過去の雑記置き場

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テスラはどこまで拡大するのか?(12/3)
◆ 2年前テスラの時価総額が急速に上昇し、トヨタに次ぐ金額になったと報じられた。そして2020年の6月にはトヨタと並び、7月にはトヨタを超えた。

◆ その後もテスラの時価増額は急速に上昇し、トヨタの4倍を超えるまでになっている。トヨタとの比較と言えば、ソフトバンクの孫さんは2017年にトヨタに次いで2番目に1兆円を超えたと言った。創業31年目の出来事である。

◆ テスタの設立は2003年なので、わずか18年しか経っていない。ちなみにテスラの営業利益は200億ドル(2020年)かな。ちなみに2019年の営業利益はマイナスだったので、まさにV字回復と言えるのかも知れない。

◆ そんなテスラなのだが日本では余り売れていない。トヨタがハイブリッドこそ最高の技術だと言っている関係もあり、EV化が遅れている。世界各国で内燃機関動力車を禁じる決定がなされる中、日本の場合はトヨタの意向を重視してハイブリッド車OKの決定となった。

◆ EV化が遅れているのでインフラ整備も遅れている。豊田社長は、インフラなど整備したって誰も使わないから無駄だと言い放つ。自動車産業は日本の主要産業の一つなのに、平成不況に突入してからと言うもの海外メーカの後塵を拝するかのようになってしまっている。

◆ 景気の良い頃であれば、新技術をいち早く取り入れて製品化し、それの評判が悪ければ又新しい物を作り出すという好サイクルになっていたのに。トヨタがEVに反対の姿勢なのでという事でも無いのだろうが、商用車などの導入では海外メーカ製が選ばれるというかそれしか選べない。

◆ テスラの好調はエネルギコストの高騰も助けになっている。化石燃料価格はどんどんあがるみたいな噂が、ガソリンに対する危機感を煽ったのだとか。この点は日本でも同じでガソリン価格が上がると車が売れなくなり、車を使う人が減る。ガソリン価格が180円を超えると、給油しに来る車ががっくり減るとはガソリンスタンド経営者の弁だ。

◆ 2008年のガソリン価格高騰時にはガソリン販売量が減少し、自動車から原付などに乗り換える、或いは自転車に乗る人が増えた。2008年当時のガソリン価格は185円を超えた。今年の9月30日に英国のガソリン価格が224円になったと報じられた。

◆ 現時点でEV用の電力に特別な税金がかけられていないから良いが、これにガソリン並課税が行われると一気にエネルギコストが上がる。走行距離課税の話も出ているが、自動車関連の課税強化は運行コストに直接影響するので物流コストが上がる。

◆ 2008年当時日本トラック協会は燃料サーチャージに関して国交相のガイドラインを案内している。昨年などは燃料費がかなり安かったわけだが、こういう時はマイナスになるのかな。

◆ いずれにしてもテスラの成長はまだまだ続く。テスラの車両を売却すると、前所有者が購入したオプション類を無効にしてしまう。オプション装備を買うと言うよりも使う権利だけを記名で借りたみたいな考え方だろうか。この辺りが日本では中々馴染めない部分でもあり、今後テスラのシェアが上がるかどうかは何とも言えない。

混変調歪みが重視された理由(12/2)
◆ 帯域外に強い電波があったとしても、それは帯域外なのだからフィルタなどでレベルを落とす事が出来る。しかし帯域内或いは隣接に強い電波があると、それはフィルタでは落とせないので、受信機を飽和させてしまう。

◆ 混信から逃れるのは受信機の帯域制限フィルタなのだが、一般的にこのフィルタはIF段に入っている。それ以前の高周波増幅器だとかミキサーには帯域内の妨害信号がどんどん入ってくる。この妨害信号に対する耐性がIP3なのだ。

◆ 1980年頃、日本のアマチュア無線人口は米国を抜き、130万人にもなったのだそうだ。狭い国土と過密都市、そこに沢山の無線局があれば隣接妨害を受ける。自分は51MHzで交信していて、隣の家の人は52MHzを使ったとしても、同じ50MHz帯という帯域内に強い局が居るので妨害を受けてしまう。しかしIP3の高い受信機であれば妨害は受けにくくなる。

◆ 現在のアマチュア無線局数は40万程度だそうだ。随分減って、町中でアンテナを見かける事も少なくなった。と言う事は、隣接局がいなくなった事でもある。だったらIP3の追求は不要なんじゃないのと思わないでもない。

◆ IP3を上げようとすると、自ずと高周波増幅器やミキサーのゲインを下げたくなる。ゲインが1であればOIP3=IIP3になるからだ。しかしそれでは感度が稼げない。メーカによっては感度よりもIP3だみたいな事も言っている。確かに短波帯では空間雑音が多いので、雑音レベルより感度を上げた所で何の役にも立たないのは事実だ。

◆ 感度にしますか?IP3にしますかみたいなつまみ(高周波ゲイン調整)があれば良い話ではあるのだが、ゲイン調整を高周波増幅器で行うのは余りお利口ではない。
高周波増幅器に入る手前にアッテネータを入れるのが正しい。

◆ この辺りはスペアナを使う人なら感覚的に分かると思う。スペアナに過大入力を入れると、スペアナ自身がスプリアスを発生してそれが表示されてしまう。なので適性入力を守らなければいけない。スペアナの画面に表示されているスペクトルのパワーだけではなく、スペアナの端子に入ってくる全てのパワーの総計を考える必要がある。

◆ ノイズの測定が面倒なのは、ノイズは広帯域に渡ってパワーがあるからだ。単位バンド幅あたりのエネルギは小さくても、総量としては大きなパワーになり、スペアナを歪ませてしまう。

◆ ただIP3が無駄に高かったとしても、それは余剰性能なのだから困るわけではない。
それこそIP3の高い無線機を2台並べておけば、同じバンド内で2人が同じ部屋から同時に通信を行っても支障が無いかも知れない。

◆ その+40dBmを謳うiCOMの無線機は120万円だったかな。台数も余り出ないだろうからどうしても価格は上がってしまう。
IF以降はディジタル処理になっているが、ディジタル部を飽和させないために、物理フィルタがたくさん入っている。

◆ iCOMによるとダイナミックレンジは110dBだそうで、だったら16bitとか20bitのADC一発で良いんじゃないの?みたいな。

アンプの歪みとIP3(12/1)
◆ アマチュア無線用の無線機の話ついでというわけでもないのだが、各社の最高級トランシーバでの宣伝文句は高いIP3のようだ。iCOMもKENWOODもIP3が+40dBmだと謳っている。ではIP3とは何か?
◆ リニアな増幅器は入力と出力が常に1:1で増減する。入力が小さくなれば出力も小さくなるし、入力が大きくなればそれに比例して出力も大きくなる。しかしものには限度というものがあるので、入力をどんどん大きくして行くとやがて出力は飽和する。飽和すると言う事は凄く歪んでいる状態で、その歪みの状態を表す一つのものがインターセプトポイント(IP)だ。

◆ 3次歪みに対するインターセプトポイントがIP3で、これが一般的によく使われる。歪みの無い状態では歪みがないのだから3次歪みも発生していない。しかし入力と出力が比例しなくなる、つまり飽和が近づいてくると歪みが起き始める。

◆ 一般的な高調波ひずみ、入力周波数の整数倍の周波数になるものは2次歪みという。1KHzを入れたら2KHzとか3KHzの成分も出て来ちゃったというのは2次歪みだ。3次歪みは2信号で考える。
◆ 1kHzと1.2KHzの信号をアンプに入れる。歪みがなければ入力周波数そのものだけが出力に現れる。しかし2信号3次歪みが発生すると、出力には1KHzと1.2KHzの他に、800Hzと1.4KHzも現れる。これが3次の歪みだ。
そして3次の歪みのレベルは入力レベルが上がると3倍で増えていく。入力が1dB増えると信号成分は1dB増えるが、3次混変調ひずみは3dB増える。

◆ 入出力が1:1なのに対して3次の歪みは1:3で増えていく。入力をどんどん大きくしていくと歪み成分は3倍で増えていき、やがて信号成分のレベルを超えてしまう。と言っても実際には飽和が先に来るので、信号成分を歪み成分が超える事は出来ない。インターセプトポイントとは、信号成分の出力レベルと歪み成分のレベルが同じになった点、実際には同じになる前に飽和してしまうので、つまり仮想のポイントなのだ。

◆ これが出力のIP3なのでOIP3などと書く。アマチュア無線用のトランシーバを見るとIP3が+40dBmですよとは書かれているのだが、それがどこのレベルなのかが分からない。例えばアンテナ入力から測った、つまり受信機としてのIIP3が+40dBですよとなると、高周波増幅器のゲインとミキサーのゲインがそれに加算されたものがミキサーの出力になる。

◆ ちなみにIP3が厳しいのはミキサーで、高周波増幅器よりも数倍設計が難しい。もしも高周波増幅器とミキサーのゲインが合計20dBあったとすると、IIP3=+40dBmはOIP3=+60dBmということになる。(実際は非線形部分があるので計算通りには行かないけれど)
◆ ミキサーの出力がIP3が+60dBmとなると、少なくともそのミキサーは出力が+50dBm位までは信号を出せる能力を持っていなければならない。+50dBmとは100Wである。
つまり受信機のアンテナ端子に1Wの送信機を接続すると、ミキサーの出力として100W出てきますよと言う性能だ。

◆ IP3と飽和出力という関係の無いものを一緒に語っているが、OIP3が+60dBmとすると1dBゲインコンプレッションが+48dBm位になり、+50dBm位から明確に飽和する特性になるためだ。IP3が〜というよりも飽和出力で語った方が分かりやすいでしょ。

先月分はこちらです

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