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スーパーストラットサスペンション(1/4)
◆ マクファーソンストラットの変形であるスーパーストラットサスペンションはトヨタが考案して特許を取ったものだ。マクファーソンストラットは横力をロアアームのみで支える方式で、構造が簡単でコストが安く故障率が低く組み立てが簡単という事で、現在多くの車に使われている。トヨタはダブルウイッシュボーンに負けない(レースでホンダに負けたのが悔しかったらしい)マクファーソンストラットを、の号令でスーパーストラットを開発した。

◆ ダブルウイッシュボーンサスペンションは設計自由度は大きいのだが、アッパーアームがエンジンルームに入り込むような形になってしまうため、特にエンジンルーム余裕度の小さなFF車には採用しづらい。またエンジン上部にスペースの少ないV型エンジン搭載車にも採用しにくかった。

◆ だったら(余り力のかからない)アッパーアームをなくせば良いんじゃないの?と考案されたのがマクファーソンストラットで、ダブルウイッシュボーンに代わって広く使われ始めたのだった。しかしセッティング自由度はダブルウイッシュボーン方式に劣り、アライメント変化も自由には設定しにくかった。

◆ ただ市販車の場合はコースや路面やドライバーの好みに合わせてセッティングを変える事はないため、設計時点でそれらを考慮すれば良いことになる。しかしより良いアライメント変化特性を求めたいと開発されたのがトヨタのスーパーストラットだ。これはマクファーソンストラットに変形アッパーアームを付けたものだが、アッパーアームのボディ側の固定部分をボディではなくロアアームに連結してしまった。トヨタではこれをキャンバーコントロールアームと呼んだ
◆ これによってキャンバー変化をコントロール出来、ステアリングを軽く出来るとかトルクステアを回避出来るとされた。仮想的アッパーアームが使われているので、ステアリング切れ角に応じたナックル部分の回転は、ストラットには伝わらない。マクファーソンストラットではナックルの回転に応じてストラットは回転するが、スーパーストラットの場合は回転しない。

◆ 動きは複雑なのだが、見た感じはキングピンオフセットのダイナミックな補正みたいに感じられる。キャンバー変化はリバウンド側では通常と余り変わらず、バウンド側では変化が小さい。だが欠点も多く、アーム取り付け部の摩耗問題やセッティング/修理・調整の難しさ、バネ下重量増、サスペンションストロークが短くなってしまう、サスペンションをストロークさせていくと急激に操縦性が変化してしまうなどがあり、わずかな期間で姿を消した。

◆ 一時期流行ったハイマウントアッパーアームも、そこまでするならストラットの方が良いと言うことで消えていくことになる。アッパーアームのハイマウント化によってエンジンルーム内へのアームの食い込みは阻止出来るのだが、アライメント変化などサスペンションとしての特性は通常のダブルウイッシュボーンに劣る。更にはジョイント箇所の増加とその抵抗が問題になるのは、スーパーストラット同様だ。

◆ マルチリンクもダブルウイッシュボーンの変形と言えばそうなのだが、セッティング自由度などを考えるとマルチリンクが優れている。ただしこれもアームの長さの問題があるのでフロントサスペンションには使いにくい。ダブルウイッシュボーンはエンジンルームスペースに余裕のある、縦置きFRレイアウトや縦置きミッドシップで活かせる方式と言える。

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