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スズキは何故儲かっているのか?(9/24)
◆ 何故儲かっているのかなんて書くと、儲かったら悪いみたいになってしまうがそうではない。スズキの本社が静岡県にあることからニュースにも登場することが多く、鈴木修氏ご存命中には話題も多かった。7月には6年前から周知だった不具合を放置し、431件の不具合報告を受けて50万台にも及ぶリコールの届けを出さざるを得なくなったという特大不祥事があった。
◆ 鈴木氏は物事を徹底的にやり通す的な人物として語られる。コストダウンにしても性能追求にしても同様で、ベクトルの向きは違うのだが本田宗一郎氏的なものの見方もあったのかなと思う。
◆ 車作りにしてもバイクにしても効率化やコストダウンは徹底的に行われる一方で、金をかける部分には惜しみなく金をかける。無駄な金は1円たりとも使わないが、必要な部品なら1万円かけても作るみたいなものだ。鈴木氏はウチは浜松の中小企業だといい、謙虚さを忘れなかった。
◆ それは工場の労働環境などにも言えて、自然光を入れれば人工照明代が安く出来る(鈴木氏曰く「重力と光はタダだ」)など、あらゆる部分を見直していく。そんな中で制服(作業着)の品質を上げた話は有名だ。品質を上げるとコストは嵩むが、質感の向上は労働意欲にも現れ、また通勤着としても使えることで着替え時間の短縮などの効率化をももたらしたという。
◆ 鈴木氏が社長に就任した当時「どこの国でも良いから一番になりたい」と語った。経営状態が余り良くなく国内需要が落ち込む中、日本以外でもトップを取れれば良い、自動車メーカのない国に工場を作ればトップになれるんだよと言ったのは従業員の士気向上を狙ったのだとか。
◆ インドとの関係、現在では売り上げの4割程度をたたき出すというインド工場にも力を入れた。日本人の感覚とは全く違うハングリー精神を学び、日本人は少し贅沢すぎるのではないかとも語った。こうしてシェアを上げていくわけだが、その一方で売れすぎると下品な売り方になってしまう、白物家電の二の舞になる、一台一台を大切に売っていきたいと言い(ハスラー発表会では)軽自動車は芸術品だと語った。
◆ 2020年には創立100年を迎えたわけだが、スズキ躍進のトリガとなったアルトへの思いは強かったようで「初代アルトの発表会で話した内容は41年経った今でも変わりません。「やる気」「数字」「行動」です」とした。
◆ こうした鈴木氏率いるスズキから生まれた車が数字を作っていくことになる。鈴木氏が未だ若かったと言うこともあるのだろうが、アルトは攻めた車だった。何とか低価格にしたいという鈴木氏に対して、開発陣は無理ですと言い放った。すると鈴木氏は、エンジンが高額なんだったらエンジンを取ってしまえば良いと言い、それを聞いた開発陣が鈴木氏の本気度を思い知らされたのだという。ラジオやシガーライターもオプション、ボンネットオープナも取り去り、ウインドウォッシャは手動ポンプ式にするなどの徹底ぶりだった。
◆ こうしてアルトが誕生したわけだが、ギリギリまでコストを削って安くしても(当時の)物品税が重くのしかかった。そこでスズキはアルトを商用車にする。軽自動車の物品税率は15.5%と現在の消費税より高かったが、貨物車両として登録すればそれを回避することが出来たからだ。しかし後に国は軽商用車にも物品税をかけはじめる。すると今度はアルトに2シータ版を発売する訳で、これは2座の商用車(軽トラックなど)は非課税のままだったからである。
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