車検は必要か?(10/9)
◆ 車検不要論は以前からある。一方で税の徴収のために車検が必要だと財務省は言っている。車検の時には重量税が取られるわけだが、重量税は1972年に佐藤栄作内閣で徴収が決められた。名目としては道路整備のためであり、車重が重いほど道路に対するインパクトが大きいので重い車に高額税率を課すというもの。大型トラックなどはものすごい税額になるかと言えばそうではない。
◆ 自家用車の場合は1.5t以下が年額換算で12,300円だ。
トラックの場合は1.5t以下で2,500円と1/5である。5tトラックが12,500円なので、これが乗用車の1.5t以下と同じ位の金額になる。トラック業界団体など業界団体の力は強く、カネと票を握るとされるのは今と変わらぬ構図だったわけだ。
◆ その重量税だが道路整備が一段落すると集めたカネを使いきれなくなってきた。無駄とも言える道路を沢山作りまくるも、有料道路主体でありカネが余る。だったら道路の補修をすれば良いではないかと言ったところで、高速道路の総延長が増えない工事はやらないよ となってしまう。
◆ 2008年の麻生太郎内閣で自動車重量税が一般財源化された。麻生のおっちゃんは財務省の言いなりだから仕方がない。こうして自動車重量税は何に使われているのか分からない税金へと変化したのだった。
◆ その重量税を取るついでに整備してステッカーを売れば良いじゃないかと言う事なのだが、車検制度自体は1951年に開始され、重量税制定後の1973年には軽自動車も対象になっている。1983年に新車時の車検が3年に延長され、1995年の改正で10年超の自動車の車検インターバルが1年→2年となった。2002年の小泉純一郎内閣で、新車登録から13年超・18年超で増税とされている。
◆ 税の徴収が絡んでいるので車検制度はなくならないと思うが、今の車は2年や3年では壊れないとよく言われる。これが2倍のインターバルだったとしても問題は少ないのではないかと。新車は5年、次からは3年、14年目以降は2年位でも良いと思う。
◆ もっとも車検の時しか整備をしない、オイル交換をしない、タイヤ交換をしない人もいるので車検までに車が壊れるかも知れない。では法定点検を受けるという話になるわけだが、強制力のない検査は受けない人が多いだろうなぁ。サービスインターバルを表示したところで無視する人はいるわけで、そういう人の車は壊れても仕方がないとするべきか?サービスインターバルを大きく超えたらエンジンの始動を不可能にする位が必要なのか?
◆ EVでも整備箇所はあるが、現在の点検項目のままだとするとエンジン関係のチェックが全て不要になる。EV向けに新たな点検項目が増えるのかどうかは分からないが、そもそも点検項目自体が多くないし、項目によっては現代の自動車と合っていないものもある。
◆ OBD検査が一つの方向転換にもなるのだが、車両の年代によって検査項目の特例みたいなものも必要かも知れない。現状では輸入車のマフラー騒音に特例が設けられているが、トランプ対応というか対策でアメ車特例も出来るのかな。
◆ 安全な走行に支障があるかどうかは、純メカニカル的なというか、ブレーキだったり駆動系の破損やガタだったりするのでこの点は整備や点検の必須部分になるし電気的なチェックの働きにくいところだ。それ以外の制御系だとかエレクトリカルコントロールはOBD検査でだいたい分かる。
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