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樹脂に使えるグリス(3/7)
◆ プラスチックやゴムなどに影響を与えないものとしてシリコン系の潤滑剤がある。シリコンオイルやシリコングリスなどで、車両の整備にも使われる。シリコングリスは化学的に安定していて劣化はしにくいのだが、金属の潤滑性能が低い。要するに極圧性能というか、高荷重の部分には不適当という事だ。
◆ プラスチック製のギアと金属製のギアが使われている場所はどんなグリスを使うのか?プラスチック類に対して攻撃性のあるグリスを使用すると、プラスチックが脆くなって割れてしまう事がある。
◆ こうした場所には耐樹脂製グリスを使う。ベースはリチウムグリスが多いのだが、ウレアグリスでも使えるものがある。自動車のタイロッドエンドなどボールジョイント部分にはゴムブーツがかぶせてあるのだが、そこに塗るグリスが耐ゴム製のもので指定されている場合がある。
◆ グリスは様々な種類や粘度があるし、成分によって特性も異なる。高荷重部分にはモリブデングリスとか、大量に使う部分はシャーシグリスとか、いったい何を使えば良いのかと迷う事もある。
◆ グリスを大量に使った部分としてジムニーのナックル部分がある。片側で500ml位入れるのだが、ギリギリいっぱいまで入れると1リットル近く入るかも。沢山入れるとキングピンベアリングが錆びにくいかなと思ったのだが、熱で膨張してグリスが出てきてしまう。グリスの粘度も、余り柔らかいものだとこれもシールの隙間から出てくる。
◆ 経験的には固めのグリスを入れた方が良いと思うが、分解したときにグリスが柔らかいと感じたらデフ側のオイルシールをチェックした方が良い。デフオイルが漏れてグリスが希釈されてしまっているかも知れない。ナックル部のシールは対策品が出ているので、これに交換すると多少は漏れにくくなるかも。
◆ 新車時にはナックル部分が塗装されているのでシールが密着するらしいのだが、塗装は剥げてしまい、細かな傷が付き、シールとの密着性が悪化してグリスが出てきてしまう。これは構造的に仕方がないのかな。硬質クロムメッキとか硬質塗装をすれば良いのだろうが、ノーマルでは数年すると塗装が剥げてグリスが漏れ出す。
◆ キングピンベアリングは結露などで水分が入って錆びてしまう。ここも組み立てる時にグリスを塗りたくるのだが、その甲斐もむなしく錆びてしまう。キングピンをナックルに固定する部分に液状ガスケットを塗ってみたりしたのだが、ナックルのシール性の悪化で水分が入り込み、それが気化してベアリング部分で結露し、ベアリングが錆びるみたいなのだ。
◆ シリコングリスは水にも強いのだが、荷重がかかる部分には使えないのでキングピンベアリングには使えない。なおここはモリブデングリスでも非モリブデンのウレアグリスでも変わらなかったので、グリスそのものの耐水性には余り影響は受けないようだ。
◆ 最近の車は樹脂部品が増えていて、ミニのアンチロールスタビライザのリンクボールジョイント部分の外側はプラスチックで出来ている。こういう場所には耐樹脂製のグリスが必要なのかも。スタビライザリンクはそこそこ力が加わると思う。テスラはサスペンションアーム類が樹脂のものもあるし、(グリスは付けないだろうけれど)樹脂製オイルパンの車も増えてきている。
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