エンジンオイルの品質センシング(7/27)
◆ エンジンによってはエンジンオイルの交換時期を、単純な走行距離やエンジン稼働時間ではなくエンジンオイルの状態で示す仕組みのものがある。これはOQS(Oil qualitysensor)を使ったものだ。OQSの仕組みとしては誘電率と導電率で劣化と水分含有量を測り、他に粘度を測るものもある。
◆ ディーゼルエンジンではカーボンの蓄積があるので、ススの含有量を測定するものもある。オイルの品質がエンジン内部でどのような状態なのかは、オイル交換サイクルの延長や低粘度オイル化により、正確に把握する事が重要になってきている。
◆ ただしセンシングにはそれなりのコストがかかるので、日本の乗用車には使われていないのではないだろうか。以前にBlogにも書いたが低粘度オイルによる燃費向上を狙い、0W-8とか0W-16を指定する車両がある。ハイブリッド車ではエンジンを余り高負荷・高回転で運転しないので、柔らかいオイルを使っても耐えられるというのがトヨタの見解だ。
◆ アイドリングストップ同様、カタログ燃費を向上させる為なら維持費用がかさんでも関係ないというのが自動車メーカだ。もっともWTLCがスタンダードになり、アイドリングストップ効果が余り数字に出なくなると、トヨタはアイドリングストップ機能の搭載を中止した。なお世界で初めてアイドリングストップ機構を搭載したのは1971年発売のクラウンだった。
◆ アイドリングストップはバッテリーやセルモータにかかる負担も大きいが、オイルにとっても厳しいという。エンジン温度が一定しない事や始動時の燃料増量によってオイルがガソリンで希釈される。ハイブリッド車になると更にエンジン温度変動が大きく、結露によってオイルが乳化してしまうなどのトラブルもある。
◆ こうした事からOQSで水分含有量を測ったりするのがトラブル防止の観点からは良いとされるが、センサを増やしてコストを上げるよりも定期点検でオイルを交換した方が、車両が安く買えて点検代でディーラが儲かるから良いとの考え方が根強い。ただし商用車ではそうも言っていられない事もありOQS実装車が増えつつあるのだとか。
◆ BMW各車は日本では1.5万kmごとのオイル交換が指定されているが、元々は3万kmだったそうだ。しかし日本の道路事情がシビアコンディションに相当すると判断され、1.5万kmごととなった。過給器付きのエンジン車も同一なので、1.5万kmでもずいぶん長い。ただし1.5万kmごとのオイル交換で維持するには指定のエンジンオイル(100%合成油)を使用する事が条件となっている。
◆ ジムニーは5000kmごとのオイル交換が指定されていたので、3500km〜5000kmごとにオイル交換をしていた。インジケータがある訳ではないので、他の作業のついでにオイルも換えるみたいなやり方で、交換時の走行距離は一定していない。年間走行距離が1万km内外だったので、年に2回のオイル交換という感じだった。オイルは鉱物油の5W-30を使っていた。
◆ ミニは5W-40が指定なのだが、最近0W-30が加わったらしい。整備業者によっては0W-30や更に柔らかいオイルを勧めたり入れたりしている所がある。低粘度オイルが今風だみたいな感じで、低粘度オイルと添加剤を強く勧める風潮がある。何でもかんでも(非対応車にでも)柔らかいオイルを入れちゃうのは問題だと思うけど。
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