−AD-
急速充電EVがもたらすもの(12/10)
◆ EVが急速に普及する気配はないが、もしもある程度のEVが使われ出すと充電に要する電力の問題が出てくる。現状のEVだとピーク充電電力が50kWとか100kWなのだが、全固体電池を500kW分積んだトラックがそれを30分で充電すると1MW以上の電力が必要になる。

◆ サービスエリアでトラック50台が充電設備を使ったら、ピーク電力が70MWになりましたみたいな事になるとサービスエリア隣接地に発電所を作らないと間に合わない。しかも負荷変動が大きいので原発というわけには行かない。原発でまかなおうとすると、余剰電力をバッファリングするための施設も必要になる。

◆ そうなると火力発電所が有力で、だったら炭化水素燃料を使った自動車の方が良いんじゃないのとなりそうだ。特に高速道路の場合は回生によるエネルギ回収が余り起こらないわけだし、炭化水素燃料エンジンでもそこそこの効率になる。

◆ テスラのsemiでは1km走行辺り2kWh程度の電力を消費するようだ。走行条件や積載量によって変化するので絶対的値ではないが、500kmの連続走行に耐えるためには1MWh程度のバッテリーが必要だ。固体電池の重量エネルギ密度が300Wh/kgだとして、1MW分だと(パッケージを含めて)4tくらいのバッテリー重量になる。

◆ トラック自体の重さが増すと積載量が減ってしまうので、輸送効率が低下する。この1MWのバッテリーを(ドライバーの規定休憩時間である)30分で充電するには2.5MW位の電力が必要だ。東名高速の海老名SAでは150台の大型車が駐車出来るそうで、100台が充電設備を使うと250MWのピーク電力が必要になる。トラックドライバーは4時間ごとに休憩しなければいけないのでその時に充電すれば良いと言っている人もいるが、毎日60万台も走行するトラックが使う電力を考えると恐ろしくなる。

◆ 電力を使うのは数時間かけてだが、それを充電するのは短時間なのだから電力供給が大変だ。しかもトラックの台数によって負荷が激しく変動するので、何らかのバッファが必要になる。サービスエリアに100MWくらいの蓄電設備でも作れば良いのかも知れないが、現状ではコストが多大になる。

◆ 乗用車の場合はトラックほどの大容量のバッテリーは搭載していないが、中華EVだと最大充電電力が1MWに達するものもある。急速充電は使う側にとっては有り難いというか必須なものだと思うのだが、充電設備側を見ると相当大変だ。

◆ EV派はソーラー発電派でもある場合が多いが、夜中に走るトラックの電力はどうするのかという話である。そもそもソーラーパネル面積に対する発電量を考えると、太陽光発電でまかなえる電力量ではない。EVシフトが急速に起きた中国でも電力不足になり、政府が充電制限を行ったというニュースもあった。

◆ 米国ではAIサーバによる電力消費量が問題になっている訳で、自動車はガソリンでも走れるがサーバはガソリンでは動かないから電気を寄こせ、みたいな話すら出ているという。日本ではAI技術もEVも遅れているのだが、民主党政権時代を引きずりながら今も電力不足に陥る危険性がある。

◆ 日本でEVを本格的に使うのであれば、まずは電力価格を国際水準まで下げること、電力の安定供給のために十分な能力の発電施設を作ることが必要だ。現在の電力価格からするとガソリン車の20km/lと同じくらいのエネルギコストになる。しかも電力には消費税しかかかっていないので、ガソリン並みに課税されたら非常に高い燃料になってしまう。

昨日までの雑記は雑記置き場に移動しました。
PC版TOPページ



LIVE CAM.


お知らせ


全文サーチ


どこに何があるのか見つける為に。
F&FのBlog風1


2008−2020
F&FのBlog風A


2020−2024
F&FのBlog風A


2024-
F&FのBlog風N


2020−
HP関係


SSIとかcgiとかiアプリとか
気象関係


F&F観測所付近の映像と気象データ。
自動車関係


ワックスや燃費グッズテスト
PC関係


第一期?オーバクロック世代
旅行など


海外旅行・国内旅行・ツーリング
魚と珊瑚と猫


水草、無脊椎飼育・ネコ
デジカメ


デジカメ比較・内部拝見
家電製品他


携帯電話・家電製品・スマートフォン
料理関係


普通の人はやらない調理法
ニュースIndex


ニュースの見出し
住宅関係


土地取得から完成まで
ポリシー


プライバシーポリシー
12星座占い


当たるかな??
BBS


何でもお気軽に
LINK



Twitter



Tnx! 116,667,308 Access