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最高速度追求ドローン(12/8)
◆ ドローンの最高速度競争があるそうで、時速500km/h程度が出せるそうだ。モータは4基付けられていて、そのモータの消費電力は15kWにも達するという。現状では固定ピッチのプロペラを使っているのだが、可変ピッチにすれば飛行速度による最適化が出来るのかも知れない。

◆ 15kWもの電力を使うので、モータドライバの発熱も相当なものになる。高速飛行体なのだから空冷で良さそうなものだが、ドローン本体が3Dプリントで出来ているため熱伝導性が悪い。内部に冷却用のエアを取り込むと、空気抵抗が増大して最高速度が落ちるそうだ。そこで水冷方式を使うチームもある。水冷と言っても水を循環させてモータドライバを冷やすのではなく、氷水を入れてそれが溶けるまでは0℃が維持出来る的な仕組みだ。

◆ バッテリー容量と消費電力からして長い時間の飛行は出来ず、ごく短時間だけ冷却出来れば良いと言うことだ。3Dプリントする樹脂もカーボンなどが入った、熱に耐えるものが使われている。従来は強度と耐熱性の関係からドライカーボンを使って作られていたそうだが、近年の3Dプリンタ用フィラメントの発達で、3Dプリントによる機体の製作が可能になったという。

◆ 機体の設計は空力シミュレーションによって形状が決められたり、簡易的な風洞を使って安定度を高めたりしている。高速飛行体なので空力特性一つで機体に振動が出たり、その振動が収まらずに操縦が出来なくなるなどが起きるそうだ。まっすぐ飛ばすだけとはいえ空力安定性は重要になる。

◆ 最高速競争用の機体の設計や製作には100万円単位のお金をかけるとかで、もしかしたらスポンサーが付いている場合もあるかとは思うのだが、情熱だけでは難しい面もありそうだ。電気部分の設計はさほど難しくはないが、空力とか流体は計算や理論が複雑なので多くの知識が要求される。

◆ 実機のプロペラ機ではTu-95が925km/hの最高速をたたき出している。二重反転プロペラを搭載することで反動トルクを打ち消すとなっているが、プロペラが4個付いた機体なので機体レベルで見れば反動トルクは打ち消せる。もしかするとエンジン単位で見たときの反動トルクが問題になる?いずれにしてもプロペラ機でも925km/hは出せるわけだから、いつの日かドローンの最高速度競争でもこれに近い速度が出るのかも。

◆ 実際の航空機と違ってドローンの飛行高度は低く、空気抵抗がかなり大きい。実機よりも機体に対するエンジンパワーが大きいとは言っても、スケール感からすると機体の直径も相当大きい。機体の長さや大きさに制限やレギュレーションがあるのかどうかは不明だが、細長い機体の方が(同じ内部容積を得るものであるなら)空気抵抗的にも飛行安定性的にも良好な気がする。

◆ 機体の安定を図るために尾翼を付ける手法もあるそうだが、安定性と引き換えに空気抵抗が増えてしまい最高速度が下がるそうだ。ドローンにはジャイロが付いているので、周波数の低い機体の振動というかブレはそれが補正しようとする。これも補正に余計なパワーが使われると最高速に影響する。

◆ 振動は最高速の低下だけではなく、機体の破損にもつながる。気流による渦の周波数が機体に共振するとか、そんな感じで振動が起きるのかな。航空機だけではなくポンプのインペラなどでも振動で壊れる事がある。

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