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マルチブランド戦略(12/7)
◆ マルチブランドというと衣料品などがそうだ。メーカ名は表に出さずにブランド名主体で製品をアピールする。ブランドは年齢だとか性別、デザイン思考だとかによって分けられている。

◆ 自動車では元々アメリカでブランド戦略が行われたのだが、車種数が増えた事による覚えにくさの解消みたいな感じだったのだとか。それがそれらの車種の持つイメージとブランド名が結びつく感じになっていく。

◆ 日本ではトヨタが行っていたが、これは販売チャネルという意味合いの延長だった。双子車や三つ子車を作り、それぞれ別の系列店で売らせることによって、あたかも車種数が増えているかのごとくの効果を狙う。双子車や三つ子車は微妙に仕様やデザインを変えることで、ユーザ層にも違いが出てくる。

◆ しかしトヨタは系列店方式を撤廃することになり、今はどのディーラでもほぼ全てのトヨタ車を買うことが出来るようになった。これに伴いエンブレムも販売チャネルのものではなくトヨタのものに置き換えられてきた。

◆ だが今後は又複数販売チャネル方式に戻す、戻すというのは少し違うのかも知れないが、販売方式としては複数チャネルになる。現状ではレクサスブランドが独立して存在していて、従来は高価格車を中心に売っていた。しかしそれだけではレクサス店の経営が成り立たないわけで、安価な車両の販売を始めた。これによってレクサス店の売り上げは伸びるのだが、客層も変わった。

◆ そこで新たな高級店戦略としてセンチュリーブランドを立ち上げるのだとか。レクサスブランドが大衆化してしまったので、更なる高価格車販売チャネルを設けるわけだ。これがそのまま存続するのか、レクサスブランドのように大衆化していくのかは分からないが、少なくともしばらくの間は高価格車を売ることが出来るに違いない。

◆ トヨタの量産方式からすると特定のブランド専用車というのは難しい。量産あってのトヨタなので少量販売車は作りにくい体質だ。例えばこうした部分をスバルが担当するとか、ダイハツが受け持つなどすれば良いのだが、それも中々難しい。結局は共通仕様になり共通部品になってしまい、違うのはエンブレムだけみたいになる。

◆ 付加価値が贅沢さにあるとすれば、部品の共通化によるコストダウンは相反するものだ。馬鹿みたいにお金をかけて一点ものを作りましたみたいな、無駄とも思える高性能とかデザイン性などがスペシャルな感じを生み出す。トヨタも一点豪華主義的なところはあって、エンブレムに金をかけましたとか、それは昔からやっている。一時期はブレーキやトランスミッションにも金をかけていたのだが、レクサスブランド車の販売低迷によって消えてしまった。

◆ そもそもレクサス店で売る車はレクサス店専用車だったのだが、今は随分それが減ってしまった。代表的なのはLS(旧セルシオ)だが、最新モデルが2017年製なので随分古い。少量生産車としては2010年のLFAがあったが、その後は登場していない。ISはアルテッツァ、GSはアリスト、SCはソアラをトヨタから持ってきたので当時はレクサス専用車だったが今はトヨタ版のエンブレム違いになっている。いくらレクサス代を上乗せするとは言っても、ブランド専用車(少量生産車)は難しいんだろうなぁ。なんて言うと日産からは「ウチは(トヨタに比較したら)全車種少量生産車です」なんて言われそうだけど。

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