流量が下がった時点で意識を失うので苦しみも痛みも感じない。人工呼吸器が付けられているので麻酔的な処置もされていて、例え血流量が戻って脳が正常であったとしても意識は無い状態だ。
部品価格は更なる値上がり(6/17)
◆ 自動車用の補修部品の価格が上がったいるわけだが、ジムニーのAT用ストレーナは1.3万円ほどになっている。ストレーナ自体そう安くはないのだが、一体どこまで価格が上がるのか。後期型のものは8千円位なので、やはり古いものの価格が上がっているのかな。
◆ 軽自動車はターボ付きのエンジンも多いが、ターボチャージャのオイルパイプ/リターンパイプの両方で5万円という記事があった。1本あたり2万円ちょっとな訳だが、40cm位のパイプなのだから割高に感じる。BMWのリターンパイプが8千円前後(エンジンにより異なる)、ボルボで1.5万円位だったかな。
◆ 軽自動車の場合は部品価格が比較的安いのが魅力でもあったが、今はそうとも言えなくなってきた。特に古い車は維持にお金がかかる。例えばこの5万円のパイプを使う三菱の軽自動車だが、5万円(整備工場に任せるならそれに工賃が必要)をかけて直すべきかどうかは迷う筈だ。
◆ ターボチャージャ周りは熱の影響もあるので錆を含め傷みやすい。ジムニーはターボチャージャ本体から少し音が出ていたのだが、そのまま乗っていた。ターボチャージャ付近からオイル漏れはなかったが、オイルクーラ取り付け部からはエンジンオイルが漏れていた。
◆ ジムニーはラジエータを2回交換している。最初は中古車を買ってきて程なくしてラジエータが壊れ、その時に交換したものが再度壊れた。すぐに壊れたわけではないのだが、嵌合部が外れて冷却液を吹いてしまった。その時に交換したものの放熱量が小さかったのではないかと思う。調べてみると放熱量が何度か変更されているので、その辺り区別をしない社外品を買った可能性もある。ラジエータ購入時はそこまで調べていないというか、適合と書かれていれば適合なんだなと思うしかない。今調べてみても年式によって区別はされていなかった。
◆ ラジエータは社外品があるからなのか7千円くらいで買える。シエラと共通と書かれているので、輸出向け(シエラ)用が安いという事かな。他の部品もシエラ用が使えると安く入手できる。ABSセンサも純正より遙かに安い価格で購入可能で助かった。ABSセンサなんてコイルのピックアップみたいなものだから壊れそうにないのだが、意外に駄目になる。抵抗値が無限大になるのでどこかが断線するわけだ。
◆ テールゲートのスイッチも壊れたが、これはスイッチと配線部分は直した。でもゴムブーツは破れたままだった。スイッチASSYは2千くらいではなかったかな。他の車種のドアスイッチと共通なのか、部品としてはそう高いものではない。
◆ 古い車だとパーキングブレーキワイヤーが結構高かったかな。錆などがなければ切れることは少ないが、逆に錆が出ると意外に早く駄目になる。ジムニーと言えばキングピンベアリングやナックルシールがすぐ駄目になるが、ナックルシールとキングピンベアリングで今は1.2万円くらい(ベアリングは社外品)だ。前に替えた時そんなに高かったかなぁ。
◆ ホース類は結構劣化していたので多少換えたのだが、これは何かキリがない感じ。全部替えれば良いのだろうが純正ホースは意外に高い。ヒビの入っているところは交換したが、ヒビの入っている部分(金属パイプに刺さっている部分)を少しカットして、そのまま差し込んじゃったところもある。
メータクラスタは壊れると高い(6/16)
◆ ポルシェ911のメータクラスタが壊れたという動画があった。996は最終モデルが2004年なので20年以上前の車という事になる。その996のメータクラスタ内の、オイルレベルゲージがおかしいのだそうだ。オイルレベルが適量でもMINを示したり、MAXになるときもあるそうだ。
◆ 海外のフォーラムではハンダ付け不良が原因みたいな話もあるそうだが、具体的な故障箇所までは明らかにされていなかった。オイルレベルゲージは抵抗型だと思われるので、アナログ値を読んでいることになる。アナログ値としては水温計や油圧計、ガソリン残量計もあるが、これらはアナログメータ表示なのでセンサとメータがダイレクトに接続されているのか。
◆ メータの新品は50万円ほどだそうで、走行距離の書き換えにも数万円かかると語られていた。私が所有者だったらどうするかな、とりあえずは修理を試みる。ただメータを動作させなければいけないので、必要な信号を入れる仕組みを作らなければいけない。電源を入れれば動作するというものなら楽なのだが、そう簡単なものかどうか。
◆ オイルセンサが抵抗型であれば抵抗を付ければいい話なので、そこから回路を追っていく。オイルセンサ入力に任意の交流波形でも入れておけば、少なくともローパスフィルタの手前くらいまでは配線を追える。そこから先はADコンバータの入力になるのだろうが、ADC自体が不良だったら修理は不可能に近くなる。
◆ ジャンクのメータを買ってきて部品を剥ぎ取る手もあるのだが、ADC内蔵CPUだとピン数が多くて移植が面倒である。走行距離などもそこに書かれているとすると、書き換えの方法も調べなくてはいけない。まあ自分で乗る分には走行距離などどうでも良いが、売却時には距離不明扱いになるのかな。
◆ ハンダ付けの不良であればそこを修正すれば良いので、直すのはそう難しくはない。BGAが付けられているわけでもなく、ファインパターンでもない。それにハンダ付け不良であれば目視で分かるのではないだろうか。回路を追えばチェック箇所は絞られるので、その辺りを重点的に調べていく。手当たり次第温め直す手もあるが、手間的には目視が先かな。
◆ 自分のメータであれば手間は掛け放題なので、直るまで頑張ることも出来るし、いつ諦めたって咎められることはない。他人のメータを直すとなれば有償/無償に関わらず責任が発生するし、万一壊してしまったら大変なので修理はしない。
◆ 色々なことを質問されるのが嫌だという整備工場の話があった。整備工場に聞けばわかるだろうと気軽に聞いてくるが、それぞれの車や状態を予想したりするのは時間がかかるという事なのだ。だからといって分かりませんと切り捨てるわけにも行かず困ると。
◆ 整備士の作業コストでも同様に、例えばテスターを使ってエラー解除するのは1分で終わるのだからタダにしてくれみたいなものだ。整備士の技術料もあればテスターの償却費もある。テスターがあったとして、一般の人は使い方も分からなければエラー解除の方法だって分からない。
◆ 物の修理も同じ事でタダで直したいのなら自分で直すべきだし、自分でいじるのなら壊そうが直そうが自分の責任である。壊れても良いから見てくださいと言われてチェックして、チェック中に本当に壊れたら依頼者は不機嫌になると思うんだなぁ。
6角と12角に違いはあるのか?(6/15)
◆ 工具メーカは6ポイントのレンチでも12ポイントのレンチでも強度に差はないと言っている。これはおそらく工具の強度であって、ボルトを舐めるか舐めないかは又別の問題のようだ。いくつかのテストを見てみると12ポイントのレンチはスパナよりも舐めやすいというデータがあった。
◆ ネジを舐めるのはネジの頭とスパナのサイズのクリアランスにもよるし、勿論強度も関係している。スパナやメガネやソケットが変形すれば、ネジの頭とのクリアランスが広がって舐めてしまう。もう一つはネジに対してどの程度均一な力を加えられるかで、一部分に強い力が加わればネジが壊れる。
◆ こうした点から接触面積の広い6ポイントやオープンスパナが、12ポイントのレンチを上回ったのではないだろうか。6ポイントでも12ポイントでもないスプライン型のレンチもあり、これは12ポイントのレンチより成績が良かった。ただしネジにくっついてしまう(ネジの一部がへこんでレンチが食い込む)事があった。
◆ 今はセットもののソケットを買うと12ポイントのものが付いてくるが、私は個別のサイズを買うときには6ポイントのものを買っている。ラチェットの角度分解能が上がっているので、ネジへのはめやすさという点はあるにしても6ポイントで不便は感じない。
◆ ソケットは6ポイントのものが普通に入手できるが、6ポイントのメガネレンチを製造しているメーカは少ない。メガネの場合はラチェット機構がないので、6ポイントだとさすがに使いにくいという事だ。勿論国内メーカでも作っているところはあるので、入手が不可能という事はない。
◆ ラチェットの場合はネジから軸方向に離れた所に力を加えやすいのに対して、メガネだと(特にストレートであれば)ネジの頭その部分に力をかけやすい。ラチェットにエクステンションを付けても、ちゃんとした角度で(押さえて)使えば問題はないわけだが、ボルトに対して斜めにかかっている状態だとネジを舐める。
◆ メガネやソケットの強度自体は、ちゃんとした工具であればネジより強い。インパクト用は肉厚なので更に強いのだが、インパクトで工具が割れないような粘り気のある材質で作られているので、単純な硬度という点では非インパクト用の方が単位厚さあたりでは強いと思う。
◆ オープンスパナは余り使わないが、全く使わないかと言えばそうでもない。やはり無いと困る事がある。かけなおしがメガネより楽なので、例えばネジロックの塗ってあるネジなど緩めてもスムーズに抜けてこない、回すのが固いものなどはスパナを何度もかける方が楽かも。ラチェットが使えれば良いが、狭い場所だとラチェットが入らない。
◆ 電動でもエアでも良いのだがネジを緩めるときにエアラチェット(電動ラチェット)があると便利だ。これは欲しいと思っているのだが、電動はバッテリーの分重いしバッテリーを充電しないといけないし、エアはホースを引っ張り回すのが邪魔だし、でもバッテリー式より軽くて強いしと、迷っている。
◆ 電動インパクトは使うが、バッテリーが2個は必要だ。バッテリーを2個買おうとすると価格的にはエアラチェットの方がずっと安くなる。重量は同程度の回転速度とトルクのもので、エアラチェットの方が半分くらいの重さだ。これはバッテリーの分があるので仕方がないが、エア式だと実質的にはエアホースの重さも加わる。
工具を買おうかな(6/14)
◆ 欧州車ではトルクスネジが多く使われている。トルクスのセットは持っているのだが、今まで余り使わなかったこともあって品質が気になったことはなかった。無名のセットものなので余り品質は良くないと思う。
◆ 足回りの整備ではE14のトルクスをよく使う。締め付けトルクも100Nm程になるところもあるので、よく使うサイズだけメーカものを買おうかなと思っている。海外の動画で工具の強度をテストしているものがあるのだが、Snap-Onはさすがに強いなと言う感じ。
◆ 6角や12角のソケットはTONEのものを買うことが多い。価格が安いという事もあるし、KTCだと(たぶん強度を出すためだと思うが)持った感じとか先端の形状がちょっと違ったりするものがある。Snap-Onは否定しないがTONEの3倍くらいの価格なので、アマチュアとしては中々手が出せない。
◆ Snap-Onの工具は小さなトルクスドライバと1/2のロングハンドルくらいしか持っていない。ロングハンドルはちょっと錆びてるんだなぁ、Snap-onなのに。
◆ 買ったけれど全く役に立たなかった工具もある。フレアナット用のレンチ、先割れメガネみたいなヤツなのだが、力を加えると開いてしまってネジをなめる。そもそもスパナでは力が加えられないからフレアナットレンチを使う訳で、でもそれが開いてしまってはダメだ。スパナの方が余程良い。
◆ メッキポリッシュ仕上げで見た目は良いのだが、性能的にはゴミだった。これは後日強度テストをしてみようと思う。TONEやKTCのものは強度を出すために結構厚みがあり、多少弱くても薄い方が良いかなと思って買ったら弱さは多少どころではなかった。
◆ 次にブレーキ関係の整備をする前にはちゃんとしたフレアナット用のレンチを買うことにする。E14のトルクスも今すぐ必要というわけではないのだが、1個しか持っていないのでソケットが壊れたら作業が出来なくなる。
◆ トルクスは形状的にネジをナメる事は少ないが、低品質なソケットだとソケット自体が割れる。セットものの普通の12角のソケットもヒビが入って開いてしまったものがあった。エンジン周りや足回りをいじらなければ、ハイテンションボルトを締める機会は少ないが、たまたま足回りをいじることになったので気になる。E型トルクスのメガネセットがあれば便利かな。
◆ 工具が壊れたと言えば六角レンチは何本か折った。これもセットものを買っていたので、折れたサイズだけメーカ品を買った。まあL型の六角レンチはハイトルクをかけるものではないので、使い方が違うでしょと言われればそれまでだ。で、力を加える必要のある六角レンチは、3/8のソケットに付けるものを買っている。
◆ ドイツ車だと対辺15/16/18mmあたりのネジがよく使われている。16か18はディープのソケットがなかったかな。これも欲しいなと思っている。ナット側を緩めるところがあるので、ボルトが突き出しているから普通のソケットでは当たってしまう。
◆ タイトリーチというのかな?延長するヤツ、内部でチェーンでつながっていて、ラチェットのハンドルとコマの部分を別の場所に移動できるヤツも欲しいと思った。狭い場所のネジをトルク管理して締めようと思ったのだが、当然トルクレンチが入らない。もっとも延長レンチも小型のものでないと使えないと思うけど。
ブレーキホースの寿命(6/13)
◆ ブレーキホースは、昔は定期交換部品だったそうだ。しかしゴムホースの品質向上に伴い、1995年に定期交換部品ではなくなった。しかし無限に使える訳ではないので、乗用車においては5年程度ごとの交換が望ましいとしたそうだ。ちなみにBMWは毎年交換しろと書いてあったかな?ディーラでも交換はしないそうなので、昔の話なのかも。
◆ 定期交換部品から外れた事でブレーキホース需要は激減し、更に2008年には乗用車に於けるブレーキホースの交換時期を15年又は20万kmとしたそうだ。なお貨物車両やレンタカーでは4年ごと、事業用貨物車両に関しては2年ごとと規定されている。ブレーキ本体に関しても事業用貨物車両は4年ごとの定期交換が指定されているのだが、みんなちゃんと守っているのかな。
◆ ミニのブレーキホースの価格は$15程度(フロント片側)と高くはないのだが、国内では入手に時間がかかるようだ。社外品のステンレスメッシュホースは豊富にあるが、ステンレスメッシュホースだからと言って寿命が長いわけではない。
◆ ホース部分はPTFEで作られているものが多いが、ゴム製のものもある。化学的な安定性としてはPTFEが優れているのだが、耐熱温度はゴム製より低いのではなかったかな。PTFEは力が加わると伸びるので、ステンレスメッシュで覆う必要がある。またフィッティングから外れやすいので、その辺りにも工夫が必要だ。
◆ またステンレスメッシュホースによく使われているアルミ製フィッティングは、強度が低いので割れる場合がある。ステンレスメッシュホースと言えばEARL'Sが有名で、30年以上前から日本の某社がこれを輸入販売している。だが本物を輸入するよりコピーして作ってしまった方が安いという事で、相当数の偽物を売った。さすがに今はやっていないと思うけど。
◆ フィッティングも従来のアルミ製から、最近はスチール製のものも増えている。強度や寿命を考えると、1gでも軽くしたいという競技用以外はスチール製の方が良い。長尺ホースとフィッティングを買って来れば、好きな長さのものを作ることが出来る。ただしフィッティングに取り付けるときにはメーカの仕様を守らないと、抜けたり漏れたりする恐れがある。
◆ ステンレスメッシュと言いながら錆びてしまうものもある。もしかしたら某社の偽物だったのかも知れないが、実際に錆びてしまっていたステンレス?偽ステンレス?メッシュホースを見たことがある。
◆ ジムニーはたぶん一度もブレーキホースは交換されていない。ひび割れなどはチェックしていたが、結局交換しなかった。ジムニーの純正ブレーキホースっていくら位なのだろうか。車高アップ用のロングブレーキホースは沢山の種類が売られているが、純正は余り売られていないのかな。ちなみに社外品のホースの安いものは、フロント用で2千円台からある。
◆ ステンレスメッシュホースにするとブレーキフィールが良くなるのか?確かにホースの膨らみが減るので効果はあると思うのだが、国産車の場合はマスターバックが結構動くのでその動きによるフィーリング悪化の方が大きいかも。このあたりは車によっても結構違うので、マスタシリンダを見ながら誰かに思いっきりブレーキペダルを踏んで貰えば分かる。
最近の車のマフラー(6/12)
◆ 最近の国産車のマフラーは良く出来ているそうだ。軽自動車は最小の容量で最大の消音効果が得られるように工夫されているようで、排圧は高いのだろうがコストや体積や重量を最小にする設計は凄いという。
◆ このあたりは他の設計も同様なのだがシミュレーション技術の発達で、現物で試すことなく最適化設計が出来る。音量のみではなく排圧も優秀だと言われるのがGRヤリスなどのハイチューンカーだ。社外品のマフラーに替えても(音は大きく出来るが)パワーは上がらないというショップもある。
◆ 吸気系も最適化が進んでいて、これも社外品のエアクリーナ(キノコなど)に変えるとエアフロメータの計測値が安定しなくなる(これは昔から言われていた)事で、制御が正しく行われなくなるという。アフターマーケットパーツメーカにとっては難しい問題ではあるが、見た目のために変えるドレスアップ効果を謳うしかないのか。
◆ 欧米の車は日本車のマフラーと違い、グラスウールやステンレスウールを詰めたものが多い。副室構造にはなっているが、多くのモデルは吸音材が詰められている。吸音材で消音しようとすると、排圧は下げられるがマフラーの体積を大きくしないと消音効果が上がらない。
◆ 吸音材は徐々に劣化、カーボンが詰まったり排気脈動で抜けてしまったりするので、日本車のマフラーのようには長持ちしない。とは言っても最近のものはマフラーが腐食して穴が空くまでは使える、なんて言われるけど。
◆ 輸入車で違うモデルに同じエンジンを搭載した車があるが、搭載車によって最大出力が微妙に異なったりする。これは吸排気系の取り回しやマフラーの容積の問題によるものらしい。ホンダでもあったかな、排気管の取り回しで(同じエンジンなのに)パワーの違うモデルが。
◆ アフターマーケットマフラーの車検対応は年々難しくなっている。今は大手メーカのもの以外は認定が取れないそうだ。単に音量がどうのと言うことではなく、認定が取れていなければ車検は通らない。またフロントパイプからテールエンドまで一体で認定を取っているマフラーの、例えばフロントパイプだけを別のメーカの認定パーツに交換したとすると、これも車検は駄目になる。一式で認定を取っているものは、一部を他のパーツに変えることが許されない。
◆ A車の車検対応マフラーのタイコ部分だけを、B車の車検対応品に変えたとしても規定上は車検非対応になってしまう。昔はショップレベルでもオリジナルマフラーを売っていたのだが、今はそうも行かない。
◆ 車検と言えばレカロシート問題もあったっけ。従来はオリジナル構成であればOKだったのが、今は試験成績書がないとダメだ。中古のシートを買ったような場合、従来はレカロオリジナルなら良いよとなっていたのだが、今は個別の書類が必要だ。シートレールも同様なので、オリジナルシートだけれどシートレールが別のもの(高さや長さなど)だとチェックされる場合がある。
◆ シートの強度などは衝突試験でテストされる項目なので、その車に(安全性能的に)適合しなければいけない。シートは脱着が簡単なので車検の時には元に戻す事も出来るが、外したシートは意外に邪魔になる。
エンジンの構造(6/11)
◆ 欧州車はそこそこ古くからシリンダブロックをアルミで作る事が多い感じがする。アルミでブロックを作る場合はシリンダに鉄製のスリーブを入れるのだが、アルミ自体に硬質メッキを施すことでスリーブを省略するものもある。またアルミブロックにアルミのスリーブを入れるものもある。スリーブ構造にした方がボア径の管理がしやすいのだとか。乗用車用エンジンで可能かどうかは分からないが、トラック用のディーゼルエンジンはスリーブを交換してエンジンブロック本体が再使用できる。
◆ ジムニーのエンジン(JB23WはK6A)は鋳鉄ブロックでオープンデッキ構造だった。オープンデッキというのはシリンダブロック上面から見たときに、ウオータジャケットの中にスリーブが入っているように見えるものだ。シリンダブロックは鋳造(熱間・温間鍛造のものもある)されるのだが、鋳鉄ブロックの多くは砂型で作られる。砂型で作る場合は鋳造後に砂型を抜く必要があるので、オープンデッキの方が都合が良い。
◆ オープンデッキの場合は構造的に強度を出しにくい。しかし設計技術やシミュレーション技術の発達で、現在のエンジンはオープンデッキのものが多くなっている。アルミブロックでもオープンデッキ構造のものがあるが、高圧縮比エンジンとかターボエンジンなどではクローズドデッキ構造のものがある。
◆ クローズドデッキ構造だと強度を出しやすいのと、アルミブロックの場合は砂型ではなく金型で鋳造する場合もあるので、クローズドデッキ構造を採りやすい。アルミブロックは(材料が高いので)金額が上がりそうだが、金型鋳造が出来ると鋳造コストが下がるので鋳鉄ブロックと大差ないとも言われる。
◆ ミニのエンジンはB38(1.5リッター)/B48(2リッター)版があり、スープラにはB58エンジンが積まれていた。これはアルミブロックのモジュラエンジンで、ボア径もストロークも同じだ。排気量は気筒数で決まるが、唯一1.2リッター版だけはボアとストロークが異なる。
◆ チューニングレベルも様々で1.5リッター版で228馬力、2リッター版は312馬力、3リッター版は510馬力まであったかな。1.5リッター版と2リッター版は縦置き用とFF車の横置き用に分かれている。欧州車のエンジンでは良くある事だが、年式によって変更が加えられている。
◆ ジムニーのK6エンジンも年式によって細部の違いがあり、イグニションプラグのサイズが違うとか冷却系統の通路が違うなどする。BMWのB48はカムチェーンのかけ方が違うとか、冷却系のレイアウトが違うなどの変化がある。基本設計はそのままでK6エンジンは24年間も使われ続けたのだから寿命が長い。K6エンジンがはじめて搭載された車はアルトだったかな。
◆ モジュラエンジンとは言わないのかも知れないが、日産のL型4気筒エンジンはL13(1.3リッター)からL20(2リッター)、6気筒版はL20からL28までがあった。L20もL28もほぼ外径は同じだが、ブロックの肉厚などが(年代によって)変わっている。
◆ カウンターフローのマルチバルブかが進む中で、頑丈な鋳鉄ブロックのクローズドデッキ構造エンジンは、カウンターフローの2バルブという古風な構造のまま使い続けられた。生産開始は1965年で1981年頃まで使い続けられ、国産初のターボ付きエンジンでもあった。その後VG型が国内初のV型レイアウトのエンジンとして登場するのだった。勢いのあった技術の日産時代である。
狭いキャビンと安全性(6/10)
◆ 現行プリウスではフロントガラスの傾斜角を大きく(水平を180度とした場合)とったスタイルとなっている。デザイナの意図は不明だが、こうしたデザインはホンダが軽自動車で行っていた。ボンネットのスラント角度からフロントガラスまでをスムーズにつなげる手法で、車室長を広く(長く)見せることが出来る。
◆ デザイン的に仕方のない車もある。ワンボックスカーではフロントガラスを出来るだけ前方に持っていく必要がある。こうすることでワンボックススタイルが生まれるわけだが、実際にはエンジンがフロントガラス付け根よりも後ろに位置しているので、車室長が取れているわけではない。あくまでも視覚上ワンボックスチックに見えるだけだ。
◆ フロントガラスを前方から立ち上げると、運転席とフロントガラスの位置関係が不自然になる。何しろその中間下にはエンジンがあるのだから。そこでフロントガラスを傾斜させることで、不自然さを取り除くと共に、前方が広いイメージを作り出す。
◆ プリウスはワンボックスではないのだが、フロントガラス先端をタイヤハウス上部あたりにまで前進させることでショートノーズ・ロングデッキ的なスタイルになっている。フロントガラスの傾斜角が大きいので居住性が悪化すると共に、傾斜のきついフロントガラスと乗員頭部のクリアランスが確保できなくなる。
◆ これは衝突時の頭部安全性の問題となるので、トヨタはニーエアバッグを採用した。勿論フロントガラス問題だけが装着の目的ではないかも知れないが、ニーエアバッグによって乗員が(前面衝突時に)前方に動くことを規制し、頭部がフロントガラスに当たるのも防いでいる。
◆ ニーエアバッグの効果は大きく、乗員の移動が規制できるのでステアリングエアバッグとの衝突のインパクトや、シートベルトによる締め付けも軽減が出来る。こうした効果があってか、前面フルラップ衝突時に於ける安全性は前モデルよりも良くなっている。
◆ ニーエアバッグ以外の対策では、クラッシャブルゾーンの拡大が行われている。ボンネット長は前代モデルとさほど変わらないが、衝撃により変形する部分を拡大したことで乗員に与えるインパクトを軽減した。ニーエアバッグとクラッシャブルゾーンの拡大無しには、あのフロントガラス傾斜角が実現できなかった、かも知れない。
◆ 米国ではシートベルトを使用していない状態での衝突試験が行われる。この場合はシートベルトによる体移動の規制が出来ないので、乗員は前上方向に大きく移動する。こうなるとフロントガラスとの衝突は避けにくい。フロントガラス上部にもエアバッグを付ければ安全性は高まるが、果たしてトヨタはどうするのだろうか。
◆ 米国でも現行プリウスは売られているが、日本仕様の大径ホイールは人気薄だとか。ベーシックモデルは195/60R17のタイヤが装着されている。大柄な米国人には乗れない(ヘッドクリアランスが窮屈)と言われるのだがシートの位置設定などは日本仕様と同じなのだろうか。プリウスはトヨタの奇抜なデザインの車的印象だそうで、ベーシックなカムリ人気に及ばないらしい。
リニアな制御の難しさ(6/9)
◆ 現行型ジムニーのトラクション制御、ブレーキLSDに関しては以前に書いた事がある。初期モデルではブレーキのON/OFF制御のような感じで、スリップしている車輪を完全に止めてしまっていた。現状モデルの動作を見ると初期型よりもスムーズな感じがするので、制御が変更された可能性もある。
◆ ただスリップ検出から制御開始までのタイムラグは長めで、状況によってはteeter-totter(交番動作)になってしまう。1輪がスリップするとその車輪を止めようと制御がかかり、そのタイヤが止まると他のタイヤがスリップし始める。これが順次起きるので駆動力が得られない。
◆ 競技場に行く人にとってみればメカニカルLSDこそ全てみたいな、さらにはロック率だとかレスポンスも気にするような使い方だろうから、所詮電気仕掛けだよねと冷ややかな目で見ていたりして。
◆ 現行ジムニーではDBW(電子制御スロットル)が採用されたが、タイムラグ問題が指摘されている。アクセルペダルの踏み込み量に対するスロットルバルブの動作に遅延が起きるために、不自然な感じがするというわけだ。普通に走っている分には余り感じないのかも知れないが、これも競技場などでの走行時には気になるというレポートもある。
◆ DBWのレスポンスはSL600の頃は余り良くなかった。当時は高トルクのステッピングモータがなく、スロットルバルブの開閉はDCモータが使われていた。スロットルバルブ開度が一定状態でも常にDCモータがドライブされていて、その音が結構大きかった。スロットルバルブ開度を一定にするためには、DCモータに交流を流す的な感じでその位置を保持していた。
◆ こうした色々な部分の制御遅れが積み重なり、制御が暴れてしまうような状況になる。ESCばかりではなくABSでも同様で、ペダルへのキックバックを感じて分かるようにリニアな制御ではない。最近BENZがリニアに近い制御をやり始めたが、そもそもタイヤをロックさせてみないとロック状態が分からないのだから、どうしても断続的な制御になる。
◆ しかし路面とタイヤの動摩擦係数の予測制御の精度が上がれば、制動距離を余り犠牲にせずにリニア制御が出来ると思う。ESCにしてもBENZは以前から自然な制御になるような設計ポリシーで、メータクラスタのインジケータを見ていないとESCの制御が入ったのかどうかが分からない位だった。
◆ 今でこそどの車でもESCの介入は自然に行われ、それはDBWやブレーキ制御の速度が上がったこともある。各輪の速度やGセンサ、ステアリング舵角などから目標エンジン出力やブレーキ油圧を計算するわけで、CPUの演算量も多くなる。CPUの演算速度やメモリ搭載量の増大が、自然な制御をもたらした訳だ。
◆ 自動運転に比較すればABS制御なんて楽なものだと言われるかも知れないが、ブレーキの場合は油圧制御が絡むので機械部分のレスポンス予測が難しいかも。
◆ R230のSLはSBC(ブレーキバイワイヤ)だったのだが、ペダルタッチはごく自然だった。なので、あの当時でもそこそこの制御は出来ていたことになる。一方でTHSのブレーキ制御が(以前よりずっと良くなったとは言え)洗練度に欠けるのは何故だろうか。回生ブレーキとメカニカルブレーキの連係動作は、それだけ難しいのかな。
ミニ雑感(6/8)
◆ 早いものでミニに乗り始めてから1年以上が経過した。普通に24ヶ月点検を行い、ユーザ車検を受けた。整備箇所は色々あるが、どれも作業的には簡単なものばかりだった。ロアアームは部品代が5万円位と高かったのだが、両側を交換したからそんなものか。
◆ 音を我慢すればそのまま乗っていられたと思うし、気温が上がってきたら自然に直ったかも。修理するにしても音の出た左側だけにすればパーツ代は節約できたのだが、OEMメーカの強化品にしたので両側交換となった。作業的には特に難しいところはなかったし、ネジの固着もなかった。
◆ ジムニーはオドメータが21万kmを刻むまで乗ったわけだが、20万kmを超えたのだから凄い。購入時点で14万kmだったので私が走った距離はたいしたことはないが、それでも20万kmを超えるなんて二度と拝めないかも知れない。
◆ 海外では移動距離が長いので20万kmや30万kmは珍しくないのだろうが、軽自動車で20万km以上走れるのだから立派だ。前オーナのオイル管理が悪かったからオイル下がりが起きたのか?オイル下がりが起きたからエンジン内部が汚れたのかは分からないが、いわゆるオイル焼けやスラッジはあった。
◆ ただヘドロのようなスラッジの蓄積はなかったので、定期的なオイル交換でそれらは多少溶けたのかな。これもオイル下がりに関係するのだろうが、ピストンリング溝の汚れとバルブのカーボン噛み込みは多かった。多少すり合わせをしただけでそのまま組んだので、密着性は悪かったかも。
◆ ミニはオイルにじみを発見したので、そのうち直そうと思う。直すと言うほど大げさな作業ではないのだけど。ジムニーはオイルクーラの所からオイルが漏れていたのだが、ここが極めて外しにくい場所なのだ。エンジンマウントを外せば作業がしやすいが、エンジンマウントは簡単には外せない。で、結局そのままになってしまっていた。漏れと言ってもしずくが垂れるほどではなかったので、勿論オイル量が減ることもなかった。
◆ 円安や物価高もあって価格が上がっているのはオイルなどだ。価格が上がっていると言うよりも日本経済の停滞の方が問題なのだろう。国際価格の変動幅は小さくても、給与水準が30年も変わらない日本にとっては高価なものになる。
◆ 国産車のパーツ価格の問題、特に古い車の部品価格の値上がりは激しい。ジムニーにしても結構部品価格が上がっていた。国内専用車の場合はOEMパーツが少ないので、そうしても純正部品に頼ることになる。ジムニーのABSセンサは中華のシエラ用を使うことでコストを節約できたが、そうでないと結構高額だし古いモデルだと入手自体が難しい。またジムニー用と言うだけで中古パーツが高かった。
◆ ミニ関係もパーツは値上がりしていると思うのだが、OEM品もあるし更に安価な社外品もある。簡単に交換できる場所なら社外品でも良いのだが、交換が面倒なところはOEMメーカ品か純正品の方が安心できる。ただ品物によっては国内でOEM品が買いにくいことがあって、海外からの送料を考えると純正品と変わらぬ価格になる。
熱い方が良いのか?(6/7)
◆ 欧州車は一般的に水温を高めで使う。冷却水系の圧力を上げて高温まで沸騰しないようになっている。国産車では90kPa前後が標準なので約120℃で沸騰する。欧州車の場合は150kPa前後で使われるので、沸騰温度は130℃弱になる。
◆ 国産車の場合は開放形(リザーバタンクが大気圧)で使われ、欧州車の場合は密閉系で使われるという、構成の違いもある。レース用のエンジンでは更に高い圧力で使う場合があり、短時間で局部的な温度上昇があった場合でも気泡が発生しないようにと言う事らしい。
◆ 冷却水温を上げるとエンジンの温度が上がり、熱効率が少しだけ上がる。ただし温度が上がるので異常燃焼(ノッキング)が起きやすくなってしまう。ジムニーは水温度下げることで過給時のノッキングを抑え、レギュラーガソリンの使用を可能にした。
◆ 水温を上げるとエンジンの熱はどこに行くのか?最も変化があるのが排気温度だそうだ。冷却水温を高めていくと排気温度が上昇する。これはターボ車の場合は熱エネルギの回収という事で都合が良い反面、高すぎる排気温度はターボチャージャのタービンの熱負荷を増やしてしまう。BMWの一部車種はターボチャージャ一体型のアルミ製エキゾーストマニホールドが使われていて、エキゾーストマニホールド内に冷却水を流している。
◆ 究極的な高温エンジンとしては、その昔研究されていたセラミックエンジンがある。1980年代には試作エンジンが作られ、日本ではいすゞが熱心だった。時代の時々で言われる夢のエンジンみたいな呼ばれ方をしたわけだが、今考えれば高温中で燃焼させてNoxはどうするのかとか、オイルはどうするのかなど疑問もある。
◆ 当時のセラミックディーゼルエンジンでも排気温度の高さは厄介だったようで、ターボチャージャのタービン出口でさえも温度が高く、2段ターボ式にして排気エネルギを回収する試みもあった。更にそのターボチャージャのタービンもセラミックにすれば溶けないんじゃないの?と言うことで、どんどんセラミックになっていく。
◆ 結局の所冷却不要のエンジンが出来たところで冷却損失は減らない(排気熱として逃げていく)訳で、だったら空冷エンジンでも同じなんじゃないのとか、金をかける割にメリットが少ないと言われ始めた。一時期には大学教授が指揮を執ってKASTでも研究されたりもしたのだが、研究が進むにつれて高温であるが故のデメリットが見えてくる。
◆ 当たり前ではあるが吸入空気も瞬時に熱せられてしまい、体積が増えるので充填効率が悪化する。吸気温度を下げようとしたところでエンジン自体が熱いのでどうしようもない。こうしてセラミックエンジンの開発は下火となり、その存在すらも忘れられていく。
◆ ただし研究によって得られたデータは、その後のエンジン開発やエンジン用の部品の開発にも活かされたと言われる。セラミックタービンを使ったターボチャージャはフェアレディZのVG30やRB系のエンジンに使われた。タービンホイールの質量をインコネルなどの材料の2/3まで軽減することが出来、慣性質量の大幅な軽減が可能になったと日産は言っている。セラミック系ターボチャージャ搭載車の累計生産台数は100万台を超えたそうだ。
モジュラーエンジン・共通シャーシ(6/6)
◆ 日本ではモジュラエンジンは余り聞かないが、BENZもBMWもモジュラエンジンを使っている。例えばスープラに搭載される6気筒ターボの3リッターエンジンだが、これを4気筒にしたものが2リッター版のB48型であり、3気筒にしたものがB38型になる。
◆ 気筒数や細部は少し違うのだが、基本的な構成は似ている。気筒数の異なるエンジンを共通化するのでバランスシャフトは2箇所にあったかな。クランクシャフトからバランスシャフト(必要のないエンジンではアイドラ)を駆動し、そこからカムシャフトを駆動する。
◆ オイルポンプはエンジンフロント部のオイルパンの中にあって、これもチェーンで駆動されている。エンジンの排気量によってオイルポンプ性能を変える必要があるので、ブロック一体型ではなく別部品として存在している。
◆ 爆発間隔や気筒数が異なるのでクランクシャフトは各エンジン別になるが、BENZのエンジンではV型8気筒エンジンとV型6気筒エンジンが共通のものがあり、V型6気筒は90度バンク角で不等間隔爆発(オフセットクランクを採用していない)だったはずだ。
◆ 爆発間隔とかバンク角はバランスシャフトでどうにでもなるというのは言いすぎかも知れないが、設計技術というかシミュレーション技術によって設計自由度は高まったと言える。
◆ トヨタは共通プラットホーム開発に熱心だ。エンジンに関しては共通化はしないのだが、シャーシの基本設計は共通化する。共通だからと言って同じという事ではないのは、モジュラエンジンと同様だ。共通シャーシというかプラットホームは設計に時間がかかるが、トヨタのような多くの車種を作るメーカにとっては共通化によるコストダウンが大きい。
◆ 以前にも書いたがトヨタ版とレクサス版でトレッドやホイールベースを違える手法に、ホイールのオフセットを変えるとかキャスター角を変えるという小技を使う。ホイールベースもトレッド幅の数字も同じでは、レクサスブランド版を買った人の満足感が下がってしまうと言うわけだ。
◆ ホイールベースやトレッドを変えると様々なジオメトリが変わるが、ジオメトリの変化に対してブロードな特性のサスペンションを設計し、それを支えるシャーシを設計しておく事で自由度が高くなる。
◆ ボディのたわみをサスペンションとして使うとか、サスペンションアームをトーションバーとして使うとか、こうしたところも高度な設計やシミュレーションがなければ実現できないし、その設計コストがペイできる台数を売るメーカでなければ意味がない。
◆ さらには衝突安全性だとか製造コストも加味するわけだから、素人考え的にはエンジンのモジュラ化よりも相当難しいのではないかと思う。昔の車は共通部品を使って安く仕上げるみたいな感じだったが、今の設計だと共通部品を使うと性能を向上させられる、みたいな感じがする。
◆ EVになると動力源のモータはエンジンよりも設計自由度も搭載自由度も大きくなる訳だし、シャーシにしてもICEのような複雑な制約は考えなくても良くなる。こうなると共通化のメリットが出やすくなるだろうし、共通EVシャーシに違ったボディを乗せる、ホイールベースもトレッドも自在に変更できるという10年くらい前の?EV共通シャーシ構想が現実的になるのかも。
バナナのCMで有名(6/5)
◆ 凍ったバナナで釘が打てるとのCMで一躍有名になったのがモービル1である。CMの配信が開始されたのが1977年だそうなので、48年も前の事になる。CMに使われたモービル1は5W-30で、当時のスタンダードとしては20W-40位だったのではないだろうか。
◆ CMで比較に使われた"普通の高級オイル"は10W-40なので、そもそもベースの粘度が違うじゃないかとなる。で、CMの方も早々に撮り直しを行い、粘度表示を消してしまった。もしかしたら自動車業界では粘度のインチキが話題になったのかも知れないが、世間はバナナの方が記憶に残っていたのかも。
◆ 化学合成オイルの歴史は古く、主に航空機エンジン用として開発された。ただモービル1はいわゆるPAOベースのグループIVではなく鉱物油を分離・分解した後に再合成したグループIIIではないかと思われる。ただ歴史的にはPAOベースのグループIVの方が先に開発され、その性能に近いものをローコストで合成するという事でグループIIIの研究が進んだ。
◆ 結局石油ベースだったら鉱物油じゃないか論があって、何を以て合成油とするのか裁判にもなった。カストロールはハイドロクラッキング(水素を用いて鉱物油を分離分解する手法)を用いて製造したグループIIIのオイルを合成油と謳った。一方でモービルはグループIVやグループVを合成油と呼ぶと主張した。この争いに対して裁判所は、カストロールの主張を認めた。これによりモービルもグループIIIのオイルを合成油と呼ぶようになったという、何の主張だったのかよく分からない事態が起きる事になる。
◆ この事態によって部分合成だとか半合成、全合成やブレンド合成、100%化学合成などの表記が氾濫し、更に分かりづらくなったのだった。まあどちらでも良いと言うか、鉱物油でも合成油でも性能が高ければそれで良いという事にもなる。SDSを見るとグループIIIは鉱物油扱いなので、このあたりを調べてみるのが早いのかも知れない。
◆ マイナス40℃のCMに登場したモービル1なのだが、粘度からすると化学合成油ではないのかなと思う。合成油裁判が1980年頃だそうなので、裁判の過程からすればモービルはグループIVかVを合成油と呼んでいたと思う。当時としては合成に時間もかかった高価なオイルだったのかも知れないが、フラグシップとして作ってみましたみたいな感じかな。
◆ 当時の標準的粘度のオイルと比較すると、かなりサラサラだったと思う。今でこそ5W-30は驚くべきものではないが、常温に於ける粘度の違いにもインパクトがあったのではないだろうか。モービルにしてもそうだが、石油会社のオイルは多くの自動車メーカの認証を取っている。自動車メーカの純正オイルは、これらオイルメーカのOEM品になる。
◆ オイルはレシピさえあればどこが作っても同じものが出来上がるので、元売り系かどうかは余り関係ないとも言える。ただ一般的には元売り系のオイルは様々な性能が上手くバランスしていると言われ、尖った性能こそないが悪い部分もないと言う事になる。
◆ オイルの価格は日本とか以外でずいぶん違っていて、それは関税の関係だ。レシピを元に日本国内で製造しているオイルは比較的安価だが、オイルとして輸入すると高くなる。成分の違いなどもあって日本仕様のものと本国仕様のものとでは特性が異なっている場合がある。メーカによっては高温多湿の日本に合わせて吸湿性を調整している、などとアナウンスしている。
中国籍ドライバーによる逆走死亡事故(6/4)
◆ 一方通行の狭い道路を125km/hで逆走し、直交する道路を直進している車両にぶつかった。中国人ドライバーや同乗者は軽傷だったが、何の罪もない日本人は死亡した。
◆ 前方からの衝突よりも側面からの衝突の方が弱いかと疑問を感じた方もいるだろう。トヨタの共通プラットホームはボディ中央部分の強度が弱い(下げてある?)事で、側面衝突ではボディが前後に分かれてしまう場合がある。しかしこの衝突事故の被害車両はトヨタ製ではない。
◆ 日本車の多くは側面衝突に対して十分な安全性を担保していない。これは側面からの重大な衝突事故が少ないからだと言われている。海外では側面衝突時の乗員の動きや、助手席にも人が乗っていた場合の人間同士の接触インパクトに対しても安全基準が設けられている場合がある。
◆ 例えば国内では衝突試験で十分な成績のプリウスも、側面衝突基準のテストに於いては低評価になってしまう。国内でテストされない項に関しては十分な検討がなされていないからだ。一部国産車の輸出車両では側面衝突安全性試験を行っているモデルもあるそうだ。
◆ 側面衝突に対して海外の車両はどうなっているかというと、ドアやシートに取り付けられたエアバッグで衝撃を軽減する。乗員同士の接触軽減のため、シートエアバッグ(センターエアバッグが効果を発揮する。
◆ 側面衝突(ポール衝突)に関してはカーテンエアバッグの装着があるのだが、カーテンエアバッグの有効範囲が余り広くない事で、運転姿勢や乗員の座高によっては効果を発揮しないと言われる。
◆ ホンダはシートサイドにエアバッグを付けたし、トヨタは2007年にカーテンエアバッグとサイドエアバッグの採用を発表した。ただし標準装備ではなくオプションのようで、ガリバーの記事によれば「(略)こうしたサイドエアバッグやカーテンエアバッグは、それほど高価な安全装備ではない。トヨタ アクアでは、43,200円で装着できる。」とある。
◆ 安全性試験時にはフルオプション車両で挑み、販売車両はオプション設定をするというのは昔のABS装着みたいなものだ。トヨタは安全はカネにならないと言っているわけで、JNCAP試験車両と自分の乗っている車が同一かどうか、調べてみる必要がある。
◆ 燃費に関しても燃費スペシャルモデル(軽量モデル)のデータがカタログを飾るが、実際に販売される主力モデルの燃費はこれとは異なる場合がある。燃費テスト時の等価慣性質量値を1ランク下げれば、数字を大きくする事が出来るからだ。
◆ 安全性に関しては試験が全てではなく、なので欧州や北欧メーカは独自に事故解析を行って安全な車を作ろうとしている。日本の場合は試験項目で優秀な成績が取れるように設計する。なので試験項目以外のテストをされると成績ががた落ちになる。入学試験用に過去問題を暗記するようなものだ。
◆ そんな日本車振り落としのため、とは言えないが、年々試験項目が増えている。そうなれば必然的に日本の自動車メーカも新試験項目に対応するので、安全性能は高まっていく事になる。ただし日本ではその試験項目は除外されていたりするので、国内販売車には安全装備が装着されない。
ザ・ビートル(6/3)
◆ 最近余り見かけないなと思ったら、ザ・ビートルは生産終了となってずいぶん時が経つんだ。最終モデルが2019年で、販売終了が2020年となっている。エンジンは1.2リッターのターボ付き105馬力版から、2リッターのターボ付きの211馬力版まであった。
◆ 現在でも勿論中古車が入手できるが、新車時以上にまで価格の上がっているものもある。一方で1.2リッターモデルなどはそこそこお買い得な価格に落ち着いている。
◆ 販売期間が短かった為もあるが、総販売台数が5万台前後らしいので球数が多いとまでは言えないようだ。スタイルに憧れて買ってみたけれど、ファミリーカーにはなりきれないねと言う事で手放した人が多いとか。逆にビートルだから乗る、みたいな人はコアなファンになるらしい。
◆ スタイリング的に4名乗車は厳しいというか、後席のヘッドクリアランスは不足気味である。家族揃って長距離ドライブに相応しい車ではなく、2名でちょっと旅行に行ってみるくらいの使い方が良いのかも。最近の日本車の傾向として何でもかんでも積み込める車こそ最良だみたいな、3人家族だけどやっぱり7人乗りだよね、シートが多い方が偉いし、という感じの人が多いから、そうした考えの人には合わないことになる。
◆ 最近流行の大径タイヤだが、ビートルにそれを付ければごく自然な感じがするのが面白い。タイヤサイズは215/55R17から、ホイール径が最大だと235/40R19までが選べる。235/45R18あたりが標準的だろうか。
◆ オプションかモデルによってか分からないが、電子制御LSDが装備されていたりダッシュボード中央には油温計やブーストメータが並んでいたりして、愛嬌ある外観とは裏腹な動力性能を持ち合わせているのかも知れない。1.2t位の車重で200馬力を超えるエンジンなのだから、2リッター版は速いだろう。105馬力の1.2リッター版も、過給域に入ればトルクがぐっと出てくるので余り不満はないかも。
◆ VWのDCTであるDSGの信頼性に不安を持っている方も多いと思う。世界で主流になりながらも日本では今ひとつのDCT、逆に世界では殆ど使われていないのに日本では主流のCVTなど、道路事情やコストを鑑みると日本独自のシステムが必要という事か。
◆ 渋滞や定速走行の多い日本の道路ではトルクコンバータ式のCVTが向いている。と言うよりもトルクコンバータによる動力伝達が渋滞時に安定した動作をすると言った方が良いだろうか。DCTの場合はいわゆる半クラッチを使うことになるので、渋滞路は苦手だ。特に乾式クラッチを使うタイプは摩擦熱を逃がしにくく、ホンダ車の問題同様のことが起きやすい。VWは7速版が乾式で6速のものが湿式クラッチだったかな。
◆ 海外でDCTが多いのは高速高負荷運転時の安定性が高いからだ。CVTの場合は連続高負荷運転では摩擦熱が発生するとか、ベルトの寿命が短くなるなどしてしまう。ベルトを押さえるための油圧も高くする必要があり、その油圧発生に要するパワーも馬鹿に出来ない。
◆ そんな事もあり連続高速運転で十分な耐久性のあるDCTと、低速低負荷ノロノロ運転に強いトルコン型ステップATやCVTと、道路事情に合わせたトランスミッションが使われていると言えば良いだろうか。
犯罪の多い県・少ない県(6/2)
◆ 毎年統計が出るが、犯罪発生率が日本一高いのが大阪府で、犯罪発生率は0.71%となる。犯罪の絶対数が最も多いのは東京都になるが、総人口が多いので犯罪発生率は0.54%と大阪府よりかなり低い。
◆ 犯罪が少ないのは秋田県や岩手県で、いずれも犯罪発生率が0.21%だ。犯罪発生数が最も少ないのは島根県となっている。クルド問題に揺れる埼玉県は0.55%であり、大阪府、兵庫県に続き全国で3番目に犯罪発生率の高い県なった。その後東京都、千葉県と続き北関東では茨城県の犯罪発生率が高い。
◆ 犯罪発生率が高いから住みにくいかといっても、県内でもばらつきがあるだろうから一概にどうのとは言いにくい。ただクルド人問題は埼玉県各地に分散して増えているようなので、治安の悪化が連鎖的に起こる可能性がある。
◆ ゴミ捨て問題同様で治安の保たれているところは治安が悪くなりにくい。ゴミの不法投棄があればそこに更にゴミを捨てていく業者が現れるようなもので、治安の良い場所では犯罪者が目立ってしまう。
◆ 日本では余り起きなかった強盗傷害事件も起きるし、不景気が長引いているからなのか、凶悪犯罪が普通に行われるような国になりつつあるような気さえする。在宅のマンションに、宅配便業者を装って押し入って金品を奪うなど日本型の犯罪とは思えないような乱暴さだ。
◆ イギリス時代の香港の一部集合住宅は、玄関ドアが強固に出来ていた。玄関ドアを破って侵入してくる輩がいるからと言う事で、容易には破壊が出来ないように作られていた。こうした住居に比較すれば日本の住宅など簡単に押し入ることが出来る。
◆ いわゆる空き巣は発覚を恐れるが、侵入強盗は防犯カメラなどがある事を前提で侵入してくる。住民が逆らえば暴行が加えられるわけで、下手をすれば殺されてしまう。ドアを開けなくても窓から入ってくるかも知れないし、ベランダから入ってくるかも知れない。雨戸があったとしても、多くの家では雨戸は閉めないんじゃないのかなぁ。
◆ 空き巣を防ぐにはセンサーライトや防犯カメラ、音の出る砂利などが良いと言われた。しかし押し入ってくる強盗は、そんなものは関係なく入ってくる。下見の段階でカメラやセンサーライトの存在が分かっていて、それを承知の上で押し入ってくる。
◆ 単独で押し入ってきた相手なら倒すことが出来る可能性もあるが、副数人で来られたら勝ち目がない。日本の場合は武器の所持も禁止されている。家の中で使えそうな武器と言えば消化器くらいだろうか。それでも15秒くらいしか噴射できないので、反撃される可能性も大きい。
◆ 110番通報したって警官が来ることまでに殺されてしまうかも知れないし、バットやゴルフクラブを振り回したって余り防御にはならなそうだ。まあそうしたことを考えると犯罪発生率の低い場所に住むのは大切だと思う。
◆ 悪徳リフォーム屋だとか屋根の修理詐欺のニュースもあるが、防犯カメラ映像を見せても警察は中々動いてくれないそうだ。事件が起きれば対処はしてくれるが、事件を防ぐことはあまりしてくれない。自動車泥棒なども、それで人的被害が出れば捜査もしてくれるだろうが、車が盗まれましただけでは積極的には動かない。
値上げ相次ぐゴミ袋(6/1)
◆ ゴミ収集が有料化されている実態では、有料のゴミ袋を買ってゴミを出さなければならない。そのゴミ袋の価格が各地で値上げされている。自治体では原材料費の高騰だと言っているのだが、値上げ幅が大きすぎると議論になる。茨城県潮来市は、これまで値上げしてこなかった分をまとめて取る的な事を言い、一気に3倍(資源ゴミ用のみ)の価格にした。
◆ 北海道の北見市でも値上げが行われるようで、値上げ率は1.5倍だ。財政難もあってゴミ袋1枚の価格は135円なのだとか。ゴミ収集が有料化されているという事は、お金を払えば(有料ゴミ袋を買えば)市区町村をまたいでゴミ捨てが可能なのではないかという人もいる。隣の市で捨てればゴミ袋代が安いという事だ。
◆ 自治体に言わせればゴミ処理費用緒全てをゴミ袋代でまかなっているのではないと言いそうだが、現実問題として越境ゴミ捨ては増えそうだ。以前にも書いたようにゴミ処理は住民税でまかなわれるべきものであって、そこに更に税金を取るというのは納得出来ない面もある。
◆ 伊豆市でもゴミ袋は有料で、家族の多い家庭などでは負担も大きいと思う。コンポストを買うと補助金が出るなどはあるのだが、イニシャルコストがかかる。で、ゴミを燃やす人が増えるのだが、ゴミ焼きが元で火災が起きるとして市ではゴミは燃やすなと言っている。
◆ ゴミを勝手に燃やされたのではゴミ袋の売り上げが減ってしまう、ゴミ袋収入は市の予算を支える大切なものだと言っているかも。伊豆市のゴミ袋は70リットルのものが1枚50円である。伊豆市の年間のゴミの量は1万トン程度、ゴミの比重は分からないのだがウチは生ゴミは少ないので70リットルの袋で3kg位だろうか。
◆ 人口3万人の伊豆市で年間ゴミ袋代収入が2億円弱、年間予算の1%程度となる。なお廃棄物処理組合の年間予算が約5億円なので、2億円のゴミ袋収入の割合は大きい。ゴミ袋代を2.5倍に値上げするとゴミ処理費用がゴミ袋代でまかなえる可能性が出てくる。市としては使える予算が増えるわけだから、ゴミ袋代は値上げしたくなるだろう。
◆ お隣の伊豆の国市は伊豆市の1/3くらいのゴミ袋代になっている。なので伊豆の国市にゴミを出しに行けばゴミ袋代がかなり節約できる。ここから伊豆の国市に行くのはちょっと時間がかかるが、市境に住んでいる人だったら伊豆の国市にゴミを捨てたくなるかも。ただしプラスチックゴミは伊豆市は無料だが、伊豆の国市は専用の袋を買う必要がある。
◆ 自治体によって異なるのはゴミ袋代の他にも国民健康保険税だとか水道料金がある。水道料金も各地で値上げが相次いでいる訳で、こうしたコストの差を長い目で見れば結構な違いになってくる。そうした違いが住みやすさだとか物価にもなってくる訳だし、伊豆市も然りなのだが人口減に苦しむ自治体は住みやすい町を目指してほしいものだ。
◆ そうは言っても伊豆市の人口はたった3万人である。高齢化と人口の減少は続くわけだから、やがては財政破綻になるのではないだろうか。伊豆半島はそれでも観光収入があるから良いが、そうでないエリアの衰退は早まっていく。観光資源があると勝手に金が入ってくると言ったらアレだが、観光客の落とすカネは馬鹿に出来ない。
◆ だから熱海は観光に力を入れ、廃墟ホテルだらけだった所が復活の兆しを見せている。ただ伊豆半島の中で熱海の成功は特別であって、伊東は未だに古びた昭和の面影のままだ。
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