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奇妙なエンジン(2/15)
◆ マツダのヴァンケルロータリエンジンもかなり奇妙なものだが、世界で唯一成功した奇妙なエンジンと言える。ロータリエンジンは様々な構造が考案されているのだが、どれも成功していない。その理由としてシールの難しさや熱効率の悪さがある。
◆ 一見してどこがどうエンジン構造になっているのか分からないのが、このロータリエンジンだ。アニメーションのブルーの方がコンプレッサロータで、オレンジの方が燃焼室になる。ローターに突起とくぼみがあるが、これによってロータとハウジングをシールしていて、容積変化を生み出している。
◆ 理屈から行けばこの突起の数を増やすと、ロータ1回転辺りの爆発回数を増やす事が出来る。動作としてはブルーのロータで大気を圧縮し、突起の部分を使って圧縮エアをオレンジのロータ側に送る。この時に燃料も噴射してオレンジのロータ側で着火する。オレンジのロータは排気に突起部分が押されて回転する。
◆ 理屈の上ではエンジンとしての動作をするが、シールをどうするのか?潤滑をどうするのか?難しい現実がある。構造的にはオレンジのロータだけでも空気の圧縮は出来そうで、これはレシプロエンジンのピストンを円状に配しシリンダを円形としたロータリエンジンと同様だ。
◆ このピストンを円状に配置したロータリエンジンを、ロータリ型ではなく通常の直線シリンダとしたものが対向ピストンエンジンである。ピストンは向かい合わせに配置されていて、クランクシャフトは2本ある。リンクによってクランクシャフトを1本にしたものもあるが、コンロッド相当部分の重量が増してしまう。
◆ 対向ピストンエンジンは1960年代に実用化されていて、バスやトラックに搭載されていた。燃焼サイクルとしては2ストロークディーゼルエンジンで、対向ピストンだと掃気がうまく行く(ピストンの位相をずらすので、振動は増える)事で、大出力を得られる事がメリットだったとか。
◆ その反面クランクシャフトが2本必要な事、そのクランクシャフト同士をギア結合しなければならず、高強度のギアが必要だった事などもあってその後消えていく運命となる。この対向ピストンエンジンはクランクシャフトが2本だが、クランクシャフトを3本にして三角形に配置すると3組のピストンを駆動出来る。
◆ 4ストロークエンジンとして構成するにはバルブを付ける場所が無いではないかとなるのだが、だったらシリンダにスリーブを入れてそれを可動式にして、スリーブをバルブ代わりに使えば良いんじゃないのみたいなエンジンも考案された。多くのものがそうであるように、機能や性能を求めると構造が複雑になってしまい、だったらコンベンショナルなエンジンの方が良いと言うところに行き着く。
◆ ホンダの自動車用空冷エンジンも然りであり、空冷を極めるために水冷エンジンよりも複雑になってしまったというのが、いかにもホンダらしい。ポルシェはそれでも空冷エンジンを使い続けてきたものの、エミッション問題などもあって現在は水冷エンジンになっている。
◆ 小型汎用エンジンはバッテリーとモータに置き換えられつつあるが、自動車用のエンジンもやがてはモータになるのかも知れない。
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